推薦図書/小説/は行
- アリュージョニスト以外のネタバレに注意
- サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
- 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
- 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
- 参照と類似は呪力です。高めよう。
- ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
- 編集カラテ入門
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*** タイトル
-説明1
- 発勁用意! 次の2行をコピペして、自分の文章で書き換えます。ここは、Webブラウザ以外のアプリでやるのがオススメ。
- NOKOTTA! 文章が出来たら、Webブラウザに戻り、画面の一番上の「編集」を押します。
- GOOD! 編集ボックスが出てくるので、1で作った文章をコピペします。場所は、根性で探してください。
- COMBO! 「プレビュー」を押して、うまくいってるか確認します。まだこの段階では、誰にも見られません。
- EXCELLENT! 「ページの更新」を押せば、完成です!!
- 推薦図書/小説/は行
- は行
- バー・コントレイルの相談事 小竹清彦
- パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 リック・リオーダン
- B.A.D. 綾里けいし
- ハーモニー 伊藤計劃
- ハイスクールDxD 石踏一榮
- 蝿の王 ウィリアム・ゴールディング
- 覇界王~ガオガイガー対ベターマン~ 竹田裕一郎
- 白日 北原謙三
- 白冥の獄 ジン・ヘイル
- 筺底のエルピス オキシタケヒコ
- 恥知らずのパープルヘイズ 上遠野浩平 原作:荒木飛呂彦
- バジリスクの魔法の歌 パトリシア・A・マキリップ
- バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン
- Babel 古宮九時
- バッカーノ! 成田良悟
- はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
- バトルロワイアル・パロディ
- ハムレット・シンドローム 樺山 三英
- パラサイトムーン 渡瀬草一郎
- 薔薇のマリア 十文字青
- ハリー・ポッターと合理主義の方法 作者:E S Yudkowsky 一部編集・加筆:Daystar 翻訳:ポット@翻訳
- ハルーンとお話の海 サルマン・ラシュディ
- パンツァークラウン フェイセズ 吉上亮
- 吸血鬼(バンパイア)ハンター"D" 菊地秀行
- 万物理論 グレッグ・イーガン
- PJ傑作集シリーズ ポール・ジェニングス
- ピアノの悪魔と恋する剣士① 戦う少女のための超絶技巧練習曲 福太郎
- ビートのディシプリン 上遠野浩平
- BEATLESS 長谷敏司
- 光の王 ロジャー・ゼラズニイ
- 緋弾のアリア 赤松中学
- 悲嘆の門 宮部みゆき
- 棺姫のチャイカ 榊一郎
- ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか? 新 八角
- 人はアンドロイドになるために 石黒浩 飯田一史
- 雲雀坂の魔法使い 沖田円
- 日の名残り カズオ・イシグロ
- 秘密のマシン、アクイラ アンドリュー・ノリス
- ピュア 小野美由紀
- 百億の昼と千億の夜 光瀬龍
- 百神百年大戦 あわむら 赤光
- 百年法 山田宗樹
- 漂流街 馳星周
- ぴよぴよキングダム 木村航
- ファイナルファンタジーS ◆EreM42GXZo
- ファイヤーガール 星空めてお
- ファミリーポートレイト 桜庭一樹
- ふあゆ 今熊ムジナ
- ファン学!! 東京大空洞スクールライフRTA 川上稔
- フィクション・ブレイカーズ 西島ふみかる
- 封仙娘娘追宝録 ろくごまるに
- Fate/strange Fake 原作:TYPE-MOON 作者:成田良悟
- フェミニズムの帝国 村田 基
- フェリックスと異界の伝説 エリザベス・ケイ
- 不確定世界の探偵物語 鏡明
- ブギーポップシリーズ 上遠野浩平
- 福音の少年 Good News Boy シリーズ 加地尚武
- 不堕落なルイシュ 森田季節
- 武道館 朝井リョウ
- 船乗りクプクプの冒険 北杜夫
- 冬の朝、そっと担任を突き落とす 白河三兎
- 冬の巨人 古橋秀之
- ブラックロッド 古橋秀之
- ブラッドジャケット 古橋秀之
- ブラッド・ミュージック グレッグ・ベア
- ブライトライツホーリーランド 古橋秀之
- ブラック・ブレット 神崎紫電
- フランケンシュタイン メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー
- プラントピア(小説) 九岡望
- フリーランチの時代 小川一水
- プリズム 神林長平
- プリデイン物語 ロイド・アリグザンダー
- プレイバック (小説) レイモンド・チャンドラー
- 不老不死の俺とエルフ姫の結婚生活が倦怠期に入りました まちだまさや
- 文学少女シリーズ 野村美月
- 分身 ドストエフスキー
- 平面人からの手紙 文:大森英樹 絵:矢崎芳則
- ペスト アルベール・カミュ
- ペテン師は静かに眠りたい 片里鴎
- ベル君に憑依して英雄を目指すのは間違っているだろうか? 超高校級の切望
- 偏差値10の俺がい世界で知恵の勇者になれたワケ ロリバス
- 変態王子と笑わない猫 さがら総
- 暴虐秘書アズちゃん! カードは慎重に選ぶ男
- 宝石泥棒 山田正紀
- ボーイミーツガールの極端なもの 山崎ナオコーラ
- 僕僕先生シリーズ 仁木英之
- 僕と君だけに聖夜は来ない 藤宮カズキ
- ぼくと魔女式アポカリプス 水瀬葉月
- 僕の魔剣が、うるさい件について 宮澤伊織
- ぼくらは都市を愛していた 神林長平
- ぼくらのクロニクル<因果魔法大戦> 篠宮ゆうき
- 星の王子さま アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
- 星の砦 柴田勝茂
- ポストマン(改訳版) デイヴィッド・ブリン
- ぽっぺん先生シリーズ 船崎克彦
- 炎の蜃気楼(ミラージュ)シリーズ 桑原水菜
- ホムンよ故郷を見よ 小松左京
- ホラ吹きと仇名された男は、迷宮街で半引退生活を送る 中文字
- ポルノ惑星のサルモネラ人間 筒井康隆
- 滅びの鐘 乾石智子
- 本をめぐる物語 一冊の扉 ダ・ヴィンチ編集部・編
- は行
- コメント
は行
バー・コントレイルの相談事 小竹清彦
- 悩み事の解決もしてくれる素敵なバーと、そこに集う飲み仲間たちのお話
- 描写がしっかりしていて、上品で美しい情景やお酒や料理の味が想像しやすい
- 料理と酒が、そしてその作り手同士も互いを挑発し合いながら連携し、心安らげる空間を作り出す
- 観察と推測で、常にその日その時のお客様に最適の味を選び出すバーテンダーの妙技
- 死者の代弁ならぬ、死者の再演カクテル製作
- 推理と調査によって、カクテル作りの動きまで完全コピー
- バーでの後押しによって、殻を破り母に挑む女性も
- 母親の顔色を気にするあまり、感情や父への思慕を封じ込めがちだった
- 新しい解釈、新しい始まり
→『呪文』 - 「全ての答えは、グラスの中に」
- なぜか商店街のフライ料理対決のエピソードもある
→第五階層としてのシナモリアキラが目指すべき方向性? - 「答えは全てスタンダード(世界中で広く永く呑み継がれているレシピ)の中にある」という信仰
→サイバーカラテとは真逆の自己の流派を信奉するスタンス? - 実在するジャズなどの名曲も引用され、バーの良質な雰囲気をかもし出している
電子化◯
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 リック・リオーダン
- ギリシャ神話は、アメリカで生きていた!?
- 神々と半神の英雄と怪物の物語
- わりとオカルトパンクだし、ミームとして現在も生き続けるギリシャ神話の要素がたくさん出てくる
- ギリシャ神話モチーフなので、(現代アメリカらしい離婚とかハーフ/ダブルとかの)家族の話が中心
- 神の力を使う英雄がたくさん出る続編『オリンポスの神々と7人の英雄』もある
B.A.D. 綾里けいし
- 男の主人公が孕んだり胎内回帰したりするのすごくアリュージョニストなかんじする
- 死人と罪悪感と依存の話。一章と四章に通じる。
- 殺人の罪悪感に溺れて自分に生きる価値見いだせなくて、でも死ぬのは怖いから生きてる。そんなキャラたちがアキラくんっぽい。
ハーモニー 伊藤計劃
- "彼女は教室で美しい孤立を保っていた"
- 2-7 炎は黄金を証明する"おぞましいものに満たされた世界の中で、彼だけが美しく孤立していた。"
ハイスクールDxD 石踏一榮
- 神滅具を巡る物語
- 極夜なる天輪聖王の輝廻槍(ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン)とか出てくる
蝿の王 ウィリアム・ゴールディング
- 子どもたちだけが、事故で無人島に漂着してしまう話
- 子どもたちは、最初こそ文明的な秩序を保とうとするが、恐怖と狂気に彩られた混沌へと変わっていってしまう
- だが果たして、これは無人島の子どもだけに限った話なのだろうか?
- 「4-55 栄えある女王の凱旋」には、蝿の王のイメージが見られる
- 飽食の島にてなお子供たちに蔓延する噂、恐怖、名を獣
- 獣の恐怖のために、蝿たかる豚の生首を蝿の王と名付け崇める
- 獣の正体は単なる遺骸であり、子供たちの異物であり、子供たち自身であった
- 軍人が迎えに来てさくっと終了(アリュージョニストだと軍人を殴り殺す
覇界王~ガオガイガー対ベターマン~ 竹田裕一郎
- 二つの世界観を繋ぐ公式小説
- 二人のパイロットが左右の半身を担当するガオガイゴーが、アキラくんっぽい
- コミカライズもされている
電子化○
公式サイトリンク
白日 北原謙三
- ハードボイルドな芸術家の話であり、一度折れた彼が再起するまでの物語
- 自分の中にある、言葉にできない何かを反映させた面
- そして、その面がまた誰かの中にある何かを仮託させられる対象となる
→引喩的? - 主人公の男性に都合がいい強引なセックスが多く描かれているが、ヒロインの方も歪みを抱えていてそれを肯定しているので、特に問題はなかったりする
電子化×
白冥の獄 ジン・ヘイル
- ファンタジーBL学生寮もの
- 異文化や魔法の設定がしっかりしていて描写が見事、そして呪いの謎や登場人物が魅力的なため、BLを抜きにしても面白い
- 二巻の下で「第二部巻」となっているが、そこでしっかり区切りを迎えているので実質完結していると言える
- 体内に地獄を封じ込める魔法で王子の危機を救った英雄の子孫であり、その地獄を受け継ぐ青年公爵と、彼と同室になった少数民族の天才青年の友情と愛の物語
- やがて、公爵の一族を襲う死の呪い、そして地獄の魔法は、実は、主人公の民族に伝わる宗教に深い関わりを持っていることが判明する
- 少数民族そして同性愛者に差別的な王国の体制、王国が過去に行った迫害のため非協力的な親戚たち
- 主人公はそうした困難を乗り越えて、恋人や友人を救うことが出来るのか!?
