システム/【デッキコマンド】

Last-modified: 2024-03-20 (水) 20:10:27

コマンドシステムの亜種。携帯ゲーム機の多くの作品で採用されている。
メニュー画面にてデッキ(コマンド欄)に技や魔法、アイテムなどのコマンドをセットし、戦闘中にそれらのコマンドを選択・実行することで技や魔法などを使ったり、移動や防御のアクションを行うことができる。


携帯機は据置機よりもボタン数が少なくなり、他の携帯機のアクションゲーム等では複数キーを同時押しすることによる操作の複雑化をすることで多彩な操作を可能としていることが多いが、KHは「少ないボタンで爽快に」というコンセプトを持って制作されている。
必要以上にボタン操作を複雑にしないため、コマンドを一々選択して開く(「まほう」を選択→ケアルまでカーソルを持っていく等)動作といったロスやそこからくる不便さを解消し、快適さを損なわずにプレイできるようにするための工夫と言えるだろう。

  • 例えば、携帯機(PSPを例とする)ではLボタンをカメラ回転に割り当てた場合、KHIのL1+○などのショートカットがボタン数の関係で利用できない。じゃあR1は、としたら今度はロックオンができなくなる可能性がある。これがどれだけ不便かはよくわかるだろう。

そこでこのデッキコマンドならば、少ない操作の手間・ボタンで既存のシリーズの快適さを損なわずにプレイでき、かつプレイヤーのカスタマイズ性も高くできる。
KHシリーズの多彩なアクションを制約の多い携帯機ならではの方向性で進化させたシステムと言える。
 
余談だが、そういったボタン数の制限に対する対策としては、過去に似たような方向性のシステムにCOMのカードバトルがある。


バトルコマンドの場合、技や魔法は一度使うとそのコマンドは自動的にリロード状態になり、チャージが完了すると再び使えるようになる。
デッキコマンドが採用されている作品ではMPの概念は存在せず、技でも魔法でもリロードが完了すれば何度でも使える。
チャージ時間は特定のアビリティを覚えることで短縮可能。
 
操作方法は、十字キーでコマンドを選択し、△(X)ボタンで決定。
○(A)ボタンは「たたかう」コマンドの実行で固定されている。
ショートカットにコマンドをセットすると、すぐにそのコマンドを選択することができる。
 
バトルコマンドはデッキのスロット数の分だけセットできる。
スロット数は基本的にストーリーを進めるごとに増えていく。


BbSとRe:codedではコマンド合成やレベルがあり、敵を倒すとデッキにセットしてあるコマンドにCP(コマンドポイント)が加算され、コマンドを成長させることができる。
コマンドのレベルが上がると威力やヒット数の増加などの性能が上がる。
コマンドは敵が落としたり宝箱から入手したり、モーグリショップで購入することで入手することができる。


デッキコマンド分類

バトルコマンド

  • アタックコマンド
    • 武器を使って相手を攻撃するコマンド。
  • マジックコマンド(まほうコマンド)
    • 魔法を唱えるコマンド。
  • アイテムコマンド
    • 回復アイテムを使用するコマンド。1つのスロットに一定数セットされ、消費して残量が0になると使えなくなる。戦闘が終わると元の数まで手持ちアイテムから補充される。
      BbSではアイスも使用できる。
  • フレンドコマンド
    • アリーナモードでの多人数プレイでの運用を想定するコマンド。
      自分と共に共闘キャラクターを同時に回復させたり、味方のパラメータを合算した強力な攻撃を行える。
      しかし対応するヘイスト系アビリティが存在せず、一人プレイでは真価を発揮できない。
      上記とは別に、使うと特殊な補助効果を発揮する物もこのカデコリに含まれる。
      BbSにのみ登場。

アクションコマンド

その他

BbS

  • バトルコマンド
    • アタック
    • まほう
    • アイテム
    • フレンド
    • イリュージョン(FM版追加)
  • アクションコマンド
    • いどう
    • ガード
    • カウンター
  • シュートロックコマンド

大半のデッキコマンドにはレベルがあり、「CP(コマンドポイント)」を規定量ためるとレベルアップし、コマンドの効果が強くなったり、売却価格が高くなる。
CPは経験値を入手するとそれと同量手に入るが、アビリティ「EXPチャンス」やD-LINK効果「EXPダブルアップ」、「CPダブルアップ」で増やすことができる。

大半のデッキコマンドは、一定のレベルに達すると「コマンドチャージ」というコマンドの合成で、別のコマンドを生み出すことができるようになる。

  • ただし、素材となるコマンドは必要レベルに達しているだけでなく、他のコマンドと組み合わせて新しくコマンドができる組み合わせでないと選ぶことはできない。
  • 必要レベルは、同じコマンドでも、完成するコマンドによっては異なる。

コマンドチャージで「合成アイテム」を使用するか、合成するコマンドのレベルの合計に応じた確率で、完成したコマンドにアビリティが付く。付与されるアビリティは素材にするコマンドの組み合わせと使った合成アイテムの組み合わせで決定する。

  • 合成アイテム無しでアビリティが付く確率は、レベルの合計が4以下で10%、5で20%、6で30%、7で40%、8以上で50%となる。

このアビリティは、付加されたコマンドがデッキにセットされている時しか発動しないが、コマンドのレベルが最大まで上がると、コマンドを外してもアビリティが発動するようになる「オートセット」が発生する。


