炎のゴブレット/29~32章

Last-modified: 2021-10-07 (木) 14:12:35
 

29章

ある程度犠牲になる

■日本語版 29章 p.338
困ったことには、練習をすると、ロンかハーマイオニーがある程度犠牲になるのだった。

■UK版 p.408
The trouble was that practicing it involved certain sacrifices on Ron and Hermione's part.

■試訳

  1. 困ったことにこの練習は、ロンとハーマイオニーに犠牲を強いることだ。
  2. 困ったことに練習すると、ロンとハーマイオニーが被害を受けることだ。
  3. 問題は、この練習がロンとハーマイオニーにある種の犠牲を要求することだ。
  4. 問題は、ロンとハーマイオニーを練習台にしなければいけないことだ。

■備考

  • 失神呪文の練習台にされるのでたまらないということだよね。
    「練習をすると、~犠牲になる」という言葉のつなぎ方にも問題があると思う。
  • 兵隊とかが大勢いて、そのうちの何割かが失われるような場合ならまだしも
    一人の人間のある程度が犠牲になるってどんな状態だ・・・
    犠牲になる=壊れる・死ぬ、ってことなんだから腕や脚の一本くらい再起不能になってそうだ。
  • 犠牲って言葉を使うにしても
    「ロンとハーマイオニーを犠牲にする」とか
    「ロンとハーマイオニーに犠牲を強いる」とか
    もう少し自然な表現もできそうなのにね。
    後は表現を変えて「被害を受ける」とか、思い切って
    「問題は、ロンとハーマイオニーを練習台にしなければいけないことだ」とか。


気を挫かれた

■日本語版 39章 p.344
クラス中が、気を挫かれたように後退りした。

■UK版 p.501
The class backed away. They all looked unnerved.

■試訳
教室の皆はぎょっとした様子で後ずさった

■備考

  • トレロー二ーの授業中、ハリーが悪夢を見て倒れた後のシーン。
  • unnerved=「怖気づいた」「狼狽した」
  • 「気を挫かれる」はガッカリさせられた、「何かをしろうとやる気になっているのに、その気をそがれる」みたいな意味でニュアンスが違うのでは?


30章

いまや

■日本語版 30章 p.363
「(省略)いまや、わしが『死喰い人』ではないと同じように、スネイプも『死喰い人』ではないぞ」

■UK版 p.513
‘(省略)He is now no more a Death Eater than I am.’

■試訳
「(省略)わしが『死喰い人』でないと同じように、いまやスネイプも『死喰い人』ではないぞ」

■備考

  • いまやの位置のために校長は元死喰い人だと思った読者もいたらしい。
    「いまや」の後ろに句読点があるので校長は元死喰い人ではなかったことになり、誤訳ではないが分かりにくい文章ではある。


あいつ、あの子

■日本語版 30章 p.375(※原文は改行無し)
「ダンブルドア先生、あいつ、わたしに呪いをかけたんです。わたし、ただちょっとあの子をからかっただけなのに。
あの子が先週の木曜に、温室の影でフローレンスにキスしてたのを見たわよって言っただけなのに……」

■UK版 p.650(※原文は改行無し)
‘He put a hex on me, Professor Dumbledore, and I was only teasing him, sir,
I only said I'd seen him kissing Florence behind the greenhouses last Thursday ...’

■試訳
「彼に呪いをかけられました、ダンブルドア先生。私はからかっただけなのに。
先週の木曜に温室の裏でフローレンスとキスしてたの見たわよって言っただけなのに」

■備考

  • 「あいつ」=「あの子」
  • 重要なシーンじゃないから慎重に訳さなくてもいいと思ったんだろうけど、
    ひとつのセリフの中で同一人物の人称代名詞を変えちゃいけないな。


31章

一緒にドアから出ながら

■日本語版 31章 p.403
エイモス・ディゴリーが、ウィーズリーおばさんやビルと一緒にドアから出ながら、ハリーに聞こえるように大声で言った。

■UK版 p.536
said Amos Diggory, loudly enough for Harry to hear as he made to walk out of the door with Mrs Weasley and Bill.

■試訳
ウィーズリーおばさんやビルと一緒に部屋(ドア)から出ていこうとするハリーに聞こえるようにエイモス・ディゴリーが大きな声で言った。

■備考

  • ディゴリー氏が大広間から出て行くハリーにいやみを言うシーン。
  • 前後関係から見て「he」はハリーを指しているがハリーとディゴリー氏が逆に訳されていて、ディゴリー氏が出ていくことになってしまっている。


32章

麻卑

■日本語版 32章 p.432
(略)感覚が麻卑していた。

■試訳
(略)感覚が麻痺していた。

■備考

  • しょぼいトム・リドルの墓のイラストが載っているページにある酷い誤字。


トム・リドルの墓

■日本語版 32章 p.432
杖灯りにチラリと照らし出された墓碑銘を目にした。そのとたん、ハリーは無理やり後ろ向きにされ、背中をその墓石に押しつけられた。
※「トム・リドル」の墓碑銘は本文中ではなく、ページの左下にある「和風墓石のイラスト」の中にある

■UK版 p.554
Harry saw the name upon it flickering in the wand-light before he was forced around and slammed against it.
TOM RIDDLE

■試訳
無理やり後ろ向きにされ、墓石に強く押し付けられる直前に一瞬、杖明かりに照らされた墓碑銘を見た。
トム・リドル

■備考

  • 西洋式の墓がどういうものか、日本の子供もテレビや映画で知ってるのに、
    わざわざ超和風なお墓のイラストを載せちゃう凄さ。
  • 原書には墓石のイラストがなくて、4巻なら「トム・リドル」という墓碑銘が本文の中に効果的に入っている。
    にも関わらず、日本語版ではこれを勝手に抜き出してしょぼい墓石の絵に入れている。




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