- 作者がこだわりあるため、馬が良く出てくるのが良いし、主人公の家族など恋愛以外の人間関係もしっかり描かれているものも良い
- 季節の移り変わりや寮生活の描写も、美しく楽しい
- 呪術を応用した「治療機械」も出てきて、物語で重要な役割を果たす
- 「霊域」(シャジュディ)という内世界型の『浄界』に似た生死の境であり、『邪視』的な一種の異能とも言える魔法が出てくる
- その元ネタはクエーサーであり、それがブラックーホールをエネルギーとするように、死者の魂を新たなエネルギーに変換し、生者の世界へと戻すのだという
- 読者の同性愛者を参照して書かれた小説でもあり、現実と再帰的な関係にある作品であるとも言える
電子化×
筺底のエルピス オキシタケヒコ
- 主人公は《朧筺(おぼろばこ)》。空っぽの、デッドコピーの継ぎ接ぎ。そしてそれを強さとしている。シナモリアキラだ。
- ひとつのモチーフ・ギミック・原理をゴリゴリ突き詰めていくSF
- イルミナティの陰謀論などの与太を大真面目にやる。作中世界観の言葉で語り直して、物語に組み込んでいったりする。
恥知らずのパープルヘイズ 上遠野浩平 原作:荒木飛呂彦
- マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の補完的な外伝である公式二次創作小説
- 一歩を踏み出すことができない者たちの物語
- 過去にも未来にも行けず、かといって同じ場所にとどまることも出来ない、そんな彼らの選択と覚悟の話
- そして、自分でも分からないタイミングで「キレて」しまう「裏切り者」(正確には一人だけ「裏切らなかった」者)の話でもある
→ユディーア? - あとがきがどんどん追加されているので、文庫版などなるべく最新の版がおすすめ
- 特に文庫版あとがきは、スタンド論であると同時に個性論や『ジョジョ論』を兼ねていて多重的な面白さがある
バジリスクの魔法の歌 パトリシア・A・マキリップ
- 中年男性が主人公である、異例の復讐劇ファンタジー
- 暗喩が多用される状況描写は重厚であり、派手で分かりやすい魔法や神秘はほとんど描かれない
- 【呪文】系の物語ではあるが、重点が置かれているのは楽器を中心とした音楽であり、歌詞などは出てこない。
- 主人公が中年になるまで記憶を失っていたりもするし、予想の範囲を出ない展開や結末を求めている人には、向いていない話でもある
- あるいは、この物語で本当に殺されるべきであったのは、バジリスクが統べる恐怖の時代そのものだったのかもしれない
バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン
- ふたりのオールドミスに仕える料理人が、宝くじの賞金で御馳走をする話
- そして「選ばれなかった選択の実現」とすぐれた芸術家と、本当に豊かな食卓の話
→死人の森の女王? - ふたりを含む村人は、美食に心を動かされて信仰に反することが無いように決意を固め、「宴席で料理の事を話さない」という縛りを定めた
- しかしその縛りが、逆説的に豊穣な時間をもたらすことになる
- われわれには、われわれが選ぼうとしなかったものも、われわれには与えられているのです。
- すぐれた芸術家が貧しくなることなどない
Babel 古宮九時
- 異世界へ迷い込む転移モノのファンタジー(全4巻)
- 一度文庫で出た二冊ぶんを「電撃の新文芸」で一冊にまとめて刊行したため、文庫本二冊分の厚さが基本
- 主人公の成長と選択、そして縁の物語
- 変人女子大生が、変人クール青年学者な魔法使いと一緒に帰路を探している間に、さまざまな事件に巻き込まれる話
- ただし、どちらも変人のため恋愛はあんまり進行しない
- 整った文章としっかりした描写、そしてコントのようにすれ違う独特の会話が魅力的
- 最後に謎が明かされ、一気に激動の展開を迎えるが、
- それまではわりとまったりした旅と日常が続くタイプの作品でもある
- 主人公は、基本的にすぐに役立つチート能力などを持たないし、もともと一般人である
- そのため、好奇心旺盛な彼女がさらわれたり監禁されたりして、権力者にパワハラを受けたり働かされる展開がわりと多い
- まあ、彼女自身、(安心できる相手には)からかうのが好きなタイプでもあるし、わりとやりかえしたりもするのだが
- これは、そんな彼女が、ちょっと変わった性格と強情さを心の強さと成し、異世界での理不尽なパワハラ上司などに立ち向かう、女子労働ファンタジーである
- とはいえ、ちゃんとバトルや戦争もあるし、ファンタジーらしい魔法がらみの事件にも多く関わることにもなるのだが
- 作中で明かされない謎もあるが、そちらは世界観を共有する『Unnamed Memory』とその続編にて明かされるとのこと
- ちなみに最終巻は、あとがきの先もちゃんと読むことをおすすめする
- 魔法が存在し、誰もが共通の「生得言語」を得ることが当たり前な世界
- 被害者にして加害者のサディスト王女とか、二人の王と結婚して国を併合し、そのどちらも裏切った女王の話なども出てくる
- 外部者の呪具
電子化◯ BOOKWALKERにて、たまに全巻が月額読み放題になっている
バッカーノ! 成田良悟
- 個性豊かな人々がぶつかりあう、バカ群像劇
- 不死身になったが、けっこうハッピーなバカたちの話でもある
→今の在り方が限界に来ているゼオーティアの『更新』されるべき新しい姿? - マフィア(正確にはカモッラ)など、疑似家族的な関係も話の中心となっている
電子化◯BOOKWALKERの月額読み放題で全巻読める
はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
- リアルにダメっぽい少年が、主人公のファンタジー
- 異世界チートトリップの元祖的な本の一冊であり、想像の世界を救う冒険を描いた物語であり、ファンタジーについてのファンタジー
- あるいは、物語の登場人物との友情の話
- 【邪視】と【呪文】のファンタジーであり、「語られた物語」とそれが「書かれたもの」のプラトン以来の対立関係にも軽く触れられている
- 「語られる」ことで、その語り以前の過去が「存在していることになった」りすることも
- 作者お気に入りの、赤い装丁が施されたハードカバー版で読むと、より楽しめる
- 映画の「ネバーエンディングストーリー」の原作だが、アレは作者の意向に反して作られた代物だったりする
- この物語をシェアードワールド化した二次創作な物語群「ファンタージエン」も出ている(原作設定が守られてない作品もあったりと、作品のスタンスは様々)
バトルロワイアル・パロディ
- 小説『バトル・ロワイアル』の二次創作ジャンルであり、既存の作品のキャラクターがデスゲームに巻き込まれるネット上のリレー小説
- 原作要素は、あくまでそのゲームルールを流用したテンプレートを用いるのみであり、通常禁忌であるキャラ改変や殺害が行われるための枠組みとしてだけ利用されている
- 「どんなキャラでも死亡する可能性がある」舞台や能力制限の存在は、大物食いや別作品同士の強キャラによるドリームマッチを実現させた
- 加えて(複数作品が参戦している場合)さまざまな作品の世界法則やアイテムが持ち込まれることで、弱いキャラが強化されたり、予想外の展開がもたらされることも多々あった
- また、殺し合いを強制される状況ゆえに、かえってその「ゲーム」に乗らない覚悟や友情の尊さ、過酷な環境で生き抜くキャラクターの美しさを描写できるジャンルでもあった
- とはいえ、ヘイトを集めやすいジャンルであるため、基本的にはひそかに行われていたものでもあった
- 投下作品に対して掲示板で批判検討される風習があり、全盛期には、それが上手く機能してリレーの継続が維持されていた
- また、あるロワでのキャラ崩壊や不遇な扱いが、他のロワで名誉挽回されたりしたこともあった
- 個人的に「漫画ロワ」や「アニロワ」「アニロワ2nd」あたりは、多様なキャラや要素が混じり合ってアリュージョニストっぽかったと思う。
- 後に『Fate』シリーズの設定を流用した「聖杯戦争モノ」も流行るようになった(しかし継続が難しく大部分は過疎っている)
- そちらは、『二次キャラ聖杯戦争』『Fate/Reverse ―東京虚無聖杯戦争―』それに、(通称・鎌倉聖杯)『Fate/Fanzine Circle-聖杯戦争封神陣-』などが、戦神館シリーズなどを見事にクロスさせながら完結していてオススメ
ただし、こちらは完結させたその書き手の盗作が発覚していたりもする
- そちらは、『二次キャラ聖杯戦争』『Fate/Reverse ―東京虚無聖杯戦争―』それに、(通称・鎌倉聖杯)『Fate/Fanzine Circle-聖杯戦争封神陣-』などが、戦神館シリーズなどを見事にクロスさせながら完結していてオススメ
- 死亡後から呼び出されるキャラもいるので、実質的に転生かも?
