- アリュージョニスト以外のネタバレに注意
- サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
- 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
- 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
- 参照と類似は呪力です。高めよう。
- ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
- 編集カラテ入門
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** タイトル
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- 推薦図書/その他/書籍類
- ら行
- ライブハウスの人類学 音楽を介して「生きられる場」を築くこと 生井達也
- 落語にみる江戸の「悪」文化 編:旅の文化研究所
- ラディカルズ 世界を塗り替える〈過激な人たち〉 ジェイミー・バートレット
- リアル人生ゲーム完全攻略本 架神恭介 至道流星
- 理解できない他者と理解されない自己 寛容の社会理論 数土直紀
- 理想の自分をつくるセルフトークマネジメント入門 鈴木義幸
- リストカット・自傷行為のことがよくわかる本 林直樹
- 利他のすすめ チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵 大山泰弘
- RITUAL 人類を幸福に導く「最古の科学」 ディミトリス・クシガラタス
- リメイクの日本文学史 今野真二
- 隣人が殺人者に変わる時シリーズ ジャン・ハッツフェルド
- ルポ雇用なしで生きる スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦 工藤律子
- ルポ タックスヘイブン 秘密文書が暴く、税逃れのリアル 朝日新聞ICIJ取材班
- ルナル・サーガ・リプレイ 友野祥 グループSNE
- ルネサンスのライヴァルたち ローナ・ゴッフェン
- ルワンダ・ジェノサイド生存者の証言 ジョセフ・セバレイジ ラウラ・アン・ムラネ
- 歴史と向き合う 朝日新聞取材班
- レトリック認識 ことばは新しい世界をつくる 佐藤信夫
- 路地の教室 部落差別を考える 上原善広
- ら行
- コメント
推薦図書/その他/書籍類
ら行
ライブハウスの人類学 音楽を介して「生きられる場」を築くこと 生井達也
- 研究者とインディー・ミュージシャンを兼ねている筆者が、批判されがちなライブハウスの価値を訴えている本
- ライブハウスにおける人びとの価値創造とはいかなるものかを明らかにすることを通じて、
- 生きづらさが蔓延する現代社会における人びとの生きられる場を構想し,
- 同時に社会学と人類学の研究に貢献しようとしている
- 学術書ではあるが、小まめなまとめがあるし、取材された人びとの語りなど読みやすい部分も多い
- ただ、解説されていない専門用語もあったりもする
- 「生きづらさ」の感覚は、現在のグローバル市場社会=ネオリベラリズム社会における支配的なイデオロギーの下に生きる人びとが、多かれ少なかれ抱かずにはいられないもの
- 自分(達)のしている行為に含まれる言葉にならないような意味付けや価値観が、
- 外からの価値基準や圧力によってバラバラに断片化され、色づけられていくような「生きづらさ」
- しかし同時に、そのようなイデオロギーに囲いつくされ周辺化されているところでも、「楽しさ」や「喜び」を誰かと共に見出すことが出来る
- HOLというライブハウスにおける〈常連〉たちは、自分たちが包摂されている支配的な圧力からの名付けや価値付けを踏まえながら、
- ライブハウスという空間や音楽実践の意義などを、「コンヴィヴィアリティ」のための道具」として変容させることによって、自分たちにとっての「生きられる場」を構築・維持していた
- そしてそのような人びとの創発性は、(批判されがちな)ライブハウスの閉鎖性と反復があったからこそ、導き出されたものだということが重要である
- ただし、注意しなければならない
- そのようなコンヴィヴィアリティを伴う「生きられる場」は、実態的なものでも永続的なものでもない
- 特にそれがモラリティ(道徳)という明文化されていないハビトゥス(慣習)的なものに支えられている点で、そこで創出される〈ローカリティ〉(地域性)は不安定性を抱えざるをえない
→アルトの王権『道徳』 - 自分たちの楽しさを共有することの出来る「生きられる場」を構築・維持するという実践は、すでにそこに「ある」
→独自の価値を生み出す場としての地下アイドル迷宮や第五階層(シナモリアキラ)?
