地蔵

Last-modified: 2023-10-28 (土) 16:35:02

仏教の信仰対象・菩薩の一尊である地蔵菩薩のこと。「お地蔵様」として親しまれ、各地に像が祀られている。
野球関連では西武ドームに建っていた「カブレラ地蔵」が有名。

このお地蔵様が「全く動かない」ところから転じ、ネットでは「ある場所から動かない人」を指すスラングとして、なんJや野球chでは以下の意味合いで使われる。

  1. あまり策を打ったり打順やローテーションを入れ替えたりせず、目立った采配の動きが少ない監督・コーチに対する別称。
  2. まるで守備位置に突っ立っているだけのように、守備範囲が非常に狭い選手に対する別称。
  3. デッドボールを全く避けようとしない打者のこと。特に清原和博に対して使用されていた。
  4. 野球場でただボケーっと試合を見る人や、メガホンは叩くが応援歌は歌わない観客に対する別称。

清原が現役を引退したため、近年では1,2の使用が多い。


【目次】


1.の概要

監督・コーチに関しては、策を弄することに気を取られすぎてかえってチームを窮地に追い込む場合もあるため、「地蔵」であることは一概に悪いとは言いがたい。かと言って全く動かず受け身なばかりでも勝負どころを逃してしまいかねないため、プラスな意味合いで使われることは少ない。

近年の監督では采配に加えて表情や発言のバラエティにも欠ける高橋由伸が特に槍玉に挙げられることが多かった。なソゲではあるが「地蔵監督呼ばわりされている」という記事が出たことすらある
緒方孝市も地蔵扱いされていたが、3年連続リーグ優勝を成し遂げたことから(ポストシーズンを除いて)風化しつつあったが、最後のシーズンとなった2019年は再び地蔵に。

また、ゲームアプリ『八月のシンデレラナイン』の主人公であるプレイヤーの分身は女子野球部の監督を務めているが、ストーリー中では選手である女子部員任せで特に出番がないため、いるだけの存在という点から「地蔵」呼ばわりされている。


2.の概要

野手の場合は「守備で動けない=害悪」であり、「地蔵」は明確に蔑称として使われる。主に内野手、特に広い守備範囲を要求される二塁手・遊撃手の選手への使用が多い。

ただし、(内野手の中でも逆に打力の方が優先されやすい)一塁手・三塁手の場合、特に範囲内の打球は絶対に逸らさないなどの守備力があれば、守備範囲が狭くてもある程度許容されるケースも。

なお、他にも「置物」「漬物石*1」「カラーコーン*2」等と呼ばれる場合もある。「漬物石」や「カラーコーン」は“明確に守備で動けない”選手に対して使われるが、「置物」は“打席で動けない=打力の低い選手に対する別称としての方がよく使われている。


3.の概要

上述の通り、この意味合いで使用する際は専ら現役時代(特に巨人時代)の清原のことを指すものであった。また、ここ数年は死球狙いの打者がNPBでも話題になっているが、ボールに合わせて体の一部分を突き出すような動きは地蔵とはイメージが違うのか、彼らを「地蔵」と呼ぶ場面はほぼ見られない。


4.の概要

内野席では大した問題ではないが、外野席は立って熱く応援したい人々が集まる場所とされており、たびたび価値観の衝突でトラブルになる。さらには外野席で立って応援する他のファンに対して座るよう言い出す場合もあったようだ。

しかし明文化されているわけではない以上、(応援席ならまだしも)通常の外野席であればどのような観戦スタイルを取ったとしても個人の自由であるため、互いに尊重し合うことが大切である。


関連項目


*1 誕生経緯から特に松山竜平(広島)に対して使われていた。しかし、松山の守備がさらに劣化したことで現在では「カラーコーン」や「コーン」の方が主流。
*2 2020年に阪神に在籍したジャスティン・ボーアがMLBに在籍していた当時、雑誌スラッガーが刊行した2019年版のMLB選手名鑑でその一塁守備について「道路工事用のカラーコーンの方が守備範囲が広い」と酷評する内容が掲載されていたのが初出。当初はボーア個人の蔑称の一つだったが、後に守備難のファースト全般を指すようになり、現在ではボーアや松山、清宮幸太郎(日本ハム)などに使用されたりする。