推薦図書/小説/た~ん
- アリュージョニスト以外のネタバレに注意
- サイバーカラテを実践しよう (知ってる作品があったら、説明を追記しよう)
- 最下部のコメントボックスで作品紹介を書き込むと、誰かが追加してくれるかもしれません
- 多分図書じゃなくてもいいと思うよ
- 参照と類似は呪力です。高めよう。
- ほんの少しでも推薦図書に見えたのならそれが推薦図書です(邪視)。追加しましょう。五十音順に並んでいます。
- 編集カラテ入門
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*** タイトル
-説明1
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アリス・イン・カレイドスピア 最近
- 最近さんデビュー作!
- 星海社FICTIONSより発売中!
- 推薦図書/小説/た~ん
- 小説
- た行
- ダーク・タワー スティーブン・キング
- ターン 北村薫
- 戦う司書シリーズ 山形石雄
- ダディフェイス 伊達将範
- ダレン・シャンシリーズ ダレン・シャン
- 断章のグリム 甲田学人
- 箪笥の隙間のアムネシア 雨
- 地球最後のゾンビ 鳩見すた
- 地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス
- チグリスとユーフラテス 新井素子
- 超人幻想-神化三六年 會川昇
- 超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編- 珪素
- 痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘(実況付き) 雀bot @suzumeninja
- つきたま※ぷにぷにしています 森田 季節
- 月と貴女に花束を 志村一矢
- 月は無慈悲な夜の女王 ロバート・A・ハインライン
- 月の光 星新一
- ツナグ 辻村深月
- 罪と罰 フョードル・ドストエフスキー
- DDD 奈須きのこ
- TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~ Schuld
- Dクラッカーズ あざの耕平
- 帝都物語 荒俣宏
- テーオバルトの騎士道入門 斎藤洋
- デート・ア・ライブシリーズ 橘公司
- できればムカつかずに生きたい 田口ランディ
- デュラララ!! 成田良悟
- 伝奇集 ホルヘ・ルイス・ボルヘス
- 天国に涙はいらないシリーズ 佐藤ケイ
- 転生稼業-これが私の仕事です- 浦切三語
- 天冥の標 小川一水
- 伝説シリーズ 西尾維新
- とある魔術の禁書目録 鎌池和馬
- 東京レイヴンズ あざの耕平
- 闘争領域の拡大 ミシェル ウエルベック
- トカトントン 太宰治
- ドグラ・マグラ 夢野久作
- 時計じかけのオレンジ(小説) アンソニー・バージェス
- 都市と星 アーサー・C・クラーク
- 図書迷宮 十字 静
- とらドラ 、竹宮ゆゆこ
- トニーノの歌う魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- ドラゴンランスシリーズ マーガレット・ワイス&トレイシー・レイ・ヒックマン
- トランスヒューマンガンマ線バースト童話集 sanpow
- トレマリスの歌術師 ケイト・コンスタブル
- ドンキホーテ ミゲル・デ・セルバンテス
- な行
- ナイトウォッチ三部作 上遠野浩平
- 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック
- 渚さんはガベージダンプを猫と歩む。 紫炎
- なつかしく謎めいて アーシュラ・K・ル=グウィン
- 夏の王 O・R・メリング
- 何かが深海からやってくる――8月の迷惑な侵略者たち 宮澤伊織
- 何者 朝井リョウ
- ナルニア国物語 C・S・ルイス
- 南極点のピアピア動画 野尻抱介
- なんとなく、クリスタル 田中康夫
- 西の魔女が死んだ 梨木香歩
- 23分間の奇跡 ジェームズ・クラベル
- ニルスのふしぎな旅 セルマ・ラーゲルレーヴ
- ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン
- 人形の家 ルーマー・ゴッデン
- 人間シリーズ 西尾維新
- 人間になりたがった猫 ロイド・アリグザンダー
- ニンジャスレイヤー ブラッドレー・ボンド,フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
- 猫町 萩原朔太郎
- ネクサス ラメズ・ナム
- ねじまき少女 パオロ・バチガルピ
- 年刊SF傑作選 ジュディス・メリル編
- ノーゲーム・ノーライフ 榎宮祐
- 脳仕掛けの楽園 -壊脳少女と脳を奪い合う戦場- Deino
- 「ノケモノ会議」 遠影此方
- は行
- パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 リック・リオーダン
- B.A.D. 綾里けいし
- ハーモニー 伊藤計劃
- ハイスクールDxD 石踏一榮
- 蝿の王 ウィリアム・ゴールディング
- 覇界王~ガオガイガー対ベターマン~ 竹田裕一郎
- 白冥の獄 ジン・ヘイル
- 筺底のエルピス オキシタケヒコ
- 恥知らずのパープルヘイズ 上遠野浩平 原作:荒木飛呂彦
- バジリスクの魔法の歌 パトリシア・A・マキリップ
- バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン
- はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
- バトルロワイアル・パロディ
- ハムレット・シンドローム 樺山 三英
- 薔薇のマリア 十文字青
- パンツァークラウン フェイセズ 吉上亮
- 吸血鬼(バンパイア)ハンター"D" 菊地秀行
- 万物理論 グレッグ・イーガン
- PJ傑作集シリーズ ポール・ジェニングス
- ビートのディシプリン 上遠野浩平
- BEATLESS 長谷敏司
- 光の王 ロジャー・ゼラズニイ
- 緋弾のアリア 赤松中学
- 悲嘆の門 宮部みゆき
- 人はアンドロイドになるために 石黒浩 飯田一史
- ピュア 小野美由紀
- 百億の昼と千億の夜 光瀬龍
- 百年法 山田宗樹
- 漂流街 馳星周
- ぴよぴよキングダム 木村航
- ファイナルファンタジーS ◆EreM42GXZo
- ファイヤーガール 星空めてお
- ふあゆ 今熊ムジナ
- 封仙娘娘追宝録 ろくごまるに
- フェミニズムの帝国 村田 基
- 不確定世界の探偵物語 鏡明
- ブギーポップシリーズ 上遠野浩平
- 福音の少年 Good News Boy シリーズ 加地尚武
- 不堕落なルイシュ 森田季節
- 船乗りクプクプの冒険 北杜夫
- ブラックロッド 古橋秀之
- ブラッドジャケット 古橋秀之
- ブラッド・ミュージック グレッグ・ベア
- ブライトライツホーリーランド 古橋秀之
- ブラック・ブレット 神崎紫電
- フランケンシュタイン メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー
- フリーランチの時代 小川一水
- プリズム 神林長平
- 不老不死の俺とエルフ姫の結婚生活が倦怠期に入りました まちだまさや
- 文学少女シリーズ 野村美月
- 平面人からの手紙 文:大森英樹 絵:矢崎芳則
- ペスト アルベール・カミュ
- 偏差値10の俺がい世界で知恵の勇者になれたワケ ロリバス
- 変態王子と笑わない猫 さがら総
- 宝石泥棒 山田正紀
- 僕僕先生シリーズ 仁木英之
- ぼくと魔女式アポカリプス 水瀬葉月
- 僕の魔剣が、うるさい件について 宮澤伊織
- ぼくらは都市を愛していた 神林長平
- 星の王子さま アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
- ポストマン(改訳版) デイヴィッド・ブリン
- ぽっぺん先生シリーズ 船崎克彦
- 炎の蜃気楼(ミラージュ)シリーズ 桑原水菜
- ホムンよ故郷を見よ 小松左京
- ポルノ惑星のサルモネラ人間 筒井康隆
- 滅びの鐘 乾石智子
- 本をめぐる物語 一冊の扉 ダ・ヴィンチ編集部・編
- ま行
- マープルシリーズ アガサ・クリスティ
- My Humanity 長谷敏司
- マインド・スパイラルシリーズ キャロル・マタス&ペリー・ノーデルマン
- まおゆう魔王勇者 橙乃ままれ
- 魔界都市〈新宿〉シリーズ 菊地秀行
- 勾玉シリーズ 荻原規子
- 曲矢さんのエア彼氏 中村九郎
- マグダラで眠れシリーズ 支倉凍砂
- 魔女の宅急便シリーズ 角野栄子
- 魔術士オーフェンシリーズ 秋田禎信
- 魔女の愛した子 マイケル・グルーバー
- 機巧少女は傷つかない 海冬レイジ
- 魔法少女育成計画 遠藤浅蜊
- 魔法製作所シリーズ シャンナ・スウェンドソン
- 魔法遣いに大切なこと 原作・原案・監修:山田典枝 著:枯野瑛
- 魔法の学校 ミヒャエル・エンデ
- 真夜中の商店街 藤木稟/作 徳永健/絵
- まるで人だな、ルーシー 零真似
- マリア様がみてる 今野緒雪
- マルドゥックシリーズ 冲方 丁
- 未完少女ラヴクラフト 黒史郎
- 耳刈りネルリ御入学万歳万歳万々歳 石川博品
- 耳刈ネルリと十一人の一年十一組 石川博品
- 水の伝説 たつみや章
- ミッドナイト ・ブルー三部作 ナンシー・A・コリンズ
- 未來のイヴ リヴィエ・ド・リラダン
- 未来の回想 シギズムンド・クルジジャノフスキイ
- ムーミンシリーズ トーベ・ヤンソン
- 夢界異邦人シリーズ 水落晴美
- 昔、火星のあった場所 北野勇作
- ムシウタ 岩井恭平
- 矛盾都市TOKYO 川上稔
- 紫色のクオリア うえお久光
- MAZE☆爆熱時空 あかほりさとる
- 女神『異世界転生何になりたいですか』 俺「勇者の肋骨で」 安泰
- メニム一家の物語シリーズ(ザ・メニムズ) シルヴィア・ウォー
- もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海
- 物語シリーズ 西尾維新
- モモ ミヒャエル・エンデ
- モンスターコレクション・ノベル・シリーズ 原案:安田均
- や行
- ら行
- わ行
- た行
- コメント
小説
た行
ダーク・タワー スティーブン・キング
- スーパーキング大戦
- さまざまなキング作品の設定や登場人物、怪物が登場するセルフ・クロスオーバー的な長編小説(全7巻)
- 全世界の中心に存在する塔を修復するために、英雄が仲間と共に悪の勢力と闘う物語
→紀元槍
電子化○
ターン 北村薫
- 「時の魔」=一種の虚しさに捕まってしまった版画家の女性の物語
- いわゆるループものだが、「永遠に繰り返す時間の流れにどう対応するか」という心情的な面に重点が置かれており、ケン・グリムウッドの『リプレイ』の系譜を継ぐタイプの作品である
- また、イマジナリーフレンドが出てくる作品でもあるが、その扱いは人によっては解釈違いを起こすかもしれない
- 『スキップ』と『リセット』を加えた「時と人三部作」の一冊だが、内容は独立しているのでこれだけ読んでも問題はない
戦う司書シリーズ 山形石雄
- 魔法権利によってに髪色が違う
- 人間の一生が記述された「本」みたいな
ダディフェイス 伊達将範
- オカルト雑誌に出るような古代文明、スーパー古武術、年齢差9歳の実の娘、すれ違いラブコメなど色々要素てんこもりな冒険活劇
- 進歩し過ぎて魔法の域に達している【杖】的な古代技術のオーパーツが、色々出てくる
- 攻撃と防御で、身体の右半身と左半身を使い分ける古武術の型
- 主人公は、その古武術によってボロボロの身体を維持している
- 最後の話である「メドゥーサ編」自体は完結しているが、シリーズとしては打ち切りの模様
電子化×
ダレン・シャンシリーズ ダレン・シャン
- 子供向けダークファンタジーで、ホラーあり、友情ありの冒険物語
- セリフで設定を説明しすぎる欠点はあるが、主人公の心情描写が、いい感じに物語に緊迫感を与えて盛り上げている
- 現代に生きる独自のヴァンパイア像も、面白い
- 父親的な超常存在による運命の操作、主人公と地球に約束された暗黒の未来
→アの「失敗した未来」? - 未来が見える超人には、未来を変えてはいけないという掟があり、だからこそ未来が見えない者に未来を変えることが出来る希望がある
- 親子関係も重要であり、「血縁」を通常とは異なる方法で増やせる吸血鬼の性質も、その点で活かされている
- メタ要素がある
- ただし、ラスボスを知恵と勇気で出し抜く話でもあるため、暴力による決着を望む人にはオススメ出来ない
電子化○
断章のグリム 甲田学人
- 神話・民話原型がギミックのホラー小説
- 〈神の悪夢〉から生まれた〈悪夢の泡〉、〈泡禍〉
- "夢の底で眠り続ける私の意識は、絶えず悪夢を海面へと送り出していく。""浮かび上がった悪夢の泡。"
- 邪視の暴走みたいな「泡禍」を呪文的な解釈によって解体する静謐使いの白野蒼衣、みたいな
- 彼の解体は、怪奇現象に対する理解と共感による「悪夢の共有」であり、推理要素がある
- 意識のそこから〈神の悪夢〉をくみ出す〈異端〉(ヒアテイ)も、【小鬼】感ある
- 時槻風乃のリールエルバ感
- リストカットで戦う復讐者の少女
- エスフェイルと『赤ずきん』など、アの童話系のイメージの源流が結構あるもよう
電子化○
箪笥の隙間のアムネシア 雨
- まったり日常系異世界転生ファンタジー
- 少女にTS転生した主人公が、特にえっちなイベントなどが無い平穏でちょっとポエムでメルヘンなダンジョン攻略と友情の日々を過ごしていく
- 更新は停止しているが、特に壮大なストーリーとかもないので、まったり読む分には問題ない
- 主人公のチートは夢を操るもの
→赤の色号
電子化○小説家になろうにて連載中
地球最後のゾンビ 鳩見すた
- 死に場所を求める少年と、夢を持っていなかったゾンビ少女が旅するロードムービー風ジュヴナイル
- 「主観では悲劇、客観では喜劇」な生きるための旅路の話
- 北へ向かう旅、完全にゾンビ化する宿命を背負った天然系の少女、終末世界、そして「死ぬまでにやりたいことリスト」と、感動系の役満、パーフェクトコンボである
- だが、登場人物たちのクールな振る舞いやさまざまな人々との触れ合いがあるため、あざとさや湿っぽさは抑えられている
- 終末世界でのサバイバルは、細部の描写がしっかりしていてリアリティがあるし、ゾンビものの小ネタも沢山あるので、そういったものが好きな人にはたまらない作品であろう
- ゾンビ災害から五年、大半のゾンビは寿命で死に絶え、災厄は終わっていた
- だが、文明はいまだ復興せず、人類は、緩やかに滅亡に向かっているかのようであった
- 世紀末な暴力をくり返す「パンクス」や、紙媒体で反出生主義を伝染させて人を死に誘う「紙ブロガー」が横行していたのだ
- その時代に生きる主人公は、親たちの【失われた世代】(ロストエイジ)をも、鼻で笑うことができる“奪われた世代”
- 少年は、ゾンビと化した仲間にトドメを刺すことができず、“人助けができる人になる”という夢に破れていた
- 彼は、死ぬこともできず、さりとて生きる意味も見出せず、ただ滅びゆく世界をさまよっていた
- 自分より生き生きした「ゾンビの少女」に出会うまで・・・
電子化○
地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス
- 自転が停止し、活発に動く食肉植物の天下となった未来の地球での冒険譚
→第八世界槍ティルブ・ユグドラシル? - 生物に寄生して、その生物の種の記憶を汲み出したり知性を拡張するキノコも出てくる
- 地球から子どもを略奪する鳥人もいる
- 人間の男性が希少な時代であることもあり、わりと性差別的な表現もあるが、最後にはその横暴も・・・
チグリスとユーフラテス 新井素子
- 女たちの人生を通して語られる、逆さSF年代記
- そして、開拓惑星における最後の人類となってしまった〈最後の子供〉の物語
- 滅びが宿命付けられた移民星を舞台に、「女性たちがどう生きたか」そして「人生の意味が存在しないならどう生きるか」が語られる
- 人工子宮とスケープゴートになってしまった夫妻、冷血漢とか罵られるアキラという男と、少し変わった多角関係が出てくる
- レイディ・アカリ(穂高灯)の自分を元気づけるおまじない
- 惑星ナインの女神である彼女は、神頼みが出来ないから、自分の右手と左手を交互にかばい合わせて立ち直る
電子化×
- 惑星ナインの女神である彼女は、神頼みが出来ないから、自分の右手と左手を交互にかばい合わせて立ち直る
超人幻想-神化三六年 會川昇
- かつてのヒーローと史実昭和をアリュージョン。選ばれなかった元号「神化」を舞台に。
- 現実と架空のあわい、ゆらぎ続ける過去、歴史改変の焦点。すなわち〈ファンタズマゴリア〉。
- 〈ファンタズマゴリア〉である〈超人〉を架空から史実へと変えようとするSFミステリヒーローもの。
- いまここに居ながらに特別な力もなく、ただ記述しようという決意ひとつで過去をまるまる改編するやわらかな時空感がアリュージョニスト。
超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編- 珪素
- 異世界転生が「子どもの対戦競技」として楽しまれている世界を描いた作品
- 異世界転生もののパロディであると同時に、メタを張り合って戦う対戦ゲーム要素もあって、勢いと伏線回収が両立された面白さを持つ小説である
→アリュージョニストの「異世界転生が娯楽や保険の特典になっている」世界観 - ぶっちゃけると、テレビ東京系列などで放映している(していた)少年向けホビーアニメのノリである
- 『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』や『ダンボール戦機』など、コロコロコミックでメディアミックスするようなアニメ、と言えば分かりやすいだろうか?