- ただし、何度も述べているように、そのような価値と場は実態的にあるのではなく、強力なディスコースによって周辺化や不可視化される中で関係論的に創発されるものである
→『呪文』の効力とその不安定さ?『使い魔』的な『呪文』?- そのような意味でそのような価値は、どこにでもあるがそこにしかない「新たな価値」となりうるのである
- ア関連では、ハイデガーの道具論を流用しているイリイチの「コンヴィヴィアリティ」=相互依存の中にあるのうちに実現された個的自由であり、またそのようなものとして固有の倫理的価値をなすものの概念や、
- 「冷たい貨幣」(貨幣以上の価値以外は何も付与されていないお金)と「温かいお金」(人と人との関係のなかで、あるいは関係のために使用されるお金)の二分法の応用が、特に興味深い
- 筆者は、その「贈与←→市場交換」というヨコ軸に、「一時的←→継続的」のタテ軸を追加、四象限図式にして新分類を作り、参与観察したライブハウスにあった価値を説明している
- すなわち、関係を樹立しない一方公的な贈与「冷たいお金」
- =絶対的な力関係を前提とした「施し」や関係解消のために使われる「手切れ金」の概念や、
- 「温かい貨幣」=「金銭を支払う価値のあるものである」と示すことで、親しさや内輪的ではない「正当な評価」や「リスペクト」、その作品ないし表現の代替不可能性=単独制を保証することである
- 筆者はこれらを、市場原理と贈与交換のブリコラージュであると主張している
- ライブを観合うことや作品を買い合うことという、一見すると互酬的な交換にも見えるような行為は、金銭を介入させることにより、相手への尊敬や承認を表すと同時に「内輪」になりすぎない距離を生み出し、
- お互いの単独制を保証することで、関係性が近づきすぎることを回避していた
- そして同時に、店に「金を落とす」ことでその経営を支えて、自分たちが共に楽しめる場を維持していたのである
→『使い魔』的『杖』の使用?
電子化◯
落語にみる江戸の「悪」文化 編:旅の文化研究所
- 落語やその背景である江戸文化の「悪」についての研究や考察をまとめた本
- これまで、学術的な資料としては無視されてきた道中記や「ぞっき本」などにも光を当てようとしている
- 博打打ちや「護摩の灰」と呼ばれた旅先での泥棒、「悪」関連の落語解説などがあり、江戸の風俗が克明に見えてくるのが良い
- 他にも、文化人類学におけるトリックスターとしての「悪人」や「悪漢」についても触れられており、「悪」の多様性をうかがわせてくれる
- 日本語における「悪」には歴史的な変遷がある
→『呪文』- さらに「悪所通い」は、制度的価値観や倫理を超越した「悪」の虚構空間だった
- 近世文学も悪所を舞台として花開いたし、同時にそこは太夫を菩薩と仰ぐ「聖なる空間」でもあった
- さらに「悪所通い」は、制度的価値観や倫理を超越した「悪」の虚構空間だった
- (建前では禁止されていたはずの)人身売買が行われていた盛り場も、実は万年赤字だった幕府の収入源として黙認されていた
- 「悪所」は江戸時代にあって唯一身分制度の規制を外せる息抜きの場でもあり、商談や社交の場として流通経済の一端を担ってもいた
- また、孝行・忠義という正義のもと、身売りは美徳となってもいた
→『道徳』四章断章編アルト王のおとぎ話
- その他ア関連要素
- ヤクザの「一家」
→疑似家族、使い魔
電子化×
- ヤクザの「一家」
ラディカルズ 世界を塗り替える〈過激な人たち〉 ジェイミー・バートレット
- 世界のさまざまな過激な人たち(サウジアラビアの自由民主主義者などは除く)への取材を通して、現代社会のあるべき姿をを問い直すノンフィクション
- 欧州の反イスラム運動、トランスヒューマニスト党の実態、リバタリアンのための国と税金も契約次第なネット上のビットネイション、幻覚剤による「霊的な部分」の補完など、扱っている運動がバラエティ豊かで面白い
- 過激な人たちこそが社会に必要だとして、彼らの存在やその運動に肯定的なのが特徴
- ただし、それはそれとして運動の犯罪的な面はしっかり指摘したりもする
- 「過激な思想や運動は、健全で自由な社会には不可欠だ」
- ラディカルズ=現代社会において何かを絶対的に間違っていると考え、自分たちはそれを改める方法を知っている人たち
- 彼/彼女らは既存の社会通念を受け入れず、市民的不服従を実践することで、迫害され、メディアに誤って取り上げられる
- しかし、今日の過激な人々が明日の主流派となるかもしれないことを、歴史は繰り返し教えてくれる
- 公民権運動のきっかけローザ・パークスや女性のマラソン参加を可能としたキャサリン・シュワイツァーのように
