推薦図書/寓話

Last-modified: 2024-03-24 (日) 08:58:02

推薦図書

  • アリュージョニスト以外のネタバレに注意
  • サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
  • 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
  • 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
  • 参照と類似は呪力です。高めよう。
  • ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
  • 編集カラテ入門
    • 発勁用意! 次の2行をコピペして、自分の文章で書き換えます。ここは、Webブラウザ以外のアプリでやるのがオススメ。

      *** タイトル

      -説明1

  • NOKOTTA! 文章が出来たら、Webブラウザに戻り、画面の一番上の「編集」を押します。
  • GOOD! 編集ボックスが出てくるので、1で作った文章をコピペします。場所は、根性で探してください。
  • COMBO! 「プレビュー」を押して、うまくいってるか確認します。まだこの段階では、誰にも見られません。
  • EXCELLENT! 「ページの更新」を押せば、完成です!!

童話・寓話

青いかいじゅうと赤いかいじゅう 作:デイビッド マッキー 文: 北沢 杏子

  • 高い山に隔てられた二匹のかいじゅうの対立と和解を描いた絵本
  • 「日が暮れる」と「夜がくる」捉え方の異なり
  • 二匹のケンカによって山が崩れ、平らになった大地で改めて夕焼けを迎えたとき、双方とも相手の捉え方が正しいと思うようになった
    →『邪視』と『呪文』

赤ずきん

  • 賢者イヴァ=ダストとエスフェイル

悪 石坂啓

  • 「考える絵本」シリーズの五番目
  • 主人公は悪そうな顔の仮面をつけて乱暴に振る舞ったら、仮面がとれなくなり、もう一人の自分に居場所もとられてしまう話
  • しかし、それでも主人公は、天然ボケ…いや大らかで寛大な両親に受け入れられ、もう一人の自分といっしょに仲良く暮らしたのでした
  • 二人の「ボク」は同一人物だから、何を考えてるか分かるし、時々おんなじ夢をみる
  • めでたしめでたし

アライバル ショーン・タン

  • 架空の世界を描いた言葉のない絵本
    • 架空の文字こそあるものの、セリフなどは一切出て来ない
  • 移民が異国で生活を安定させ、家族を呼び寄せるまでを描いている
  • 出自が異なる移民同士が助け合っている姿やその半生も描かれ、移民先の希望としての面を強く打ち出している
  • 本はまず、アライバルの語義説明から始まるのだが、そこに「誕生」や「赤ん坊」などの肯定的な意味も含まれることが、
    • 物語のテーマを、何より分かりやすく示していると言えるだろう
  • 戦争や不況の象徴なのか、巨大な竜らしきモノの尾や明らかにナチスをイメージした巨人軍団も描かれている
  • 移民先は、アメリカをモデルにしたとおぼしきイメージ
    • 独特な街並みや不思議な動植物があり、特に小さな怪獣のようなかわいい生物が、いつも主人公についてくるのがとても良い
      →移民の受け入れ先、居場所としての第五階層(シナモリアキラ)
      電子化×

あらしのよるに 作・木村裕一 絵・あべ弘士

  • 分断と対立、そして友情の物語
  • 映画・アニメから歌舞伎に至るまでのメディアミックスに加え、シリーズをまとめた完全版や特別編、文庫版も出ている

赤ん坊大将シリーズ 佐藤さとる

  • 主人公のタッチュンは肉体的にはただの赤ちゃんだが、モモンガ服を着ると自由に動き回れるようになる

青い鳥 モーリス・メーテルリンク

  • 幸せの青い鳥はどこにいたかと考えると?
  • 戯曲形式の童話。

アンパンマン やなせたかし

  • アキラくんの新しい首
  • ダエモデクの僕の体をお食べよ
  • 愛と勇気

石のスープ

  • 詐欺の方法、あるいは、人を動かす企画や意思さえあれば成果へ到達することが出来るという民話
  • 実態が「空」のスープ
    →シナモリアキラ(【サイバーカラテ】)?

イタリア民話集 イターロ・カルヴィーノ

  • グリム兄弟をリスペクトしているイタリアの民話集
    • 上下巻で、それぞれイタリアの南北に分けられている
  • 断片的に残ったものが多い民話を、作者が「本来の持ち味を活かす形で」手を加え編纂したもの
  • 『ラプンツェル』を思わせる「まっぷたつの男の子」という話もあり、
    • 性行為無しに、助けた鰻の願いの力で自分を笑ってきたお姫様を妊娠させたりもしている 
    • また、この話は『河合隼雄著作集 第2期2 心理療法の展開』においても言及されている
      電子化×