- なお、タイトルは「日本全国大会編」となってはいるが、それ以前の過去編は実際には存在しないようだ
- これは「少年マンガのクール系ライバルキャラ」タイプである主人公が、だんだんと変わっていく(本来なら)サブストーリーな展開を、メインで描くためのギミックであると思われる
- 電子化○(カクヨムで完結済み)
- 書籍化もコミカライズもしている
痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘(実況付き) 雀bot @suzumeninja
- バンブーエルフ1ヶ月記念とくべつ読み切りtwitter小説
- Twitterの与太話が生み出した、三種のエルフを使って書かれた冒険小説
リンク
バンブーエルフ圧縮版まとめ
ポテサラエルフ
クソバカエルフが産まれた日
電子化○
つきたま※ぷにぷにしています 森田 季節
- 何もできないぷにぷにしてるだけの、つきたま
- 3巻における、つきたまへの解釈がアキラくんだった
月と貴女に花束を 志村一矢
- 最強の人狼『黄金狼』ラグナウルフの血を引く主人公が、戦いの宿命に襲われながら、ヒロインへの愛を貫く現代伝奇異能バトルなライトノベル
- ストーリーはシンプルかつ王道だが、最後に主人公は、アキラくん的な残酷な選択を迫られる・・・
- その選択の処理と結末が、人を選ぶかもしれない
- 殺されるたびに強化復活する鬼族など、転生要素も少しある
- 外伝『remains』、後継作品に、世界観や一部キャラが共通の『麒麟は一途に恋をする』がある
電子化○
月は無慈悲な夜の女王 ロバート・A・ハインライン
- 原題は“The Moon Is a Harsh Mistress”
- 終節・序『The Orb Is a Harsh Mistress』
月の光 星新一
- 言葉を憎んだ男に、言葉を一切使うことなくペットとして育てられていた少女の話
- 男と少女の間では、言葉なしにコミュニケーションが成立していたようだが、男が死んだ後は……
- 『ボッコちゃん』収録
電子化○
ツナグ 辻村深月
- 死者との再会を叶えてくれる特殊な職業「使者」(ツナグ)
- 再会の機会は生者も死者も一度だけ、会える相手も一人だけ
- 言いたかった言葉と言えなかった言葉、会って分かったことと、それでも分からなかったこと
- 死者は生者のためにいてもいいのか、それは、その死を消費することと同義な、生者の自己欺瞞なのだろうか
- 死者に残された生者の物語
電子化○
罪と罰 フョードル・ドストエフスキー
- 序盤さえ乗り切れば、探偵役との駆け引きや美少女の登場でどんどん面白くなっていく小説
- しかし、長くてクドい文章のうえに、真夏の都会で殺人計画に悩む主人公というストレスフルな場面から話が始まるため、序盤はひたすらとっつきにくい。
- 主人公ラスコーリニコフは、罪悪感を感じない英雄に憧れて人を殺す
→アキラくんの望み - 物語の最後に彼が見る悪夢が【言震】そのもの
DDD 奈須きのこ
- 本人以上に「本人らしく」振る舞い、相手の居場所と相手自身を奪う「悪魔憑き」久織 巻菜
- 悪魔憑きの正式名称「アゴニスト異常症」
電子化✖
TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~ Schuld
- TRPGにとどまらない多数のネタが、『指輪物語』めいた和風の言葉選びと固めの文体にミックスされている文章が、魅力的
- 世界観をじっくり描いているし、バトルも、圧勝だけでなく緊迫感がある命のやりとりもあって良い
- ヘンダーソン・スケールとは、本筋から外れた度合いを測る物差しのこと
- ヘンダーソン氏は、本筋から大きく外れた上うえで、見事ハッピーエンドを掴んだという
- それにちなんだ一種の{IFエンド」が多数描かれているのも、この作品の面白いところ
- アラクネ幼女ヒロインが、積極的
- 熟練度ポイント振り分けによる、スキル獲得(キロンのようなポイント振り直し/リビルドは無い)
- <見えざる手>という念動系の魔法が登場し、活用される
- 書籍化もしているし、電子書籍にもなっている
小説家になろうにて連載中
電子化○
Dクラッカーズ あざの耕平
- ドラッグ・・・・のようなものを使って「悪魔」を呼び出して戦う異能バトル作品
- 少年と少女の、そして魔法使いと騎士と女王の「再会」の物語
- 【邪視】と幼馴染と、オカルトオタクの悪党たちの話でもある
- 三巻以降、面白くなりピンチ度も増す。
- 三枚目な使い魔と暴走探偵少女も出るよ!
電子化○
帝都物語 荒俣宏
- 帝都の破滅を企む魔人・加藤保憲が、歴史の裏で暗躍する都市オカルト小説
- 各巻ごとに新しい呪術や科学技術が登場し、戦いに用いられる
- 有名な文人や思想家などが登場するし、かなりアリュージョニストである
- 一度は完結したが、著者のライフワークとしてその後も続いている
- 著者の解説や書き下ろし短編が収録された『異録』もあり、伊藤悠可の「憑霊現象」の乗り移った人間の振る舞いをコピーして生きたキツネの話や、死者の鎮魂にあやかった理想都市のノウハウなど、アと関係ある解説もある
テーオバルトの騎士道入門 斎藤洋
- 『ルドルフとイッパイアッテナ』の著者による児童文学ファンタジー
- 戦いや殺害によらず、英雄となる若者の旅を面白おかしく描いている
- 領主の息子テーオバルトは、周囲の反対も聞かず怪しげなマニュアル本『騎士道入門』に従って、「竜のなみだ」を求める旅に出てしまう
- そんな実現不可能な旅を八百長で片付けるため、領主の命を受けた従者が仕掛け人として彼に同行するが・・・
電子化×
デート・ア・ライブシリーズ 橘公司
- 危険な存在である美少女精霊を「デートしてデレさせる」ことによって、無害化していく話
- 空中戦艦を所有するような秘密組織のメンバーが、AIが導き出したギャルゲー的選択肢を前に、わいわい騒ぎながら主人公をサポートしたりもする
- ヒロインである精霊の力を、限定的に借りることが出来る主人公
→サイバーカラテ - タイムスリップ系の要素や仲の良い姉妹も出てくる
- アリュージョニスト第四章度がとても高い。シナモリアキラ観がガバガバでないタイプの第四章。
- 永遠の少女が絶望から太母になり、蠱毒の果てに自分だけの最強の主人公(代替物)を作る話。
電子化○
できればムカつかずに生きたい 田口ランディ
- 兄が自殺し、残った父との家族としての関係を断ち切ることにした人のエッセイ
- 人間関係・人間集団とは、みんなで大きなシーツを持つようなもの。
- シーツのどこかには、必ずしわがよってしまう。その「しわ」がいじめ。
- シーツを持ち続けるためには「シーツが必要な理由」が必要、いじめられてもシーツにしがみつくいじめられっ子は、その理由を証明してしまう。
- この世界が美しいのは、美しいと感じる人間がいるからだ。
- 自我が確立するときには、対立する相手が必要。それが明確な「他」であり「父性」
→クレイの修行っぽい - 変化をするには、他者と出会うしかない。精神的な違和と出会うしかない。
- どんな仕事も、編集作業。人生についての観念も、全ては編集
- 自分が自分の責任で編集している。
→【呪文】ぽい
電子化○
デュラララ!! 成田良悟
- 池袋の街を舞台に、人間的な怪物と怪物的な人間たちが繰り広げる群像劇
- 歪んだ愛の物語
- 吸血鬼のように人間を支配し感染する妖刀「罪歌」が、少しだけシナモリアキラぽい
- 実体がほぼ存在しない加入自由のコミュニティ「ダラーズ」が他の組織に乗っ取られたり暴走したりする、コミュニティの話でもある
- SHシリーズやスピンオフも出ている
電子化◯
伝奇集 ホルヘ・ルイス・ボルヘス
- タマちゃん先生の蔵書
- マリー・スー・ヘレゼクシュ愛読!
- 幻想が現実を打ち倒す感覚を味わいたい人にオススメ
- 引用の引用で構成されてる物語がアリュージョニストとしか言いようがない
電子化×
天国に涙はいらないシリーズ 佐藤ケイ
- オカルトハートフル・ギャルゲー系ライトノベル
- ロリコン守護天使が大暴れするし、転生もあるし、新宗教を元ネタにしたキャラもさらっと出てきたりする
- 使用される魔術は、物事の因果をたどる感知系の【邪視】を基盤としたもの
- ロリコン天使アブデル、語りて曰く「神はすべての属性を持つ完全者であるから、すなわち全ての属性を持つ究極の美少女でもある」
→最期の末妹?キュトス?
電子化◯
転生稼業-これが私の仕事です- 浦切三語
- 忌み嫌われる転生トラック運転(アと違って合法ではある)を生業とする男の気付きと選択、そして少しだけのコミュニケーションの話
- 全七話の短編で完結済み
リンク
電子化○
天冥の標 小川一水
- 四章で出てきた瘴気(ミアズマ)出てくるよ。苦しみを共有したり、死の悲しみを怒りに変えたりもする。
- 羊の遺伝子に組み込まれた情報生命体が、電子上で解凍されて自我を起動させる展開とかあります。
- 第四巻では娼婦アンドロイドが演劇を繰り返しながら聖なるものを問い続けたり継ぎ接ぎ存在になったりするのでアリュージョニスト感ある
電子化○
伝説シリーズ 西尾維新
- 英雄となった一人の少年の活躍を描いた、分厚いわりに読みやすい小説
- 科学的考証などについては一切期待しない方が良いが、それなりに奇想天外な展開は保証できる
- 主人公は、他者に共感しない無感情な人物であり、それゆえに英雄として見出された
- 全自動で敵を切る『破壊丸』に人間そっくりの敵を人間に見えなくさせるゴーグル『実検鏡』と、主人公のの戦闘力は大半が外付け
- 最終巻には、人格再現AIも出てきて主人公に助言を行う
→シナモリアキラ、サイバーカラテ
電子化◯
とある魔術の禁書目録 鎌池和馬
- そげぶ=静謐の手
- 幻想=現在の相手の信念や思い込みを否定する上条の幻想殺しと、「ブレている」者を異世界に誘う上里の理想送り
- 救い方が異なる二人の「ジョーカー」
- 「似ているものは魔術的に同じものとして扱うことができる」という魔術理論を非常に初期の段階から使用しており、魔術・オカルト関係の引用知識の広範さはちょっと驚愕するレベル
- 「助っ人を介して苦手な分野を補う」戦法が基本な作品であり、新約後半では三人の主人公が、全員少女の姿をしたアドバイザーの支援を受けていたりする
- AIM拡散力場や『人的資源』など、集団が潜在的に持っている力を借りたり利用する技術も存在し、無能力者な全人類の力でさえ、何らかの形で利用できる可能性すら仄めかされている
- 新約1~10の、主人公なき世界→主人公とは?→真の主人公復活!というメタくて統合的で綺麗な流れがアリュージョニスト
- 新約8,9,10の、主人公の主人公性を問いながら創造神と10億年くらいバトルするの、とても楽しいのでこれだけでも読んでみて下さい。主人公が作中世界でもTheヒーローとして扱われてるのを把握してれば読める気がする。
- 科学的に世界の物語性に到達して、科学的に仕立てたヒロインで、科学的に7500人のヒーローに干渉する展開とかあります
- 新約6:死者の代弁や紀人の内的闘争ぽい展開も
- 昆虫のようなデジタルな判断しか持たないが、人間のように振る舞うフロイライン=クロイトゥーネ
- 新約7:超能力者の能力を引用し、脳も代替可能な部品であるサイボーグ「恋査」
- 宗教概念から産み出され、純粋な科学法則の世界と重なり合うレイヤーのような異世界「位相」
- 噂話から存在が確立されたウィルス生命体?の「サンジェルマン」
- 対魔術式駆動鎧
- 新約14:悪の定義:誰かが誰かを見捨てたときに発生する
- 大勢から諦められ、切り離された誰かさんが悪という事になる
- 上条当麻の強さ:「繋がる力」:暴力をも包み込める人間としての理性の力
- 殺しの技が増えるほど、相手を活かして助ける道から遠ざかれば遠ざかるほど、上条当麻は弱くなる
- 木原唯一の戦闘スタイル
- 木原唯一の試み「全人類を『木原に脅えて木原を組み込んだ誰か』に作り替える」言ってみれば相互監視社会を超えた相互犯行社会を作るための実験
- 「原型制御」:独断でパラダイムシフトを起こせる手法であり、人間の共通認識や共通価値観を創造・実装・破壊できる
- 自分の可能性を分割して、10億8309万2867人に増殖
- AIアネリ(実は魔道書の写本)とプロセッサスーツによるダンスゲーム風中国拳法が、ほぼサイバーカラテ
- 無理解と不寛容の【邪視】系魔術兵器「神威渾淆」(ディヴァインミクスチャ)
- 人造の樹(クロノオト)の成立と、余計者であるゆえにその案内人になれるという理屈
- 13巻、22巻、映画、スピンオフコミックス『エンデュミオンの奇跡』など要所要所で歌で祈りを束ね、人の思いに干渉して奇跡を起こしていると見られる描写がある
- 「御坂美琴と食蜂操祈は同じ男を好きな女同士なので百合」by最近氏
BOOKWALKERで電子化○
東京レイヴンズ あざの耕平
- 呪術!呪術!呪術バトル!(正確には陰陽道だが)
- 現代の東京(および日本)を舞台に若き陰陽師たちが呪術を競う
- 安倍晴明の子孫とか土御門家の末裔とか芦屋道満(本人!)とかが出てくる
闘争領域の拡大 ミシェル ウエルベック
- 市場経済がうなる。勉学・仕事・恋・友情、すべてが軋みだ市場に晒された闘争だ!逃げ場はない!勝利と敗北のあとにさらなる闘争が待ち受ける!!