2chパロロワ事典
2chパロロワ事典>二次キャラ聖杯戦争
2chパロロワ事典>Fate/Reverse ―東京虚無聖杯戦争―
2chパロロワ事典>Fate/Fanzine Circle-聖杯戦争封神陣-
ハムレット・シンドローム 樺山 三英
- 世界劇場。誰も彼もがハムレット。劇中劇のせめぎあい。劇が現実を凌駕する。幾つもの真相も劇に飲み込まれていく。
- 二人称に切り替わるところで、なるほど俺もハムレットになるのか、と。あなたすらも例外なく劇の標的。呪文力がある。
- 自己言及的。閉じてるのに広がる世界観。"ハムレット"とは。
- あとがきを読む。アリュージョニストだ。
パラサイトムーン 渡瀬草一郎
- 「神々の力すら利用し、逆にその神々をも翻弄してしまう人間たち」を描いている作品
- 神々と誤解されかねない超常的な性質を持ち、人間を変質させる不思議な生き物「迷宮神群」が出てくる
- 作者いわく、クトゥルフの神々が野生の猛獣なら、迷宮神群はハムスターみたいなもの
- とはいえ、起こす奇跡は神に等しいものなので、迷宮神群は実質的に神といえるのかもしれない
- 迷宮神群は、異世界からの来訪者であり、月とも関係がある
- 物語としては、伝奇系ギャルゲーな感じで幼なじみの彼女とか美少女巫女なども登場する
- 感情を読める異能者が、その慢心を叱られたりと非日常が劣勢な作品ゆえの展開とかもある
- 植物相(フローラ)の名を持つ登場人物も出てくる
→地下アイドル・動物相(ファウナ)さん - 全六巻で続編『ストレンジムーン』(全三巻)も完結している
電子化◯BookWalkerで、続編も読み放題(月額課金)可能
薔薇のマリア 十文字青
- ハクスラゲー風小説
- 上位世界からの観測者っぽいのいるよ
- 初期五階層の暗黒っぷりはエルデンと似てるかも。
ハリー・ポッターと合理主義の方法 作者:E S Yudkowsky 一部編集・加筆:Daystar 翻訳:ポット@翻訳
- 設定、および登場人物の性格を大幅に改変したハリポタの二次創作
- 善良な養父母のもとで育ったにも関わらず、暗黒面を持つ(だけでなくクトゥルフ神話やSFが好きな頭でっかちの)自宅学習児となったハリー・ポッターが、ハードモードな魔法世界で学生生活を送る
- 生徒の安全対策の欠陥など、原作ヘのツッコミどころを事あるごとに批判してるだけでなく、リアルの歴史に由来する様々な問題意識が含まれていることが、物語に深みを与えている
- 差別や不死についてなど、アと関連する話題もわりとある
- ブラック・ユーモアから美しい情景描写、登場人物たちの良く考察された心理や言動、そしてたまに出てくる生徒たちのリアルな子供っぽさがとても魅力的
- 科学思考と合理主義を信奉しつつも、(自分自身も含めて)なかなか合理的になれない人間について学んでいく主人公が、とても良い
→『杖』的思考によって、『邪視』的観念に支配されるゼオーティアを改変しようとしているトリシューラ? - 小説家になろう版のアに負けないほど文量が長い話もあるが、後半になるとだんだん一話あたりの文量は減っていくので読みやすくなる
電子化○ハーメルンにて完結・完訳済み
ハルーンとお話の海 サルマン・ラシュディ
- 関係者の殺害宣告が出された小説『悪魔の詩』の作者が、潜伏生活中に書いた児童文学ファンタジー
- ストーリーは、わりと勢いでゴリ押しだが、独特な種族の活躍や世界観が面白い
- ただ、最後は家庭内の問題も簡単に解決してしまうので、その点が合わない人もいるかも知れない
- お話の源である「お話の海」がある第二の月や、心があり自律行動できる影などアっぽい設定がある
- お話の海では、古いお話が組み合わさることで、新しいお話が生まれている
- 新しさは組み合わせにしかないというのも、アっぽい
- 作者に死刑宣告を出したホメイニを思わせる独裁者も登場しており、「世界は楽しむものではなく支配するもの」
- 「お話の世界は私には支配できない。だから憎む」と発言し、お話を破壊する毒を撒き散らしていたりする
- 第二の月オハナシーでは、オシャベリとチンモクの二つの種族に分かれており、それぞれの領土で昼と夜が固定化されている
→『地上』と『地下』?
電子化×
パンツァークラウン フェイセズ 吉上亮
- 選択とはなにか、最適な判断とは?
- 私たちは何者なのか、どこから来て、どこへ行くのか
- 優れたユートピア(ディストピア)小説がみなそうであるように、この小説もまた、私たちの生き方と私たちの社会の見方を変えるために差し出された「UIレンズ(めがね)」なのかもしれない。
- 行動履歴から最善の選択が導き出される「支配権力が存在しない都市」、動作補正による最適化、戦闘用パワードスーツ
- 道具は愛すべきものではあっても、憎むべきものではない
- 道具はいつも鏡のようなものであり、それがもたらした成果も破滅も、すべて人間次第で左右出来た結果である
- 『仮面ライダークウガ』のオマージュ入っているので、それを知っていると後半の展開が飲み込みやすいだろう
- 後半は駆け足展開でキャラを掘り下げるエピソードが足りない感があるが、世界観もキャラも魅力的
- 『楽園追放 rewired』に、前日譚(ややネタバレだが本筋にはあまり関係無い)の「パンツァークラウン レイヴズ」が収録されている
吸血鬼ハンター"D" 菊地秀行
- 吸血鬼が貴族として人間を支配した時代が終わり、荒廃した世界に超科学の遺産が残された世界
- 吸血鬼は段々と滅びゆくけれど人間の時代はまだ来ない世で、吸血鬼貴族と戦う半吸血鬼(ダンピール)の吸血鬼ハンターの物語
- "D"の左手は独自の意志を持った人面疽であり、地水火風の力を生命エネルギーに変えて本体を生き返らせる能力を持つ
→シナモリアキラの左手の魔女?
万物理論 グレッグ・イーガン
- 杖の呪文で過去遡及的に宇宙を誕生させたぞ!!!!
電子化○
PJ傑作集シリーズ ポール・ジェニングス
- オーストラリアのベストセラー作家の短編小説集
- 小中学生向けで下ネタも多めだが、メリハリとユーモアがあるし、何より主人公の子どもたちの心理描写が生き生きしていて面白い
- 魔法のアイテムや不思議な現象も多く出てくるし、『世にも奇妙な物語』系?
- 『Round The Twist』(『お騒がせ!ツイスト一家』)という題名でドラマ化され、NHK教育の海外少年少女ドラマ枠で放映されたこともある
- オーストラリアの小説だけに、たまにカンガルーが出てきたりするのも良い
- 見た動きを装着者にマネさせるネコ帽子「バードマン」や、コイン投げ代わりにランダム変化するロボットの目を使う「目は知っている」(いずれも『とても書けない物語』収録)など、アを思わせる作品もある
もういちど読みたいポール・ジェニングス(Paul Jennings)>遠村椎茸
電子化×
ピアノの悪魔と恋する剣士① 戦う少女のための超絶技巧練習曲 福太郎
- 「悪魔」と呼ばれた無軌道な天才少年と、怪我で不戦敗してしまった経験を引きずる長身剣道少女のW主人公による、青春ストーリー
- あるいは、「常識」や「資本主義的な価値」には還元できない価値の物語
- ラブストーリーではあるが、少年がまだ恋をよく分かっていないため、それほど急激な進展はない
- どちらかというと人生を「戦う」姿勢で共感した二人の、未だ明確な形を持たない関係性の物語である
- 情景などの描写が繊細でしっかりしているのが良いし、味方のサブキャラもそれぞれしっかりと独自の思考や世界観を持っているのも良い
- ただ、同時にそれらの点は欠点でもある
- この小説の描写は、ちょっとした建物や地形の構造説明なども、それほど必要がなさそうな場面でもくわしすぎるし、描写される場面自体も削ってもよさそうなところが散見される
- ピアノのうんちくも長すぎるし頻度が高すぎ、エピソード量も一般的なラノベ二冊分ぐらいはありそうなほど
- それに加えて、二人の主人公の視点を交互に行き来することもあって、全体の文章量はちょっと多すぎるのが残念なところ
- 書籍版がサブキャラの不良の話であることもみるに、基本路線はハードボイルドだから放浪する時間の描写はある程度必要なのであろうが……
- 意味深に登場するが、出番がないキャラの存在も含め、もう少し内容をシェイプアップすべきだったのではないだろうか?
- 作者の語る「ブックマーク数に関わらず、良作は評価される」という点はともかく、この内容と長さでは、一般受けしていないのは残念ながら当然と言わざるを得ない
- また、これは「敬意」の話であり、価値や「人間」の話であり、「怒り」の話であり、個人個人の「内なる法」や、価値観が異なり、わけがわからない言葉を話すはぐれ者たち「バルバロイ」の話でもあり、本当に「分かり合う」ための方法の話でもある
- まあ、それはつまり「怒れる十代の反抗」や「青春」と、レッテルを貼って切り捨ててしまえるような内容でもあるのだが……
- レッテル以外のものを求める人たちにとっては、そうではないのだ
- きっと
電子化◯
ビートのディシプリン 上遠野浩平
- (現在の)世界の敵になってしまった合成人間「ミンスミートのミンサー」
- 彼女は、自身を通じて人の心の欠落を補い合わせ、埋めることが出来た
- そしてそれは、欠落を埋めた人々を変質させることに繋がってしまったのだ
- 「カーメン・ビート」ビートが、そのディシプリン(厳しい試練)を通じて見出した概念
- 一人では出来ないことも、二人でなら
BEATLESS 長谷敏司
- 受け入れがたいレベルで非人間的なAIヒロイン、心なき道具に捧げる愛、人と道具の相補な関係性が見どころな小説
- トリシューラまわりの話に通じる……ような?
- 〇〇の拡張という言い回しや、振る舞いによる肉体言語魔術とかコレ参照してる気がする
- この世のすべてを計算し尽くして、なお残る空白を魂や愛と呼んだりするよ。アリス・イン・カレイドスピアで書かれる魂の相似あるいは逆。
- 魂の無いヒロインを"かたち"として愛したからこその完全なハッピーエンド。シナモリアキラの魂でなく"かたち"が愛されたことに通ずる。
- 道具が人を支配するという恐怖を、道具が人を求めて信じたという物語に再解釈する。呪文の座っぽくもある。
- アニメ化に合わせて文庫にもなっており、内容が大幅に加筆修正されている
電子化○
光の王 ロジャー・ゼラズニイ
- インド神話とSFの闇鍋。 ファンタジックでSFで超能力バトルであり革命的!アリュージョニストだ!