姥捨山

  • 口減らしで、老いた母を捨てなければならなくなる昔話
  • 四章断章編「死人の森の断章4-1 冥道の番犬」におけるウォゾマ(グレンデルヒ)の話の元ネタのひとつ
  • ただし、本来はハッピーエンドで老母の知恵や思いやりを称える内容であり、老母の命も助かる話である
    Wikipedia記事

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか 森達也

  • オウム真理教を題材にしたドキュメンタリー映画『A』の監督が、古今東西の童話をリメイクした童話集
  • すごく面白いというわけではないが、表題作などこの作者ならではの話のオチは一見の価値がある

おじさんのかさ 佐野洋子

  • 交換不可能なはずの価値を失い、新たな価値を手に入れる話

オズの魔法使いシリーズ ライマン・フランク・ボーム

  • ブリキの木こりは、労災で肉体を失ったサイボーグである
  • 12作目の「オズのブリキの木こり」では、かつての恋人を探しに出かけるが・・・
  • 2作目で、そこらにあった物を組み立てて作られた人造生物「カボチャのジャック」と「木挽き台の馬」

おはなしのろうそく 東京子ども図書館

  • とても小さくて薄い(そして安い)世界の童話集
  • 様々な昔話に触れることが出来る

お姫さまとゴブリンの物語 ジョージ・マクドナルド

  • 八歳と幼いけれど勇敢で行動的なお姫さまと、気さくな鉱夫カーディ、邪悪だが間抜けなゴブリンたち、そして賢く美しいおばあさまなど、登場人物が魅力的なファンタジー
  • 霊的な存在であるおばあさまやその導きの糸は、見えない人もいるため、見える人との間にすれ違いも起きる
  • 続編『カーディとお姫さまの物語』もあり、こちらは敵が人間なこともあり、ややバッドエンド
    • こちらには、心が獣になってしまっている人や人の心を持つ獣、そして霊媒のような女中さんが登場する
      電子化○

おとうさんがいっぱい 三田村信行 絵・佐々木マキ

  • ある日突然、おとうさんが三人に増えてしまう話
  • どの「おとうさん」もどう見ても同一人物であり、彼ら自身にも区別がつけられない
  • 彼らは、「代わり」がいる存在となってしまったのだ
  • 協議の結果、家族投票で「ほんもの」を決めて「よぶんなおとうさん」は国に引き取ってもらうことで、事態は解決することになる
  • しかし、翌日、主人公は「もうひとりの自分」と出会ってしまう
  • そう、次は・・・・・・・・

お伽草紙 太宰治

オルゴールワールド 原案:タモリ 絵と文:にしのあきひろ

  • お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣による絵本
  • 空中都市と森、「好き」の有無(や経済力)によって、人が二つの領域に分かれる世界観が、少しアに似ている
  • ストーリーがシンプルすぎてあまり面白くはないが、あやつり人形(マリオネット)のように描かれる独特のキャラデザと読後感は良い
  • 夜明けの鐘をならすのは、いつも阿呆
  • 「感動」が世界をつなぐ
    →ハルベルトのライブ?
    電子化×

かえるの王さま

  • グリム童話の一つ。『かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ』『かえるの王子様』『かえると金のまり』とも
  • 落とした金のまりと引き換えに、カエルと「同じベッドで寝る」ことを約束してしまったお姫さま
  • 彼女が、約束の成就を迫るカエルを壁に叩きつけようしたときに魔法が解け、カエルは王子様に戻った
  • めでたしめでたし
  • キスをすることで魔法が解けるバージョンもある
  • 解釈としては、「生理的に嫌な相手でも長期間一緒にいると見え方が変わる」や、心理学的な「物への愛着の状態から異性愛が目覚めた」話としての理解などがある

かいじゅうたちのいるところ モーリス・センダック

  • 主人公の行動が、植民地主義だと言われたことがあるらしい絵本
  • 【邪視】な想像力で冒険に出かけた、わんぱくな子どものお話

かるいお姫さま ジョージ・マクドナルド

  • 魔女の呪いによって、物理的な重さと道場や悲しみなどの心の重さを失ってしまったお姫さまと、彼女を好きになった王子さまのお話
  • お姫さま自身のための自己犠牲で王子が死にかけても、明るく非情なままのお姫さまのドライな反応が「お涙頂戴」とは真逆で、読んでいて楽しい
    →リーナ?
  • 王子さまがヒロイン、そして地の文がわりと王子さまに容赦ない
    電子化○