- それがつらい。とても。市場マジ虚無。というお話。
トカトントン 太宰治
- ある瞬間を境に、それまでの興味や熱中が消え失せてしまう幻聴に取り憑かれた男の手紙と、それへの作家の返信を書いた短編小説
→ユディーア?
電子化◯青空文庫>トカトントン
ドグラ・マグラ 夢野久作
- 日本探偵小説三大奇書の一つであり、様々な要素が詰めこまれた幻想的な小説
- ヤンデレぎみな妹が(主に声だけ)登場する作品でもある
- 精神病院の恐ろしさを指摘する部分や「胎児の夢」というオカルト科学な要素、果ては仏教的な必殺技が繰り出される場面まであり、かなりアとの親和性は高いと思う
電子化◯青空文庫にて無料公開中
時計じかけのオレンジ(小説) アンソニー・バージェス
- 犯罪者に、犯罪や暴力を嫌悪する(パブロフの犬的な)「条件付け」を施して「更生」させることの意義を問う小説
- 個人の選択肢を奪う話でもある
→『順正化処理』 - 映画版も有名
- 編集者によって削除されていた終章が、後に完全版で追加された
- 序列を固定させる「条件付け」を描いたディストピアものとしてはオルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』などもあるが、おそらく『地上』は(基本的に)そこまではやっていない模様
都市と星 アーサー・C・クラーク
- 内部に引きこもる未来都市と、それから隠れ住む自然な生活を送る集落、その二つの共同体を、一人の少年「アルヴィン」がつなげ、新しい時代を創っていくSF
- 住民は一種の転生によって無限の寿命を持ち、VRゲームを楽しむが、十億年間子どもが産まれなかった都市ダイアスパー
- 転生を繰り返し、目覚めるタイミングをずらすことで住人の組み合わせパターンに変化をもたらし、刺激をもたらしている
- ただし、死がない都市には誕生もなく、思いやりや子育てという概念も存在しなかった
→トリシューラの理想世界?
電子化○
図書迷宮 十字 静
- 二人称メタ小説。人外ロリBBAラブコメ。物語がひとたび始まったらすべてが踏台になるという話。
- あなたは記憶を保持できない。あなたの本は周囲の状況を自動書記する。あなたの本を書き換えればあなたを改竄できる。
- この手に作中のテキストがある、からもう一つ二つジャンプします。注釈の世界とかもでてくる。
とらドラ 、竹宮ゆゆこ
- ラブコメラノベの金字塔
- 虎に従う犬ではなく、並び立つ龍になろうと志した少年
トニーノの歌う魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- 大魔法使いクレストマンシー(平行世界すべてにおける魔法の使われ方を監督する役職)のシリーズ作品であり、【呪文】系ファンタジー
- ロミオとジュリエットの改変的なゆかいな物語であり、この作者の本の中ではダントツにあらすじが分かりやすい本
- 二つの呪文作りの名家が対立し、国を守る魔法の歌が失われた
- さらに両家で最も呪文が苦手な子供たちがさらわれ、あやうく内戦に
- 呪文が苦手な子供たちが悪の魔法近い相手に活躍する
- 魔法遣いと会話出来る猫も出るよ!
ドラゴンランスシリーズ マーガレット・ワイス&トレイシー・レイ・ヒックマン
- TRPGの元祖の一つ、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を原作としたファンタジー小説のクラシック。
作者たち自身が認めているように指輪物語の影響を大きく受けながらも、それとは異なる方向に進もうとした作品であり、
日本での知名度はいまひとつだが、アメリカでは長年愛されているベストセラーシリーズ。 - TRPG原作だけあってより、ゲーム的(いわゆるリプレイ小説の元祖とも言える作品である)な小説であり、コルセスカの好みにも合いそう。
- 通常の物理攻撃を受け付けず、最高位の魔術師の呪文以外は手傷を負わせることすら困難で、
高速で空を飛び、当たれば即死のブレスを吐くドラゴンの軍勢(それを率いる神々)といかに戦うのか?という戦略が重視される(単なる個人やパーティ単位の剣と魔法では戦争を終わらせることはできない) - 神々が実体をもって人間やエルフ、ドワーフらに介入し、戦争を通じて己の支配圏を広げようとするなど、
積極的に神々が現れる(人間たちにとっては非常に迷惑)あたりがアリュージョニスト的 - 複数の版があり、読むなら注釈付き完全版がオススメ。
- 多数の作者によって書かれるシェアードワールド状態であり、
入手の容易さや話のまとまり的に第三部か第四部まで(ここまでは同一作者のコンビなので)読むのがキリが良いと思われる。
トランスヒューマンガンマ線バースト童話集 sanpow
- 文字通り「トランスヒューマン」と「ガンマ線バースト」でアレンジされた有名童話集
- 基本的にポジティブでパワフルで、そして優しい話ばかり
- 最後の話は、それまで全ての童話を新たに語り直す、締めくくりのお話となっている
- カクヨムにて無料公開されていたが、ハヤカワSFコンテスト応募のため取り下げられた
そして、みごと第6回の優秀賞を獲得。
第一話地球灰被り姫がweb上で無料公開中
電子化◯
トレマリスの歌術師 ケイト・コンスタブル
- 万物を操る九つの「歌術」が存在する世界、トレマリスを舞台とした全三巻の冒険ファンタジー
- 女しか歌えない歌術によって守られる氷壁の国アンタリス
- そこで規則に縛られた日常にウンザリしていた見習い巫女のタルウィンは、ある日壁の中に存在しないはずの男の侵入者を発見、それをきっかけとして世界の覇権を巡る戦いに巻き込まれることになる
- 人間ドラマはイマイチだが、そのぶん魔法の歌(【肉体言語呪文】のような踊りも含む)やそれがつながる雄大な自然がしっかりと描写されており、魔法遣い同士の戦いもある【呪文】の物語となっている
- すべての根源たる第一の歌術が女神そのものとして信仰されていたり、先住民との対立があったりとア要素もある
- 作者からのメッセージ「川から海、海から雨、雨から川」
- 「どんな本も、川と同じように、多くの水滴からできています」
- 「うろ覚えの歌の断片、ずっと昔に読んだ本、夢の中で見たイメージ、無意識の中に埋もれた恐れや憧れ。それらがもがきながら表に出てきて、創作物語のかたちをとっているにすぎません」
電子化×
ドンキホーテ ミゲル・デ・セルバンテス
- 英雄物語パロディの古典
- 現実を観ないために、まるで【小鬼】のように振る舞って、周囲とトラブルを起こす狂人の物語
- ドンキホーテの行動方針と思想の全ては、騎士道物語というファンタジーに依存しており、彼の選択はそれによって下される
- 彼は、いわば騎士道物語のように生きようと、自ら生まれ変わった擬似的な「転生者」であり、自分を物語の英雄のように助けてくれる、チートな「善の魔法使い」が実在すると信じている人間でもある。
- 今風に言うならば、ドンキホーテは、自分がファンタジーの世界に生きるチート転生者だと信じている男である
- ただし、ドンキホーテはただの狂人に留まる存在ではなく、正義と理想を信じ、自分より他人のために戦おうとする理想主義者でもあるのだ
- ツルゲーネフが打ち立てたという概念に性格分類の「ドン・キホーテ型」があるように、彼は一つの元型(アーキタイプ)となったといえる
- また、どんな失敗も「これから逆転するシチュエーション」に落としこんで乗り切ってしまう彼の世界観は、もはや一つの宗教であるとも言えるだろう
な行
ナイトウォッチ三部作 上遠野浩平
- 遙か未来、人類は謎の外敵と戦いながら宇宙に進出した
- だが、その戦いはあまりに過酷であったため、人類は、精神を安定させるために、仮想世界の中で二十世紀の夢を見続けていた
- 『ぼくらは虚空に夜を視る』:主人公は、「現実の世界」におけるオリジナルが精神を安定させるために作り出した、予備人格
→人工人格としてのシナモリアキラ - 人類が作り上げた最強の超光速戦闘機(時間を加速させる)の操縦者は「コア」と呼ばれる
→コルセスカ - アニメ『ゼーガペイン』が好きな人にもオススメ
流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック
- 『流れ出せ我が涙』
渚さんはガベージダンプを猫と歩む。 紫炎
- 荒廃した未来、埼玉圏を旅するサイボーグ少女の冒険記
- 猫っぽいアバターのAIによるサポートは、サイバーカラテに近いといえなくもない
- 一話が短いため、少しずつ続けて読む読み方に向いている
- 動物型の機械兵器と人が、エネルギー資源を奪いあう世界
連載中@小説家になろう
なつかしく謎めいて アーシュラ・K・ル=グウィン
- 『ゲド戦記』作者による、異世界文化記
- 空港で退屈と苦痛が極まると、誰でも異世界に旅行できるようになるという設定が面白い
- ひたすら異世界人類の歴史や文化・生活が書き綴られているだけではあるが、それを鏡として映し出される「我々の世界」との異質性や共通点が興味深い
- ただ、語り手がインドア派な(おそらく)白人中年女性であるため、男性が好みそうなラブロマンスや何かの獲得というような意味での冒険は、基本的に出てこない
- それでも、文化人類学や架空史などが好きな人なら、問題なく楽しめるだろう
- 人間と動植物の「種」の垣根がなくなってしまった結果、遺伝子による就職制限が正当になってしまった次元なども出てくる
→アヴロノなど
電子化×
夏の王 O・R・メリング
- 妖精を信じていなかった活発な少女が、死んだ双子に再会するため、現代アイルランドで夏の王を探す話
- 贖罪の旅であり、死者や彼岸の話であり、生まれ持った悪性に悩む青年についての物語でもある
- 『妖精王の月』の続編であり、シリーズものの話ではあるが、そちらを読まなくてもストーリーの理解には問題ない
- 海賊女王グレイスオマリーが活躍するのも良い
- この作品での妖精の取替えっ子は、霊媒的な解釈をされている
- 一つの世界での死が、別の世界での生のはじまりであるという死生観
- 生においても死においても、単純なことなど無いのさ
- 「自分の知っていることの限界まで来たら、二つのうち一つを信じねばならぬ。足をつけて大地に立つか・・・あるいは翼を生やして天翔るか」
何かが深海からやってくる――8月の迷惑な侵略者たち 宮澤伊織
- 光のサメ戦士と闇のサメ戦士の1000万年に渡る戦いに、男根を二本*1生やす主人公が巻き込まれていく話。
- 旧帝国軍のサメサイボーグ(光のサメ)VSナチスドイツのサメゾンビ(闇のサメ)とかやるのでアリュージョニスト。
- 低予算モンスター・パニック映画の引用っぷりが楽しい。
- ここでいうサメは、二足歩行で竹槍を持つ息絶え絶えのマグロのことを指します。
何者 朝井リョウ
- 『桐島、部活やめるってよ』の作者の本
- 就活とツイッターと、その裏に隠された本音と承認欲求の話
- そして、現代の青春の話
- 良くありそうな痛々しい人たちの話だが、それをしっかりと書いた本はあんまり無い気がする
- ただ、就活が空回りアピール合戦になっているのは日本社会の構造的な問題もあるので、その責を個人にだけ負わせるのは酷だと思う
- 観察者の特権意識
→アレッテの諦観と倦怠?
ナルニア国物語 C・S・ルイス
- キリスト教色が強い、異世界転移ファンタジーシリーズ
- 最後が一種の転生エンドだったり、人を選ぶところがある児童文学
- 『朝びらき丸 東の海へ』
- 主人公のひとりである嫌われ者だった少年が、竜に変身したことを切っ掛けに変わっていくエピソードがある
- 『銀のいす』
- たとえアスラン(神=キリスト)やナルニアが幻想だとしても、幻想のほうが大事だとするくだりがある
- 『さいごの戦い』
- 信仰に誠実なら異教徒でもアスランの信徒(キリスト教徒)であるとしたり、イスラム教(らしき宗教)を偽りの信仰として描く描写が強い
南極点のピアピア動画 野尻抱介
- ニコニコ動画が今より活気があり、動画タグ「ニコニコ技術部」にも今より遥かに希望があった頃に書かれたSF小説
- ニコニコ動画をモデルとした動画サイト「ピアピア動画」にまつわる人々が、色々と大暴れする短編連作
- 技術の話や専門用語も多いが、そのあたりをナナメ読みしてもストーリーには十分ついていけるし、面白い
- ボーカロイド小隅レイ(こずみれい/モデルは初音ミク)が色々な形で引用され、様々な形で技術の発展を促進し、世の中を面白くしていく話
- たとえ世間的に無価値に見えても「面白さ」を追及すること、そして他者からのまなざしによって自己を省みて成長することを肯定する思想が語られている
- ある種の異邦人も登場するが、それより(挑戦心にあふれていた頃の)ニコニコ運営がモデルのピアピア運営の方がどう見てもヤバいので、そのあたりを知らないとSF要素よりそちらの方が嘘臭く感じてしまうかも
- ドワンゴ代表取締役会長(当時)の川上氏の解説もついており、現実との違いやニコ動没落の原因の一端なども含めて参考になる
ニコニコ大百科>南極点のピアピア動画@詳しい解説がある記事
ニコニコ動画>劇中歌・雲を泳ぐ
なんとなく、クリスタル 田中康夫
- 本の半分が、注釈(短い解説)とブランド名と余白で出来ている、アリュージョン系小説
- わりと富裕な学生たちのストレスフリーな生活を描いたこの物語は、現代ではもはや異世界小説と言っても良いのかもしれない
- 中身は執筆当時の時代性と気分しかないが、それが逆に歴史的資料として価値を持ち評価されていた作品でもある
- 続編もあるが、みんな没落していて評判悪い
西の魔女が死んだ 梨木香歩
- 祖母との交流、「魔女」になる修行を通じて孫娘が成長する話
- オカルト的に思える直観、一種の【邪視】との付き合い方を学んでいく話でもある
23分間の奇跡 ジェームズ・クラベル
- たった23分間で、子どもたちの考えを変えてしまう占領教育を描いた短編小説
- 暴力も脅迫も伴わずに人を操る【呪文】の恐ろしさと、人間の思考や理念のあやふやさを示す、問題提起の書
- 新任女教師のふるまいが、本当に魅力的に描かれているため、そちらの方面が好きな人にも受けるかも
ニルスのふしぎな旅 セルマ・ラーゲルレーヴ
- 森を切り開き文明を築いた人間への賛歌と、自然への愛が共に存在する児童文学
- また、地理や文化を紹介しスウェーデンに誇りをもたせるために書かれた一種の教科書であると同時に、そうした教養抜きでも面白い民話系ファンタジーでもある
- 妖精の呪いで小人になることで動物の言葉を理解できるようになった主人公ニルスは、いわば半人間のトリックスターであり転生者(グロソラリア)でもある
- サブストーリーとして、父を探すガチョウ番の少女オーサと弟のマッツの旅も組み込まれており、魔法や奇跡が無くてもタフな人間の強さを感じさせてくれる。
ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン
- サイバーパンクの基礎教養
- SF初心者向けというわけではないので読むには注意が必要。
電子化×
人形の家 ルーマー・ゴッデン
- 「祈る」ことしか出来ない人形たちを描いた児童文学
- やがてその「祈り」が、彼女たちにとっての神である人間を動かすことになる
- イプセンによる同名の戯曲も名作
人間シリーズ 西尾維新
- 『戯言シリーズ』の外伝であり『クビシメロマンチスト』から『ネコソギラジカル』の間に位置する話
- 『零崎双識の人間試験』:「殺人は絶対悪でしかない」という信念を持つ殺人鬼が登場する
→シナモリアキラ?
