推薦図書/小説/や~ん

Last-modified: 2024-04-19 (金) 21:47:29

推薦図書/小説/や~ん

  • アリュージョニスト以外のネタバレに注意
  • サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
  • 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
  • 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
  • 参照と類似は呪力です。高めよう。
  • ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
  • 編集カラテ入門
    • 発勁用意! 次の2行をコピペして、自分の文章で書き換えます。ここは、Webブラウザ以外のアプリでやるのがオススメ。

      *** タイトル

      -説明1

  • NOKOTTA! 文章が出来たら、Webブラウザに戻り、画面の一番上の「編集」を押します。
  • GOOD! 編集ボックスが出てくるので、1で作った文章をコピペします。場所は、根性で探してください。
  • COMBO! 「プレビュー」を押して、うまくいってるか確認します。まだこの段階では、誰にも見られません。
  • EXCELLENT! 「ページの更新」を押せば、完成です!!

や行

柳生十兵衛死す 山田風太郎

  • 能は過去の再演なので過去に干渉できる
    電子化○

やさぐれ執事Vtuberとネガティブポンコツ令嬢Vtuberの虚実混在な配信生活  犬童灰舎

  • 理想(妄想)のVtuberたちを描いているV小説(既刊2巻)
  • Vのファン向けであり、パフォーマンスの詳細は描写されないスタイル
  • 群像劇に近く、視聴者の反応で演者のすごさを実感させる形式
    • そういう意味では、ダンジョン配信系の小説に近いかもしれない
  • 「マママーメイドメイド」など独特なキャラが多いが、繰り返される交流や配信を通じて自然とそれぞれの個性は覚えられるようになっている
  • W主人公制だが、実質的には「敗者復活」「生まれ変わる」を打ち出した主人公たちの所属V企業こそが、真の主人公なのかもしれない
    →転生、再起の舞台としての第五階層(シナモリアキラ)
  • 一巻では、ポンコツ令嬢がVになるまでを描いており、二人の本格的な交流は始まっていない
    電子化◯BOOKWALKER月額課金読み放題にて、2024年4月30日まで読むことが出来るし、小説家になろうでも不定期連載中
    また、電子書籍限定書き下ろしSSもアリ

野生の聖女は料理がしたい! 枝豆ずんだ

  • チート無双に見せかけた少女漫画系ややハードファンタジー(全二巻)
  • 主人公は、人類が追い詰められつつある世界で現地の記憶もないまま旅をするハメになるが、
    • それでもひたすら美味しい料理を作ろうとするし、人類文明の讃歌を叫ぶのだ
  • チートは一応あるが、料理バーサーカーな主人公にはあまり関係ない
    • 主人公の目的にとって本当に重要なのは、仲間の力
    • そう、魔法で食材を狩ったり氷を提供してくれる拾った魔王系魔術師や、身体から薬草や野菜を生やしてくれる人造種族の仲間こそが、彼女の支えなのである!
      →外力
      電子化◯

矢吹駆シリーズ 笠井潔

  • 探偵と犯人が、殺人事件を介して思想でぶつかる【呪文】対決系ミステリーシリーズ

屋根裏部屋のエンジェルさん ダイアナ・ヘンドリー

  • 両親を失い、おばさんのところに引き取られた少年のところに、奇妙な下宿人がやってくる児童文学
  • 下宿人エンジェルさんは【杖】系統の【呪文使い】な感じで、独特の考え方と言葉遣いをするヒトだった
  • 彼は、生きている人たちと死んでしまった人たちをつなげる「回路」を再生させて、暖かい「うち」をつくる「うちづくり屋」である
  • その活躍によって、それまで冷たくて人間同士の触れ合いが無かったおばさんの家に、ぬくもりが取り戻されていく
    →ルウテトも、結果として似たような役割を志向している気がする

闇の左手 アーシュラ・K・ル・グィン

  • 異民族文化紹介冒険SF 夜の民の特徴が散見される。触手はないよ!
  • 政治的いざこざから始まり、異星人同士が本当の親友になる二人旅をすることになる話
  • 普段無性だけどどちらの性にもなれる両性具有・フード・小柄・影
  • 寓話に"光は暗闇の左手 暗闇は光の右手" "私は名前と影を取り戻した"
  • タイトルは、作中に出てくる「トルメルの歌」から
    • 光は暗闇の左手 暗闇は左の右手 二つはひとつ、生と死と、ともに横たわり(中略)さながらに因-果のごと
  • 「心話」技術
  • ハンダラ教徒の言葉
    • 未知のもの、予言しえないもの、立証し得ないもの、これが人生の基盤になるのです。
    • 無知は嗜好の基盤です。立証不能であることが行動の基盤になるのです
    • 神が実在しないことが証明されたら、宗教は産まれないでしょう
    • また神の実在が証明されるとすれば、やはり宗教は生まれないはずです・・・
    • 人生を存続させうるものは、永遠不変の耐え難い不安ですよ、次に何が起こるかということを知らない不安です
      →全治の否定、完全に立証された知の体系である『杖』の知とその産物の否定?
      電子化×