キノの旅-the Beautiful World- 時雨沢恵一

推薦図書/小説/あ~さに説明アリ

クリスマスキャロル チャールズ・ディケンズ

  • クリスマスを祝う習慣を広めたとされる小説
  • 三人の幽霊(the spirits )の訪れによって、ケチで強欲な商人が改心する(それまでの行動方針を変えることを決断する)話
    • この場合、悔い改め善行を行うので宗教的な「回心」(conversion)と言ってもいいかもしれない
  • 強欲な主人公が、財産に執着したまま死んだ共同経営者の亡霊のあわれな姿や、低賃金のため苦しんでいるが家族で幸せなクリスマスを過ごしている部下の姿、孤独に死んでいく自分の未来などを見せられて改心する
  • 税金だけでなく、慈善によって弱者を支援しなければダメという、作者の主張が込められている
  • 映画化(『3人のゴースト』)やディズニーアニメ化もされている
    電子化○

くるみ割り人形

  • くるみ割り人形が美しい王子様に変身する
  • 主人公の少女がスリッパを投げつけ、ネズミの王様を打ち破る
  • 王国を継ぐ条件: 醜い人形を醜いまま愛すこと、ネズミの王を追い払うこと
  • 美しい夢を見ようぜってお話です

幸福な王子 オスカー・ワイルド

→ダエモデクの肉体分与

  • 王子の善行の媒介となるツバメは「シナモリアキラ」的?

ころべばいいのに ヨシタケシンスケ

  • 嫌がさせをされたときの気持ちの処理を教える、アンガーマネジメント的な絵本
  • いさかいや嫌がらせに対しての対処法を考える内容
  • いじめっ子などを操っている陰謀論的な怪物を想定して、そいつの得にならないように振る舞おうと決心したりする
    →『邪視』

サソリとカエルの寓話

  • ベトナム戦争を象徴するとされる作者不明の寓話
  • サソリは刺さないと約束したのに、自分を背中に乗せてくれているカエルを刺し自滅してしまう
  • サソリはベトナムだとされているが、「協力した相手を傷つけてしまう」のは、はたしてどちらなのだろうか?
  • あるいは、熟年離婚を離婚された夫側から観たら、こうした話になるのかもしれない
    アニヲタWiki(仮)>サソリとカエルの寓話

さるかに合戦

  • 仇討ちアウトソーシング
    • 依頼人である子蟹たちは、助っ人たちに依頼したこと以外は仇討ちで難の役割も果たしてなかったりもする
      →復讐、外力

さんねん峠 李錦玉

  • 光村図書の3年生用国語の教科書に、韓国・朝鮮の昔話として収録されている話であり、元は絵本の作者が記憶を元に再話したものらしい
  • 三年峠と類似した三年坂という場所も日本にたくさんあるが、単なる類話なのか日本起源なのか、あるいはもっと他に期限があるのかは不明らしい(佛教大学からWebに流出したレポートがソースだが引用不可)
  • 呪いの再解釈によって危機を脱する【呪文】のお話

三枚のお札

ミヒトネッセ4-18 ガイノイドの魔女で引用した呪的逃走譚
山姥≒零落した女神から逃げ切る話であるため、女神特効のエピソードであると言える
Wikipedia>三枚のお札

3人の息子と17頭のラクダ

ジャックと豆の木

  • 交換と略奪の話
  • 天まで届く豆の木

16歳からのはじめてのゲーム理論 "世の中の意思決定"を解き明かす6.5個の物語 鎌田雄一郎

  • 読めばゲーム理論が良く分かる、という寓話集
    • ネズミ親子の視点から、人々の生活をのぞき見る形式で語られる
    • 「猫を食べる猫」など飲み込みにくい要素も出てくるが、基本的には分かりやすく読みやすい
    • 投票や商品の値段の決定など、身近な例が多数出てくるのもいい
  • 自分の行動を決めるには、他の人の行動の背後にある考えを読み解くことが重要
    • 自分が他の人の行動について考えているのと同じように、他の人も皆の行動について考えているかもしれない
  • 全会一致が最も慎重な決め方だとは限らないし、多数決ならうまく皆の意見をくみ取れるとも限らない
  • たとえ他の人と意見が一致しても、それは話し合いを終える理由にはならない
    • もっと情報を共有すると意見は変わるかもしれない
    • 情報を共有するときには、なぜ現在の自分の考えに至ったかを伝え合うべし
      電子化○

新板 宿題ひきうけ株式会社 古田足日

  • 小学生たちが、自分たちだけで考え出し自分たちだけで運営したビジネス、そしてそれをきっかけに社会について考え出すようになった成長の物語
  • 作者の左翼思想はあからさまだし、宿題のアウトソーシングについての考察は不足しているが、その着眼点は悪くないと思う
  • 作者の本としては、『ロボット・カミイ』『ぽんこつロボット』などのロボット話や、瀬織津姫を元にした女神が出てくる未完の和風ファンタジー『甲賀三郎・根の国の物語年譜』の方が面白い
  • しかし、これはこれで様々な子どもが描写されていて、児童文学としてはそれなりに良い作品になっている
  • 天国の門による格差のアレゴリー
    • 優等生になれない代わりにガキ大将になろうとした少年の用いた比喩
    • 通信簿の相対評価(作品が執筆された当時)批判
    • 天国の門は成績で人を審判しふるいわけるが、貧乏人は、天国の門で審判を受ける資格すらない
  • 新板への改変は、旧版にアイヌ差別要素があったためであり、その批判や批判を受けた作者の思いは、新しいエピソードとして作品に生かされている

スイミー レオ・レオニ

→【融血呪】?