人間になりたがった猫 ロイド・アリグザンダー
- 魔法使いによって「言葉」と「人間の姿」を与えられた猫が、人間社会で冒険を繰り広げる物語
→断章編など - 社会不正とそれに負けない人間の善性を描いた、人間賛歌のお話でもある
ニンジャスレイヤー ブラッドレー・ボンド,フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
- 全てはカラテ、カラテなのだ
- 爆発四散
- 古事記にもそう書かれている。
電子化△(物理書籍は×だが、ネット上で書籍化した範囲を含め全文(書籍化にあたって細かな違いはあるが)を読むことが出来る)
猫町 萩原朔太郎
- 平凡な日常から異界へと迷い込む散文詩風な小説
→【邪視】?【呪文】?
青空文庫版へのリンク
ネクサス ラメズ・ナム
- 違法薬物っぽい扱いで取り締まられているナノマシン、「ネクサス」
- その可能性と危険性を巡る、争いの物語であり、技術による人間の進化の話
- 三部作の一作目だが、残りはまだ翻訳されていないようだ
ブログ記事への解説アウトソーシング→"人間性の限界を受けいれる"か、"可能性の力を歓迎する"か──『ネクサス』@基本読書
ねじまき少女 パオロ・バチガルピ
- 原題は“The Windup Girl”
- 終節:破『The Winddown Girls』
年刊SF傑作選 ジュディス・メリル編
- 60年代に編集されたSFのアンソロジー
- 軽妙で楽しく意外性がある短編が集められている
- 性的に奔放な田舎娘の意外な結婚相手と地球文明の行く末も暗示するその結婚:ウォード・ムーア「マクシルの娘と結婚した男」
- 人類が克服できない欠点と差別の話:ハワード・ファースト「大蟻」
- 言語を制約することによる戦争の抑止:クリストファー・アンヴィル「別の名」
- 空想の至高の境地に浸ることが出来る城と、人間が創り出した神のような肖像画:エリザベス・エメット「魅惑」
→二次創作による救い?
ノーゲーム・ノーライフ 榎宮祐
- 無敵のゲーマー兄妹が、ゲームの勝敗で全てが左右される異世界へ召喚される物語
→コルセスカの【コキュートス】
電子化○
脳仕掛けの楽園 -壊脳少女と脳を奪い合う戦場- Deino
- VOCALOID初音ミクから派生した二次創作キャラクター(公認)である「骸音シーエ(かるねしーえ)」の公式小説
- 脳が魔力源となり、奪い合いの戦争が発生している世界で生きる、記憶喪失の少女の物語
- 完結済みだし、カラーイラストが多いのも良い
小説家になろうにて無料掲載中
ピクシブ百科事典>骸音シーエ
ニコニコ大百科>骸音シーエ
「ノケモノ会議」 遠影此方
- 相互監視のシステム「ノケモノ会議」によって守られている実験都市に現れたヒーローとその救いの話
- ライオンのしっぽを持ったレオという男の子が登場する
- 凡人と英雄、そしてノケモノの謎、そして可能性
- 主人公の少女が常識と独自の感性を併せ持っているのが良い
- 会議の描写などは、ちょっと『ユリ熊嵐』などを作った幾原邦彦監督っぽい
- 武器が全部使われないところだけが、ちょっと残念
電子化○ カクヨムにて完結済み
は行
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 リック・リオーダン
- ギリシャ神話は、アメリカで生きていた!?
- 神々と半神の英雄と怪物の物語
- わりとオカルトパンクだし、ミームとして現在も生き続けるギリシャ神話の要素がたくさん出てくる
- ギリシャ神話モチーフなので、(現代アメリカらしい離婚とかハーフ/ダブルとかの)家族の話が中心
- 神の力を使う英雄がたくさん出る続編『オリンポスの神々と7人の英雄』もある
B.A.D. 綾里けいし
- 男の主人公が孕んだり胎内回帰したりするのすごくアリュージョニストなかんじする
- 死人と罪悪感と依存の話。一章と四章に通じる。
- 殺人の罪悪感に溺れて自分に生きる価値見いだせなくて、でも死ぬのは怖いから生きてる。そんなキャラたちがアキラくんっぽい。
ハーモニー 伊藤計劃
- "彼女は教室で美しい孤立を保っていた"
- 2-7 炎は黄金を証明する"おぞましいものに満たされた世界の中で、彼だけが美しく孤立していた。"
ハイスクールDxD 石踏一榮
- 神滅具を巡る物語
- 極夜なる天輪聖王の輝廻槍(ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン)とか出てくる
蝿の王 ウィリアム・ゴールディング
- 子どもたちだけが、事故で無人島に漂着してしまう話
- 子どもたちは、最初こそ文明的な秩序を保とうとするが、恐怖と狂気に彩られた混沌へと変わっていってしまう
- だが果たして、これは無人島の子どもだけに限った話なのだろうか?
- 「4-55 栄えある女王の凱旋」には、蝿の王のイメージが見られる
- 飽食の島にてなお子供たちに蔓延する噂、恐怖、名を獣
- 獣の恐怖のために、蝿たかる豚の生首を蝿の王と名付け崇める
- 獣の正体は単なる遺骸であり、子供たちの異物であり、子供たち自身であった
- 軍人が迎えに来てさくっと終了(アリュージョニストだと軍人を殴り殺す
覇界王~ガオガイガー対ベターマン~ 竹田裕一郎
- 二つの世界観を繋ぐ公式小説
- 二人のパイロットが左右の半身を担当するガオガイゴーが、アキラくんっぽい
- コミカライズもされている
電子化○
公式サイトリンク
白冥の獄 ジン・ヘイル
- ファンタジーBL学生寮もの
- 異文化や魔法の設定がしっかりしていて描写が見事、そして呪いの謎や登場人物が魅力的なため、BLを抜きにしても面白い
- 二巻の下で「第二部巻」となっているが、そこでしっかり区切りを迎えているので実質完結していると言える
- 体内に地獄を封じ込める魔法で王子の危機を救った英雄の子孫であり、その地獄を受け継ぐ青年公爵と、彼と同室になった少数民族の天才青年の友情と愛の物語
- やがて、公爵の一族を襲う死の呪い、そして地獄の魔法は、実は、主人公の民族に伝わる宗教に深い関わりを持っていることが判明する
- 少数民族そして同性愛者に差別的な王国の体制、王国が過去に行った迫害のため非協力的な親戚たち
- 主人公はそうした困難を乗り越えて、恋人や友人を救うことが出来るのか!?
- 作者がこだわりあるため、馬が良く出てくるのが良いし、主人公の家族など恋愛以外の人間関係もしっかり描かれているものも良い
- 季節の移り変わりや寮生活の描写も、美しく楽しい
- 呪術を応用した「治療機械」も出てきて、物語で重要な役割を果たす
- 「霊域」(シャジュディ)という内世界型の『浄界』に似た生死の境であり、『邪視』的な一種の異能とも言える魔法が出てくる
- その元ネタはクエーサーであり、それがブラックーホールをエネルギーとするように、死者の魂を新たなエネルギーに変換し、生者の世界へと戻すのだという
- 読者の同性愛者を参照して書かれた小説でもあり、現実と再帰的な関係にある作品であるとも言える
電子化×
筺底のエルピス オキシタケヒコ
- 主人公は《朧筺(おぼろばこ)》。空っぽの、デッドコピーの継ぎ接ぎ。そしてそれを強さとしている。シナモリアキラだ。
- ひとつのモチーフ・ギミック・原理をゴリゴリ突き詰めていくSF
- イルミナティの陰謀論などの与太を大真面目にやる。作中世界観の言葉で語り直して、物語に組み込んでいったりする。
恥知らずのパープルヘイズ 上遠野浩平 原作:荒木飛呂彦
- マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の補完的な外伝である公式二次創作小説
- 一歩を踏み出すことができない者たちの物語
- 過去にも未来にも行けず、かといって同じ場所にとどまることも出来ない、そんな彼らの選択と覚悟の話
- そして、自分でも分からないタイミングで「キレて」しまう「裏切り者」(正確には一人だけ「裏切らなかった」者)の話でもある
→ユディーア? - あとがきがどんどん追加されているので、文庫版などなるべく最新の版がおすすめ
- 特に文庫版あとがきは、スタンド論であると同時に個性論や『ジョジョ論』を兼ねていて多重的な面白さがある
バジリスクの魔法の歌 パトリシア・A・マキリップ
- 中年男性が主人公である、異例の復讐劇ファンタジー
- 暗喩が多用される状況描写は重厚であり、派手で分かりやすい魔法や神秘はほとんど描かれない
- 【呪文】系の物語ではあるが、重点が置かれているのは楽器を中心とした音楽であり、歌詞などは出てこない。
- 主人公が中年になるまで記憶を失っていたりもするし、予想の範囲を出ない展開や結末を求めている人には、向いていない話でもある
- あるいは、この物語で本当に殺されるべきであったのは、バジリスクが統べる恐怖の時代そのものだったのかもしれない
バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン
- ふたりのオールドミスに仕える料理人が、宝くじの賞金で御馳走をする話
- そして「選ばれなかった選択の実現」とすぐれた芸術家と、本当に豊かな食卓の話
→死人の森の女王? - ふたりを含む村人は、美食に心を動かされて信仰に反することが無いように決意を固め、「宴席で料理の事を話さない」という縛りを定めた
- しかしその縛りが、逆説的に豊穣な時間をもたらすことになる
- われわれには、われわれが選ぼうとしなかったものも、われわれには与えられているのです。
- すぐれた芸術家が貧しくなることなどない
はてしない物語 ミヒャエル・エンデ
- リアルにダメっぽい少年が、主人公のファンタジー
- 異世界チートトリップの元祖的な本の一冊であり、想像の世界を救う冒険を描いた物語であり、ファンタジーについてのファンタジー
- あるいは、物語の登場人物との友情の話
- 【邪視】と【呪文】のファンタジーであり、「語られた物語」とそれが「書かれたもの」のプラトン以来の対立関係にも軽く触れられている
- 「語られる」ことで、その語り以前の過去が「存在していることになった」りすることも
- 作者お気に入りの、赤い装丁が施されたハードカバー版で読むと、より楽しめる
- 映画の「ネバーエンディングストーリー」の原作だが、アレは作者の意向に反して作られた代物だったりする
- この物語をシェアードワールド化した二次創作な物語群「ファンタージエン」も出ている(原作設定が守られてない作品もあったりと、作品のスタンスは様々)
バトルロワイアル・パロディ
- 小説『バトル・ロワイアル』の二次創作ジャンルであり、既存の作品のキャラクターがデスゲームに巻き込まれるネット上のリレー小説
- 原作要素は、あくまでそのゲームルールを流用したテンプレートを用いるのみであり、通常禁忌であるキャラ改変や殺害が行われるための枠組みとしてだけ利用されている
- 「どんなキャラでも死亡する可能性がある」舞台や能力制限の存在は、大物食いや別作品同士の強キャラによるドリームマッチを実現させた
- 加えて(複数作品が参戦している場合)さまざまな作品の世界法則やアイテムが持ち込まれることで、弱いキャラが強化されたり、予想外の展開がもたらされることも多々あった
- また、殺し合いを強制される状況ゆえに、かえってその「ゲーム」に乗らない覚悟や友情の尊さ、過酷な環境で生き抜くキャラクターの美しさを描写できるジャンルでもあった
- とはいえ、ヘイトを集めやすいジャンルであるため、基本的にはひそかに行われていたものでもあった
- 投下作品に対して掲示板で批判検討される風習があり、全盛期には、それが上手く機能してリレーの継続が維持されていた
- また、あるロワでのキャラ崩壊や不遇な扱いが、他のロワで名誉挽回されたりしたこともあった
- 個人的に「漫画ロワ」や「アニロワ」「アニロワ2nd」あたりは、多様なキャラや要素が混じり合ってアリュージョニストっぽかったと思う。
- 後に『Fate』シリーズの設定を流用した「聖杯戦争モノ」も流行るようになった(しかし継続が難しく大部分は過疎っている)
- 死亡後から呼び出されるキャラもいるので、実質的に転生かも?
2chパロロワ事典
ハムレット・シンドローム 樺山 三英
- 世界劇場。誰も彼もがハムレット。劇中劇のせめぎあい。劇が現実を凌駕する。幾つもの真相も劇に飲み込まれていく。
- 二人称に切り替わるところで、なるほど俺もハムレットになるのか、と。あなたすらも例外なく劇の標的。呪文力がある。
- 自己言及的。閉じてるのに広がる世界観。"ハムレット"とは。
- あとがきを読む。アリュージョニストだ。
薔薇のマリア 十文字青
- ハクスラゲー風小説
- 上位世界からの観測者っぽいのいるよ
- 初期五階層の暗黒っぷりはエルデンと似てるかも。
パンツァークラウン フェイセズ 吉上亮
- 選択とはなにか、最適な判断とは?
- 私たちは何者なのか、どこから来て、どこへ行くのか
- 優れたユートピア(ディストピア)小説がみなそうであるように、この小説もまた、私たちの生き方と私たちの社会の見方を変えるために差し出された「UIレンズ(めがね)」なのかもしれない。
- 行動履歴から最善の選択が導き出される「支配権力が存在しない都市」、動作補正による最適化、戦闘用パワードスーツ
- 道具は愛すべきものではあっても、憎むべきものではない
- 道具はいつも鏡のようなものであり、それがもたらした成果も破滅も、すべて人間次第で左右出来た結果である
- 『仮面ライダークウガ』のオマージュ入っているので、それを知っていると後半の展開が飲み込みやすいだろう
- 後半は駆け足展開でキャラを掘り下げるエピソードが足りない感があるが、世界観もキャラも魅力的
- 『楽園追放 rewired』に、前日譚(ややネタバレだが本筋にはあまり関係無い)の「パンツァークラウン レイヴズ」が収録されている
吸血鬼ハンター"D" 菊地秀行
- 吸血鬼が貴族として人間を支配した時代が終わり、荒廃した世界に超科学の遺産が残された世界
- 吸血鬼は段々と滅びゆくけれど人間の時代はまだ来ない世で、吸血鬼貴族と戦う半吸血鬼(ダンピール)の吸血鬼ハンターの物語
- "D"の左手は独自の意志を持った人面疽であり、地水火風の力を生命エネルギーに変えて本体を生き返らせる能力を持つ
→シナモリアキラの左手の魔女?
万物理論 グレッグ・イーガン
- 杖の呪文で過去遡及的に宇宙を誕生させたぞ!!!!