勇者保険のご加入はブレイヴカンパニーへ! 冬空こうじ

  • 冒険者が加入する「勇者保険」で、契約者の撤退を支援したり、遺品の回収をしているファンタジー保険屋さんのお仕事話(全2巻)
  • ユニークスキルな感じのスキルはあるものの、基本的に地味なコツコツ系の和ファンタジーである
  • 新入社員として、王位継承のために働く高慢なお姫様もいたりする
    電子化◯2023年8月31日まで、BOOKWALKERの月額課金読み放題で全巻を読むことが出来るし、KIndleunlimitedでも全巻0円で読める

指輪物語 J・R・R・トールキン

  • ファンタジー分野における一種の伝説というかクラシックの王道。
  • 世界を左右するほどのアーティファクトを利用するのではなく、破棄するための戦いの旅
  • 異種族の和解や敵対といった交流の話でもあり、剣と魔法だけでは世界を救えない、という話でもある
  • 邪視や呪文の視座補強に推奨。
  • ティリビナの民には、指輪物語のエントやグローランサ世界のエルフの影響がある気がする
    電子化○

勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録 ロケット商会

  • おかしなトラブルや戦闘ばかりを引き起こす、変人と凶悪犯罪者しかいない勇者部隊(と女神やドラゴンなど)の活躍を描いたハイファンタジー
  • 勇者は刑罰として記憶を代償に何度でも蘇らさせられ、凶悪な災害である魔王現象と戦わせられる
  • 人類内部にも不穏な動きがあったりと、状況はいつもほぼ最悪
  • 勇者たちは、承認欲求を行動原理とする女神の力を借りて戦い(というか戦わざるを得ないところに追い込まれ)彼女たちを相棒としてやっていくことになる
    →トリシューラ
  • 書籍化した
    電子化◯ カクヨムにて連載中

夢の樹が接げたなら 森岡浩之

  • 森岡浩之の短篇集 スパイスがトントロポロロンズ周辺の展開に絡んでくる。三章読了後に推奨。
  • 表題作の夢の樹が接げたならもマルチリンガル社会でイメージ近くて結構面白い。
    電子化×

夢見る水の王国 寮美千子

  • 幻想物語系で上下巻の異世界冒険ファンタジー
  • 作者が泉鏡花文学賞を受賞した『楽園の島 カルカッタ幻想曲』の作中作である
  • 二人だけの理想郷が終わるとき、隠された罪と影が暴かれ
    • 少女は相棒と共に、世界の果てを目指す冒険に旅立たねばならなくなる
    • 一人は名前を捨てるために、もう一人は取り戻すために
      →イマジナリーフレンド
  • カドカワ銀のさじシリーズという、子供向けラインナップに分類されているが
    • 王との関係を噂される少年侍従が少しだけ出てきたり、前半の中心人物が孫を思いやる老人だったりと
    • 内容はあまり子供向けではない
  • 詩的で映像的なイメージの断片がやがて収束していき、最後に一つの世界観と至るという、交響曲のような物語
    • 多くの交流と戦い、繰り返されるモチーフと響き合うイメージが、世界を巡る水のように結末へとたどり着く
  • 文章は名文ではないが、豊富なイメージと詳しい描写がそれを補っている
  • 二対の双子、光と闇の分身
    • さらに新たな分身的な存在も、次々と現れる
      →相互参照の幻想姉妹?
  • 異世界の独特の文化や風習、地学的な構造、そして経済がしっかり描かれているのがとても良い
  • 幻想と現実は逆転し、現実を侵食している
  • 予知夢を中心に、シャーマン系魔術や神秘的な現象がたくさん出てくる
    • 夢を見る巫女能力を持つ少女と、その夢を読み解く解説者も登場
  • 絵葉書と雲母など、現実と幻想で対応する要素多数
    • ニワトリと卵の関係?
  • 言葉が現実になる『呪文』要素もある
  • 水から炎へそしてまた水へと、転生し天地を巡る龍
  • 一つの宗教が支配する小世界
    • そして、その秩序の枠組みから外れている、まつろわぬ者たち
  • 予言された新しい神
  • ちなみに、作中に出てくる「郵便局の妖精の話」というのは、カレル・チャペックの『 長い長い郵便屋さんのお話 』(『長い長いお医者さんの話』)である
  • また、『はてしない物語』に出てくる要素をリスペクトしたらしい場所と要素もいくつか出てくる
    電子化×

ようこそ観光ダンジョンへ 葛西伸哉

  • アイドルがダンジョン潜る話
  • かつての邪神の根城も、観光地化されてダンジョン攻略に、地元の利権が絡む
  • どこにでもあるような、単純で、でもそれが良い冒険と成長の物語
  • 二流の楽園の話
    電子化○

妖女サイベルの呼び声 パトリシア・A・マキリップ

  • 「名前」を知ることが魔術的な意味を持つ世界観。
  • マキリップ作品では他にも『影のオンブリア』などにアズーリアのルーツが見える。
    電子化×

幼年期の終わり アーサー・C・クラーク

  • ヲルヲーラの説教
  • 超科学力を持った宇宙人の監督によって人類が進化し、戦争の可能性がなくなる話

妖魔夜行シリーズ グループSNE

  • 人の思いが、妖怪を生む邪視的な世界観
  • シェアードワールド作品であり、基本的になんでもあり
  • 続編である『百鬼夜翔シリーズ』に出てくる「妖怪ハンター」は、思いを武器に変えていて、ますます邪視者っぽい