- 解説:本書がいまの時代状況に置かれたぼくらに最も響くのは、ラディカルな思想を社会が許容できるかどうかを通して、「自由な社会」の意味と本質を切り取ろうとしているから
- 通奏低音として、過激であるがゆえに、時に暴力や憎しみを煽る可能性さえある思想に対して「わたしたちはどこまで寛容であるべきなのだろうか」という問いがある
- 自由な社会に住むということは、ラディカルな人々に「永遠に悩まされ続ける運命」にあるということだ
- そして著者は、そのラディカルな人々こそが、理想的な社会に欠かせない構成員であるとしている
- なぜなら、「自分たちの生き方を批判的に見たり、体制にたてついたり、面倒を起こしたり」といったことこそが、自由で民主的な社会がこれまで守ろうとしてきた価値に他ならないからだ
- 社会に必要とされる役割「人々が批判的に物事を考えて、自ら判断する能力」を養うこと
- もし、国家や企業の規制によって急進的・過激なコンテンツがすべて削除されたら、やがて人々は「自分では何も決断することが出来ない、貧弱な市民に成り下がるだろう
- 社会も「退屈で単調な、誰も疑問に思わない定説と一般通念にとらわれた」ものになるだろう
- ネット規制とアルゴリズムによる最適化の果てに、ぼくらの社会が進もうとしているのが、まさにこの方向だ
- 「自由か、さもなくば幸福か」という議論
- 自由と幸福が対立構造にあるのだとすれば、ぼくらは、そのどちらかを選ぶのかという岐路に立たされている
- 「面倒でやっかい」な自由を追求するのか、あるいはアルゴリズムの最適化に身を委ねて衝突も自由もない「幸福な」社会を保証してもらうのか
- 本当に「出た杭」を、ぼくらは社会として受け止める覚悟があるのだろうか?
- トランスヒューマニストが目指す不死そのものも、ときにたくさんの複雑な問題をもたらす
- 死を回避できると本気で期待するようになってしまったら、人はそれに振り回されて、くたくたになってしまうかもしれない
- それに、死というものがなかったら、人間らしさはどのように保たれるのか、答えを出すのは難しい
- 永遠に考え方を変えない年寄りだけの世界よりも悪いものがあるだろうか
- 不死が意味するのは、社会的・政治的改革が、息絶えてしまうことなのではないか
電子化○ KindleUnlimitedで0円
リアル人生ゲーム完全攻略本 架神恭介 至道流星
- 「人生」をゲーム風に描き、その攻略法をまとめている本
- 「クソゲー」と非難を受けがちなその欠陥やランダム性にも触れつつ、それでもその中でより上手く楽しんでプレイすることを勧めている
理解できない他者と理解されない自己 寛容の社会理論 数土直紀
- 他者とともに生きるための条件を考察している本
- あえて断言すれば、ほとんど現状を整理しているだけではある
- しかし、その現状整理こそが問題解決のために、まず必要であるという点こそが、この本のスタンスである
- 著者は、ゲーム理論やリベラル・パラドックスなどを分かりやすくていねいに追究しており、そこから理解できない相手と共生する方法をこそ模索することこそが必要だ、という主張につなげている
- 対立を乗り越える社会的決定ルールは、形成できない
- 対話による合意形成に失敗したときに(お互いの自由を尊重しあいながら)私と他者の双方が満足するように対立を調停してくれるような社会的決定ルールを、予め用意することは出来ない
- 特に、相互理解を要請することに潜む「暴力性」を指摘し、新しい型の相互理解が必要とされているとする視座が良い
- 新しい型の相互理解とは「理解できない/理解されない」現状をそのまま受け入れるという意味における相互理解である
- その現状を正しく受け容れているときこそ、初めて、私たちは互いの違いを受け容れあい、かつ自分が何者であるかを主張する関係を形成することが出来るようになる
- 自由であるような私たちにとって、自由であるような他者と共に生きることは決して容易なことではない
- しかし、そうであるからこそ、私達には、他者と共に豊かな生を生きていく機会も与えられている
- その実現に向けて確認しなければならない原則は、おそらくそれほど難しくないはず
- それは「他者を受け容れ、そのあと他者に対して主張する」ことであり、そして「誤りを犯しうる自分を積極的に受け容れる」ことではないだろうか
電子化×
理想の自分をつくるセルフトークマネジメント入門 鈴木義幸
- 無意識のうちに自身の内側で繰り広げられている自己との対話=セルフトークの改善方法を説いている本
- 気づかないうちに自分の足を引っ張っている思い込み=「自分へのネガティブ語りかけ」を変更・消去することで、失敗を減らし理想の自分になろう!