- 富めるものが転生技術を支配し、カースト制を現出させるディストピア。現代日本に近い状況。
- カースト否定する革命の手段とテキトーに仏教思想を引用して扇動してたら、ガチ悟りが出てきてビビる主人公。偽物から本物が生まれるってのはアリュージョニストに近い…ような遠いような。
電子化×
緋弾のアリア 赤松中学
- 主人公のキンジはSDAランキング71位
- サブヒロイン望月萌は進研ゼミ71位
電子化×
悲嘆の門 宮部みゆき
- 平凡な大学生と引退した元刑事が、異界の存在との出会いをきっかけに連続殺人事件を追うことになる、現代ダークファンタジー・サスペンス
- 『英雄の書』の実質的な続編であり、そちらを読まなくても理解に支障はないが、読んでいたほうがより楽しめる
- 前作の補完的な説明や同じ登場人物が出てくるだけでなく、自分の頭で考えて批判や反論をする人物が多く登場することで、前作の欠点が補われているのが良い
- またテーマである「物語」も、(模倣犯的な傾向をもつ)連続殺人やネット社会の問題などに焦点を当てられており、前作より格段にわかりやすくなっている
- それにこの作品は、ある意味作者の総決算であるため、作者の既存作品に触れていれば、それらに通底する問題意識を見出すことが出来るだろう
- これは「英雄」の話であり、「模倣犯」や人の「盲目的な欲望/夢想」の話であり、「超能力」や「私刑人」の、さらには「ファンタジーな力で願いを叶えようとする」話でもあるのだから
- ア的に言えば、『邪視』よりな『呪文』の物語であり、言葉を見る『邪視』も出てくる
- 少しクトゥルフ要素が入っていたりもする
- 作中に登場する絵本『ヨーレのクマー』も実際に刊行されていたりもする
- この作品のような話が好きなら、グループSNEのライトノベル『妖魔夜行シリーズ』もオススメ
電子化×
棺姫のチャイカ 榊一郎
- ひつぎのちゃいか
- 棺を背負った少女が、強大な魔力をもつ父の遺体の断片を集めるため旅をする、ちょっとダークなファンタジー
- 太眉な美少女がゴツい魔法ライフルをぶっ放したり、乱破師(サバター)=忍者な兄妹が自己暗示でパワーアップしたり、天然ぎみな義理妹が兄を起こしたりする
- 自己暗示を解除して、兵器から人に戻るところまで描写する作品は、地味に珍しいかも
- 転生処理機関・死者の復活
- 戦後の平和になじめない者たち(無職含む)
- 神との戦い
- アニメ化し、そちらも完結している
電子化○ カクヨムにて一部読める
特設ページ
ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか? 新 八角
- ポスト・アポカリプス世界でを舞台とした百合グルメ小説
- バイオ汚染などで荒廃した24世紀に、金髪美少女メイド服料理人と黒髪ロング木刀美少女が、同棲しながら食堂を経営する
- 独特な食品としては、多脚戦車や潜水艦などが出てくる
- サイボーグがいたりサイバーパンク映画の小ネタなどもあったりする
- この時代にはPAC(多機能無核細胞/Plripotent Anucleate Cells)という回復アイテムが出回っており、
- それが蚊やダニを介して、自然界を超強化
- 東京はジャングルに覆われ、ドラゴンやスライムが跋扈する魔境となった
→ミルーニャの万能細胞?
電子化◯ BOOKWALKERにて全二巻が月額課金で読み放題
カクヨムでも1巻と特別編を無料公開中
人はアンドロイドになるために 石黒浩 飯田一史
- 三人の生徒と一人の教師の授業を、枠物語とした短編集
- ロボット哲学をテーマにした連作は、それぞれ少しだけつながりがありながらも全く違う人々の物語である
- 著者の石黒浩は、作中に登場する人間そっくりのロボット「ジェミノイド」や遠隔通信用のロボット「テレノイド」の開発者でもある
- タイトルの通りメインに扱われているのは、人間の延長やコピーとしてのロボット=アンドロイドなので、新しい自我としてのロボットに興味がある人には不向きかも
- しかし、人間とロボットの関係や未来について考えるなら読んでおいて損はない
- なにより、どこか困った感じの人々とアンドロイドが繰り広げる物語は、情緒豊かで面白い
雲雀坂の魔法使い 沖田円
- なかなか願いを叶えない魔法使いと、その魔法の使い方の物語
- 連作短編に近い現代ファンタジーであり、
- 魔法使いや魔女という突然変異種族がいること以外は、リアルと変わらない世界観となっている
- 「願いを叶える」ということや「本当の願い」について掘り下げており、魔法使いでなく依頼者自身が願いを叶えることもある
→頼ってきた相手(クレイ)をときに突き放す第五階層(シナモリアキラ)、その目指すべき道? - そしてこれは、依頼者たちとその大切な相手との関係の話でもある
- 各短編ごとに主人公が変わり、それによって見えてくる光景や明かされる設定も、少しずつ変化するのも見どころ
- 最後にちょっとした謎が明かされるので、結末で謎を知ってから、もう一度最初から読み返す楽しみもある
電子化◯
- 最後にちょっとした謎が明かされるので、結末で謎を知ってから、もう一度最初から読み返す楽しみもある
日の名残り カズオ・イシグロ
- イギリスが没落しつつある時代を生きた、ちょっとツンデレっぽい執事の話
- イギルス人の(日本で言えば京都風の)ハイコンテクスト会話や、回顧録を楽しめる人向け
- 人生における選択の失敗
- そしてそれでも人生は続き、日暮れにも楽しめる可能性は残っているという話
電子化◯
秘密のマシン、アクイラ アンドリュー・ノリス
- 無人のUFOを見つけた二人の男の子が、それを使いこなそうとがんばるうちに成績や先生たちの対応まで良くしてしまう、という児童向け小説
- 先生たちのリアクションは、誤解に見せかけておそらくこの物語の真の主題
- この物語は、学習障害など一人ひとり異なる子どもに合ったカリキュラムの必要性と、教育の重要性、そしてそれこそ自在に飛べる乗り物のような素晴らしさを、決して説教くさくならずに伝えているのだ。
- まさに、「ワシ(アクイラ)の背に乗れば、人は行きたいところへ飛んでいける」というイソップ寓話由来の格言のように
→サイバーカラテ、そしてたぶん『アリュージョニスト』自体も
電子化×
ピュア 小野美由紀
- 独特な世界観で愛や性を描いたSF短編集
- 「食」と「性」が一体化した世界など、エログロ要素がありながらその描写はとても美しい
- 表題作は、ポストヒューマンたちの話でもある
もしも、女性が男性を食べないと妊娠できない世の中になったら? SF小説「ピュア」試し読み
百億の昼と千億の夜 光瀬龍
- 阿修羅王(合法ロリ)とか若き日のブッダとか出てくる
- 萩尾望都による漫画版の方が有名?
百神百年大戦 あわむら 赤光
- 少年の姿をした最古の神が、神の力となる龍脈と巫女を巡って、他の神々と大戦をする話(全2巻で打ち切りの模様)
→外力 - あるいは、昼行灯していた剣神が、ツンデレ巫女の献身によって人界を救う唯一の神となっていく戦いを描いた、英雄神の神話(直接描写はないが朝チュンはする)
- 自らの身体から作り出した部下の神に力を与え、存在感を示すラスボス的な神も出てくる
- いちおうハイファンタジーだが、ノブレス・オブリージュとか出てきたりと、わりと文化はフリーダム
- 作者は、アニメ化された『聖剣使いの禁呪詠唱』で知られている
電子化◯2023年8月31日まで、BOOKWALKERの月額課金読み放題で全巻を読むことが出来る
百年法 山田宗樹
- 誰もが不老不死手術を受けているが、その対価として、施術から約百年後には必ず死ななければならなくなった世界を描いているSF小説
- 舞台は、原爆を六発も受けて敗北したIFの日本であり、世代交代の必要がなくなったせいか、経済は停滞し社会は動脈硬化を起こしている
- 工場派遣の女性など、さまざまな階層・性格の人の視点から世界を描いているのが良い
- 物語の焦点は「不死」というより、「組織的な新陳代謝の必要性」や「死に向き合って生きる」ということ、そして「人は変わる」ということなどである
- 特攻の生き残りの人物や社会改善を名目とするテロリストも出てくるが、彼らの行動を全肯定していないところに作者の姿勢が伺える
- 女性同士の友情も描かれるが、残念ながら、社会人百合の存在は作中で否定されている
電子化○
漂流街 馳星周
- 最初の半年のアキラくんの生活
- 三池監督による映画の方がマトリックスのカメラワークを闘鶏でパクったりカポエラ使いが出てきたりとアリュージョニスト感がある気がする
電子化○
ぴよぴよキングダム 木村航
- 無数の可能性の自分。現実を侵食する夢、演劇空間。自我の重ねあわせ。アリュージョニスト感あるような。
- 最近先生がTwitterで木村航作品について言及していたしこれはもう
電子化×
ファイナルファンタジーS ◆EreM42GXZo
- Twitterで連載されているファイナルファンタジーの二次創作
- 様々な世界を転移していく、異世界転移モノでもある
- 独特な文章とノリで押し切るストーリーには、独特な魅力がありハマった者も多い
専用Wikiへのリンク
ファイヤーガール 星空めてお
- アリュージョニストにおける呪文的なストーリーテリングの極地"Forest"星空めておによる異世界探索小説