横浜駅SF  柞刈湯葉

  • 自己増殖・外部侵食を続ける都市となった横浜駅を舞台とした物語
  • 第1回カクヨムWeb小説コンテストにて大賞(SF部門)を受賞している
  • 人間から独立して秩序を維持し、人びとの生活を支えるインフラ世界
    →第五階層と化したシナモリアキラの反面教師?
  • 加筆されて書籍化し、原型であるネタツイートも特典として収録済み
  • さらに、外伝などを集めた2巻目『全国版』まで出ている
    電子化○カクヨムにてひとまず完結

四畳半神話大系 森見登美彦

  • 幾度も繰り返される選択、そしてループする失望の大学生活
  • アニメ化もされている
    電子化○

吉本ばななの作品

  • 死や孤独に無理しすぎず、かといって軽くなりすぎずに向き合い、それから立ち直ったりしのいだりしているものが多くて良い
  • 特に【邪視】的なスピリチュアル現象を、自然体で処理している話がある自選選集の『1 オカルト』
  • 傷からの再生や癒やし手の短編集である『とかげ』などがオススメ

夜長姫と耳男 坂口安吾

  • 女神のような恐ろしいドS美少女とそれに打ち倒された職人(芸術家)の話
  • トリシューラ成分不足の人に
    青空文庫>夜長姫と耳男

ら行

烙印の紋章 杉原智則

  • 主人公とヒロイン (もう一人の主人公) がお互いのことを常に意識しながら別々の戦いを続けるが、シリーズ後半まで再会しない。
    電子化×

楽園追放 rewired 虚淵玄+大森望・編

  • アニメ映画『楽園追放-Expelled from Paradise-』を作るにあたって、虚淵玄が影響を受けたサイバーパンク傑作選
  • 吉上亮「パンツァークラウン レイヴズ」
  • 『パンツァークラウン フェイセズ』の前日譚
  • 機械の女神が、最適な選択を教えてくれる都市
  • 確かに、やろうとしていることは大して変わらなかったので、本当に「別に大したことはない」のかもしれない。
  • チャールズ・ストロス「ロブスター」
  • 贈与が生きがいな男と、精神のアップロードとSM趣味
  • 藤井大洋「常夏の夜」
  • 災害支援に量子テクノロジーを活用
  • コインの軌道を量子コンピューティングで予測するのが、【弾道予報Ver3.0】と似ている
  • 執筆に難航するライターを救いそうな夢のテクノロジーも出てくる

楽園の魔女たちシリーズ 樹川さとみ

  • 四人の美少女(一人既婚者)が、ぐうたら魔術師に弟子入りして暴れまくるコメディ系ファンタジー
  • 弟子をとる理由が「借家から立ち退かされないため」だったり、雰囲気はユルい(ただし下手すると、鬱になりかねないシリアス要素もあったりもする)
  • 【呪文】や【杖】系の魔術が色々出てくるし、世界観もかなりしっかりしている。
    電子化○

楽園の蓮(れん) はじまりを歌う少女 喜多みどり

  • シンプルだが人物描写がしっかりしている中華風・異世界転移ファンタジー
    • 人間の負の面やそれとの対決をきちんと描いているところが素晴らしい
  •  賞の受賞作
  • 女子中学生が、小鳥を助けたことから予言された少女として異世界を救う冒険に巻き込まれる話
  • 主人公は、いじめられているうえに友だちに裏切られて、教室から逃げ出したところで転移しており、
    • 異世界での旅は、そんな彼女が自分の状況を見つめ直し、強く成長していく物語でもある
  • 主人公は異世界の理を持たないため、天籟(てんらい)という敵の必殺魔法を反射することが出来る
    • しかし、主人公を裏切った友だちも同時に召喚されていて、予言の条件は彼女にも当てはまるのだった
  • 愛犬に憑依する精神生命体が出てくる
  • 「はじき飛ばされ」た心が宿ったもの(=失われた心を思い起こさせる何か)を探している人物も出てくる
    →心の外部性?
    電子化×