政治的に正しいおとぎ話 ジェームズ・フィンガーナー

  • ポリティカル・コレクトネス(多元文化的/マルチカルチュラル)による文章への制約を、逆に全力で盛り込んでみた童話集
  • 呪文の呪術使ってる感がめっちゃある
  • 自分こそが罪を背負おうと争い合う『三匹のヤギ』や登場人物がロハスな人びとばかりの『白雪姫』などが特にオススメ

セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治

  • 動物たちから様々なことを教わって上達していく、音楽家の物語
  • あるいは単独(ひとり)では完結していない、才能の話
  • ゴーシュ自身も、動物たちを知らずに音楽で癒やしていたりする
    青空文庫>セロ弾きのゴーシュ

竹取物語

  • 月から来た美形の罪人
    →ヴァージル
  • 永遠の命はあるが人の情が無い月の世界と、命は儚いが「もののあはれ」がある地上との対比
  • 永遠の命を約束する不老不死の薬では、美女との永遠の別れの代替にはならなかった

ちいさなちいさな王様 アクセル ハッケ

  • 齢をとるごとに小さくなる王様の話。夜の民感ある。

チーズはどこへ消えた? スペンサー・ジョンソン

  • 幸福を約束する「真のチーズ」を頭で探す小人たちと、本能でひたすらチーズを探すネズミたちを比較した自己啓発ビジネス系寓話
  • 本文の前後に「使用前」「使用後」で教訓を解説する小話が付属しており、それもまたある寓話っぽい
  • 変化は起きる、変化を予期せよ、変化を探知せよ、変化に素早く適応せよ、変わろう、変化を楽しもう、と「変わらなければ生きていけない」「昔にこだわるな」という話
  • 「転がる岩にコケは生えぬ」ということわざのアメリカ解釈を思わせる
    →【杖】やトリシューラの世界観?
  • そもそもチーズを追い求めるべきかという前提への疑問が無い、個人の努力がほぼ全てであり他者の助力や助け合いという発想があまり描かれてないなど、「描かれてないこと」を考察する読み方もアリかも
  • 道教的な無為を説く『バターはどこへ溶けた?』という本もあるが、チーズ側から訴えられてしまった
  • 続編の『迷路の外には何がある?』では、「チーズが見つけられなければ死ぬ」「一人で何でもやらなきゃいけない」といった点は改善されている
    • ただし「死ぬまでポジティブシンキング」なメッセージとなっていて、こちらはさらに人を選ぶかもしれない

茶色の朝 物語:フランク・パヴロフ 絵:ヴィンセント・ギャロ

  • 少しずつ忍び寄ってくる全体主義の恐ろしさを描いた寓話
  • 「茶色」以外の犬を飼ってはならないという法律から、少しずつ、猫が、本が、そして「以前、茶色以外の犬を飼っていた」人間までもが規制され、逮捕されていく
  • 思考を停止しないこと、考え続けることの大切さを訴える話
  • 許されているのが「茶色」だけなのは、ナチスが初期に茶色のシャツを着用していたことに由来する
    電子化×

ツェねずみ 宮沢賢治

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集 sanpow

推薦図書/小説/あ~さ

泣いた赤鬼 浜田廣介

長靴をはいた猫

  • 成功のための努力や智恵は、全て猫に任せきりのサイバーカラテな話

ニ老人 トルストイ

  • タイトルは『二人の老人』と訳されることも
  • 知らずして神意に従う道を選んだ老人と、それが出来なかった普通の老人の話
  • 特に悪いことをしてないのに普通の老人のほうが不幸になりすぎる、と感じるかもしれないが、それは「神意を受け入れるかどうか」こそが人生において肝心なことだということ著者の思想を表しているのだろう
  • 著者の似たような作品としては『人はなんで生きるか』『愛のあるところに神あり』などがあり、後者は、比較対象が無いぶん心温まるストーリーになっている