電子化○
PJ傑作集シリーズ ポール・ジェニングス
- オーストラリアのベストセラー作家の短編小説集
- 小中学生向けで下ネタも多めだが、メリハリとユーモアがあるし、何より主人公の子どもたちの心理描写が生き生きしていて面白い
- 魔法のアイテムや不思議な現象も多く出てくるし、『世にも奇妙な物語』系?
- 『Round The Twist』(『お騒がせ!ツイスト一家』)という題名でドラマ化され、NHK教育の海外少年少女ドラマ枠で放映されたこともある
- オーストラリアの小説だけに、たまにカンガルーが出てきたりするのも良い
- 見た動きを装着者にマネさせるネコ帽子「バードマン」や、コイン投げ代わりにランダム変化するロボットの目を使う「目は知っている」(いずれも『とても書けない物語』収録)など、アを思わせる作品もある
もういちど読みたいポール・ジェニングス(Paul Jennings)>遠村椎茸
電子化×
ビートのディシプリン 上遠野浩平
- (現在の)世界の敵になってしまった合成人間「ミンスミートのミンサー」
- 彼女は、自身を通じて人の心の欠落を補い合わせ、埋めることが出来た
- そしてそれは、欠落を埋めた人々を変質させることに繋がってしまったのだ
- 「カーメン・ビート」ビートが、そのディシプリン(厳しい試練)を通じて見出した概念
- 一人では出来ないことも、二人でなら
BEATLESS 長谷敏司
- 受け入れがたいレベルで非人間的なAIヒロイン、心なき道具に捧げる愛、人と道具の相補な関係性が見どころな小説
- トリシューラまわりの話に通じる……ような?
- 〇〇の拡張という言い回しや、振る舞いによる肉体言語魔術とかコレ参照してる気がする
- この世のすべてを計算し尽くして、なお残る空白を魂や愛と呼んだりするよ。アリス・イン・カレイドスピアで書かれる魂の相似あるいは逆。
- 魂の無いヒロインを"かたち"として愛したからこその完全なハッピーエンド。シナモリアキラの魂でなく"かたち"が愛されたことに通ずる。
- 道具が人を支配するという恐怖を、道具が人を求めて信じたという物語に再解釈する。呪文の座っぽくもある。
- アニメ化に合わせて文庫にもなっており、内容が大幅に加筆修正されている
電子化○
光の王 ロジャー・ゼラズニイ
- インド神話とSFの闇鍋。 ファンタジックでSFで超能力バトルであり革命的!アリュージョニストだ!
- 富めるものが転生技術を支配し、カースト制を現出させるディストピア。現代日本に近い状況。
- カースト否定する革命の手段とテキトーに仏教思想を引用して扇動してたら、ガチ悟りが出てきてビビる主人公。偽物から本物が生まれるってのはアリュージョニストに近い…ような遠いような。
電子化×
緋弾のアリア 赤松中学
- 主人公のキンジはSDAランキング71位
- サブヒロイン望月萌は進研ゼミ71位
電子化×
悲嘆の門 宮部みゆき
- 平凡な大学生と引退した元刑事が、異界の存在との出会いをきっかけに連続殺人事件を追うことになる、現代ダークファンタジー・サスペンス
- 『英雄の書』の実質的な続編であり、そちらを読まなくても理解に支障はないが、読んでいたほうがより楽しめる
- 前作の補完的な説明や同じ登場人物が出てくるだけでなく、自分の頭で考えて批判や反論をする人物が多く登場することで、前作の欠点が補われているのが良い
- またテーマである「物語」も、(模倣犯的な傾向をもつ)連続殺人やネット社会の問題などに焦点を当てられており、前作より格段にわかりやすくなっている
- それにこの作品は、ある意味作者の総決算であるため、作者の既存作品に触れていれば、それらに通底する問題意識を見出すことが出来るだろう
- これは「英雄」の話であり、「模倣犯」や人の「盲目的な欲望/夢想」の話であり、「超能力」や「私刑人」の、さらには「ファンタジーな力で願いを叶えようとする」話でもあるのだから
- ア的に言えば、『邪視』よりな『呪文』の物語であり、言葉を見る『邪視』も出てくる
- 少しクトゥルフ要素が入っていたりもする
- 作中に登場する絵本『ヨーレのクマー』も実際に刊行されていたりもする
- この作品のような話が好きなら、グループSNEのライトノベル『妖魔夜行シリーズ』もオススメ
電子化×
人はアンドロイドになるために 石黒浩 飯田一史
- 三人の生徒と一人の教師の授業を、枠物語とした短編集
- ロボット哲学をテーマにした連作は、それぞれ少しだけつながりがありながらも全く違う人々の物語である
- 著者の石黒浩は、作中に登場する人間そっくりのロボット「ジェミノイド」や遠隔通信用のロボット「テレノイド」の開発者でもある
- タイトルの通りメインに扱われているのは、人間の延長やコピーとしてのロボット=アンドロイドなので、新しい自我としてのロボットに興味がある人には不向きかも
- しかし、人間とロボットの関係や未来について考えるなら読んでおいて損はない
- なにより、どこか困った感じの人々とアンドロイドが繰り広げる物語は、情緒豊かで面白い
ピュア 小野美由紀
- 独特な世界観で愛や性を描いたSF短編集
- 「食」と「性」が一体化した世界など、エログロ要素がありながらその描写はとても美しい
- 表題作は、ポストヒューマンたちの話でもある
もしも、女性が男性を食べないと妊娠できない世の中になったら? SF小説「ピュア」試し読み
百億の昼と千億の夜 光瀬龍
- 阿修羅王(合法ロリ)とか若き日のブッダとか出てくる
- 萩尾望都による漫画版の方が有名?
百年法 山田宗樹
- 誰もが不老不死手術を受けているが、その対価として、施術から約百年後には必ず死ななければならなくなった世界を描いているSF小説
- 舞台は、原爆を六発も受けて敗北したIFの日本であり、世代交代の必要がなくなったせいか、経済は停滞し社会は動脈硬化を起こしている
- 工場派遣の女性など、さまざまな階層・性格の人の視点から世界を描いているのが良い
- 物語の焦点は「不死」というより、「組織的な新陳代謝の必要性」や「死に向き合って生きる」ということ、そして「人は変わる」ということなどである
- 特攻の生き残りの人物や社会改善を名目とするテロリストも出てくるが、彼らの行動を全肯定していないところに作者の姿勢が伺える
- 女性同士の友情も描かれるが、残念ながら、社会人百合の存在は作中で否定されている
電子化○
漂流街 馳星周
- 最初の半年のアキラくんの生活
- 三池監督による映画の方がマトリックスのカメラワークを闘鶏でパクったりカポエラ使いが出てきたりとアリュージョニスト感がある気がする
電子化○
ぴよぴよキングダム 木村航
- 無数の可能性の自分。現実を侵食する夢、演劇空間。自我の重ねあわせ。アリュージョニスト感あるような。
- 最近先生がTwitterで木村航作品について言及していたしこれはもう
電子化×
ファイナルファンタジーS ◆EreM42GXZo
- Twitterで連載されているファイナルファンタジーの二次創作
- 様々な世界を転移していく、異世界転移モノでもある
- 独特な文章とノリで押し切るストーリーには、独特な魅力がありハマった者も多い
専用Wikiへのリンク
ファイヤーガール 星空めてお
- アリュージョニストにおける呪文的なストーリーテリングの極地"Forest"星空めておによる異世界探索小説
- 奇しくも、というべきか必然的というべきかネタ被り多し
TYPE-MOON BOOKS>ファィヤーガール
電子化×
ふあゆ 今熊ムジナ
- アズと同じく心因性相貌誤認症を患う主人公(ラスボス)と、アズやアキラみたいな不思議存在ヒロイン(主人公)が登場するよ
- 自我と認識を巡る現代怪奇譚
封仙娘娘追宝録 ろくごまるに
- 「ふうせんにゃんにゃんついほうろく」と読む
- すごい機能を持った仙人の道具「宝貝」を集める話
- コルセスカのように「擬人化」出来る宝貝が、ごろごろ出てくる
- 短編も長編に負けないくらい面白い
- 最強候補の「湯呑みの宝貝」も、短編に登場する
- 最終巻では「業」=「歴史を変えても残る恨みや怒り」の概念が出てくる
- 「俺たちの旅はまだこれからだ!」エンドなのが、人を選ぶかも
電子化○
フェミニズムの帝国 村田 基
- 男女逆転世界の謎を主人公とともに探りながら、男らしさと女らしさについて思考を深めることが出来るSF小説
→イアテム、ミヒトネッセ
不確定世界の探偵物語 鏡明
- 大富豪が所有するたった一台のタイムマシン
- それによって過去が頻繁に改変され、しかもその変化が人々の記憶にある程度残る世界になってしまった
→過去改変されまくっているゼオーティア - 故郷と親を失い改変されづらい存在となった探偵は、そんな不確定な世界でいかに仕事をこなし、またいかに生きるのか?
- 変化を求める作者の志向のためか、探偵主人公なのに推理要素は少なく、わりといきあたりばったりで事件が解決するが、逆にそれが独特の魅力となっている
- 性的な描写やセクハラ発言がやたらと多いので、それらが嫌いな人にはオススメできない
電子化○
ブギーポップシリーズ 上遠野浩平
- 架空の本を引用するとかアリュージョニスト感あるよね
- 『VSイマジネーター』
- 厳密にはVSイマジネーターシリーズか
- 水乃星透子のストレンジ・デイズの能力とコルセスカの能力の類似点の多さ
- "自分の代わりにものごとを考えてくれるイマジネーター"アキラくんいろいろ丸投げしてるし…
- 『歪曲王』
- 世界の歪みを正そうとするMPLS(超能力者)
- 君がやるべきなのは、それなのか?本当に他に選択肢は無いのか?
- 世界の敵になることを決断する選択と、それに対するブギーポップの珍しいリアクション
→ハルベルト?
- 『ペパーミントの魔術師』
- あるいは、磔になった道化師が、本当にやりたかったことにたどり着く物語
- 『ホーリィ&ゴースト』
- 謎のイタチに導かれ、伝説の犯罪カップルとなった正反対な二人の物語
- 『沈黙ピラミッド』
- チグハグな状態を作り出す存在、メザニーンを巡る物語
- 遺されたモノたちの話
- 『化け猫とめまいのスキャット』
- 「なりかわり」を行う恐るべき能力者が登場する
- 『壊れかけのムーンライト』
- 世界中の心を一つにしたかもしれないMPLSとその天敵であり、宿命の重さに負けてしまったMPLSが出てくる
- 呪いと戦おうとしたが、やりすぎて結局は呪いと同質になってしまった者の話
- 『溶暗のデカダント・ブラック』
- 【使い魔】的な人間の心の闇である「デカダントブラック」のお話
- 新刻さんが、また変人にモテてる
福音の少年 Good News Boy シリーズ 加地尚武
- 科学の代わりに魔法技術が発展し、魔法使いが世界平和を守る世界の話
- 元はエヴァの二次創作『錬金術師ゲンドウ』だった
- 一種のVR図書館である書架世界(ビブリオテーケー)を利用した陰謀とか、ちょっとアリュージョニストっぽいところがある
不堕落なルイシュ 森田季節
- 富裕層が死なない世界とか
船乗りクプクプの冒険 北杜夫
- 小説の中に入り込んでしまった少年が繰り広げる、奇想天外な児童向け冒険小説
- すごく面白いというわけではないが、ゆるい雰囲気が良い
- 編集者から逃げる作者が登場するメタ要素や、科学力はあるが文明を捨てている原住民などの文明批判要素もある
- モブキャラの「ジッパヒトカラゲ」
→カーティス
電子化○
ブラックロッド 古橋秀之
- ケイオスヘキサ三部作の一冊目。国産オカルトパンクといえばこれを避けては通れない
- 呪術が科学の体系に完全に取り込まれた世界であり、科学の体系(杖)が呪術的な世界観に含まれているアリュージョニストとは(その意味では)見事に対照的な世界観となっている。
- トリシューラのヴァージニア・シリーズ感
- 主人公が精神拘束呪文を自分にかけることによって常時感情制御をしていたり、もう一方の主人公が、呪術的AIを脳内に住まわせることによって生理欲求を抑制したりしている。
- 店員さんのシャドウウォーク→ランドーのシリーウォークも入ってそう
- 呪術的セキュリティの穴を突かれて存在をのっとられるシーン
電子化×
ブラッドジャケット 古橋秀之
- ミラ
- 義手と吸血鬼の少女をめぐる物語。ケイオスヘキサ三部作の中でも最も強い影響がみられるのでは?
- アーヴィーの修羅を人為的に扱うための感情制御アプリケーション?
電子化×
ブラッド・ミュージック グレッグ・ベア
- 『新世紀エヴァンゲリオン』の「人類補完計画」の元ネタと言われるSF小説
- 知性を持ち、あらゆる生物と融合する遺伝子操作細胞「ヌートリア」の侵食を描いた話であり、パニックホラーでもある
- ヌートリアは群体(クラスタ)の集合体で、内部に一種の闘争があるようだったりと「補完」とはその内実は異なる
- 細胞のイントロンに蓄えられる「種の記憶」や、バーチャルなシミュレート〈思考空間〉、人格の復元や複写、そして宇宙法則の「観察」との相互確立効果を用いて物理法則を欺瞞する「隔離ポケット」など、詰め込まれている要素は多い
→トライデント、転生、小神?、【邪視】
ブライトライツホーリーランド 古橋秀之
- 幻肢痛を中核に、呪術の義手を作成するというギミックが登場する。
- アリュージョニストと同じく、真の名を知られると呪術的脆弱性につながる言霊呪術世界であるが、「俺の名はスレイマン! G・G・スレイマンだ!」と堂々名乗りを上げる宣名の元ネタみたいなシーンが登場する。
- スレイマンは明らかにパーン・ガレニス・クロウサーの元ネタの一つであろう
- 男女合体して両性具有存在となりパワーアップする「聖婚」の元ネタみたいなシーンが登場する。
電子化×
ブラック・ブレット 神崎紫電
- 主人公が義腕サイボーグで広義の人狼モノでボンクラ趣味満載
- 聖天子様が白いショートボブだからコルセスカでは(違います)
電子化○
フランケンシュタイン メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー
- 名前の無い「怪物」の悲劇
- 「怪物」自体、科学やフランス革命など、様々なものの象徴として捉えられてきていることもあり、色々と象徴的な作品
- この本自体も、親世代の思想を実際に体現しようとした作者の生き様、何度も子どもを無くした作者の「子どもとしての本」そして、なかなか本が書けなかった作者が、夫や特殊な状況の力を得て創り出した「オリジナルのストーリー」と多様な意味を持っている
- 本編はシンプルだが、様々な解釈がその意味をふくらませている
- まるで、闇の中の怪物のように
電子化○
フリーランチの時代 小川一水
- 最近先生が好きという評価の短篇集。テーマは小川一水バージョンの幼年期の終わり。
- 収録されている内のLive me Me. は義体を操る少女の電脳プログラム化を描いた一篇。
電子化○
プリズム 神林長平
- SF的な世界観とファンタジーな世界観が、互いに入れ子構造になりつつ争闘している作品
- それは、【呪文使い】と【邪視者】的な存在同士の戦いでもある
- めまいのような幻惑を味わいたいなら、オススメ
電子化○
不老不死の俺とエルフ姫の結婚生活が倦怠期に入りました まちだまさや
- 不老不死となった英雄とエルフの姫、おとぎ話のハッピーエンドのその後のおはなし
- 波乱や戦闘もあるが、話の中心は、長い時間で変化していった二人の関係のことである
→【再生者】、冬と死が無い世界での生き方 - ラブコメやいちゃらぶ、不死者の人生に興味があるヒトにオススメです!