螺旋プロジェクト

  • 文芸誌『小説BOC』の創刊にあたり、8組9名の作家陣が、ふたつの一族が対決する歴史を分担して書いた競作企画
  • 全九編八冊のシリーズであり、一冊一冊がわりと分厚いが、その代わり(基本的に)物語は一冊ごとに完結している
  • どの作品にもある特徴を持った人物が登場するなど、共通する要素やゆるいつながりもあり、それを探す楽しみもある
  • 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』
    • 平成、すなわち通知表が相対評価になったように、表面的な対立が起こらないようにさせられてきた時代を舞台に、生きがい(死にがい)を求めて苦しみあがく人々を描いている
    • ありふれた日常や誰もが感じがちな劣等感を通じて、「海族」と「山族」に限定されない対立が続く要因のひとつが、そしてそれを乗り越える可能性までもが見えてくる
      作者が得意とする『意識高い系』や『対立や派閥を作りたがる人間』の話でもあり、その本領を発揮する大学生編から、物語は勢いをつけて真相とその先へと加速していく
    • 単に対立の解消案を出しているだけでなく、異なる他者と関わらねばならない理由や生きがいについても触れられており、上から目線になっていないところが良い
    • 進学など環境の変化による評価される能力の変化や『コミュ障』の発生も扱っており、「社会的な障害」としての観点から『コミュ障』を考える材料にもなるはず
    • また、山田昌宏『モテる構造』などにも出てくる「男性ジェンダー特有の困難」についても反論しているため、そちらに興味がある人にも読んで欲しいところ
  • 伊坂幸太郎『スピンモンスター』
    • 争いは、すべての基礎であり、必要
      • 衝突が変化を起こして、新しいものを生み出す
      • 可能性を増やすために、争いは起きなくてはならない
      • 現状維持と縮小こそ悪
    • 争いは、なくならない
      • ただ、その中でどうにか穏やかに生きていこう、と努力するのは自由
    • 平和は努力しないと現れない
      • 努力しても平和になるかは分からないが、少なくとも何もしなければ、争いは起きる
    • 領土を持ち境界線を作るのが、対立を作る一番簡単な方法
  • 乾ルカ『コイコワレ』
    • 太平洋戦争中、集団疎開によって出会った二人の少女の対立
  • 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
    • どこかレトロな未来を舞台とした、群像劇的な冒険譚
    • 未来ではあるが、まず実現しなさそうな(需要があまりなさそうな)テクノロジーも混ざっており、
      • カタカナの人物名とあいまって、村上春樹に星新一のテイストを少し混ぜたような独特の雰囲気を醸し出している
    • 様々な人びとの物語が、やがて一つの運命へと収束していく、謎解きと探索の物語
      • それを、定められた道筋をなぞるだけの「お使いクエスト」と切り捨てるのかどうかは、読者の好みによるだろう
    • また、「螺旋プロジェクト」の時系列上最後の作品であるだけに、それにふさわしいまとめは成されている
    • ただし、この作品世界では分断と対立自体は既にいったん解消されており、テーマとしてはむしろ「壁」の作成と無効化の繰り返し、
      • つまり「螺旋」の必要性についての話となっている
      • それがよりによって銭湯で語られるあたり、どういった内容なのかはお察しください、といったところではあるが(※語り手は大柄な高齢者男性です)
        →『聖婚』の意義と成立条件?
  • 認識や記憶を書き換える薬物やコンタクトレンズなども出てくる
    電子化○

螺旋のエンペロイダー 上遠野浩平

  • 異能者ばかりが集められた学校で、突き抜けた存在である主人公が無双・・・していくうちに、自分の抱えている問題に直面することになる話(全4巻)
  • 最も本物に近い偽物、世界を支配する存在「エンペロイダー」を巡る話だが、その定義は二転三転して、それがまた面白い
    • 世界を一つの塊として捉えようとする視線を持つ者、すべてを受け止める心の広さがある者という定義もある
      →ルーシメア?コルセスカ?アキラくん?
  • あらゆるものを受け流す能力や、流れを操る能力、別の時空に身を置く技術などが出てくる
    →化勁?
  • 「奇蹟使い」については同作者の『冥王と獣のダンス』、「虚空牙」については『ぼくらは虚空に夜を視る』などのナイトウォッチ三部作を参照(詳しく知らなくても話を楽しむには問題ないが)

ラプソディ三部作 エリザベス・ヘイドン

  • 『ラプソディ - 血脈の子(上・下)』 『プロフェシイ - 大地の子(上・下)』『デスティニイ - 大空の子(上・下)』の三部作
  • 映写機を使って、【杖】的に過去改変するというメタ構造な枠物語がある
  • 独特な世界観やキャラクターが魅力的
  • 世界観や種族についての説明が遅いのと、ヒロインとにかく最高!アメリカ合衆国最高!なノリ、そしてラスボスとの決戦がやたらとあっさりしている点が玉にキズ
  • 「ホントは超美人だけど、自分ではそれに気付かないようにしている」タイプのヒロインや処女信仰が嫌いな人にも、お勧めは出来ない
    電子化×

Re:ゼロから始める異世界生活 鼠色猫/長月達平 

  • アッパー系コミュ障な引きこもりが主人公のライトノベル
  • アリュージョニストとは、あまり共通点は無いが(ルウテトの)死に戻りや、愛が重いキャラの多さなどで繋がりがある。
  • (WEB版の)第四章では、「過去の過ちの象徴」「あり得ない現在」「起こり得る可能性の未来」を体験する試練が与えられた。
  • 文章量が多いことも共通点。
    WEB小説版

リプレイ ケン・グリムウッド

  • ループの話であり、北村薫『ターン』や今泉伸二『リプレイJ』、ドラマ『君といた未来のために 〜I'll be back〜』などの元ネタ
  • 「未来転生で人生やり直し」を徹底した作品の一つ
  • 殺人鬼も出てくる
    電子化×

竜歌の巫女と二度目の誓い アマサカナタ

  • 罪とその報いと誓いについてのハイファンタジー、そして彼女と彼の物語
  • 悪徳貴族の血族と言う理由だけで処刑に追い込まれた巫女と、その騎士となることを誓ったのに、彼女を裏切ってしまった少年のお互い予期していなかった再会の話
    • 転生して「偽物」になった彼女は、奇縁からかつての少年と再会、彼のメイドとなって主従関係を逆転させるが……
  • 主人公が糾弾される理由は現代からみると理不尽だが、彼女自身は最初からわりとそれを受け入れていたりもする
    • そうした貴族主義的な価値観が物語の中心にある点は、人を選ぶかもしれない
  • この物語の魔術は、意志で世界を改変するもの
    • ただし、限界はあるし集中も必要なので無敵ではない
  • また、竜が歌を好む理由も、かつて人類と利害しあえなかった竜たちが、魔術の歌によって心を得たためである
    →『邪視』
  • 過去編の二巻もある
    電子化◯2023年3月31日までBOOKWALKERの月額読み放題