- 他者の緊張を減らすコーチングとしての使用法も載っている
- 人は、意識するしないにかかわらず、終始、自分自身との対話を内側で繰り広げています
- セルフトークとは、感情や思考、行動の引き金として、自分の中に生まれる「言葉」
- セルフトークが生まれるのは、アイデンティティを守るため
- アイデンティティと「実際にここにいる私」にギャップが生じたとき、人の心には無視できない不快感が生じます
- つまりセルフトークとは、生きるために持ちながら、人が命を捨ててでも守りたいと思うもの
- 行動の要因となる感情を変えるためには、有機的に結びついているセルフトークを変える必要があるのです
→『呪文』による語り直し?
電子化◯
リストカット・自傷行為のことがよくわかる本 林直樹
- イラストが多くて薄い、分かりやすいリストカット解説本
- 原因、周囲の人がとるべき対応、治療法などがしっかりと書かれている
- リストカットはすぐには解決しないが、時間をかけて考え、自分なりに選びとった行動は、自分らしさの一部となる
- たとえ直接的な解決に結びつかなくとも、考えてみようとする姿勢、考える時間が確かな自分をつくる
- 自分の中にある矛盾を解決しようと取り組む一方で、矛盾は矛盾のまま受け止めようとする視点や余裕を持つことも必要
利他のすすめ チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵 大山泰弘
- 知的障害者を差別していた社長が、就業体験で受け入れた障害者たちを通じて変わっていった自伝
- 禅寺の住職の教えが中心にあることもあってかなり宗教ぽいが、能力や行動に問題を抱えている知的障害者と会社の共存共栄な関係が分かりやすく描かれている
- 人間の究極の幸せは四つ、人に愛されること、ほめられること、人の役に立つこと、そして、人から必要とされること
- 愛されること以外の三つの幸せは、働くことによって得られます
- 障害をもつ人たちが働こうとするのは、本当の幸せを求める人間の証なのです
- 知的障害者から学んで、幸せな働き方を身に付けている
- 障害者の出来ないことで諦めるのではなく、彼らの理解力にあったやり方を考えることで、健常者と同じ仕事をすることができる
- 「障害者のせいにはできない」ということを理解できたとき、社員は自然に成長し始めた
- それは健常者同士でも同じ「当たり前」感じ方や考え方も異なる
- 相手が理解してくれないとき、相手のせいにしがちだが、それは何の解決にもならない
- 他人を変えることはできないが自分を変えることはできるし、自分が変われば、相手も変わり始める
- 人から必要とされる喜びを知ったとき、人は自らの力で成長しようとし始める
- 幸せこそ、人を成長させる原動力
- 自分の人生のあるべき姿や目標を決めつけず、人のために動くことで自己実現できる
- 個性も人のために働くなかで、工夫し役立つようにすることで発揮される
- 利他の心の根源は、愛を求める心
- 誰一人として「働く」ということから排除しない社会を作ろう
→トリシューラの王国作り?