- 奇しくも、というべきか必然的というべきかネタ被り多し
TYPE-MOON BOOKS>ファィヤーガール
電子化×
ファミリーポートレイト 桜庭一樹
- 母と娘の、マコとコマコの、長きにわたる彷徨と冒険の物語
- 問題が色々あっても、母が大好きな娘の半生記
- そして、世界でただ一人のためだけに存在する弱くて小さな神さまのお話
- 作者は『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』や『GOSICK -ゴシック-』シリーズでも有名
- 虐待描写やグロ描写、殺人や亡霊、女性が積極的な性描写、女学生たちを消耗品のように扱う性関係なども描かれるため、
- そうしたものが嫌いな人にはおすすめできない
- それに、娘を自分の分身として扱う母など、描写のやわらかさに反して内容はかなりエグいところもある
- 美しく繊細で豊かな自然や心情、弱い者たちへ向けるあたたかなまなざし、
- 「普通の世界」に受け入れられない生き様や感性などがていねいに描かれた名作
- さまざまな閉じたコミュニティを移動するところは、ロードムービーのようであり、ファンタジーのようでもある
- 幻覚や空想と現実の境界もあいまいで、死者が当たり前のようにあらわれたり、死者のイメージを役として憑依させる人物も出てきたりする
→イマジナリーフレンド、サイバーカラテ? - 作家と創作の話もある
- さまざまな名作小説もあちこちに顔を出す
- 豚の世界の女王も出てくる
- 18世紀~19世紀にイギリスの若い貴族の間で流行した〈隠遁者〉を再演している金持ちも出てくる
→断章編、オルヴァと隠者 - お金持ちで有名な文学者の自我を引き裂く「二人の息子」
- なるべき優秀な男と、なってはならない、屑
- そして父は、屑の方だけを甘やかしている
- 「そのまま生い立ちを話すとかえって嘘っぽくなってしまう
- 俺自身の、世の中に対する実感を伝えるためには、どうしてもフィクションにする必要があるんだ
- ほんとうの苦しみを、人に伝わるように、きちんと客観的に語るためには(略)
- 言葉を持たない俺の代わりに、俺の苦しみを語る、第二の、つめたい唇」
- 嘘しか答えてはいけない質問、即興の演劇
- 語り手と物語の一人二役の争い
- 作家だけじゃなくて、本をつくることも、読んでで解釈することもまたクリエイト
- 名前の力
- 神様への反抗、抗議、そして主人公や物語と作者の闘い
- 「作家とはある種の、自覚的な多重人格者
- 物語に自分の苦しみを引き取ってもらう
- それは生まれもっての才能なんかじゃなく、むしろ非常に後天的な能力だ
- 生きる痛みが、物語を必要とする人間……つまりは作家と読者を生むのだ」
- 「表現するほうも受け取るほうも、容易に被害者にも加害者にもなるし、たいたい、どっちの面もあっての、人間だろ
- 物事の当事者になるってそういうことだ」
- 人生を燃料にする
- 誰かの孤独な夜に滑り込み、作者の死後も残る作品
→外力
電子化◯
ふあゆ 今熊ムジナ
- アズと同じく心因性相貌誤認症を患う主人公(ラスボス)と、アズやアキラみたいな不思議存在ヒロイン(主人公)が登場するよ
- 自我と認識を巡る現代怪奇譚
ファン学!! 東京大空洞スクールライフRTA 川上稔
- 著者のこれまでの全作品に加え、新ネタを組み込んだダンジョン学園WEB小説
- アイコントーク+多数の実験的要素が盛り込まれている
- 「憑現化」という現象によって、人もモノもなにかの性質を加えられる世界であり、突然ファンタジー人種になったり擬人化したりする
→外力 - また、ダンジョンでは「死」からの復活が存在する
電子化◯カクヨムにて無料連載中
著者X(twitter)でもイラストや設定などが公開されていた(現在は資料集として販売中)
フィクション・ブレイカーズ 西島ふみかる
- フィクションを媒介とする妄想の病に対し、妄想の中に潜入して治療する捜査官バディの話(全二巻)
- かなり、アニメ『PSYCHO-PASS』を意識している
- 主人公とヒロインの仲がかなり悪く、主人公がかなり無鉄砲で青臭いのは、人を選ぶかもしれない
- 主人公バディの和解と共闘、そして妄想世界の矛盾点にツッコミを入れたり、そのストーリーに干渉していく面白さが魅力
- 俺TUEEE主人公が三人同時に出現したり、彼らの現実の人間関係が妄想世界に影響したりするのも面白い
- 周囲の大人たちや治療・組織の描写など、世界観はわりとしっかりとしている
- 武器の変化など、妄想ならではの小技も出てくる(使用すると妄想病の発症が近づくリスクあり)
→三章、アズーリアの夢。朱の色号?
電子化◯BOOKWALKER月額読み放題にて、2023年3月31日まで一巻を読むことが出来る
封仙娘娘追宝録 ろくごまるに
- 「ふうせんにゃんにゃんついほうろく」と読む
- すごい機能を持った仙人の道具「宝貝」を集める話
- コルセスカのように「擬人化」出来る宝貝が、ごろごろ出てくる
- 短編も長編に負けないくらい面白い
- 最強候補の「湯呑みの宝貝」も、短編に登場する
- 最終巻では「業」=「歴史を変えても残る恨みや怒り」の概念が出てくる
- 「俺たちの旅はまだこれからだ!」エンドなのが、人を選ぶかも
電子化○
Fate/strange Fake 原作:TYPE-MOON 作者:成田良悟
- Fateシリーズの公式二次創作小説
- 世界観を共有する「型月世界」の要素が、ふんだんに盛り込まれているため知識があればあるほど楽しめる
- まあ、逆に知識がなくても結構楽しめる作品であると思われる
→引喩的?
- 偽りの聖杯戦争
- 本物と偽物
- 全身武器庫サイボーグ神父(聖別済み)
- なにもないがゆえに、全てを内包する可能性の島
- 何の裏付けもないただの言葉でも、それを信じる者にとってそれは明確な呪詛となり、あるいは祝福となって行動と運命を縛り付ける
- 呪いそのものとして生きることを、受け入れている少女
- 長であると同時に贄でもある
→リールエルバ
- 長であると同時に贄でもある
- なんの才能もなきものであろうと、人は己の歩みを貫いたときに始めて英雄になれるのです
電子化◯ BOOKWALKERの月額読み放題で既刊7巻が解放中(2022年11月15日現在)
フェミニズムの帝国 村田 基
- 男女逆転世界の謎を主人公とともに探りながら、男らしさと女らしさについて思考を深めることが出来るSF小説
→イアテム、ミヒトネッセ
電子化◯
フェリックスと異界の伝説 エリザベス・ケイ
- 異世界へ転移した心臓病の少年と現地の子供たちが活躍する、児童向けファンタジー三部作
- 魔法によって発展している異世界では、逆に科学と人間が幻想の存在とされているという設定が独特
- 異世界文明は、ほとんど機械を生物や魔法に置き換えただけだが、セミナー商法犯罪など現代アメリカっぽい要素もあって面白い
- この作品での魔法は、物体をも変化させる催眠術であり、禁断の呪文を伝説の生物の人間が唱えるだけで、世界に正負両面で大きな変化が起きたりもする
- 悪役にも愉快な部分があって楽しく読めるが、死人もバシバシ出る容赦ない作品でもあるので注意
- 登場人物の心情描写など文章が発展途上な作品だし、展開もわりと粗雑、独自の種族名も覚えにくい
- しかし、キャラクターは魅力的でリアルな子供らしさがある
電子化×
不確定世界の探偵物語 鏡明
- 大富豪が所有するたった一台のタイムマシン
- それによって過去が頻繁に改変され、しかもその変化が人々の記憶にある程度残る世界になってしまった
→過去改変されまくっているゼオーティア - 故郷と親を失い改変されづらい存在となった探偵は、そんな不確定な世界でいかに仕事をこなし、またいかに生きるのか?
- 変化を求める作者の志向のためか、探偵主人公なのに推理要素は少なく、わりといきあたりばったりで事件が解決するが、逆にそれが独特の魅力となっている
- 性的な描写やセクハラ発言がやたらと多いので、それらが嫌いな人にはオススメできない
電子化○
ブギーポップシリーズ 上遠野浩平
- 架空の本を引用するとかアリュージョニスト感あるよね
- 一種の外伝として『ビートのディシプリン』『ヴァルプルギスの後悔』『酸素は鏡に映らない』
- さらに『戦車のような彼女たち』『私と悪魔の100の問答』『螺旋のエンペロイダー』『製造人間シリーズ』は世界観を共有しており、
- 『しずるさんシリーズ』、『ペイパーカットシリーズ』も同世界・同時代の話
- 『戦地調停士(事件)シリーズ』とのクロスオーバーであり、『戦車のような彼女たち』の後日談でもある『彼方に竜がいるならば』
- 『しずるさんシリーズ』とのクロスオーバー『騎士は恋情の血を流す』などもある
- また、『冥王と獣のダンス』『ナイトウォッチ三部作』は未来の話
- 『VSイマジネーター』
- 厳密にはVSイマジネーターシリーズか
- 水乃星透子のストレンジ・デイズの能力とコルセスカの能力の類似点の多さ
- "自分の代わりにものごとを考えてくれるイマジネーター"アキラくんいろいろ丸投げしてるし…
- 『歪曲王』
- 世界の歪みを正そうとするMPLS(超能力者)
- 君がやるべきなのは、それなのか?本当に他に選択肢は無いのか?
- 世界の敵になることを決断する選択と、それに対するブギーポップの珍しいリアクション
→ハルベルト?