人魚姫 ハンス・クリスチャン・アンデルセン

  • じつは最後に、人魚姫が善行によって風の精に転生し、さらに天国行きを約束される話だったりする

ねずの木の話

  • グリム童話の一つであり、鳥に転生しての復讐譚
    →断章編で、怪鳥アキラとなったアキラくん
  • アールネ&トンプソン(増補:ウーター)『国際的昔話話型 分類と文献』には、最後に元の姿で生き返るバージョンが記録されている
  • アジアにも同様の話は多く伝承されており、稲田浩二『日本昔話通観 第28巻 昔話タイプインデッックス』でも「継子の訴え」として分類されている

眠れる森の美女

  • いばら姫とも
  • 四章断章編・ラフディの話での贈り物の下り

のんびりこぶたとせかせかうさぎ 作:小沢正 絵:長新太

  • 擬人化された動物たちが人間社会に溶けこみだした世界で、ルームシェアして暮らしている親友の話
    • 動物が、人間と互角の活躍をすることを願う(今で言う)「意識高い系」のうさぎは、大好物のキャベツの夢ばかり見ているこぶたくんに、イライラしがちだった
    • 自分たち動物の地位向上のためには、夜に見る夢の内容からして上等なものでなければならないと考えた彼は、親友にそういった夢を見るように強要するが、実は彼自身も・・・
    • 誰もが持つ欠点を受け入れながら、やさしく包み込むような素敵な童話
  • 同じ作者の本では『目をさませトラゴロウ』、自分を見失う哲学的な恐怖を描いた『たぬきのイソップ』共産主義国家を皮肉ったような『ねことさいみんじゅつ』などがオススメ

バターはどこに溶けた? ディーン・リップルウッド

  • 『チーズはどこへ消えた?』構成全体が『チーズ』のパロディとなっている
  • 「たしかなものなどない」という諸行無常の観点は元ネタと共通しているが、こちらは道教的な無為を称揚する内容となっている
  • アメリカ人ぽいキツネたちが、日本人ぽいネコを騙そうとして因果応報な目にあったりするあたり、パロディ元より寓話っぽいかも
  • 説教臭さを消そうとした意図はうかがえるものの「ありふれた幸せに気づけ」「足を止めてしっかり自分を見つめよ」「清貧の志を持て」と、こちらもこちらで結構説教臭い
  • この本で説いている方向性も保守主義や停滞に陥りやすい傾向があるし、パロディ元と比較することで、そしてやはり本にないことまで考えることで初めて意味を持つ本なのではないだろうか?
  • それはそれとして、イラストのネコたちがかわいいし楽しそうだ
  • 「向上や前進のために、どれだけ大切なものをなくしたことか」
  • 「ほんとうの宝は、勝ち取るものではない。出会うものなのだ」
  • 「バターがなくても幸せ。バターがあればもっと幸せ」
  • 「バターを追いかけることは、恐怖に追いかけられることである」
  • 「なくなったものはしかたがない」
  • 「移りゆく物事のすばらしさを知れ」バターはいつかなくなるからこそ美味しいのである。欲望にはきりがない。
  • 「心から楽しめ」バターなんてなくても、自分にとって大切なものさえあればそれで良い。なんとなく感じる幸せを喜べ

裸の王様 ハンス・クリスチャン・アンデルセン

  • "「女王様は、裸だ」""「僕には服など見えないな」"

蜂の寓話――私悪すなわち公益 バーナード・デ・マンデヴィル

  • 個人の悪徳が、結果として社会を繁栄させるというグレンデルヒな寓話
  • ストーリーもほぼぞれだけであり、欲望による蜂の巣の繁栄とその消滅による衰退を説明するだけの、架空の歴史に近い内容である
  • アダム・スミスの「見えざる手」とほぼ同じ(ただし、彼の方は別の意味でも使っているしマンデヴィルには批判的だった)と言えば分かりやすいか
  • 思想にはオリジナリティは無かったものの、韻文だったために世に広まり大いに議論を呼んだという(和訳だと魅力はあまり分からない)
  • 分厚い本(内容ほぼ解説と作者弁解)になって和訳されており、さらに作者の反論を寓話化した続編まで和訳されている

葉っぱのフレディ レオ・バスカービリア

  • 死と”いのち”について描かれた絵本
  • ”いのち”の巡りは一種の転生と言えなくもない

ハナさんのおきゃくさま さく:角野栄子 え:西川おさむ

  • 山と町のさかい目に引っ越したハナさんのところに、不思議なお客さまがたくさん訪れるお話
    →第五階層?
  • はたして、もてなし好きのハナさんは、全てのお客さまを満足させることができるのでしょうか?
  • 夫と死に別れ子どもが自立して、一人になっても楽しく元気に暮らしているハナさんが良い
  • ハナさんは、おばけを怖がらないために仮装して自分もおばけになったり、「山ばあさん」(山姥)に対抗して「さかい目ばあさん」を名乗ったりして、全力でお客さまをもてなしていく
    →『杖』?『呪文』?
  • 闇そのものである「まっくろくろ」や男の子のオーバーなど人間以外のお客さまもたくさん来るのも楽しい
    →マロゾロンド?

