Tag: 第五階層 四十四士 コキュートス 御山 公社 四円
概略
ロウ・カーイン。奉竜山青海が門下。人呼んで『六淫操手』。
道服風の衣装を纏った武侠者。褐色の美男。
三報会の用心棒としてシナモリ・アキラと交戦して以来、彼を宿敵と見定め、「貴様を殺すのは私だ」と理由をつけながら何かと世話を焼く。
誘拐して出会ったレオに何故か仕えている。
キール隊?のカインと名前が似ているが、おそらくその由来は同じく初代カーインなのだと思われる。
引用
「 経絡秘孔を突い た。この六淫操手が操る風邪は、情報に対しても有効であると知るがいい」
詳細
- シナモリアキラの好敵手
- ほどよい強さで立ちふさがり、危機となれば盾として身を捧げる、好敵手。
シナモリアキラの都合の良い道具であることを命じられている。
- 謎の男
- 気合いを入れると、瘴気の六本腕・角・肉を食らう牙。吸血鬼らしいが吸血鬼ではない。
『隠』という呪力。ただそれだけで成立する『何者か』。
脳を開くと小人のカーイン、そのカーインを開いてもまた、カーイン。秘密を隠すヴェールだけがそこにある。
また『お山』で修行しているころは、霊長類だと思われていた。
- 試験管の小人
- セレクティ曰く、試験管の小人であり夜の民、観察者の相である五番(しらべるひと)。
試験管の小人は作中では、イネクシュネ原体・根源者の別の呼び名だが関係はあるだろうか。
シナモリアキラも試験管生まれなので、おそろい。
- 幼少
- 道化師とか芸術家の家系。父は裏切りの罪科によって投獄。
恩赦の父の刑期を短くするため、裏切りの家系という不名誉をぬぐうため、
四十四士の襲名を目指し奉竜山で修行をしていた。
四十四士のメイファーラ・リト=ユディーアとは同門の幼馴染。
裏切り者の息子としていじめられており、メイファーラには助けられていた。
メイファーラとの戦績は49勝50敗。最後に会ったときは、メイファーラの方が身長が高かった。
現在、彼女と同じく天眼石を髪留めとしている。
- 四十四士
- ジャッフハリムの四十四士、初代カーインの襲名者。
- 裏切者
- 四十四士の主であるレストロオセを弑した。カーイン曰く、主命。
ミシャルヒをはじめとするレストロオセ派(ジャッフハリム)は、カーインの抹殺を狙っている。
- レオの臣下
- いつのまにかにレオに護衛として仕えており、セージと三人組で物語を紡いでいた。
レオはカーインに対してのみサドっけと独占欲をあらわにしており、店員さんが悶える。
最初の誘拐劇って狂言だったんじゃないかとアキラくんは疑っている。
「彼」は、ジャッフハリム四十四士である
さらに、その高い地位にありながら聖妃レストロオセに強大な死の呪いをかけたため、ジャッフハリムから指名手配され、ミシャルヒに追われている。
強大な死の呪いが運命を規定している以上、暗殺の呪詛は、もはや聖妃に効果をなさなくなった。
その「裏切り」は、聖妃を守るための行為だったのだろうか?