- 『ペパーミントの魔術師』
- あるいは、磔になった道化師が、本当にやりたかったことにたどり着く物語
- 『ホーリィ&ゴースト』
- 謎のイタチに導かれ、伝説の犯罪カップルとなった正反対な二人の物語
- 『沈黙ピラミッド』
- チグハグな状態を作り出す存在、メザニーンを巡る物語
- 遺されたモノたちの話
- 『化け猫とめまいのスキャット』
- 「なりかわり」を行う恐るべき能力者が登場する
- 『壊れかけのムーンライト』
- 世界中の心を一つにしたかもしれないMPLSとその天敵であり、宿命の重さに負けてしまったMPLSが出てくる
- 呪いと戦おうとしたが、やりすぎて結局は呪いと同質になってしまった者の話
- 『溶暗のデカダント・ブラック』
- 【使い魔】的な人間の心の闇である「デカダントブラック」のお話
- 新刻さんが、また変人にモテてる
- 『ブギーポップは呪われる』
福音の少年 Good News Boy シリーズ 加地尚武
- 科学の代わりに魔法技術が発展し、魔法使いが世界平和を守る世界の話
- 元はエヴァの二次創作『錬金術師ゲンドウ』だった
- 一種のVR図書館である書架世界(ビブリオテーケー)を利用した陰謀とか、ちょっとアリュージョニストっぽいところがある
不堕落なルイシュ 森田季節
- 富裕層が死なない世界とか
武道館 朝井リョウ
- 武道館を目指すアイドルを通して、「炎上」や「正しい選択」について書いている小説
- 象徴の使い方が上手く、かなり分かりやすく理詰めに書かれているのが特徴
- それと同時に、繊細であいまいな心情の変化もしっかり描かれているので、登場人物に共感しやすい物語となっている
- また、スタッフやファン、主人公以外のアイドルもしっかりフォローされているのも良い
- 文庫版解説は、つんく♂氏であり、こちらも面白い
電子化◯
船乗りクプクプの冒険 北杜夫
- 小説の中に入り込んでしまった少年が繰り広げる、奇想天外な児童向け冒険小説
- すごく面白いというわけではないが、ゆるい雰囲気が良い
- 編集者から逃げる作者が登場するメタ要素や、科学力はあるが文明を捨てている原住民などの文明批判要素もある
- モブキャラの「ジッパヒトカラゲ」
→カーティス
電子化○
冬の朝、そっと担任を突き落とす 白河三兎
- 高校で起きた自殺事件の謎を、空気を読まない転校生が解明しようとするスクールミステリー・ジュブナイル
- 強いエゴを持った登場人物たちが繰り広げる、オセロのような激動の論理展開と、世界観の押し付けによる『呪文』マウントバトルが、独特の読み味をもたらしている
- 章題は七つの大罪になぞらえられ、さまざまな人物の視点から物語は語られていく
- 視点を変えることで、善悪の見方がガラリと変わることも多いし、
- 正義や犯罪、罰のありかたについて考えたいなら、この本を読んでおいて損はないと思われる
- ただこの小説は、暴走女子だらけの博覧会でもあって、
- いたるところに女子、いや人間の悪いところを煮詰めたような展開や人物がみっしりと満ちている
- 特に、空気を読まない/読めない女子が暴走するくだりは(社会と摩擦を起こさない訓練などを受けていない)発達障害を思わせるので、
- その方面の関係者には、読むのがつらいところもあるかもしれない
- しかも作中では、そうした性質が「自分に正直で嘘をつかない善意」として称えられていたりもする
- 確かに、その見方も間違ってはいないだろう
- だが、歩道と車道の区別がつかず、ブレーキも踏めない運転手を野放しにすれば、不幸な事故が起きるのは必然である
- 場合によってはそうした性質が良い効果をもたらすこともあるだろうし、隣の芝生からうらやましく見えることすらあるかもしれないが、
- いたずらに、そうした性質をほめ称えるべきではないだろう
- この事件の主因となった人物がそうであるように、自己の性質に無自覚であることは、災厄をもたらしかねない
- 己の世界観や正義を「唯一絶対の常識的基準」として他者に押し付けたり、状況/世情を正確に認識できない「善意」にのっとって行動することは、ときに悪意よりタチが悪いのだ
- ア関連要素の抜粋・要約
- 「スゴ腕のネット特定班『カナボウ』」
- 「役割を守ることのラクさ」
- インプットされた命令に従っているときの無心と自由な感じ
- みんな各々の「当たり前」を抱えている
- 「正義」や「正しさ」という言葉に置き換えても良い
- 普段からフェアなものの見方をしていることの力
- 不快感を与えない親切心からの注意
- あこがれの人のコピーになりたかった
- レンタルドレスのように、私をひとつ上の人間に押し上げてくれる
電子化◯
- レンタルドレスのように、私をひとつ上の人間に押し上げてくれる
冬の巨人 古橋秀之
- 歩み続ける岩の巨人の上で生活している世界とそこに生きる少年を描いた、どこかおとぎ話のようなSF
→アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム - ジュールヴェルヌのような冒険
- 博士がかなり愉快な人物である上に頭が良く、政治的な問題にもしっかり向き合っているのが良い
- 主人公も純真かつ知的にも誠実で、勇敢な人物
- ただ、彼も少し消極的だし、後半の展開は描写というより説明の連続で、巻き気味なのが残念
電子化◯
ブラックロッド 古橋秀之
- ケイオスヘキサ三部作の一冊目。国産オカルトパンクといえばこれを避けては通れない
- 呪術が科学の体系に完全に取り込まれた世界であり、科学の体系(杖)が呪術的な世界観に含まれているアリュージョニストとは(その意味では)見事に対照的な世界観となっている。
- トリシューラのヴァージニア・シリーズ感
- 主人公が精神拘束呪文を自分にかけることによって常時感情制御をしていたり、もう一方の主人公が、呪術的AIを脳内に住まわせることによって生理欲求を抑制したりしている。
- 店員さんのシャドウウォーク→ランドーのシリーウォークも入ってそう
- 呪術的セキュリティの穴を突かれて存在をのっとられるシーン
2023年2月に復刊を目指し、現在作業中とのこと@世界観などの説明がある公式サイト
電子化×
ブラッドジャケット 古橋秀之
- ミラ
- 義手と吸血鬼の少女をめぐる物語。ケイオスヘキサ三部作の中でも最も強い影響がみられるのでは?
- アーヴィーの修羅を人為的に扱うための感情制御アプリケーション?
電子化×
ブラッド・ミュージック グレッグ・ベア
- 『新世紀エヴァンゲリオン』の「人類補完計画」の元ネタと言われるSF小説
- 知性を持ち、あらゆる生物と融合する遺伝子操作細胞「ヌートリア」の侵食を描いた話であり、パニックホラーでもある
- ヌートリアは群体(クラスタ)の集合体で、内部に一種の闘争があるようだったりと「補完」とはその内実は異なる
- 細胞のイントロンに蓄えられる「種の記憶」や、バーチャルなシミュレート〈思考空間〉、人格の復元や複写、そして宇宙法則の「観察」との相互確立効果を用いて物理法則を欺瞞する「隔離ポケット」など、詰め込まれている要素は多い
→トライデント、転生、小神?、【邪視】
ブライトライツホーリーランド 古橋秀之
- 幻肢痛を中核に、呪術の義手を作成するというギミックが登場する。
- アリュージョニストと同じく、真の名を知られると呪術的脆弱性につながる言霊呪術世界であるが、「俺の名はスレイマン! G・G・スレイマンだ!」と堂々名乗りを上げる宣名の元ネタみたいなシーンが登場する。
- スレイマンは明らかにパーン・ガレニス・クロウサーの元ネタの一つであろう
- 男女合体して両性具有存在となりパワーアップする「聖婚」の元ネタみたいなシーンが登場する。
電子化×
ブラック・ブレット 神崎紫電
- 主人公が義腕サイボーグで広義の人狼モノでボンクラ趣味満載
- 聖天子様が白いショートボブだからコルセスカでは(違います)
電子化○
フランケンシュタイン メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー
- 名前の無い「怪物」の悲劇
- 「怪物」自体、科学やフランス革命など、様々なものの象徴として捉えられてきていることもあり、色々と象徴的な作品
- この本自体も、親世代の思想を実際に体現しようとした作者の生き様、何度も子どもを無くした作者の「子どもとしての本」そして、なかなか本が書けなかった作者が、夫や特殊な状況の力を得て創り出した「オリジナルのストーリー」と多様な意味を持っている
- 本編はシンプルだが、様々な解釈がその意味をふくらませている
- まるで、闇の中の怪物のように
電子化○
プラントピア(小説) 九岡望
- 遠い未来、「花人」のコミュニティに保護された記憶喪失の「人」の少女が、探索と交友をする物語
- メディアミックスプロジェクトの小説版であり、
- 大元は、イラストレーターのLAM氏がプロデューサーと始めたフィギュア企画
- クラウドファウンディングで、どんどん展開を広げていきたいようだ
- 記憶喪失の少女と、無愛想な桜の花人の少女アルファとのコミュニケーションを中心とした、アドベンチャーゲームのような内容
- また、ゲーム展開が企画されているだけにスマホゲーを思わせるバトルもあったりと、世界観にはわりと不穏さも漂う
電子化◯カクヨム
公式サイト
フリーランチの時代 小川一水
- 最近先生が好きという評価の短篇集。テーマは小川一水バージョンの幼年期の終わり。
- 収録されている内のLive me Me. は義体を操る少女の電脳プログラム化を描いた一篇。
電子化○
プリズム 神林長平
- SF的な世界観とファンタジーな世界観が、互いに入れ子構造になりつつ争闘している作品
- それは、【呪文使い】と【邪視者】的な存在同士の戦いでもある
- めまいのような幻惑を味わいたいなら、オススメ
電子化○
プリデイン物語 ロイド・アリグザンダー
- 豚飼育補佐の少年が、冒険を通して成長する児童文学ファンタジー(全5冊)
- 先代勇者がハゲていたりと、表面的な格好良さに囚われた少年の期待を現実が裏切っていく展開が多い
- 主人公が自分探しの旅に出かけたりもする
- ウェールズ伝承『マビノギオン』を元にしており、三人の魔女、不死者の兵士たち、歪んだ使い方をされている魔法の釜、角の王、炎を上げる剣、ツンデレ妖精姫ヒロインなどが出てくる
- 魔女との取引では、ある夏の日の思い出を対価として要求される
→『鮮血呪』? - 原題「三の書」は過去・現在・未来の三を表し「時の書」とも訳され。また作中にも同名の魔法の書物が登場する
→死人の森の断章? - ディズニーのアニメ映画『コルドロン』の原作にもなっており、さらにそれを元にしてシンデレラ城ミステリーツアーが行われていた
電子化×
プレイバック (小説) レイモンド・チャンドラー
- 私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第7作にして、チャンドラーの遺作
- "If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」(清水俊二訳)
- 名言として評価され、角川映画『野性の証明』で再翻訳されて広まったが、実は誤訳に近い意訳らしい
→外力?
Wikipedia>プレイバック (小説)
産経新聞オンライン記事>「世界の村上春樹」が語った翻訳の哲学
- 名言として評価され、角川映画『野性の証明』で再翻訳されて広まったが、実は誤訳に近い意訳らしい
不老不死の俺とエルフ姫の結婚生活が倦怠期に入りました まちだまさや
- 不老不死となった英雄とエルフの姫、おとぎ話のハッピーエンドのその後のおはなし
- 波乱や戦闘もあるが、話の中心は、長い時間で変化していった二人の関係のことである
→【再生者】、冬と死が無い世界での生き方 - ラブコメやいちゃらぶ、不死者の人生に興味があるヒトにオススメです!