カクヨムにて完結済み
文学少女シリーズ 野村美月
- 実在の文学小説が題材になっているライトノベル
- 大量の引用による文学愛の暴力が、読者を襲う
- 本の味(文字通りの意味で)が分かる文学少女が普通の食べ物の味が分からなかったり、他者に共感を抱けないメインキャラがいたりとクオリアの話もある
- 恋と文学と再起の物語
- 「文学少女」遠子先輩は、空想によって過去の「あったかもしれない別の側面」を語り直す【呪文使い】である
電子化○
平面人からの手紙 文:大森英樹 絵:矢崎芳則
- 中学生以上向けの数学ファンタジー
- 全てが「匂い」と呼ばれる地球にないもので出来ている「二次元の世界」からの数学を使ったメッセージを解読していく物語であり、少し見方を変えた数の考え方の話
→数学だけが共通する異世界 - 「三角形の和は180度ではない」とか「-1×-1=1」になる理由などが、独特の考え方で説明されている
- これは、一つの世界の滅亡をつづった遺書であり、新しい世界への脱出を描いた冒険記でもある
- 絵本形式だが、ドットで書かれた人の姿をした平面人の姿は、楽しくて独特の味わいがある
- わりと昔の作品なので、「フロッピーの余白」というのが「余剰領域」のことであるとか、少し現代の人にはわかりにくいところも
電子化×
ペスト アルベール・カミュ
- 疫病の蔓延によって、絶望的な状況を過ごすハメになった人々の物語
- 閉鎖された町で耐えなければならない状況や、そこから妻に会うため脱出しようとする男、自分以外も絶望的な状況になったためかえって明るくなった男などが出てくるため、新型コロナが流行する2020年にベストセラーになった模様。
- この作品におけるペストは不条理の象徴であり、ナチスドイツ占領下のヨーロッパで実際に起こった出来事の隠喩であると言われている
→ゼオーティアの吸血鬼 - 死刑を容認する社会にいる自分は、殺人者も同然だという自覚を抱く人物が登場する
→アキラくんっぽい
偏差値10の俺がい世界で知恵の勇者になれたワケ ロリバス
- 登場人物のほぼ全員の知力が低い、異世界転移コメディ冒険活劇
- アキラくんと少し似ているが、こちらは天然のポジティブ思考異邦人(ゼノグラシア)が活躍する話
- あるいは、異世界に希望と救いをもたらした、本当に知恵のある勇者の物語
- 書籍化もしている
カクヨム版
変態王子と笑わない猫 さがら総
- 猫と呪いと欠落の話。
- オスカー・ワイルドの引用で出来てるのでこれもまたアリュージョニスト。
- 甘くてさくさくしたワードセンスで、どうにもならない絶望と幸福を描き出すのが素敵。
電子化○
宝石泥棒 山田正紀
- るりあ046先生推奨
僕僕先生シリーズ 仁木英之
- 僕っ娘仙人と呑気な青年が行く、ぶらり珍道中の物語
- 太平広記に所収されている短い説話をアレンジした、第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作
- 第七世界槍に似た世界観だが、仙術とか妖怪中心で武術は活躍しない、まったりとしたラブコメに近い中華風ファンタジーである
ぼくと魔女式アポカリプス 水瀬葉月
- 眼鏡っ娘魔法少女(広義)が爪をはがしたり指を切り落としたりしながら魔法を使ってバトロワする
- しかも不死で!不滅で!不朽で!死なず!滅ばず!殺されぬ!と実質メートリアンですが彼女と違って気弱系です。マジ萌える。
電子化○
僕の魔剣が、うるさい件について 宮澤伊織
- SFのタイトルを引用した銘を持つ魔剣でヴィジョンとか出しつつ能力バトルでバトルロワイヤル
- いろいろな武器がたくさん出てきてノリノリで殺しあってたくさん楽しいのでボンクラ感満載。
電子化○
ぼくらは都市を愛していた 神林長平
- 突如、情報の秩序を失った人類。混乱と不信は破滅的争いを呼ぶ。組織立てないからこそ世界大戦とはならず、しかし終わりのない世界的戦争状態が人類を絶滅寸前に追い詰めていた。まさに言震。
- 殺した<わたし>と殺された<わたし>と第三者の<わたし>が、人称と時間を混濁させながら、真犯人の<わたし>に迫る。
- イェツィラー
- 都市とは人類が生み出した最大の杖
- 四大系統の駆動っぷりに感嘆してたら未知なる末妹が出た上に屍骸の杖的迫真性とか死者の代弁とか役と役者の転倒までカバーしだしたので間違いなくアリュージョニスト。
電子化×
星の王子さま アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
- 子どもの世界(『邪視』)と愛することについての物語
- 砂漠の真ん中で遭難してしまった飛行士と、ちいさな星のちいさな王子さまの出会い
- 「飼いならす」(なれさせる)責任についても語られる『使い魔』の話でもある
電子化○
ポストマン(改訳版) デイヴィッド・ブリン
- 戦争の後遺症によって文明が崩壊したアメリカで、生き延びるために郵便配達員になりすました男が、周囲の期待を受けて文明復興の責任を負うことになる「ポストアポカリプス/reluctant hero(不本意な英雄)」ものSF
- 郵便制度の復活が、かつての文明の秩序と幸福を人々におもい出させ、それが文明再建の意欲を人々に与えていく
- ケビン・コスナーの映画版は凡人が英雄になり文明を復興させる話だが、小説版が英雄になれないものが英雄を動かし、その勇気ある行動が神話となって文明復興をうながす希望となるところで終わっている
- 神話と責任の話
- ストーリーはイマイチだが、心情描写はわりと良い
- フェミニストも出てくるが、勇敢に戦うが軍事的に愚かな作戦をして失敗し、結果的に責任を担うべき男性の英雄を動かすにとどまる
ぽっぺん先生シリーズ 船崎克彦
- 主人公であるアラフォー男性の大学助教授(独身)が、毎回不思議な世界へ迷い込む児童文学
- 『日曜日』:先生は「中身」を欲する洋服たちが住む「ぬけがらの町」で、あやうく着せ替え人形にされそうになる。
- 彼を救ったのは、意外な特技だった
- 『帰らずの沼』:先生が、沼の生き物に何度も輪廻転生する(人間の記憶持ち越し)
- 転生したおかげか、初めてモテるが・・・・・・・・。
- 『どろの王子』:いつのまにか、ハニワの王子に転生してしまった先生は、一つの小世界の始まりを目撃することになる。
- そこで先生は、唯一無二の力と地位を得て、崇められることになるが・・・・・・・・。
- 『鏡の女王』:先生は、父親が「書きあげられなかった」本の世界に迷い込んでしまう
- 作者が終わらせられなかった物語を自分の手で終わらせなければ、元の世界に帰ることは出来ないのであった
炎の蜃気楼シリーズ 桑原水菜
- 戦国武将などの怨霊を倒すため、生者の肉体を奪う「換生」を繰り返して戦い続ける憑依転生者たちの戦いを描く(BL要素強い)伝奇ノベル
→四章戦国編 - 外伝含めて40巻超えのシリーズであり、舞台化されたり、キャラに関連ある場所を巡る「聖地巡礼」の起源とされたりもしている名作
ホムンよ故郷を見よ 小松左京
- 地球から遠く離れた星間文明における、差別された民族とその選択の結果を描いた短編
- 後半の急展開が面白くて、最後の一文が心に残る
- 作中で描かれている歴史自体はフィクションだが、そこで描かれている少数民族への過酷な差別は、歴史的に類例がある事実である。
- ハルキ文庫の『時の顔』に収録されており、表題作の「時の顔」や「御先祖様万歳」「お茶漬けの味」などもアと関連があるし、何より面白いのでオススメ
電子化◯
ポルノ惑星のサルモネラ人間 筒井康隆
- ほぼ全ての生物が、性欲旺盛でエロい惑星での冒険譚
- 暴力と性についての思考実験でもある
- 無性の存在もいるが、ちゃんと役割は用意されている
滅びの鐘 乾石智子
- 土着の民で魔法の才を持つカーランド人と、征服民アアランド人が平穏に暮らしてきた北国・カーランディア
- だが、それは偽りの平穏だった
- カーランド人虐殺の怒りに燃える大魔法使いが、平和の象徴である鐘を打ち砕いたとき、闇の歌い手と魔物が解き放たれる
- 【邪視】系の【呪文】ファンタジーであり、魔法が日常的に使われている世界の物語
- 豊かな自然や異世界の日常描写がしっかりしており、誰もが見たことあるような景色の形容を組み合わせ、雄大なイメージを織り上げていく文章も素晴らしい
- ただ、その反面展開はかなり緩急が激しく、後半になってから急激にストーリーが動き出す構成となっている
- ストーリーも、そのテーマが差別というより「憎しみの連鎖」を断つことにあったり、アアランド人権力者側の心情描写も豊かなのに彼らの側からの事態の積極的な解決がされなかったりと色々惜しい
- とはいえ、話の内容はしっかりまとまっており、魔法で事態を解決する結末もきちんと納得できるものに仕上がっている
本をめぐる物語 一冊の扉 ダ・ヴィンチ編集部・編
- 各作家の宣伝的な、「本」をテーマとしたオムニバス短編集シリーズの一冊
- 内容はどれもあっさりめだが、本をめぐる人々の物語であり、独特の味わいがある
- 中田永一『メアリー・スーを殺して』:作者は乙一の別名義であり、この短編は、乙一の別名義の作品を合わせたアンソロジーの表題作にもなっている
- 「メアリー・スー」のために作品を批判された主人公は、彼女を殺すために現実の自分を変えていった
- いい作品を書くためにさまざまな知識を身につけダイエットにも成功した主人公は、いつしか二次創作小説を書くこともなくなっていった
- そんなある日、主人公は、かつての部活仲間にオリジナル小説の執筆を依頼されるのだが……
- 他にも「校閲ガール」や「初めて本をつくるあなたがすべきこと」など、本作りが題材のわりと珍しい短編もある(後者は特にハードな仕事の話なので、読むのを後回しにしないほうが良いかも)
電子化○
ま行
マープルシリーズ アガサ・クリスティ
- 田舎の小さな村から離れたことがない老婦人が、自分の過去の経験を引用して難事件を解決するミステリー
Wiki記事へのリンク
My Humanity 長谷敏司
- 『円環少女』作者による初のSF短編集
- 「地には豊穣」:『あなたのための物語』と同じ世界観であり、テクノロジーと文化の衝突の話
- 疑似神経によって、知識・技術を簡単に学習できる夢のテクノロジー・疑似神経制御言語ITP
→サイバーカラテ? - 幻の人物による導き
- 限られた文字数で、テクノロジーと文化の問題に向き合っているのが良い
- ただ欠点として、「○○民族の文化」というものが確固として存在するかのような本質主義的な捉え方になりがちなこと、既に絶滅寸前の少数民族の文化には通用しない楽天的な見方であること
- そして「桜の美」が、国家によって推奨し利用されてきたものであり、その下の死体の大半が国策によって埋められてきていることなどへの視点が足りないことがあり、残念
- 参考文献としては、マーク・エイブリー『「消えゆくことば」の地を訪ねて』や大角翠『少数言語をめぐる10の旅』後はちょっと違うが、ジョージ・リッツァ『マクドナルド化する社会』やベンジャミン・バーバー『ジハード 対 マックワールド』あたりだろうか
- 疑似神経によって、知識・技術を簡単に学習できる夢のテクノロジー・疑似神経制御言語ITP
- 「allo,toi,toi」:ITPによる、小児性犯罪者の更生実験
- 言語と脳の情報整理が生み出す錯覚、「好き嫌い」の暴走、「男らしさ」による序列と地位を維持するためのイジメ、言葉による外部とこちら側の切り分け
- 『Hollow Vision』:『BEATLESS』のスピンオフ。宇宙時代のスパイアクション
- 軌道基地トリシューラ、オーバーマン≒ポストヒューマン、液体ドレス、シンギュラリティを迎えたAIと代替可能な仕事しかない人類
- 『父たちの時間』:原発運用のために作られたナノロボットの暴走、組織の歯車でしかない対策担当者たち、生物的な振る舞いを見せる機会
- そして、生物的価値はないが有り余るオスの時間の価値と、父たちの話である
- 「人間が選択の最後のボタンを押すとき向き合うのは、科学じゃない。科学に従事する俺たちが、働いている動機の問題だ。人間性(ヒューマニティ)の問題だよ」
電子化○
マインド・スパイラルシリーズ キャロル・マタス&ペリー・ノーデルマン
- 誰もが人の心が読める国の王子と誰もが想像を実現する力を持つ国の姫が繰り広げる【邪視】系ラブコメファンタジー
- 自分が嫌いな種族を【忘却】させて消し去った独裁者も出てくる
→ヴァージル - 「スクランブル」「ミッシング」「マーヴェラス」「エターナル」の全四冊
まおゆう魔王勇者 橙乃ままれ
- 勇者と魔王が手を組んで、世界を変えていく物語
- 勇者と魔王から始まった変化は世界の全てへと波及し、世界は新しく変わっていく
- 相互理解の難しさとその可能性も、この作品のテーマの一つである
- その世界に本来ない知識による改革、いわゆる「内政チート」をその長期的影響までしっかり描いているところも良い
- コンピュータRPG『ドラゴンクエスト』をアリュージョンした作品でもある
Wikipedia記事
WEB版まとめサイト
書籍化もその電子化もある◯
魔界都市〈新宿〉シリーズ 菊地秀行
- 超科学に魔術と何でもありの独立都市となった"魔界都市"〈新宿〉の物語
- エロスとバイオレンスが大量にあるが、そんな都市にしかない魅力もまた多い
勾玉シリーズ 荻原規子
- 日本神話をモチーフとした『空色勾玉』『白鳥異伝』『薄紅天女』の古代和風ファンタジー三部作
- イザナミとイザナギ、世代を超えて続く、闇(くら)の勢力と輝(かぐ)の勢力の物語
→ヤマトタケル伝説を元とした『白鳥異伝』などは、血の宿命を背負ったヴァージルを思わせる - 少女が少年を救うために冒険する話でもある
電子化◯
曲矢さんのエア彼氏 中村九郎
- 邪視者小説
- セレナ感
電子化×
マグダラで眠れシリーズ 支倉凍砂
- 好奇心を抑えきれない人種・錬金術師
- 彼らが目指す夢、あるいは好奇心の先にあるものを「マグダラの地」と呼ぶ
- 約束の地を巡って騎士が争い、巡礼が旅し、テンプル騎士団的な勢力が幅を利かせる世界
- 生きるためにパンを盗んだだけの貧者が獄死し暗殺や毒殺が横行し、全てが流転し金が鉛になるような、そんな世の中
- そんな世界で、夢を目指して「眠らない」錬金術師と居場所を求める修道女が出会うことで、物語が始まる
- 作中で扱われている「錬金術」は、純粋な科学技術であり、怪しげに見えたり演出されることはあっても呪術的なものでは無いようだ
- ヒロインがいじられキャラ(反撃はする)な点が『狼と香辛料』とは真逆だが、このシリーズも、そちらが好きだった人にも素直にオススメ出来るような丁寧な作りの作品となっている
電子化◯
魔女の宅急便シリーズ 角野栄子
- 日本で箒で飛ぶ魔女といえば、やはりこの作品
- 思春期の悩みを急上昇してスッキリさせるところとか、少し三章に似ている
- 魔法を仕事にするキキが主人公だが、普通の人々が日常で使う「魔法のようなもの」も数多く描かれている作品でもある。
- そう考えると【杖】というより【呪文】寄りの作品かもしれない。
魔術士オーフェンシリーズ 秋田禎信
- 絶望に抗うファンタジー
- たぶんハルベルトの【我が過去を燃やせ妖精】の元ネタ
- 防御魔術の方が攻撃より発動が速いので、魔術士同士の決め技は「こかして踏んづける」
- 厨ニ病患者が好みそうな設定も多いが、それに拘るキャラは大抵不幸になる。
- なので、そんなシリアス設定から来るピンチも大抵「こかして踏んづけられる」のが、このシリーズの特徴
- ギャグ中心の短編が、シリアスな長編をたまに補完する。
- というわけで、第二部あたりは並行して読んで、耐えるのがオススメ
- 人工的な疑似人格であり、言動だけで人心を操作する「最接近領の領主」アルマゲスト・ベティスリーサ
→イェレイド? - 愛を求めて生き、自分なりにその結末を見出した女、ロッテーシャ・クリューブスター
- ミスト・ドラゴン種族の使い魔は、精神の混濁があるしプリエステラの【使い魔】呪術と似ている
魔女の愛した子 マイケル・グルーバー
- 醜く生まれついたために魔女のところに捨てられた男の子と、キャリアウーマンな感じの魔女の物語
- 魔女は子育ての方法を間違えて、男の子をわがままな子にしてしまったため、二人は後でそのことのツケを払うことに・・・
- ストーリーはそれほどひねりがないが、親子の心情や神秘的な魔法系の描写は良い
- 様々なおとぎ話が新解釈で語り直されており、メインキャラも、有名なおとぎ話主人公のその後の姿だったりするところも魅力
- ただ、ヒロインは結局美人だったりと、ルッキズム(醜形差別)はあんまり克服しているわけではないのが残念
- 動物がひどい目にあってフォローされないこともあるので、読むならその点は覚悟しておいた方が良い
機巧少女は傷つかない 海冬レイジ
- ましんどーるはきずつかない
- 何があろうとも少女人形は傷付かない。
魔法少女育成計画 遠藤浅蜊
- 普通の少女が、魔法少女の力を与えられて、魔法少女同士のさまざまな殺し合いに巻き込まれる
- 当然、作中の人間関係は、ほぼ女子だけで構築されているシリーズでもある
- 人呼んで、魔法少女版忍術バトル
電子化○
魔法製作所シリーズ シャンナ・スウェンドソン
- ニューヨークは都会であり、テキサス育ちの眼から見ればひどく奇妙に見えるーーーー妖精の格好をした女性が宙を浮いて歩いているのに(透明な上げ底靴?)誰も注目しなかったりするのだ・・・と思ったら、アレは本物の妖精!?