RITUAL 人類を幸福に導く「最古の科学」 ディミトリス・クシガラタス
- りちゅある
- 儀式の効果や意義について研究している本
- 読みやすく、知的好奇心をそそられる良書
- 1986年以降からネバダ州で開催されているお祭り「バーニング・マン」で、ほぼ自然発生的に創られるようになった死者を悼み最後には燃やしてしまう「寺院」など、
- 印象的で情緒に訴えかける多くのエピソードに、満ちている
- 最終的に著者は、儀式が人間に不可欠なものであり、
- コロナ禍のような変動を得た現在でも、また連帯や世界の存続感覚をはぐくために新たに有効な儀式が必要とされている、と説いている
- 儀式は社会性を高めるだけでなく、個人としての意識をより際立たせたうえで社会的な自己や集団と一体化させたりもする
- 儀式は、不明瞭な手段を通じて望む結果を達成できる精神的ツールなのだ
→『杖』 - 儀式は、適切な文脈で実践してこそ意味がある
→『呪文』? - 労力を求められるからこそ。価値を認められるものもある
→価値の問題、『黒血呪』的? - 儀式は、集団の構成員の所属意識を高める
→『使い魔』系の振る舞い - 「信じているかのように行動しなくてはならないなら、けっきょくは(略)行動する通りのことを信じるようになる」
→『杖』的?振る舞いの力、四章、再演によって伝統的な身体文化となったサイバーカラテ、その儀式的在り方、およびそれがアイデンティティとして機能する可能性?
電子化◯
リメイクの日本文学史 今野真二
- 古典や海外小説の翻案や現代日本語訳から、作者によって一度発表された詩歌や小説など文章の書き換えまでを「リメイク」の定義のもとにくくって研究している新書
- 書き換え前に「読む」行為がある
- 文学作品は書き換えることが出来る、これは案外大事なこと
- 文学作品は、書き換えられることを待っている
→再演?
電子化×
隣人が殺人者に変わる時シリーズ ジャン・ハッツフェルド
- 同じ著者が書いたルワンダ虐殺のノンフィクションを、タイトルを統一してまとめたシリーズ
- 被害者からの聞き取りだけでなく、加害者編(原題『Une saison de machettes』)や被害者・加害者両方の証言をまとめた本(原題『La stratégie des antilopes』があるのが大きな特徴
- 証言の前に、(執筆当時の)ルワンダの自然や生活が描かれている部分もあり、それがかえって虐殺の異常さと恐ろしさを強調している……
電子化×
ルポ雇用なしで生きる スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦 工藤律子
- スペインの市民運動「五月十五日(15 de mayo)」=通称15M(キンセ・エメ)と、
- それに端を発する社会的連帯経済についてのノンフィクション
- あるいは現代の拝金主義的な経済に対する「もうひとつの世界」の話
- 物々交換市や、隣人同士の助け合いのお礼に時間を支払う「時間銀行」
本のタイトルは、フリオ・ヒスベールの運営している同名のサイトと本に由来
サイトでは「もうひとつの経済」を可能にする取り組みが紹介されている
地域通貨交換市
- 物々交換市や、隣人同士の助け合いのお礼に時間を支払う「時間銀行」
- 2011年のスペインは、若者の失業率が55%を超えるような経済にあり、
- その上、その原因である銀行や起業家だけは政府の借金で救われ、しかもそれは教育や医療の予算カットでまかなわれようとしていた
- そのため、市民は立ち上がり、政府に抗議する「怒れる者たち」となった
→百億の怒り- その運動は、フランスの外交官ステファン・エセルの『怒れ!憤れ!』(原題:憤慨せよ)にも影響を受けている
- 彼は、レジスタンスの根源は「怒り」であり、人権を踏みにじる金融市場の独裁に甘んじず、平和と民主主義が脅かされている現代世界に対して怒りを持て、
- 自ら決意して行動を起こせと、鼓舞している
- 運動の不利な点、つまり左派の人びとが勢力争い明け暮れる中道左派政党を見捨てて議論に集中したため、保守政党の大勝利をもたらしてしまったということも
- しっかり書かれているのが良い
- なお、後にwebの直接投票によって15Mの意志を代表する市民政党ポデモス(我々はできる)などが躍進し、
- 与党に次ぐ勢力として、スペインの政治を変えることになる
- 空き家や廃屋を占拠して再利用もしており、
- 運営も実行も全て市民が行っている