龍使いのキアス 浜たかや

  • 不良ぎみな巫女見習いのキアスが、父権制神話の歪みを正す話
  • 善と悪、魔法と日常、夢と現実、そして女神信仰と「神皇帝」信仰
  • 怒りの母子像が象徴するように、さまざまなものたちの補完関係と表裏一体性を描いているファンタジーである
  • 暗闇に住み、人間の数だけいるが、同時にただ一頭しか存在しないという龍
    →紀竜レーレンターク?
  • 代々「神皇帝」の第三子として、竪琴と定期的な一人旅の義務を受け継ぐ皇族〈内の外の見者〉イリット
    →システムの内部に用意された「外部」=グロソラリア?
    電子化×

龍ノ国幻想 三川みり

  • 飛鳥奈良時代ふうの架空国家を舞台としている、和風ファンタジー(既刊5巻)
  • そこは、眠れる龍の上に築かれた世界唯一の大地
    • その中央にある国は、龍を鎮める帝によって治められた王権神授の宗教国家であり、
    • たまに眠る龍の分身が飛び、皇族の女性はその声を聞きとる力を持つ
    • 更に、その神話の権威は、実際に帝の空位が続くと雨が止まず世界が滅びていくことで実証されてしまっている
  • そして主人公は、その国で忌まれる「龍の声が聞こえない皇族の女性」であり、
    • 男装して帝位を狙う反逆者
  • 彼女は、異質な存在を排除する秩序に立ち向かい、神にその意志を問うことを高らかに謳い上げている
    →差別、異獣概念の否定
  • 味方だけでなく敵役などの理念や心情もしっかり描いているのが良い
  • また、謎解きの答えも神秘的であるし、自然や独特の建造物を描くその文章は美しく、そして分かりやすい
  • ただ、見慣れない用語が説明無しに出てきたりするので、現代のネット小説に慣れた読者にはあるいは厳しい作品かもしれない
    • まあそれらも、女性のアクセサリーや官職など、なんとなく文章全体から内実を推測できる程度のものではあるのだが
      電子化◯

リングシリーズ 鈴木光司

  • ネットを媒介して感染する呪い
  • 「ループ」での(男が男を産む)救世主の作製
  • 虐げられた「女」の報復と呪いの物語が、父と息子の「家族を守る男」と科学技術の物語に再解釈されることで、救済が約束される、という初期三部作の【呪文】的なオチ
  • でも、「ループ」はそれまでのホラー路線をブチ壊しているので、それより先は読まなくて良いかも

ルナティック・ムーン 藤原祐

  • 生存のために一定の閾値を超える感情をシャットアウトする人?が出てくる
  • 空間を掌握しルービックキューブのようにいじくる人?も出てくる
  • ヒロインの腕がやや異形
  • いきなりがっつりとした近親相姦描写が入ってくるのはライトノベルとしては結構衝撃かも
    電子化○

ルリの惑星 八神きみどり

  • 第2回百合文芸小説コンテスト参加短編
  • 宇宙戦闘機のパイロットの難破の話
  • オチは分かりやすいが、ヒロインはすごくかわいい
  • データを元に、パイロット以上の性能も発揮出来るちょっと変わった補佐AIが出てくる
    電子化◯ピクシブにて無料公開中

レイスの王 星崎崑・桂かすが・みかみてれん・理不尽な孫の手・鼠色猫・わい・赤巻たると・ピチ&メル

  • 「小説家になろう」のそうそうたるメンバーが集結したリレー小説
  • 途中で劇物並みに強力なパロディネタが入って、方向性が打ち切りマンガみたいになったものの、見事に完結はしている
  • 種族間の闘争、王位をめぐる戦い、そして覚醒する王
    電子化◯全編無料公開中

霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない  綾里けいし

  • 家系で一番の異能者「かみさま」になれなかったボクっ娘・霊能美少女探偵が、
    • かつての従者だった青年の家に居候
    • (ほぼ)ニートとしてジャージ姿で食っちゃ寝したりリングフィットしたりしながら、事件解決する伝奇ミステリー
  • ミステリーというより耽美なホラー描写と二人の関係がメインであり、
    • 霊能は、基本的にお仕置きタイム専用
    • というか、事前にきっちり推理したり警察が動いていれば解決した事件ばかりであったりする
  • 推理は不可能ではないが、解決の直前に出された情報が多かったりノックスの十戒を思い切り破っていたりするので、
    • ミステリーより、自分の「生きる価値」を信じられないヒロインを心配する話として読んだ方が良いかもしれない
      →トリシューラやリーナ、リールエルバなど?
  • 舞い散る桜や続出する死体などの雰囲気や、登場人物が好きになれた人向けの作品である
  • 扱う事件など、かなり奈須きのこ『空の境界』を意識している感じだが、実際は作者のデビュー作である『B.A.D.』を再構築したリリノベーション作品らしく
    • 登場人物の性格なども、そちらとはかなり違っている
  • 藤花たちの異能は、人や霊の想いを目に映してなにかを実体化させたりする
    →邪視
  • 「劣化品」
  • 模倣
    電子化◯