はれぶたシリーズ 矢玉四郎

  • 『はれときどきぶた』
    • 現実になる明日日記
    • アニメ化もして、原作以上にカオスになった
  • 『ぼくへそまでまんが』
    • 日常の出来事を漫画にして笑えば、自分を客観視することが出来る
    • そしてやっぱり、描いたでたらめな出来事が実現してしまう
      →死人の森の断章?

ビジネス寓話50選 博報堂ブランドデザイン・編

  • ネットなどから拾ってきた寓話に、解説をつけたものであり、よく見る話がたくさんある
  • 寓話の持つ「体験させ力(疑似体験)」「感受させ力(記憶しやすい)」「参加させ力(無用な対決を産まない共有財産になる)」を主張している

美女と野獣 ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ

  • 愛の力によって野獣の呪いが解ける話
  • 「結婚相手を顔で選り好みするな」的な若い娘への教訓?
  • 広く広まっているのは、ボーマン夫人による短縮版

ヒットラーのむすめ ジャッキー・フレンチ

  • 現代のオーストラリアで子どもたちが退屈したとき、ある女の子が、存在しないはずの「ヒットラーのむすめ」の話をし始めた
  • もし自分が「ヒットラーのむすめ」だったら、独裁者の悪に気づけただろうか?戦争や虐殺を止められただろうか?
  • 女の子の物語が、現代と二次大戦中のドイツを繋いでいく

ひとりぼっちのモンスター 作:アンナ・ケンプ 絵:サラ・オギルウィー 訳:たなかあきこ

  • おじいちゃんのモンスターが、幼いが勇敢な騎士パーシバルと友情を結び、町のみんなに受け入れられるようになるまでの物語
  • むかし、町で迷惑行為を繰り返したために追放された、ロック好きのモンスターがいた
  • それから60年の時が過ぎ、すっかり年をとったモンスターのデイブじいちゃんは、争いを嫌い洞窟に住んでいた
  • しかし、今度は人々のほうが、もはや何もしないじいちゃんに襲いかかってくる
  • ニンジンで武装したちいさな騎士パーシヴァルも、その中の一人だった
  • じいちゃんに説得されて、騎士らしく優しく振る舞うことにした彼は、じいちゃんと友だちになった
  • そしてパーシバルは、(退屈をモンスターで解消するため遅いかかってきた)町のみんなとじいちゃんを和解させ、仲直りのライブ・パーティを開くことに成功したのだ
  • そう、平和で退屈していたみんなに必要だったのは、ロックであり、モンスターだったのだ!
  • じいちゃんが住んでいるのが海岸であるたあり、ワーグナーのオペラ『パルジファル』をアリュージョンしている可能性が高い?

100万回生きたねこ 佐野洋子

  • 100万回生きたことが自慢だった、一匹の猫の物語。
  • 猫は、100万と1回だけ生きて、それ以上は決して生きることがなかった
  • 最後に、自分よりも大切なものを見つけることが出来た猫の転生者の話
    →断章編で語られた、再生者に必要な区切り?

百万光年のちょっと先 古橋秀之

  • "百万光年のちょっと先、今よりほんの三秒むかし"
  • 子守りロボットメイドによって語られる「今ではないとき、ここではない場所」を舞台としたおとぎ話
  • さまざまなポストヒューマンや人格を持ったモノたちの悲喜こもごもの「人生」が描かれ、基本的にハッピーエンドで終わるショートショト集
  • 話のクオリティにはバラツキがあるし、カップルの成立で問題を解決する話も多いが、どの話にも人情や深いやさしさや人生訓、そしてなによりユーモアが含まれている
  • ア読者向けには「恋文ロボット」「顔をなくした青年」「絵と歌と、動かぬ巨人」「首切り姫」「トン、コロコロ」「彗星の鉱夫」「キリリと回せば、勇気百倍」
    • あとは「卵を割らなきゃオムレツは」「四次元竜と鍛冶屋の弟子」「パンを踏んで空を飛んだ娘」「稲妻のような恋」「死者のボタン」「墓守りと風の幽霊たち」「シャラリシャラリと、ガラスの実」あたりがテーマ的に合ってるかも
    • 上記以外にも、孤独な男の物語である「穴底の男と凍った娘」も良い
  • 眼鏡(イラストでは変形モノクルに近い)、家具として重用される、木製ボディ、そしてお茶目な子守りのロボットメイドが好きな方には特にオススメ
  • ストーリーがシンプルすぎるの関わらず、わりと厚い本なので、少しずつ読むのがオススメ