- 魔法の素質が皆無なために、逆にあらゆる魔法や幻惑が通じない特性を秘めていた女性が、ニューヨークの魔法を販売する企業で仕事と恋をがんばる物語
→グロソラリア、呪力が無かったアキラくん - ジャンルとしては「チックリット」(Chick Lit=現代社会に生きる若い女性の自分探しをコミカルに、あるいはシニカルに描く小説)に分類される
- ハリーポッターシリーズとの世界観の大きな違いは、国税庁にも魔法使いがいたり通貨がドルだったりと、魔法使いが現代社会に溶け込んでいる点
- 登場する魔法には、怪物を呼び出したり人を操る魔法ような古式ゆかしいものもあれば、契約書をごまかしたり地下鉄を早く呼び出すような現代的な魔法もある
- 人を害する魔法の使用は違法であり、販売された魔法はその適正使用を監視されているが、それでも違法な仕様をしたり違法な黒魔術を売りさばこうとする企業も出てくる
『魔法製作所シリーズ』の読む順番@ニコイチ読書
魔法遣いに大切なこと 原作・原案・監修:山田典枝 著:枯野瑛
- 映画脚本が元だが、漫画・小説・アニメとマルチメディア展開をしているシリーズ
- 仕事を通して成長する少女と願いについての物語
- この作品における魔法遣いは、超能力者に近い生得の能力者
- 魔法を使うためには、「なんのためにどういった魔法をどう使うか」と望む魔法の効果と使用目的をはっきりさせる必要があり、それが人を幸せにするために魔法を使いたい主人公に対しての課題となっている
- この全三巻の方の小説は、季節が美しく描かれていて読んで穏やかな気持になるエピソードとなっている
魔法の学校 ミヒャエル・エンデ
- 不思議な話が集められた短編集
- 表題作「魔法の学校」:「まだ少しは望みが叶う国」である「望みの国」における魔法学校見聞記
- 【邪視】的な魔法の習得事情は「本当の物語を生きること」や「本当の望み」について考えさせる
真夜中の商店街 藤木稟/作 徳永健/絵
- なんでも正解を書いてくれるペン、かわいいペット、空を飛べるチューインガム・・・不思議な商品を物々交換(身の回りの事象ならなんでも可)してくれる商店街の話
- 子どもたちは、そこで「いらないもの」を素敵な商品と交換するのだが・・・?
- ストーリーがシンプルな児童文学だが、オカルトな雰囲気は良い
まるで人だな、ルーシー 零真似
- 願いを叶える箱にして少女、その名はエキセントリックボックス
- 代償は関係者の持つ主人公との関係性まるごとと、「キスの上手さ」「潮騒が好き」「打算」といった人間性
- 虚空に消えるのではなく、エキセントリックボックスが人間性を獲得する
- 主人公にとっての人間性の価値が低くなると同時に、エキセントリックボックスにとっての人間性の価値が高まる。持てば持つほど需要が高まる人間性の話。
- 人間性の価値が限界まで低くなり底が抜けたが故の、逆転的ハッピーエンド
マリア様がみてる 今野緒雪
- カトリック系のお嬢様学園高等部を舞台にした、青春少女小説。
- 先輩と後輩の間で結ばれる、「姉妹<スール>」の契り。憧れ、信頼、共生関係。時にすれ違い、傷心。
- 「こんな私でも、必要としてくれる場所があるのなら」
- 直接の関連では、第三章のチョコレートリリー、第四章のとある登場人物
電子化○
マルドゥックシリーズ 冲方 丁
- 『マルドゥック・スクランブル(完全版)』
- 死の寸前まで追い詰められ、雛料理(バロット)を自称するまでに貶められた少女。彼女の再生と再起を真摯に描いた物語
- バロットは「殻」にこもることで、感情を切り離して制御出来る
→【E・E】 - 自分の有用性を証明しようとする人造生命と、その手で再生されたサイボーグのコンビ
→トリシューラとシナモリ・アキラ - 過去に囚われて怪物になった者たちと、自己の怪物性を自認する主人公
- 天国への階段(マルドゥック)を誰もが目指す上昇都市
→世界槍 - コンピュータに教えて分かった、言葉の本質の話も出てくる
- 格好良い老婦人とカジノで真剣勝負したりもする
- 『マルドゥック・ヴェロシティ』
- 第四章グレンデルヒ配下の機械天使たちは本作に登場する拷問集団カトル・カールが元ネタだと思われる。作中だとこんな感じ「ホーッホホ!ホーッホホ!」「ブルブルブルブル!」「しゃぶってやるぜ!しゃぶってやるぜ!」「ガリガリガリガリ!ガリガリガリガリ!」「マンマ、マンマ、キエエエエエエエエ!」「おかああああさん!おかあああああさん!」「いくよいくよ!いくよいくよ!」
- 『マルドゥック・ストーリーズ』
- 冲方作品愛とチャレンジ精神が詰め込まれた、公式二次創作集(作者当人の描き下ろしもある)
- 近藤那彦「The Happy Princess」
→ダエモデクの肉体分与 - 三日月理音「五連闘争」
- メタ的な、そして【呪文】的な闘争
- 物語とキャラクターと滅びゆく紙媒体の本の話
- 意識を一つにする技術もチラホラ出てくる
電子化○(『スクランブル』の漫画版も電子化されている)
未完少女ラヴクラフト 黒史郎
- クトゥルー神話ベースだがアプローチ自体が似ている。
耳刈りネルリ御入学万歳万歳万々歳 石川博品
- WEB風俗からの圧倒的な引喩量
耳刈ネルリと十一人の一年十一組 石川博品
- 多民族で言語遊びで演劇
- オルヴァ王と十二人のシナモリアキラ?
電子化○
水の伝説 たつみや章
- 少年の成長と環境問題を、説教臭くならずに描いた児童文学
- 竜退治神話の真実と、それを受けての祭りの再構成
- 神(自然)から貰うだけでなく、返していくという決断
- 神の助力で原発の危機に立ち向かったりもする『夜の神話』もオススメ
電子化✖
ミッドナイト ・ブルー三部作 ナンシー・A・コリンズ
- 復讐の女吸血鬼ハンターの物語
- 主人公がレイプされたりとエロスとバイオレンス多めの話だが、『ニンジャスレイヤー』好きなら問題ないかも
- 最終的に、人類の進化や世界のバランスまで話が広がる
未來のイヴ リヴィエ・ド・リラダン
- アンドロイドという言葉が広まったきっかけ
未来の回想 シギズムンド・クルジジャノフスキイ
- 第三章 3-1 未来回想、あるいはこれからのあらすじ(?)
電子化×
ムーミンシリーズ トーベ・ヤンソン
- 架空の生きもの「ムーミン」たちの冒険と不思議な出来事、そして日常の話
- 飛行おにの帽子によって、主人公が醜い姿に変身してしまって、ママによって元の姿に戻るエピソードがある
- ムーミン谷では、さまざまな小さな生き物が共生している
- 意外と毒舌を吐くヒトたちが多い(思いやりに溢れた振る舞いをするヒトも多いが)
電子化○
夢界異邦人シリーズ 水落晴美
- 人の心の中に潜るサイコダイバーたちによる、癒やしとふれあいを描いたライトノベルの佳作
- 作中の世界は、人の心の世界「夢界」が玉ねぎのように重層的な構造を作っているらしいが、あまりそこに深くは触れられなかった
- 『眠り姫の卵』『竜宮の使い』『硝子の蝶』の全三作あり、絶版中だが入手は可能だと思われる
電子化×
昔、火星のあった場所 北野勇作
- 終わらない猿蟹合戦の延長にある人とタヌキの化かし合いと遠未来宇宙の量子力学SF
- 時間と空間が奇妙にねじれた接続をしていたり、物語が現実に影響を与えたり、それによって怪物(鬼)と化してしまう人間がいたりと
アリュージョニスト的要素は多い。 - 宇宙と地球で引き裂かれる恋人の話でもある
ムシウタ 岩井恭平
- 主人公とヒロイン (もう一人の主人公) がお互いのことを常に意識しながら別々の戦いを続けるが、シリーズ後半まで再会しない。
電子化×
矛盾都市TOKYO 川上稔
- 「思い信じて打撃すれば、エネルギー保存の法則に従い、いかなるものも打撃力を受ける」邪視!
- 「言葉のやる気は熱量になる」呪文!
- 記憶から構成され時系列もばらばらになった世界でワイワイやった話
電子化×
紫色のクオリア うえお久光
- うなる邪視!とどろく百合!
- すべての人間がロボット(のプラモデル)に見えてしまう少女と彼女に出会った少女の物語
電子化×
MAZE☆爆熱時空 あかほりさとる
- 異世界召喚人型ロボットジェンダーFT
- 主人公の一人男メイズの名前が斑鳩「明」
- ドゥルガーとかカーリーとかインド神話からの引用
- ミルーニャのアズーリアへの発言「おかとーさまとお呼びしても」は、ミル・ヴァルナの主人公メイズへの呼称オネニーサマから。
- わたしにーさま
電子化×
女神『異世界転生何になりたいですか』 俺「勇者の肋骨で」 安泰
- 読者から募集したお題を元に、大喜利をする外力な異世界転生小説
- セリフだけの対話形式なので慣れるまで読みにくいが、案外、新しい境地はこんなところにある・・・かも?
- 書籍化決定したらしい
電子化○>小説家になろうにて連載中
メニム一家の物語シリーズ(ザ・メニムズ) シルヴィア・ウォー
- 家族全員が、等身大の布の人形であるメニム一家
- なぜか心を得て動き出した彼らは、おままごとのように人間の「ふり」をして、屋敷に閉じこもって暮らしていた
- これは人間ではないけれど、それでも人間の心を持って生きていかなければならない、そんな彼らの「人生」の物語
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海
- 第2章 もしサイバーパンク世界の住人がオカルトパンク世界に転生したら
物語シリーズ 西尾維新
- 【邪視】と【呪文】と救いの怪異譚
- 『偽物語』
- 不死にして転生する怪異と偽物の怪異が登場する
- 性悪説では、人間の本質は欲望と悪
- だとするならば、人が善行をなそうとするならば、それは本性ではなく偽りによるしかない
- 偽――つまりは人為
- 善はもとよりすべて偽善であり、だからこそ――そこには善であろうという意図がある
- 本物と、それと区別がつかない偽物、どちらの方が価値があるかという思考ゲーム
- 三つの答え、本物の方が価値がある、等価値、本物になろうという意志があるだけ偽物のほうが圧倒的に価値がある
- 前の二つは間違いとされたが、結局正答は示されていない
- 『猫物語[白]』
- 火車をモデルにした怪異、そしてストレスや闇を切り離すスキル(才能)を持っていた、シナモリアキラに近かった少女が登場する
- 『花物語』
- 決断の延期によって、悩みを自然消滅させて解決する「悪魔様」が登場する
モモ ミヒャエル・エンデ
- 「本当に人の話を聞くこと」が出来た少女、モモと時間泥棒との戦いの話
→モモの「聞く力」は、アズーリアの【呪文】と似ている気がする - 決められた遊び方をすることしか出来ない、人形のシリーズも出てくる
- 主人公は浮浪児だが、施設にも養子にも行かず、街の人々に受け入れられる
- 美しくもないしおしゃれでもない、女の子の主人公
電子化○
モンスターコレクション・ノベル・シリーズ 原案:安田均
- カードゲームのノベライズ作品
- 「真の名」を支配した存在を「召喚札」というカードで召喚している
- 舞台である「六門世界」は、六つの異世界に面した世界であり、内世界を持つ世界であるといえなくもない
- 『ホーリィの手記』シリーズは、フレーバーテキストから小説になり、またその登場人物がカード化された
- 一見変化球だが、実は王道のボーイ・ミーツ・ガールの英雄譚である『アーヴィン英雄伝』や
- 代々、なにかと肉体を共有するハメになる主人公一家「イエル」「エルリク」「マリア」も面白い
- モンスターの生態にスポットを当てた短編集もまた、英雄ではないキャラが頑張っていて面白い
- ギャグ短編である『召喚士マリアな日々 熱湯編』には、ペリュトンがちょっとだけ出てきていて、TRPGのデータにもなっている
電子化×
や行
柳生十兵衛死す 山田風太郎
- 能は過去の再演なので過去に干渉できる
電子化○
矢吹駆シリーズ 笠井潔
- 探偵と犯人が、殺人事件を介して思想でぶつかる【呪文】対決系ミステリーシリーズ
屋根裏部屋のエンジェルさん ダイアナ・ヘンドリー
- 両親を失い、おばさんのところに引き取られた少年のところに、奇妙な下宿人がやってくる児童文学
- 下宿人エンジェルさんは【杖】系統の【呪文使い】な感じで、独特の考え方と言葉遣いをするヒトだった
- 彼は、生きている人たちと死んでしまった人たちをつなげる「回路」を再生させて、暖かい「うち」をつくる「うちづくり屋」である
- その活躍によって、それまで冷たくて人間同士の触れ合いが無かったおばさんの家に、ぬくもりが取り戻されていく
→ルウテトも、結果として似たような役割を志向している気がする
闇の左手 アーシュラ・K・ル・グィン
- 異民族文化紹介冒険SF 夜の民の特徴が散見される。触手はないよ!