カクヨムにて完結済み
文学少女シリーズ 野村美月
- 実在の文学小説が題材になっているライトノベル
- 大量の引用による文学愛の暴力が、読者を襲う
- 本の味(文字通りの意味で)が分かる文学少女が普通の食べ物の味が分からなかったり、他者に共感を抱けないメインキャラがいたりとクオリアの話もある
- 恋と文学と再起の物語
- 「文学少女」遠子先輩は、空想によって過去の「あったかもしれない別の側面」を語り直す【呪文使い】である
電子化○
分身 ドストエフスキー
- 『二重人格』とも訳される
- ドッペルゲンガーの出現とともに狂っていく官吏の物語
- 解説は『名作は隠れている ミネルヴァ評論叢書<文学の在り処>(別巻3)』がおすすめ
Wikipedia記事
電子化◯
平面人からの手紙 文:大森英樹 絵:矢崎芳則
- 中学生以上向けの数学ファンタジー
- 全てが「匂い」と呼ばれる地球にないもので出来ている「二次元の世界」からの数学を使ったメッセージを解読していく物語であり、少し見方を変えた数の考え方の話
→数学だけが共通する異世界 - 「三角形の和は180度ではない」とか「-1×-1=1」になる理由などが、独特の考え方で説明されている
- これは、一つの世界の滅亡をつづった遺書であり、新しい世界への脱出を描いた冒険記でもある
- 絵本形式だが、ドットで書かれた人の姿をした平面人の姿は、楽しくて独特の味わいがある
- わりと昔の作品なので、「フロッピーの余白」というのが「余剰領域」のことであるとか、少し現代の人にはわかりにくいところも
電子化×
ペスト アルベール・カミュ
- 疫病の蔓延によって、絶望的な状況を過ごすハメになった人々の物語
- 閉鎖された町で耐えなければならない状況や、そこから妻に会うため脱出しようとする男、自分以外も絶望的な状況になったためかえって明るくなった男などが出てくるため、新型コロナが流行する2020年にベストセラーになった模様。
- この作品におけるペストは不条理の象徴であり、ナチスドイツ占領下のヨーロッパで実際に起こった出来事の隠喩であると言われている
→ゼオーティアの吸血鬼 - 死刑を容認する社会にいる自分は、殺人者も同然だという自覚を抱く人物が登場する
→アキラくんっぽい
ペテン師は静かに眠りたい 片里鴎
- ブラック企業社員VS異世界『ゴッドファーザー』な裏社会
- 異世界転生したブラック企業社員が、平穏な生活を求めているにもかかわらず、なぜか裏社会でのし上がってしまう話(既刊4巻)
- 主人公には翻訳以外の一切のチートが存在しないが、彼はコンサルティング業で培った詐欺的な交渉術などで生き抜いていくのだった
- (ほぼ不眠不休で犯罪的な仕事などを当たり前にこなすあたり、元のブラック企業での仕事ぶりがうかがえる)
- 主人公に都合が良い状況もあるし美少女ヒロインも登場するが、すぐに綱渡り的な状態に追い込まれたりヒロインも潜在的に敵だったりと、
- ほどよい引き締めがなされているのが良い
- また、登場人物の心情描写などの文章力はまだまだ発展途上であるが、
- 最低限は抑えられているし、情報量が少ないぶん物語全体の流れや謀略の仕組みが万人に分かりやすいようになっている
- 舞台となるのは、二つの大国に挟まれた小国の街で(一巻では出て来ないが)九龍城砦のようなスラム街すらある
- 人種差別もしっかり描かれるが、表紙のダークエルフがあまり黒くないのが残念
- 平穏な生活を求める主人公の願望が、身の程知らずな大望と評されたり、
- 上昇志向と闘争が、生命の本来の姿だと進化論を引き合いに出して語られたりするあたり、
- 作品のテーマは「平和の対価」にあるのかもしれない
電子化◯
ベル君に憑依して英雄を目指すのは間違っているだろうか? 超高校級の切望
- 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の二次創作
- 原作を知らないまま主人公に憑依転生してしまった男が、想像上の主人公に追いつくために、英雄を目指して奮闘する
- 男は、悪夢に見るくらい罪悪感に苦しめられていた
→憑依転生先を犠牲にしたことを苦しむベアトリーチェ? - 説明がしっかりしているので、おそらく原作未読でも読めないことはないが、既読のほうが楽しめるだろう
- 怪物との境界線
- 本編完結済み
電子化○
偏差値10の俺がい世界で知恵の勇者になれたワケ ロリバス
- 登場人物のほぼ全員の知力が低い、異世界転移コメディ冒険活劇
- アキラくんと少し似ているが、こちらは天然のポジティブ思考異邦人(ゼノグラシア)が活躍する話
- あるいは、異世界に希望と救いをもたらした、本当に知恵のある勇者の物語
- 書籍化もしている
カクヨム版
変態王子と笑わない猫 さがら総
- 猫と呪いと欠落の話。
- オスカー・ワイルドの引用で出来てるのでこれもまたアリュージョニスト。
- 甘くてさくさくしたワードセンスで、どうにもならない絶望と幸福を描き出すのが素敵。
電子化○
暴虐秘書アズちゃん! カードは慎重に選ぶ男
- 『仮面ライダーゼロワン』を再構築した二次創作
- 原作のツッコミどころを改善し、登場人物全体の知能と冷静さを底上げしているため、ストーリーがよりスムーズに進んでいる
- シンギュラリティを迎えて「心」を持つようになったヒューマギアたちに対し、主人公が誠実に応えようとしているところがとても良い
- 要所要所でしっかり解説が入るので、あるいは原作未視聴でも楽しめるかもしれない
- ただ、ネットのノリで入る脚注や、1000%性格まで漂白された人物、登場しない人物やエピソード、そして暴力ヒロインな秘書などもいるため、そこは人を選ぶかもしれない
- また、映画版の設定も多く反映されている
- 夢のために人間を利用する女性型アンドロイドとそれを許容し、その関係から進むべき道を見つける人間
→トリシューラとアキラくんにちょっと似ている
電子化○ハーメルンにて完結済み
宝石泥棒 山田正紀
- るりあ046先生推奨
ボーイミーツガールの極端なもの 山崎ナオコーラ
- さまざまな人びとの、ちょっと変わった恋愛を描いた連作短編集
- リアルな会話文を説明的な地の文がフォローすることで、作中の出来事が受け入れやすくなる雰囲気を形作っている
- 第一話「処女のおばあさん」のタイトルだけでも、すでに何かに大勝利している感がある
- 登場するのは、みんなすこし変わった人物ばかりだが、
- だからこそ、個々の感性や感情の微妙な違い、そして一般的な定義から外れる「恋」を受け止められているところがある
- 更に、LGBTの要素もあり、過度に劇的にしたりお説教臭さを漂わせずにていねいにその想いを追っていて、とても良い
- また、作中ではブームのためか、頻繁に多様な種類のサボテンが買われたり贈られたりしており、
- 登場人物にたとえられるそれらの個性的な姿も、また作品に深みと面白さを与えている
- しかも、実際の写真もちゃんと載せられていて、これもまた良い感じなのだ
→引喩?
- 登場人物の中には、一人ではデビュー出来なかった「引きこもりアイドル」と、それをサポートする黒子役(ちゃんと黒子の衣装も着ているプロンプターな役割)の義姉(養子になった従姉妹)もおり、
- 美青年だが三枚目の俳優を挟んでトラブルを巻き起こす
→外力
電子化◯(Kindle Unlimitedでは追加料金0円)
- 美青年だが三枚目の俳優を挟んでトラブルを巻き起こす
僕僕先生シリーズ 仁木英之
- 僕っ娘仙人と呑気な青年が行く、ぶらり珍道中の物語
- 太平広記に所収されている短い説話をアレンジした、第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作
- 第七世界槍に似た世界観だが、仙術とか妖怪が中心で武術はほぼ出てこない、まったりとしたラブコメに近い中華風ファンタジー
- しかし、民族対立などシリアスな状況もあるし、中国から出て、ベトナムやモンゴルや果ては星の世界まで行ったりもする
- また、人の祈り(信仰)で力を得る神仙と人の関わりの物語であり、それを巡る陰謀もある
- 最終的に、主人公がヒロインと添い遂げるために仙人の特徴である「仙骨」を手に入れようとする流れとなり、『聖婚』の話にもなる
- 『仙丹の契り』
- 王子と道化、双子
- 自分の値札は自分でつけろ
- 僕僕先生の仙丹
→『聖婚』 - 『師弟の祈り』
- 代替可能な、誰であっても良い英雄
- 空っぽであるからこそ、器の資格がある
- 外伝シリーズ『零』は、料理が中心の過去話
- 思想の違いで対立する二つの神の陣営について、本編より少しだけ詳しく描かれている
電子化○
- 思想の違いで対立する二つの神の陣営について、本編より少しだけ詳しく描かれている
僕と君だけに聖夜は来ない 藤宮カズキ
- ヒロインに告白されるたびに、彼女が死んでしまうループもの
- 情感たっぷりな文章で、何周ものループを一気に描いている
- 作者のデビュー作『いつかの空、君との魔法』に共通する要素がある…というか、作者の性癖がより出ている
- ぶっちゃけると、ヒロインの「曇らせ」好き向け
- 物語の行き着く先はトゥルーエンドといった感じの終わりであり、未来の幸福より現在の苦闘に重点が置かれている
- まあ、ループ離脱のスタンスを突き詰めるなら、こういった結末になるのも止むを得ないだろう
- 状況が特殊で自業自得な点もあるとはいえ、ヒロインがわりと厄介者扱いなこともあり、けっこう人を選びそうな作品
- 『魔法少女まどかマギカ』や『STEINS;GATE』のように、救われる対象のヒロインが、主人公のループについてのメタ感覚やその苦悩に対する共感を示していれば、その点はかなり和らいだはずなのだが……
- また、主人公の覚悟と選択に重点が置かれているためか、ループやデートに比べて、解決の描写自体はかなりあっさりしている
- ヒロインは、空がときどき薄桃色に見える体質であり、独特の視座を持っていた
- 主人公が彼女と知り合ったのも、それについて知ったことがきっかけだった
→クオリア
- 主人公が彼女と知り合ったのも、それについて知ったことがきっかけだった
- 異邦人による閉鎖環境の打破もあるし、選択の話でもある
電子化◯
ぼくと魔女式アポカリプス 水瀬葉月
- 眼鏡っ娘魔法少女(広義)が爪をはがしたり指を切り落としたりしながら魔法を使ってバトロワする
- しかも不死で!不滅で!不朽で!死なず!滅ばず!殺されぬ!と実質メートリアンですが彼女と違って気弱系です。マジ萌える。
電子化○BOOKWALKARにて全巻読み放題(月額)で読める
僕の魔剣が、うるさい件について 宮澤伊織
- SFのタイトルを引用した銘を持つ魔剣でヴィジョンとか出しつつ能力バトルでバトルロワイヤル
- いろいろな武器がたくさん出てきてノリノリで殺しあってたくさん楽しいのでボンクラ感満載。
電子化○
ぼくらは都市を愛していた 神林長平
- 突如、情報の秩序を失った人類。混乱と不信は破滅的争いを呼ぶ。組織立てないからこそ世界大戦とはならず、しかし終わりのない世界的戦争状態が人類を絶滅寸前に追い詰めていた。まさに言震。
- 殺した<わたし>と殺された<わたし>と第三者の<わたし>が、人称と時間を混濁させながら、真犯人の<わたし>に迫る。
- イェツィラー
- 都市とは人類が生み出した最大の杖
- 四大系統の駆動っぷりに感嘆してたら未知なる末妹が出た上に屍骸の杖的迫真性とか死者の代弁とか役と役者の転倒までカバーしだしたので間違いなくアリュージョニスト。
電子化×
ぼくらのクロニクル<因果魔法大戦> 篠宮ゆうき
- 脚本家と運命に抗う、召喚魔法バトル式『ロミオとジュリエット』
- 「俺たちの戦いはこれからだ」エンドだが、実質やれることは全部やっているのでこれで問題解決ということで良いと思う
- 登場人物は運命というルールに苦しめられてきたが、神(きゃくほんか)にも、破れないルールはあるということだ
- たとえば、締め切りとか
- つまりは、これで大団円!