特定のコマンドは、KHIIのリアクションコマンドの要領で追加入力を行うことで攻撃が出せるものもある。


コマンドチャージの仕様はなかなかに練り込まれており、やろうと思えば最序盤からガ系魔法や強烈なアタック技などを合成できるなどやり込みプレイヤーを唸らせる要素が多い。
一方で、初実装故に十分練り込みきれていない部分も散見される。例えばほとんどのアタックコマンドが空中発動できない(空中で使用しても強制的に着地する)ため、とにかく対空の対処は苦手な傾向にある。
また、大技が多いが最終的には使い分けをほとんどしなくなること、ザコ敵に対してはマグネなど特定のコマンドが強力すぎるため特定のコマンドを大量に装備した安定行動でワンパターンになりがちなこと、隠しボスに対して有効なコマンドが少なすぎることなど、せっかくのコマンドのバリエーションの多さを活かしきれていない短所も多い。
このあたりはデッキコマンドというシステムの宿命であり、後の作品でも特定のコマンドが強すぎる、という状況が多くなりがち。COMのストック技に通じる部分でもある。

Re:coded

  • アタックコマンド
  • マジックコマンド
  • アイテムコマンド

店や(レア)プライズブロック、敵からのドロップの他、システムエリアクリア後のSP報酬でも手に入る。また、すれ違い通信で入手できるスクラッチカードでも入手できる。


コマンドマトリックス」でデッキコマンド(コマンドチップ)をセットしたり、「コマンドコンバート(コマンドの合成)」を行う。
コマンドマトリックスのコマンドスロットは、1つのコマンドスロットが2つの青いスロットと1つの赤いスロットで構成されており、コマンドをセットする青いスロットは2つで1つのコマンドとして扱われる。
青の1つ目のスロットにセットするだけでもコマンドは使用できるが、2つ目に強化素材にするチップをセットすると1つ目のスロットを強化することができ、コマンドのレベルが上がったり、別のコマンドに変化する「テストコンバート」が発生する。この時、赤いスロットに表示されるコマンドが、実際に発動するコマンドになる。
 
テストコンバートで表示される赤いスロットのコマンドは実際にチップとして入手しているわけではないが、青いスロットの2つのコマンドのCPが両方MAXになれば、コマンドコンバートで1つのコマンドに合成し、コマンドチップとして入手することができる。また、実際にコンバートすると、テストコンバートで示されたレベルにボーナスが付く。

  • CPは手に入る経験値の量に応じて加算される。また、CPチートで手に入るCPを増やすことができる。
  • コンバートは合成できる組み合わせに制限が無く、別種のコマンドを作るだけでなく、片方のコマンドと同じコマンドができる組み合わせで合成して、コマンドのレベルを上げるだけにも利用できる。
    Re:codedではただ敵を倒すだけではコマンドのレベルが上がらないため、コマンドを強化するには合成は必須。
    • コマンドのレベルの上限は100と、BbSとは比べ物にならないくらい高い。

コンバートで「スペックオーバー」が発生したときは、コマンドのレベルが大幅(+10)に上がったり、そのコマンドを使用したときクロックゲージが上昇する量が増えたり(「C」)、コマンドのリロード速度が上がったり(「R」)する。パワーアップしているコマンドをコンバートすると、作成されたコマンドに引き継がれる。コマンドのパワーアップはエネミーがドロップしたコマンドに初めから付いているものもある。


コマンドにはそれぞれ「消費メモリ」が設定されていて、その合計が100%になると、スロットが余っていても、それ以上セットすることができなくなる。
テストコンバートの場合でも、実際に発動する赤いスロットのコマンドのメモリが適用される。


BbSと比べると、「派手で強力な技」という趣のものは極端に少なくリロード時間も長い傾向にある一方、ほとんどのコマンドが通常攻撃のコンボに組み込める上、直後にコンボを再開できるようになっているため「通常攻撃の補助技」としての傾向が強い。
長時間コンボで攻撃を続けられる上に組み立ても自由自在なため爽快感はかなりのものであり、「派手ではないが楽しい」という声が多い。

特定技の属性派生が多いが、Lv0では基本的に属性派生の方が強いものの、レベルアップでの威力上昇度は物理タイプのものの方が遥かに高く、最終的には逆転する。
また、魔法に関してはDaysの各種上位魔法を名称変更したものが多数登場している。

3D

  • バトルコマンド
    • アタック
    • マジック
    • アイテム
  • アクションコマンド
    • いどう
    • ガード
    • カウンター
    • フリーフロー

入手したコマンドはソラリクで共有される。
敵が落とさない代わり、アビリティリンクボーナスリレーで手に入る。


BbSとは異なり、コマンドチャージやレベルの概念といった成長要素、コマンドの追加入力が廃され、よりシンプルになった。
コマンドの種類もBbSやRe:codedと比べると大分絞られている。
一方で入手先の多くはスピリットのアビリティリンクであり、手間がかかるコマンドが多いこと自体は変わっていない。
従来と比べると「コマンドをどう育てるか」よりも「コマンドをどう入手するか」という方向に軸が置かれるようになったといえる。


全体的にBbSから威力倍率等の性能が落ちたコマンドが多いが、これは今作のソラとリクのステータスがBbSの3人よりもかなり高くなるため、実際はそこまで弱体化していない。
ほとんどのコマンドが空中発動可能となったため、空中の敵の処理に困るという事態は少なくなった。
また演出もBbSと比べると全体的に地味になっているが、今作は久々の3人パーティーであり、スピリットもソラやリクと同様のコマンドを使用するための処理の節減であると思われる。