昼の少年と夜の少女 ジョージ・マクドナルド

  • 魔女の手によって、それぞれ一日の半分だけしか知らないように育てられた二人の子どもが出会い、協力して行動するようになるお話
  • 少年は夜が怖く少女は昼が怖いため、それぞれ自分の属していなかった時間になると恐怖で行動不能になってしまう
  • そして少年に至っては少女の感性が理解できなかったため、一度は少女を恐怖の中に置き去りにしてしまったりもする(直前まで彼女に助けられていたのに)
  • 作者の死生観を伝える一種の寓話であり、すべての中心たる太陽的な神とその領域である天国を賛美し死を肯定する思想が描かれているため、人を選ぶかも
  • 少女のほうが勇気があると断言され活躍しているので、フェミニズム的には比較的優れている作品であり、珍しくヒロインが浅黒い肌で美しいと明言されているため、ポリコレ的にも正しめの作品でもある
    電子化○

不思議の国のアリス・鏡の国のアリス ルイス・キャロル

  • 【賢天主】アリスのフォービットデーモンが押韻<ライム>
  • 『不思議の国』は、もともと『地下の国のアリス』という題名だった
  • リールエルバの仮想使い魔きらきら蝙蝠
  • トゥイードルディーとトゥイードルダム(元はマザーグース)

ブレーメンの音楽隊

→シナモリアキラ?

ぼくは王さまシリーズ 寺村輝夫

  • 『魔法使いのチョモチョモ』
    • 魔法で幽体離脱しているために目を覚まさない王さまの肉体を、科学で無理やり動かそうとして「もう一人の王さま」が生まれてしまう
    • もう一人の王さまはとても乱暴でわがままであり、普段とは真逆に臣民たちをこき使って大暴れする
      →シナモリアキラ【火車】、■■■■■(元アルト王)、ヴァージル?
  • 『王さまロボット』
    • 王さまの仕事をなんでも代行してくれるロボットが登場する

ぼくを探しに(The Missing Piece.) シェル・シルヴァスタイン

  • 自分の欠けている部分を埋めるために旅立った「パックマン」みたいな図形の話
  • 余計な解説は、無視して読むのが一番
  • まあ一応解説しておくと「他人は自分の欠落を埋める補修材ではない」というあたりが、アリュージョニストっぽい

ほらふき男爵シリーズ G.A.ビュルガー

  • 実在の人物「ミュンヒハウゼン男爵」に仮託されて作られたらしい、トンデモ冒険記
  • 自分のブーツの紐を引っ張って底なし沼から脱出したりと、【邪視】的な理屈が満載されている
  • 「代理ミュンヒハウゼン症候群」や「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」の語源でもある

翻訳できない世界のことば エラ・フランシス・サンダース

  • 世界各国の、翻訳しきれない微妙なニュアンスの言葉をまとめた絵本
    →言語多様性の重要性
  • 温かみのある絵が良い
  • 類書に『誰も知らない世界のことわざ』もある
    電子化◯

マザーグース

  • ズタークスターク感
  • トゥイードルダムとトゥイードルディー

豆選びが好きな王妃さまの話(紹介者が適当に命名) 帽子男

  • 童話めいたTwitter小説
  • 結婚に親戚が重要だったり、四章ラフディ編っぽい
    電子化○ リンク

みどりのゆび モーリス・ドリュオン

  • フランスの児童文学
  • あっという間に花を育てることが出来る不思議な「緑の親指」を持った少年、チトの物語
  • 花による貧困、病気そして戦争の防止
    • ただし、戦争防止は、兵器に花を生やして使えなくするという力づくだし、戦争が起きる理由も国家の強欲と戦争狂しか挙げていない
    • 環境改変による人心への干渉
  • 「死」という悪だけは、花で対抗することは出来なかった
  • 最後に明かされる、チトの正体
    電子化×

みにくいシュレック ウィリアム・スタイグ

  • アニメ映画『シュレック』の原作である絵本
  • みんなに嫌われることが好きな、醜い怪物の話
  • 騎士道物語を少しひねったパロディでもあり、醜い怪物には醜いお姫様がちゃんと待っていたりもする
  • シュレックにとっての悪夢は「みんなに愛されること」だった
    電子化×

メアリー・ポピンズシリーズ パメラ・L・トラヴァース

  • 聖書やマザーグースが出典の人物や物語が多く、お話の中の人びとが外に出てきたりすることも多い
  • メアリー・ポピンズには、魔女疑惑がある
  • オススメは、「隠された本当の姿」を巡る話「どのガチョウも白鳥」(『公園のメアリー・ポピンズ』収録)