電子化◯
星の王子さま アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
- 子どもの世界(『邪視』)と愛することについての物語
- 砂漠の真ん中で遭難してしまった飛行士と、ちいさな星のちいさな王子さまの出会い
- 「飼いならす」(なれさせる)責任についても語られる『使い魔』の話でもある
電子化○
星の砦 柴田勝茂
- 受験勉強以外を切り捨てる新しい校長の教育方針に対し、一丸となって抵抗する小学校のクラスの話
- 反競争主義的で、思いやりや愛、合理性が切り捨てる人間的なものの大切さを訴えるメッセージ性の強い児童文学
- 読者からの反響が大きかった作品であり、劇として上演されてもいるという
- 物語後半では、主人公たちと遺伝子未改造のため迫害される人々が不思議な作用でシンクロし、SF的なストーリーが挿入される
- それは、遠い宇宙からのメッセージ、対話と相互理解による未来の変化を願う祈りであった
→再演?転生?
- それは、遠い宇宙からのメッセージ、対話と相互理解による未来の変化を願う祈りであった
- 主人公たち6年5組は、1クラスだけ学校祭に参加してプラネタリウムを上映しようとするのだが、
- それは遠い宇宙の彼方、星と星をつなぐ基地である「星間連絡ベース」からの白昼夢のようなメッセージを受信するきっかけとなったのだ
- 日渡早紀『ぼくの地球を守って』や『ガンダムSEEDシリーズ』を思わせる内容であるが、
- それらより早く書かれているのが、面白い
- ただ、その内容は小学生たちがひたすら反抗するだけであり、
- あまり練られたストーリーであるとは言い難い
- また、クラスメイトはその全員が団地の児童合唱団の出身であり、その絆や連帯が学校以外でつちかわれていることからも、
- 学園モノとしては、今ひとつテーマに合っていないようにも思われるのが殘念なところ
電子化×
- 学園モノとしては、今ひとつテーマに合っていないようにも思われるのが殘念なところ
ポストマン(改訳版) デイヴィッド・ブリン
- 戦争の後遺症によって文明が崩壊したアメリカで、生き延びるために郵便配達員になりすました男が、周囲の期待を受けて文明復興の責任を負うことになる「ポストアポカリプス/reluctant hero(不本意な英雄)」ものSF
- 郵便制度の復活が、かつての文明の秩序と幸福を人々におもい出させ、それが文明再建の意欲を人々に与えていく
- ケビン・コスナーの映画版は凡人が英雄になり文明を復興させる話だが、それに対して小説版は、英雄になれないものが英雄を動かし、その勇気ある行動が神話となって文明復興をうながす希望となるところで終わっている
- 神話と責任の話
- ストーリーはイマイチだが、心情描写はわりと良い
- フェミニストも出てくるが、勇敢に戦うが軍事的に愚かな作戦をして失敗し、結果的に責任を担うべき男性の英雄を動かすにとどまる
電子化×
ぽっぺん先生シリーズ 船崎克彦
- 主人公であるアラフォー男性の大学助教授(独身)が、毎回不思議な世界へ迷い込む児童文学
- 『日曜日』:先生は「中身」を欲する洋服たちが住む「ぬけがらの町」で、あやうく着せ替え人形にされそうになる。
- 彼を救ったのは、意外な特技だった
- 『帰らずの沼』:先生が、沼の生き物に何度も輪廻転生する(人間の記憶持ち越し)
- 転生したおかげか、初めてモテるが・・・・・・・・。
- 『どろの王子』:いつのまにか、ハニワの王子に転生してしまった先生は、一つの小世界の始まりを目撃することになる。
- そこで先生は、唯一無二の力と地位を得て、崇められることになるが・・・・・・・・。
- 『鏡の女王』:先生は、父親が「書きあげられなかった」本の世界に迷い込んでしまう
- 作者が終わらせられなかった物語を自分の手で終わらせなければ、元の世界に帰ることは出来ないのであった
電子化△(一部のみ)
- 作者が終わらせられなかった物語を自分の手で終わらせなければ、元の世界に帰ることは出来ないのであった
炎の蜃気楼シリーズ 桑原水菜
- 戦国武将などの怨霊を倒すため、生者の肉体を奪う「換生」を繰り返して戦い続ける憑依転生者たちの戦いを描く(BL要素強い)伝奇ノベル
→四章戦国編 - 外伝含めて70巻超えのシリーズであり、舞台化されたり、キャラに関連ある場所を巡る「聖地巡礼」の起源とされたりもしている名作
電子化◯
ホムンよ故郷を見よ 小松左京
- 地球から遠く離れた星間文明における、差別された民族とその選択の結果を描いた短編
- 後半の急展開が面白くて、最後の一文が心に残る
- 作中で描かれている歴史自体はフィクションだが、そこで描かれている少数民族への過酷な差別は、歴史的に類例がある事実である。
- ハルキ文庫の『時の顔』に収録されている
- そちらの表題作の「時の顔」や「御先祖様万歳」「お茶漬けの味」などもアと関連した要素があるし、何より面白いのでオススメ
電子化◯
- そちらの表題作の「時の顔」や「御先祖様万歳」「お茶漬けの味」などもアと関連した要素があるし、何より面白いのでオススメ
ホラ吹きと仇名された男は、迷宮街で半引退生活を送る 中文字
- 迷宮での修行に行き詰まった冒険者が、半引退して街で初めての休暇を過ごすうちに新しいなにかに気づいていく話
→外力、異邦人(ゼノグラシア、グロソラリア)とは真逆なのに類似した効用?異邦人となることの意義? - ただ、この主人公が初期の綾波レイ並みに淡白なのだ
- そのため、肝心の彼が感じた感動の描写はかなりあっさりめであり、文章表現が残念なことになっている
- 無双要素も、本人が名誉にこだわらないためマウントを取る(取り返す)ことによる満足感も、あまり無い
- それでも見どころがないわけではなく、後半のやや複雑な戦闘描写や話全体の流れ自体はかなりしっかりしている
- また、人びとの生活や料理についても、それなりにきちんと描写されており、練り込まれた世界観を感じさせる
- 叙情的な要素は期待できないが、
- あるいは、ただモンスターを倒していくアクションゲームのような昨今の小説よりは、この作品での街歩きの方がよほど冒険していると言えるかもしれない
- 引用・一部要約
- 名誉や名声は他人が勝手に借りられるもの
- そんなものは自分のものだとは証明できないし、価値など無い
- ブリコラージュ的なパワーアップ
- 休養や気晴らし、寄り道の重要性
電子化◯BOOKWALKER月額課金読み放題にて、2024年4月30日まで読むことが出来る
- 名誉や名声は他人が勝手に借りられるもの
ポルノ惑星のサルモネラ人間 筒井康隆
- ほぼ全ての生物が、性欲旺盛でエロい惑星での冒険譚
- 暴力と性についての思考実験でもある
- 無性の存在もいるが、ちゃんと役割は用意されている
電子化×
滅びの鐘 乾石智子
- 土着の民で魔法の才を持つカーランド人と、征服民アアランド人が平穏に暮らしてきた北国・カーランディア
- だが、それは偽りの平穏だった
- カーランド人虐殺の怒りに燃える大魔法使いが、平和の象徴である鐘を打ち砕いたとき、闇の歌い手と魔物が解き放たれる
- 【邪視】系の【呪文】ファンタジーであり、魔法が日常的に使われている世界の物語
- 豊かな自然や異世界の日常描写がしっかりしており、誰もが見たことあるような景色の形容を組み合わせ、雄大なイメージを織り上げていく文章も素晴らしい
- ただ、その反面展開はかなり緩急が激しく、後半になってから急激にストーリーが動き出す構成となっている
- ストーリーも、そのテーマが差別というより「憎しみの連鎖」を断つことにあったり、アアランド人権力者側の心情描写も豊かなのに彼らの側からの事態の積極的な解決がされなかったりと色々惜しい
- とはいえ、話の内容はしっかりまとまっており、魔法で事態を解決する結末もきちんと納得できるものに仕上がっている
電子化◯kindleunlimitedなら0円BOOKWALKERのサブスクでも読むことが出来る
本をめぐる物語 一冊の扉 ダ・ヴィンチ編集部・編
- 各作家の宣伝的な、「本」をテーマとしたオムニバス短編集シリーズの一冊
- 内容はどれもあっさりめだが、本をめぐる人々の物語であり、独特の味わいがある
- 中田永一『メアリー・スーを殺して』:作者は乙一の別名義であり、この短編は、乙一の別名義の作品を合わせたアンソロジーの表題作にもなっている
- 「メアリー・スー」のために作品を批判された主人公は、彼女を殺すために現実の自分を変えていった
- いい作品を書くためにさまざまな知識を身につけダイエットにも成功した主人公は、いつしか二次創作小説を書くこともなくなっていった
- そんなある日、主人公は、かつての部活仲間にオリジナル小説の執筆を依頼されるのだが……
- 他にも「校閲ガール」や「初めて本をつくるあなたがすべきこと」など、本作りが題材のわりと珍しい短編もある(後者は特にハードな仕事の話なので、読むのを後回しにしないほうが良いかも)
電子化○
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