「彼」が自認する「立ち位置」は、トライデントの『脳』であるルーシメア直属の配下『四円』
そして、他のトライデントと異なる独自の行動方針に従って動いている「裏切り者」でもある。
シナモリアキラと接触し、彼を庇護するような動きをとってきたのも、ルーシメアの命令であったようだ。
妖精の運び手。
ダンテ『神曲』の地獄では、「第一の円 カイーナ Caina」に相当。
肉親に対する裏切者を担当していると、思われる。
しかも、「彼」は、ユディーアの幼馴染では無かった。
「君の幼馴染みは私が殺した。彼は『カーイン』になれないまま、私にその存在と役割を譲り渡してくれた。大切な家や師、兄弟弟子たちとの記憶ごと。もちろん、君との思い出もだ」
「残念だったな、ユディーア。だがこう考えてみてはどうかな。私はカーインだ。その名を与えられ、そのように振る舞い、そう扱われてきた。カーインとしての思考、カーインとしての言動、カーインとしての実力、カーインとしての価値。彼が果たせなかったことを私は彼の代理人として実行しているんだ。私のこの在り方は、既にカーインそのものだと言えないか?」
「いいや、私こそがカーインだ。君が期待していた『誰か』がカーインと呼ばれることは遂に無かった。ああいや、正確にはただひとり、かつての君だけが戯れに呼んでいたが、それは叶わなかった願望だ。この私は正しくカーインという役割で、そのように機能している」
それも当然だろう。カーインとは『道化』。
耳目を集め奇矯な振る舞いで周囲を湧かせ、喝采の中でくだらなさを華やかに演じる。
(5-2 怒りについて(前編))
道化師とか芸術家の家系(三章 0-6 『第九魔将』)
そのふるまいは、「家」の役割こそ継いではいることを示してはいるが、明らかに別人であり「偽物」だと、幼馴染を知るユディーアは「観て」いる
- 『カーイン』という存在をはぎとったその「正体」
輪郭がぼやけている。存在を直視できない。
肉眼で見て、天眼で捉えているにも関わらず、それが何なのか断定しがたい。
靄に包まれたようなヒトのシルエット
そして頭部には二本の角
『頭の一部』ではなく『顔の一部』とされる器官があり、邪視の発動部位だとユディーアによって推測されている。
あの子にあんなものは無かった。どう見ても茨ではない。
彼は、少なくとも変身前はいわゆる無徴種族だった。たとえ開花しても角なんて生えない。つまり偽装ではない。
ならばあれこそが、この偽物の本性。
その本性は、精選版 日本国語大辞典の解説にある「目に見えない悪しき霊やモノノケ」日本古来の妖怪に近い存在なのだろうか?
コトバンク>鬼
本人は「5-40 アルト・イヴニルと五人の騎士③」において地獄(『下方』に広がる闇の異界)の貴種を自称し、スーリウムはそれを『悪鬼』とよばれる種族であると語っている
その彼の殺人の事情は、トレミー曰く、「最初に普通に事情を話してから誠意ある態度を取れば」戦闘を回避出来るようなものであるようというが……
彼が裏切った「肉親」というのが、本来カーインになるはずだった少年、ユディーアの幼馴染みなのだろうか?
少なくとも、[カーイン」であることに誇りを抱いていることは、確かなようである。
- 能力
変身や分裂の能力を持つ。
その力は、【夜の民?】、その中でも特に幻影や幻惑を得意とする【幻姿霊】を思わせるが・・・?
また、ユディーアの幼馴染みの記憶をコピーしている。
- 担っている妖精
神理の妖精紡ぎて曰く。
何かが改変された。あの瞬間、世界がはっきりと変容した。
確定したはずの未来を書き換えられた、そんな感覚。
ふざけるな。運命と秩序に逆らってはならない。
経絡秘孔を突いた? そんなわけがあるか。
この男が引き起こしているものがそんな現象であるはずがない。
何か得体の知れない力が渦巻いている。
明らかに違うが、正体がわからないため『武術の秘奥』と言い張って押し通せば呪術にも武術にも明るくないものは不承不承でも納得せざるを得ない、これはそういう狙いの強弁だ。
呪武双方に通じたユディーアにはわかる。
この男、ロウ・カーインは何か異質だ。既存の呪術系統、『塔』の四大分類や天主の色号論では捉えきれないような未知の力を働かせている。
その本性は、運命竜と相容れない何かであるらしい?
Wikipedia>神曲>地獄篇
呪術
- 六淫操手
- 活殺自在の医術にして武術。六淫(病の外的要因)を操る杖の呪術。
人体のみならず、地形・組織・情報体にも有効。