- 所有者である市や企業も、15Mの認知度を意識してか何も言ってこないという
- お金にばかり頼らない「もうひとつの経済」
- 雇用も公的補助金も寄付もなくても、「仕事をすることさえできれば、ちゃんと生きていくことができる経済世界のこと
- 「家事労働」など、昔の日本で言うところの「ツトメ」、賃金を貰えないが必要な労働のことのようだ
- 本来は「価値ある労働」ができるのに、機会を与えられていなかった人たちに、きちんとした評価と機会を提供する仕組みを作るのも「もうひとつの経済」の役割
電子化×
ルポ タックスヘイブン 秘密文書が暴く、税逃れのリアル 朝日新聞ICIJ取材班
- 税逃れの避難所=タックスヘイブンについて書かれたノンフィクションの新書(2018年)
- 英領バミューダ諸島をはじめとしたタックスヘイブンだけでなく、その悪影響を受ける地域や日本との関わり、
- そしてそもそもタックスヘイブンの何が問題なのかまで、しっかりとくわしく分かりやすく書かれている
- ただ、流出した文書の扱いについて細かく解説されており、
- こうした調査に対して、脱税者たちが対策を取るであろうことについては全く効力していなさそうな内容でもあったりもする
- また、amazonレビューでは、この本にがタックスヘイブンに面倒な国際取引を簡略化するなど「世界経済の流動性の促進」という一面があることや上場すれば情報開示義務があることなどが書かれておらず、
- 内容に不足があるという指摘もある
- 文中では、アメリカ商務長官とプーチン大棟梁の娘婿との密接な関係が問題視されていたりと、現在の世情との違いもまた興味深い
- 「金融の呪い」:金融業や富裕層の優遇によって、物価や税金が上がるのに、タックスヘイブンの地元産業は育たなくなり職も低賃金のものしかなくなる
- 富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる
→格差
- 富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる
- アフリカの貧困と、国際的な税逃れの深い結び付き
ルナル・サーガ・リプレイ 友野祥 グループSNE
- 七つの月がしろしめす多種族な異世界で、人造の救世主を巡る戦いが繰り広げられるTRPGリプレイ
- 〈聖なる母の結社〉という秘密結社や、破滅の未来からタイムスリップしてきた人物などが登場したり、月(の一部)と太陽が異世界への通路になっていると言われていたりする
- 小説版にくらべて、かなり雰囲気がお気楽なのが特徴であり、扱っている時代と地域も小説より広範囲(ただし、TRPGとしては進行がダメな部分もあった)
- 第3部と「月に至る子」の間の外伝は、読まなくてもストーリー理解にはあまり問題はない
電子版✗(小説は新版が電子化されている。ただしキャラクターシートは付いていない)
Wikipedia>ルナル・サーガ
電子化×
ルネサンスのライヴァルたち ローナ・ゴッフェン
- ルネサンスの美術の時代が、ミケランジェロを中心とした模倣と競争であったと位置づける美術の専門書
- 枕のように分厚い
- 模倣と競争(アゴン)が切り離せない概念であり、それは憎悪と妬みを伴うことだとしている
→コルセスカとトリシューラなどの関係?
電子化×
ルワンダ・ジェノサイド生存者の証言 ジョセフ・セバレイジ ラウラ・アン・ムラネ
- 一度はルワンダ議会の議長となったが、国外亡命しなければならなくなったツチ男性の自伝
- ごく普通に生活を営んでいた隣人が、政治によってある日突然殺戮者となり、殺戮が終わったあともその隣人と共に暮らさねばならないという困難
- どんな人でも、殺戮者に成り得る
→【変数レイシズム】 - 著者は、サブタイトル「憎しみから許しや和解へ」のとおりに許しを呼びかけてはいるが、その困難さもひしひしと感じさせる
電子化×
歴史と向き合う 朝日新聞取材班
- 2006年の連載を加筆して、『戦争責任と追悼』『過去の克服」と愛国心』の二冊の本に再構成したもの
- 資料や参考文献リストがしっかりしている良書
- (当時の)日本の状況やアメリカ・ドイツなどの戦死者の追悼や戦後責任について、まだこれが始まりに過ぎないと断りを入れながらも追求している
- パル判事や『東京裁判ー勝者の裁き』のマイニア氏の意見を、相手の思想や文脈を無視して我田引水的に利用していることへの批判
- 東京裁判悪いところもあったが、意義あるし戦争責任を追求しなくていいことにはならない