レジンキャストミルク 藤原祐

  • 中二病と邪気眼系の設定が好きな人向けの、学園異能バトルもの
    • 加えて、そういった設定は思春期の不安定さの一面でもあるためか、かなりしっかりと学園ものをやっている
    • 主人公の偽悪度も強い
  • あのゾーイ・アキラも読んでる!
  • 人間性と非人間性の二律背反にのたうち回るキャラの魅力が、アリュージョニストに通じる気がします。
  • 絶対言語(バベルズ・バインド)とか使うキャラも出てくるよ!みっちゃん可愛い!
  • 【ウィッチオーダー】のオールインワンとかレジンキャストエピゴーネンとかの形容が
  • 「二章の終盤になるまで書いてて気付かなかったからね、主人公の名前が同じとかヒロインやら武器やらの設定が被ってるとか感情が欠落しているとか箇条書き要素で並べると丸パクリなことに」by最近氏
  • どうやら最近氏の発言からすると「意図せず無意識に参照してしまった大好きな作品」だったので「辻褄合わせに名指し参照した」ということらしい
  • メインヒロインは一人だが、仲間は女性ばかりなのでハーレム傾向もなくもない
    • 女性同士の関係の方が、より比重が高い気もするけれど
      この作品の異能は、「虚軸(キャスト)」という幻想の異世界に由来しており、メインの登場人物はそんな滅びた異世界と共生したり、寄生されて人格を侵食されたりしている
      →『小鬼』?クロウサーに寄生されたリーナなどの霊媒?
  • 本体が機械の美少女、お互いを所有し合う主従、敵意しか持てない美少女、連れ子の姉妹などアを思わせる要素が多い
    触れたものを陳腐化、零落させる「【悲しき玩具】(ラグドール)」という異能も出るし、
    • 『BLEACH』における「卍解」のような能力の完全解放と、そのための呪文まで完備されている
      電子化○

レベル21-アンジュさんの不思議(マジカル)ショップ- さとう まきこ

  • 前世の幻視やハイアーセルフ(高次の自己)への電話相談など、オカルトが身近にかつ、振り回されない形付き合うことを教えてくれる不思議なお店の話
  • あんまり宗教ぽくなくて「不思議」くらいで留めてあるのがいい感じな児童文学
  • 主人公の思春期少女が、「銀のスプーン」をくわえて生まれたときのことを思い出したりと、癒やしと成長の物語でもあるかも
    電子化×

連射王 川上稔

  • 無価値な存在であるはずのゲームに、本気になれる価値を見出した少年の物語
  • ひたすら真っすぐ不器用な青春の話であり、幼なじみとのラブコメ要素もちょっとある
  • 血のつながらない血族
    • 受け継がれるもの
  • シューティングゲームとの対話
    電子化◯

レンタルマギカ 三田誠

  • "呪波汚染"
  • 異種呪術戦小説
  • 強大な二大勢力の間で第三勢力として立ちまわる話
  • 社長の五行拳に身体言語魔術感ある
  • オカルトに無関係な素人だったからこそ、魔法に染まりやすかった社長の性質
    →アキラくんの使い魔としての特性
  • 科学万能の現代では日陰者である、魔法使いたちの夢と幸せの話
  • 虐げられた者の願いは、いつでもどこでも同じ「私を見て」
  • 「第三団」という一種の【紀人】も登場する
    電子化○

ロード・エルメロイII世の事件簿 三田誠

  • 魔術師としては非才なれど、誰よりも魔術と魔術の天才を愛する男の目から、魔術師の在り方を解きほぐす謎解きドラマ
  • 『Fate/ZERO』の続編でもあるが、そちらを知らなくてもある程度は理解可能だと思われる
  • 魔術の才能に憧れる魔術教育の天才
  • 魔術から規定される魔術師の思想や理念まで紐解こうとする、「魔術の本義から言えば魔術の破壊者」
  • 魔術を愛するがゆえに、その神秘を暴いてしまう矛盾
  • 「誤解こそが我々だ。誤解こそが我々の世界だ」
    • 「誤解で勘違いですれ違いで思い違いで、ひたすら滑稽なだけの繰り返しが、私たちが生きている世界だよ」
    • 「それでも、私たちはその誤認の世界で生きている」
  • 過去からの怨念とでもいうべき、伝統に突き動かされる魔術師たち
  • 過去、伝説の英雄を再現するために作られた少女
  • エーデルフェルトの魔術の本質「価値の流動」
    →『鮮血呪』?
  • 一族の理想を目指してあらゆることを行い、理想に身を捧げることを第一とする魔術師の生き方
  • 過去の英雄の再現を目指した村
    →再演、ユディーアなど
  • 魔術の強化外骨格のような武装も何度か出てくる
  • ニ巻「美しいものを見た人間は美しくなる」
    • 参照する欠落、不在を含んだ三位一体による再演
      電子化◯

六畳間の侵略者!? 健速

  • 安アパートの一室をめぐって、幽霊・地底人の巫女・銀河皇国の皇女・魔法少女が争うハーレム系ラブコメ
  • 一つの土地を舞台に、様々な世界観と文脈がぶつかりあう
    →第五階層のシナモリアキラ?
  • 異世界転生っぽい展開もある
  • どちらかというと視覚的に分かりやすいアニメ版の方がおすすめ
    電子化◯