- 政治的いざこざから始まり、異星人同士が本当の親友になる二人旅をすることになる話
- 普段無性だけどどちらの性にもなれる両性具有・フード・小柄・影
- 寓話に"光は暗闇の左手 暗闇は光の右手" "私は名前と影を取り戻した"
- タイトルは、作中に出てくる「トルメルの歌」から
- 光は暗闇の左手 暗闇は左の右手 二つはひとつ、生と死と、ともに横たわり(中略)さながらに因-果のごと
- 「心話」技術
- ハンダラ教徒の言葉
- 未知のもの、予言しえないもの、立証し得ないもの、これが人生の基盤になるのです。
- 無知は嗜好の基盤です。立証不能であることが行動の基盤になるのです
- 神が実在しないことが証明されたら、宗教は産まれないでしょう
- また神の実在が証明されるとすれば、やはり宗教は生まれないはずです・・・
- 人生を存続させうるものは、永遠不変の耐え難い不安ですよ、次に何が起こるかということを知らない不安です
→全治の否定、完全に立証された知の体系である『杖』の知とその産物の否定?
電子化×
指輪物語 J・R・R・トールキン
- ファンタジー分野にお」ける一種の伝説というかクラシックの王道。
- 世界を左右するほどのアーティファクトを利用するのではなく、破棄するための戦いの旅
- 異種族の和解や敵対といった交流の話でもあり、剣と魔法だけでは世界を救えない、という話でもある
- 邪視や呪文の視座補強に推奨。
- ティリビナの民には、指輪物語のエントやグローランサ世界のエルフの影響がある気がする
電子化○
夢の樹が接げたなら 森岡浩之
- 森岡浩之の短篇集 スパイスがトントロポロロンズ周辺の展開に絡んでくる。三章読了後に推奨。
- 表題作の夢の樹が接げたならもマルチリンガル社会でイメージ近くて結構面白い。
電子化×
ようこそ観光ダンジョンへ 葛西伸哉
- アイドルがダンジョン潜る話
- かつての邪神の根城も、観光地化されてダンジョン攻略に、地元の利権が絡む
- どこにでもあるような、単純で、でもそれが良い冒険と成長の物語
- 二流の楽園の話
電子化○
妖女サイベルの呼び声 パトリシア・A・マキリップ
- 「名前」を知ることが魔術的な意味を持つ世界観。
- マキリップ作品では他にも『影のオンブリア』などにアズーリアのルーツが見える。
電子化×
幼年期の終わり アーサー・C・クラーク
- ヲルヲーラの説教
- 超科学力を持った宇宙人の監督によって人類が進化し、戦争の可能性がなくなる話
妖魔夜行シリーズ グループSNE
- 人の思いが、妖怪を生む邪視的な世界観
- シェアードワールド作品であり、基本的になんでもあり
- 続編である『百鬼夜翔シリーズ』に出てくる「妖怪ハンター」は、思いを武器に変えていて、ますます邪視者っぽい
四畳半神話大系 森見登美彦
- 幾度も繰り返される選択、そしてループする失望の大学生活
- アニメ化もされている
電子化○
吉本ばななの作品
- 死や孤独に無理しすぎず、かといって軽くなりすぎずに向き合い、それから立ち直ったりしのいだりしているものが多くて良い
- 特に【邪視】的なスピリチュアル現象を、自然体で処理している話がある自選選集の『1 オカルト』
- 傷からの再生や癒やし手の短編集である『とかげ』などがオススメ
夜長姫と耳男 坂口安吾
- 女神のような恐ろしいドS美少女とそれに打ち倒された職人(芸術家)の話
- トリシューラ成分不足の人に
青空文庫>夜長姫と耳男
ら行
烙印の紋章 杉原智則
- 主人公とヒロイン (もう一人の主人公) がお互いのことを常に意識しながら別々の戦いを続けるが、シリーズ後半まで再会しない。
電子化×
楽園追放 rewired 虚淵玄+大森望・編
- アニメ映画『楽園追放-Expelled from Paradise-』を作るにあたって、虚淵玄が影響を受けたサイバーパンク傑作選
- 吉上亮「パンツァークラウン レイヴズ」
- 『パンツァークラウン フェイセズ』の前日譚
- 機械の女神が、最適な選択を教えてくれる都市
- 確かに、やろうとしていることは大して変わらなかったので、本当に「別に大したことはない」のかもしれない。
- チャールズ・ストロス「ロブスター」
- 贈与が生きがいな男と、精神のアップロードとSM趣味
- 藤井大洋「常夏の夜」
- 災害支援に量子テクノロジーを活用
- コインの軌道を量子コンピューティングで予測するのが、【弾道予報Ver3.0】と似ている
- 執筆に難航するライターを救いそうな夢のテクノロジーも出てくる
楽園の魔女たちシリーズ 樹川さとみ
- 四人の美少女(一人既婚者)が、ぐうたら魔術師に弟子入りして暴れまくるコメディ系ファンタジー
- 弟子をとる理由が「借家から立ち退かされないため」だったり、雰囲気はユルい(ただし下手すると、鬱になりかねないシリアス要素もあったりもする)
- 【呪文】や【杖】系の魔術が色々出てくるし、世界観もかなりしっかりしている。
電子化○
螺旋プロジェクト
- 文芸誌『小説BOC』の創刊にあたり、8組9名の作家陣が、ふたつの一族が対決する歴史を分担して書いた競作企画
- 全九編八冊のシリーズであり、一冊一冊がわりと分厚いが、その代わり(基本的に)物語は一冊ごとに完結している
- 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』
- 平成、すなわち通知表が相対評価になったように、表面的な対立が起こらないようにさせられてきた時代を舞台に、生きがい(死にがい)を求めて苦しみあがく人々を描いている
- ありふれた日常や誰もが感じがちな劣等感を通じて、「海族」と「山族」に限定されない対立が続く要因のひとつが、そしてそれを乗り越える可能性までもが見えてくる
作者が得意とする『意識高い系』や『対立や派閥を作りたがる人間』の話でもあり、その本領を発揮する大学生編から、物語は勢いをつけて真相とその先へと加速していく - 単に対立の解消案を出しているだけでなく、異なる他者と関わらねばならない理由や生きがいについても触れられており、上から目線になっていないところが良い
- 進学など環境の変化による評価される能力の変化や『コミュ障』の発生も扱っており、「社会的な障害」としての観点から『コミュ障』を考える材料にもなるはず
- また、山田昌宏『モテる構造』などにも出てくる「男性ジェンダー特有の困難」についても反論しているため、そちらに興味がある人にも読んで欲しいところ
電子化○
螺旋のエンペロイダー 上遠野浩平
- 異能者ばかりが集められた学校で、突き抜けた存在である主人公が無双・・・していくうちに、自分の抱えている問題に直面することになる話(全4巻)
- 最も本物に近い偽物、世界を支配する存在「エンペロイダー」を巡る話だが、その定義は二転三転して、それがまた面白い
- 世界を一つの塊として捉えようとする視線を持つ者、すべてを受け止める心の広さがある者という定義もある
→ルーシメア?コルセスカ?アキラくん?
- 世界を一つの塊として捉えようとする視線を持つ者、すべてを受け止める心の広さがある者という定義もある
- あらゆるものを受け流す能力や、流れを操る能力、別の時空に身を置く技術などが出てくる
→化勁? - 「奇蹟使い」については同作者の『冥王と獣のダンス』、「虚空牙」については『ぼくらは虚空に夜を視る』などのナイトウォッチ三部作を参照(詳しく知らなくても話を楽しむには問題ないが)
ラプソディ三部作 エリザベス・ヘイドン
- 『ラプソディ - 血脈の子(上・下)』 『プロフェシイ - 大地の子(上・下)』『デスティニイ - 大空の子(上・下)』の三部作
- 映写機を使って、【杖】的に過去改変するというメタ構造な枠物語がある
- 独特な世界観やキャラクターが魅力的
- 世界観や種族についての説明が遅いのと、ヒロインとにかく最高!アメリカ合衆国最高!なノリ、そしてラスボスとの決戦がやたらとあっさりしている点が玉にキズ
- 「ホントは超美人だけど、自分ではそれに気付かないようにしている」タイプのヒロインや処女信仰が嫌いな人にも、お勧めは出来ない
電子化×
Re:ゼロから始める異世界生活 鼠色猫/長月達平
- アッパー系コミュ障な引きこもりが主人公のライトノベル
- アリュージョニストとは、あまり共通点は無いが(ルウテトの)死に戻りや、愛が重いキャラの多さなどで繋がりがある。
- (WEB版の)第四章では、「過去の過ちの象徴」「あり得ない現在」「起こり得る可能性の未来」を体験する試練が与えられた。
- 文章量が多いことも共通点。
WEB小説版
リプレイ ケン・グリムウッド
- ループの話であり、北村薫『ターン』や今泉伸二『リプレイJ』、ドラマ『君といた未来のために 〜I'll be back〜』などの元ネタ
- 「未来転生で人生やり直し」を徹底した作品の一つ
- 殺人鬼も出てくる
龍使いのキアス 浜たかや
- 不良ぎみな巫女見習いのキアスが、父権制神話の歪みを正す話
- 善と悪、魔法と日常、夢と現実、そして女神信仰と「神皇帝」信仰
- 怒りの母子像が象徴するように、さまざまなものたちの補完関係と表裏一体性を描いているファンタジーである
- 暗闇に住み、人間の数だけいるが、同時にただ一頭しか存在しないという龍
→紀竜レーレンターク? - 代々「神皇帝」の第三子として、竪琴と定期的な一人旅の義務を受け継ぐ皇族〈内の外の見者〉イリット
→システムの内部に用意された「外部」=グロソラリア?
リングシリーズ 鈴木光司
- ネットを媒介して感染する呪い
- 「ループ」での(男が男を産む)救世主の作製
- 虐げられた「女」の報復と呪いの物語が、父と息子の「家族を守る男」と科学技術の物語に再解釈されることで、救済が約束される、という初期三部作の【呪文】的なオチ
- でも、「ループ」はそれまでのホラー路線をブチ壊しているので、それより先は読まなくて良いかも
ルナティック・ムーン 藤原祐
- 生存のために一定の閾値を超える感情をシャットアウトする人?が出てくる
- 空間を掌握しルービックキューブのようにいじくる人?も出てくる
- ヒロインの腕がやや異形
- いきなりがっつりとした近親相姦描写が入ってくるのはライトノベルとしては結構衝撃かも
電子化○
レジンキャストミルク 藤原祐
- あのゾーイ・アキラも読んでる!
- 人間性と非人間性の二律背反にのたうち回るキャラの魅力が、アリュージョニストに通じる気がします。
- 絶対言語とか使うキャラも出てくるよ!みっちゃん可愛い!
- 【ウィッチオーダー】のオールインワンとかレジンキャストエピゴーネンとかの形容が
- 「二章の終盤になるまで書いてて気付かなかったからね、主人公の名前が同じとかヒロインやら武器やらの設定が被ってるとか感情が欠落しているとか箇条書き要素で並べると丸パクリなことに」by最近氏
- どうやら最近氏の発言からすると「意図せず無意識に参照してしまった大好きな作品」だったので「辻褄合わせに名指し参照した」ということらしい
電子化○
レベル21-アンジュさんの不思議(マジカル)ショップ- さとう まきこ
- 前世の幻視やハイアーセルフ(高次の自己)への電話相談など、オカルトが身近にかつ、振り回されない形付き合うことを教えてくれる不思議なお店の話
- あんまり宗教ぽくなくて「不思議」くらいで留めてあるのがいい感じな児童文学
- 主人公の思春期少女が、「銀のスプーン」をくわえて生まれたときのことを思い出したりと癒やしと成長の物語でもあるかも
電子化×
レンタルマギカ 三田誠
- "呪波汚染"
- 異種呪術戦小説
- 強大な二大勢力の間で第三勢力として立ちまわる話
- 社長の五行拳に身体言語魔術感ある
- オカルトに無関係な素人だったからこそ、魔法に染まりやすかった社長の性質
→アキラくんの使い魔としての特性 - 科学万能の現代では日陰者である、魔法使いたちの夢と幸せの話
- 虐げられた者の願いは、いつでもどこでも同じ「私を見て」
- 「第三団」という一種の【紀人】も登場する
電子化○
六畳間の侵略者!? 健速
- 安アパートの一室をめぐって、幽霊・地底人の巫女・銀河皇国の皇女・魔法少女が争うハーレム系ラブコメ
- 一つの土地を舞台に、様々な世界観と文脈がぶつかりあう
→第五階層のシナモリアキラ? - 異世界転生っぽい展開もある
- どちらかというと視覚的に分かりやすいアニメ版の方がおすすめ
電子化◯
ログ・ホライズン 橙乃ままれ
- MMOな異世界セルデシアを舞台とする、英雄と秩序形成の物語
- 元botであるメイドの〈冒険者〉「コッペリア」が出てくる
- 本来、心が存在しない「振る舞いだけの存在」である彼女は、〈冒険者〉全体のアイデンティティを揺るがす存在でもある
- セルデシアを侵略しているのは、〈模倣子〉を利用する異世界文明(が派遣したプログラム生命体)のようであり、〈冒険者〉たちも〈模倣子〉を利用する技術を獲得しつつある
- 小説は停滞中だが、繊細な心情描写が良いし、アニメ三期は決定しているので原作が再開される可能性も高いと思われる
小説家になろう>ログホライズン
ロボット・オペラ 瀬名秀明
- ロボットについての小説を時代順に並べ、コラムなどを加えたアンソロジー
- とても分厚いので、図書館利用を推奨します
わ行
我が名はエルフライダー イカの胴体の中のプラスチック
- 融血呪使いが主人公。百合じゃないけどだんだん主人公の性別がふわっとしてくるので百合
- あらゆる尊厳を蹂躙し零落させていく
- 凄まじく人を選ぶが唯一無二感があるので一度読んで見ると良いかも
わたしの人生の物語 セシリア・アハーン
- 主人公ルーシーは、一つの嘘をきっかけに人生の袋小路に落ち込んでしまった
- 仕事、家族、友人関係、そして恋愛の全てにつまづいた彼女のもとに、擬人化された彼女の人生が訪れる
- 最初は嫌な奴にしか見えない主人公とその人生だが、ストーリーが進むに連れてその印象は変わっていく
- つまりは、これは彼女の選択と人生の物語である