目をさませトラゴロウ 小沢正 絵・井上洋介

  • どこか哲学的というか、ときに夢と現実の境目が分からなくなるような、そんな童話集
  • 自分は確かにここにいるが、実は、よそにいる「自分」が見ている夢の自分なのではないか、という疑い
  • トラゴロウは「きば」をなくせば、虎は虎ではないので、他の動物を食べることはない
  • しかし「きば」を取り戻せば、トラゴロウは立派な虎なので、これまで普通に話してきた動物をあっさり食べてしまう

木曜日はあそびの日 ピエール・グリパリ

  • 色々サポートしてくれる「万能人形スクービドゥー」や見えない召使いが手伝ってくれる「誰やら、何やら、もしくは賢い妻」などアっぽい話がいくつかある童話集
  • 人魚姫と王子の結婚の話など、昔からある話をアレンジしたようなものも結構ある
  • 大人向けの説明として、パリの次元のくぼみに存在するブロカ通りと、そこで子どもたちと物語を作る魔女な作家の物語が語られている

桃太郎

  • 原初の【使い魔】とサイバーカラテ的な戦力の外部依存

雪の女王 ハンス・クリスチャン・アンデルセン

  • コルセスカによるアキラくんの感情制御
  • ディズニーの『アナと雪の女王』の原作だが、さらわれた幼なじみ男子を助けるために女子が奮闘する話であり、アニメとは全く違う話
  • 女王の感情制御と支配からは、愛によって「永遠」を見出すことで解放されることが出来た
    →『最果ての二人』?
  • 何の能力も持たない少女の熱意こそが最強であり、助力など不要!という話でもあり、ある意味アリュージョニストとは真逆

ゆめぎんこう コンドウアキ

  • 夢を売買するゆめぎんこうの営業を描いた絵本(二巻まで出ている)
  • 銀行の頭取?のペンギンのぺんぺんが、夢とそれを見る人を媒介し、小さな幸せを届けている
    • まあ今のところ夢を投資したり利子がついたりはしないし、その業態は銀行というよりリサイクルショップなのだが
      →資本主義ミーム、夢世界
  • 店主のペンギンのぺんぺんが、実はあまり自分の仕事が好きではないことが、かえって良い味を出してる
  • 自分で見た夢を覚えていなかったり、いろんな夢を見たのに最後の悪夢しか覚えてなかったりと、夢のふしぎも描かれているのが良い
  • ちなみに、夢は飴にして売られており、バクに食べさせて回収する
    • どうやって飴にするかは企業秘密だが、まあ、大人ならだいたい原理は想像つく…
      電子化×

ラプンツェル

  • 魔女の養子となった少女の運命を描いたグリム童話
  • 現代から見れば、ヒロインが一人で出産できて、荒野で子育てをこなしている下りが、一番おとぎ話なのかもしれない
  • ヒロインの妊娠(後の改訂で明確な記述は削除)や王子が塔から身を投げて失明するくだりなどが、アに引用されている
  • この物語の魔女は、(本人なりに大切に育ててはいるかもしれないが)娘を監禁している毒親であり、そのあたりの要素も反映されているかもしれない
  • アレッテ・イヴニル
    • ただし、作品タイトルにもなっているヒロインは、村人の娘かつ魔女の養子であり、実はお姫様ではなかったりする
  • Wikipedia>ラプンツェル
  • ペトロシネッラ/ペルシエット>円環伝承(信頼性不明だが面白い記事)

るすばんばんするかいしゃ 寺村輝夫

  • 初めて一人で留守番することになった男の子が、遊びに行くために、自分の留守番を「るすばんばんするかいしゃ」にアウトソーシングしてもらおうと電話で依頼した
  • しかし「るすばんばんするかいしゃ」の正体は「子供を見張ってしっかり留守番させる会社」であり、男の子は逆にしっかり留守番をするハメになってしまう

ルンペルシュティルツヒェン

  • グリム童話
  • バケモノの名前を当てて倒す話の典型
  • 日本版には、絵本『だいくとおにろく』がある
  • こちらの元ネタは『ヴィンランド・サガ』に関係あるノルウェー王オーラヴ2世らしい
    ブログの解説記事>まず米、そして野菜

ロボットのくにSOS たむらしげる

  • ルネくんとフープ博士が、発電機の壊れたロボットの国を救うため、ゼンマイロボットと共に地下世界へ冒険の旅に出る絵本
  • 温かみのある絵もストーリーも良い
  • はぐれ者が、その特徴を活かして仲間を救う
    • 人によっては、弱者に犠牲を押し付ける展開だと感じることも
  • 転生者も出てくる?
    電子化×

わらしべ長者

  • 交換で大きな価値を手に入れる話