六道先生の原稿は順調に遅れています 峰守ひろかず

  • 「物ノ気」(人の思い)を食べないと小説が書けない、外見が美青年な妖怪作家と女性編集者の物語(全三巻)
    →『地上』(槍神教)の正義「殺せ奪え勝ち取れ」、アズーリアなど『夜の民』の創作活動?断章編?
    • 土地にまつわる逸話をひな形に、人の思いが妖怪と成る正統派妖怪譚である
    • 人の怨みや社会正義を扱っているわりに、ストーリーは比較的さっぱりしていて短く、読みやすい
      →弱者の依代=「代弁者」としての怪談や怪異
  • また、章ごとに挿入される原典資料の一節もあるし、出てくる家具や衣服なども良い雰囲気を醸し出している
  • 妖怪モノでも珍しく、近世以降に創作された妖怪について扱っているところも面白い
    →「それっぽさ」で残り、集合知に近いような、人の思いを受け止める器となるあたりはサイバーカラテっぽい?
    →いち個人の創作物が普遍的なモノになるのは、『紀人』ぽい?
  • 妖怪は、名前が存在を固定し、その在り方を決める
  • 「こうあって欲しかった」幻
    →イマジナリーフレンド
  • やがて明かされる作家の秘密のすべて、それを知った編集者から衝撃の一言が・・・・・・!
    電子化◯ 2023年1月31日まで、BOOKWALKER読み放題にて第一巻が開放中

ログ・ホライズン 橙乃ままれ

  • MMOな異世界セルデシアを舞台とする、英雄と秩序形成の物語
  • 元botであるメイドの〈冒険者〉「コッペリア」が出てくる
    • 本来、心が存在しない「振る舞いだけの存在」である彼女は、〈冒険者〉全体のアイデンティティを揺るがす存在でもある
  • セルデシアを侵略しているのは、〈模倣子〉を利用する異世界文明(が派遣したプログラム生命体)のようであり、〈冒険者〉たちも〈模倣子〉を利用する技術を獲得しつつある
  • 小説は停滞中だが、繊細な心情描写が良い
    小説家になろう>ログホライズン

ログ・ホライズン 外伝 新たなる冒険の大地 著者:池梟 リョーマ 木村 航  監修:橙乃ままれ

  • 2021年にサービス終了したスマホゲームのシナリオのノベライズ
  • 「俺たちの戦いはこれからだ」展開だが、きちんと世界に存在している問題に向き合っている良作
    • 原作が長期休載している現状では、これが『ログ・ホライズン』の暫定的な最終巻といってもいいかもしれない……
  • シロエと直継が、ゲームオリジナルキャラの二人と冒険する長編が一本、五十鈴とルンデルハウスやウィリアム=マサチューセッツとオリジナルキャラたちが登場する短編が三本収録されている
  • 複数の存在が、強大なひとつの存在として生まれ変わる特殊な転生
    • 原作のツッコミどころをシナリオに昇華した好例
  • 転生と共に蓄積され続ける憎悪
  • 「現実の異世界」となったゲーム世界を、ゲーマーたちが機転と勇気で攻略する
    電子化◯

路地裏に怪物はもういない 今慈ムジナ

  • 平成最後の夏、死を知らず消滅だけを約束された最後の怪異が、出会った人間の仲間たちと共に、怪異ならぬ「乖異」(かいい)事件を解決していく物語
  • 事件解決は、「怪異譚」という呪文を、媒介として広がる邪視(せかいかん)を、異なる呪文によって「解医」(かいい)していく【静謐】系の形式
  • 現代の怪異譚にして、それぞれの問題を抱えた異能者たちと向き合っていく話でもある
    →外力
  • 基本的には穏やかで優しいエピソード集だが、
    • グロテスクな場面もあり、最終話では一気に主人公への試練が加速していく
  • また、『空の境界』を始めとした奈須きのこ作品の影響は大きいが、世界観とキャラクターにはしっかりとオリジナリティがある
  • ただ、方向性が非日常を日常に引き戻すタイプのストーリーであるためか、キャラクターの人格やバトルに外連味が不足しがちな点は否めないかもしれない
    • それはそれで、日常を大事にする長所の裏返しでもあるのだけれど
  • 「乖異」(かいい):自分の現実こそが本物だと妄執した者が起こす超常現象、世界の書き換え
    • 「乖異」は人が起こす空想であり、現象を辿った先には地続きの現実が存在する
    • 現象を辿った先に幻想、未知が待つのであれば、それは怪異でありまた怪異に成り果てる
      →『邪視』
  • 科学の発展が未知や幻想を解消したため、新しい怪異は生まれなくなっていった
    →神秘の喪失
  • 書かれていないエピソードもほのめかされているが、一巻完結なのが惜しいところ
  • 「吸血鬼のお茶会」
    • 吸血鬼を夢想し、憧憬し、恋慕する少女たちが、仮装する集い
    • 独特の序列や、吸血鬼解釈で二つに分かれた派閥も存在する
    • なお、主人公はそこへ女装して潜入したりする
    • 役割が人格に影響を与える
      →四章
      • 正装をまとってトランス状態となり、神の座へ至る怪異殺し、神座一族
        →演劇系呪術
  • 名前による縛り、意識への干渉
  • 抹茶アイス単推しと選択肢の話
  • 呪詛の闇、その反動
  • 死者の代弁
  • 「乖異」は世界の理不尽への怒り、人の聲(こえ)
    →百億の怒り?
  • 正しさで過ちを隠したくない
    →解釈・安楽死(尊厳死)において、殺人の悪性を打ち消したくないアキラくん?
  • 対話の姿勢
  • 死を認めない世界観
    →死人の森?
  • 不毛な選択を迫る遊戯
    • 選択と解答とは
  • 表題の意味
  • 生贄と天秤
    電子化◯BOOKWALKERの月額課金読み放題で、2023/12/31まで開放中