- カトリックという同じ宗教を通じた民間交流がもたらしたドイツとポーランドの和解や、そうした長期に渡る交流があっても被追放民という「被害者としてのドイツ」の声に批判があること、年長者への反発から日本側の被害発言を否定するようになった新左翼の若者たちなど色々な話が載っている
- ちなみに、新聞人の戦争責任追及もちゃんとある
- 戦争責任とは曖昧な言葉 誰の何に対するどんな責任なのか
- 東京裁判三連作を書いた井上ひさし:東京裁判は線を引くことで、一部の人以外のひとりひとりの日本人がその罪を問われる作業を回避してしまった
- 小熊英二
- 愛国心それ自体が良いとか悪いとかいう二元論の議論は、やや単純だと思います
- そこでは愛国心の内容を問う議論が欠けやすい
- 愛国心も時代や国で内容や文脈が違い、愛国心を持てば政府や戦争の支持に直結するというほど単純でもない
- そうした複雑さを直視せずには、議論の前進も、国際的な対話もあり得ないと思います
- 朴裕河
- つくる会と相似形な韓国のナショナリズム、被害者であることが自国のナショナリズムの問題点に気づかせないまま正当化している
- 自国の文化・伝統の優越性を信じて排外的感情に訴えるナショナリズムは、どこの国であろうが問題
- 民族のアイデンティティーを確立し、国家に誇りを持つ国民を教育しようとしているところが問題
- お互いを知り合うべき
- 日本の植民地支配が近代化を進めた→たとえ豊かになり、いわゆる文明化したとしても、支配される屈従状態をいいとする人はいないはずです
- 人間の様々なアイデンティティーのうち、民族アイデンティティーが最優先視されるようになったのは近代以降に過ぎません
- 歴史を克服するためには、自分は無罪ではなく、、過去に負の遺産をみとめなけばならない
- だが、その認識は協同で形作らなければならない
- アメリカ、間違った戦争に踏み出した政府を批判するのも愛国心
- 単なる「愛国」の合唱と聞こえるものの奥に、「私」を超えた「公」とのつながりへの希求も響いている
- それは、新たな価値を見出すかもしれないのだ
レトリック認識 ことばは新しい世界をつくる 佐藤信夫
- レトリックの歴史を掘り返し、その新しい意義を見出そうとしている本
- 修辞=レトリックは、単なる技法でも、ましてや虚飾でもない
- レトリックは言葉の概念を切り開くし、曖昧で複雑な人間の心情を表すためには、不可欠な存在である
- 言葉は、私の中の他者である
- 「アリュージョン」は「暗示引用」と訳すべきであり、「引喩」は明示的な引用の訳語として扱うべきだった
- (暗示引用などが持つ)言葉の選別作用とは、連帯と豊富化の作用でもある
- 選別作用は、言語の本質的な仕組みのひとつであり、かつ、それは遊びの原理に深く関わってる
路地の教室 部落差別を考える 上原善広
- 読みやすい被差別部落問題の入門書
- 路地(被差別部落)とは何かやそのルーツから始まり、同和利権や差別への対策にまで踏み込んでいる
- まず「人は差別する」という前提に立つのが肝心です
- 大切なのは、差別を無くすことではなく、差別を無くすためにもがくことです
- 「差別はダメだ」と感嘆に否定するのも、「当然じゃないか」と開き直るのも、解決にとってよくありません
- なぜそのような差別があるのかをイチからたどっていかないと、差別に対して抗いにくいのです
- 無意識にでも「多少の根拠と保険」で人を選別してしまうことを、一度とどまって、その人自身をちゃんと自分の目で見極めようと意識する(コントロールする)べき
- 差別されている当人が、卑屈にならないようセルフ・コントロールすることも大切
- 自分の”目”が信用できない、それだけでは判断できない、または面倒なために「多少の根拠と保険」に頼ることが「差別」になっていく
→【邪視】? - 自分がある・自分のしたいことがあるというのも、言い方を変えれば自分勝手・自己中心
→3章ラストのアズーリアやハルベルト - 自分がないというのは、成長する上での過程であり、それ自体はどうでも良いこと
- 自分がない・やりたいことが見つからないということは、逆にどんなことでもやれるということ
- 「素朴な疑問」を頭の片隅に持ち、考え続ける事が大事
- 何事にせよイチから考え直すことも大事
コメント
コメントで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
- HiGH&LOWシリーズは、実写・舞台の項目に再分類いたしました。