広島東洋カープ・栗林良吏の異名。
栗林のプロ入りまでの経緯(後述)と対中日戦成績などから命名された。
概要
栗林は愛知県愛西市出身で、アマ時代は愛知黎明高から名城大*1を経てトヨタ自動車へ入社。1年目からエース格の活躍で社会人選抜チームにも選ばれた実力の持ち主。社会人ナンバーワンの呼び声も高く、2020年ドラフトで1位指名は確実とされていた。
一方、上記の愛知一筋の経歴から見て取れる通り生粋の中日ファンであり、ドラフト前からファンであることを公言するなど、本人は中日への入団を熱望していた*2。
迎えたドラフト当日、一巡目で栗林を真っ先に指名したのは広島(3番目)。しかし当の中日(10番目)が1位入札したのは、同じ愛知県出身で同じ投手の中京大中京高校・髙橋宏斗*3。この時点で栗林の中日入団の可能性は消滅した。
この様子はドラフト中継でも放送されており、インタビューで笑顔を見せる髙橋や同じく相思相愛の末指名された伊藤大海(日本ハム)*4とは対象的に呆然とし悲しみに包まれる栗林の表情が話題となった。
その後
入団をするのか心配された栗林であったが無事に広島へ入団。新人ながらクローザーとして抜擢されると、開幕カード2戦目の因縁の中日ドラゴンズ戦で9回裏をピシャリ三者凡退。皮肉にもプロ初セーブを挙げる。
栗林はこれを皮切りに快投を重ね、6月13日までに22試合無失点、前半戦防御率0.53、更には東京オリンピックで全5試合に登板し2勝3セーブ、そして胴上げ投手*5と期待に違わぬ大活躍で新人ながら絶対的な守護神として降臨。後半戦こそセーブ機会の少なさから登板に恵まれなかったものの最終的に新人としては山崎康晃に並ぶ最多記録の37セーブ*6、防御率は0.86と好成績を残し、牧秀悟らとセリーグ最優秀新人賞の座を争い、最終的には大差をつけて新人王を受賞した。
また中日戦では対戦チーム別で最多の13試合に登板しながらも防御率0.00、奪三振率14.85、WHIP0.30と鬼気迫るものを残した*7。
なおオールスターに出場した際、中日の野球帽にオールスターに出場した中日選手*8のサインを書いてもらう*9、オフにドラゴンズの情報番組に出演する*10等、現在も中日ファンではある模様*11。
ドラゴンスレイヤー、陥落
2022年も抑えを務めていた栗林だったが、前年までと打って変わってオープン戦から不安定な投球が続く。
そして2022年4月2日の中日ドラゴンズ戦(バンテリンドーム ナゴヤ)にて味方が勝ち越した後の12回裏に登板したが、1死後走者無しから9番の溝脇隼人に四球を出したあと、大島洋平にタイムリー3ベースを打たれプロ初めてのセーブ失敗。続く岡林勇希の当たりは内野ゴロだったが、3塁ランナーはアウトにできず、中日のシーズン初のサヨナラ勝利を演出することとなった*12。
さらに同年9月20日の中日ドラゴンズ戦(マツダスタジアム)でも10回表の同点の場面で登板し、回またぎした際にも岡林とダヤン・ビシエドにタイムリーを浴びて敗戦投手となったため今シーズンの2敗とも中日から打たれた結果となってしまった。
結局同年の栗林はシーズンでは防御率1.49、0勝2敗31S、WHIP0.77と抑えとして2年続けて素晴らしい成績を残したが、対中日戦だけに限定すると防御率5.14、0勝2敗4Sと他球団と比較するとかなり打ち込まれてしまった。