ロボット・オペラ 瀬名秀明

  • ロボットについての小説を時代順に並べ、コラムなどを加えたアンソロジー
  • とても分厚いので、図書館利用を推奨します
    電子化×

わ行

ワールドウォーカーズ・クロニクル 異世界渡り英雄記  翅田大介

  • 幼少期の経歴不明な最強剣士青年が、さまざまな世界を渡り歩きながら現地妻を作っていく話(全二巻)
    • その彼の目的も、異世界旅行者である父を見つけて殴ることなので、血は争えないといったところ
      キニスの父?
  • どの世界にも天を衝く黒い塔があり、それが異世界の門となる謎の装置である
    →『紀元槍』
  • 主人公が、子供のようにワガママに冒険に出かけられるロクデナシであることが物語の主軸であり、
    • 彼に惚れるヒロインたちは、そんな彼のエゴイスティックな自由さに揺り動かされていく
  • 現代では珍しいほど主人公はスケベで豪快だが、途中からヒロインの一人が肉食系になってガン攻めするのがちょっとめずらしい
  • バトル描写などはわりとしっかりしているが、肝心の異世界と大半のヒロインに飛び抜けた魅力がないのが惜しいところ
  • また、二巻で打ち切りのため、典型的な「俺たちの戦いはこれからだ」エンドで伏線の類はほぼ回収されない
    電子化◯BOOKWALKERの月額読み放題で全巻読むことが出来る

我が名はエルフライダー イカの胴体の中のプラスチック

  • 融血呪使いが主人公。百合じゃないけどだんだん主人公の性別がふわっとしてくるので百合
  • あらゆる尊厳を蹂躙し零落させていく
  • 凄まじく人を選ぶが唯一無二感があるので一度読んで見ると良いかも

わが家は幽世の貸本屋さん 忍丸

  • 妖怪の貸本屋の娘とその仲間たちを描いた、人情ローファンタジーお仕事もの(既刊4巻+短編集)
  • 本の力
  • フィクションは、妖怪の存在を架空として決定づけもするが、
    • 同時に妖怪たちの力になったりもする
  • そして、面白い話をそれぞれ違ったように再話する妖怪たちも、気づけば創作を行っており……
    →外力、新しいものとそれに駆逐される古いもの、新規と伝統の対立
  • 犬神の暴走を避けるため、感情を封印していた(毒親育ちの)犬神使いの少年も出てくる
    • そして、妖怪の養子である主人公と、彼との相互理解も話のテーマになったりもする
  • 幸運と呪いの表裏一体性
    • 前者が後者の原因となることも
  • 作者が下調べをしっかりしているらしく、現代日本の土地もバンバン出てくる
  • ラスボスっぽい「物語屋」も登場し、選択肢や解釈を他人に委ねつつ、色々な事件の下準備を行う狂言回しをやっている
    →『呪文』
    電子化◯ BOOKWALKERでは月額課金読み放題で2巻までを、2023年7月31日まで読むことが出来る

忘れえぬ魔女の物語 宇佐楢春

  • 異能のため孤立していた少女と、魔法使いを名乗る明るい少女のガール・ミーツ・ガールの超常現象系・百合ライトノベル
  • たぶん『邪視』系の話
  • 表題は、「忘れられないほど素晴らしい/印象的な」「魔女の物語」ではなく、「忘却する機能が欠落している魔女」「の物語」の意
    • まあ、前者の解釈でも間違ってはいないと思われる
  • 主人公の少女には、二つの「呪い」があった
    • 一つは、全てを記憶してしまう完全な記憶力
    • そしてもう一つは、他の人が忘れている「同じ日の繰り返し」を覚えていることだ
    • 同じ日でもランダムで変わる人の行動、どの「日」が「採用」されて翌日に受け継がれる日が分からないという不安、陳腐化してしまう「初体験」
    • 「魔女」と呼ばれ、忌避された主人公が孤立していくのは、不可避のことだった
  • しかし高校入学以来、彼女にも親友が出来た
    • しかも、彼女は自分が「将来、魔法使いになる」と言うのだが……
  • 従姉妹でかませ犬ポジションだが、わりと献身的な変態友人女性も出てくるので、そういったキャラが好きな人にもオススメ出来る
  • 既刊二巻だが、一巻で話はほぼ完結している
  • 電子特別版では、哲学的ゾンビの話もある
    電子化◯BOOKWALKERにて、月額読み放題で2023年3月31日まで公開中

わたしの人生の物語 セシリア・アハーン

  • 主人公ルーシーは、一つの嘘をきっかけに人生の袋小路に落ち込んでしまった
  • 仕事、家族、友人関係、そして恋愛の全てにつまづいた彼女のもとに、擬人化された彼女の人生が訪れる
  • 最初は嫌な奴にしか見えない主人公とその人生だが、ストーリーが進むに連れてその印象は変わっていく
  • つまりは、これは彼女の選択と人生の物語である

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