海洋冒険編(かいようぼうけんへん)

Last-modified: 2024-01-01 (月) 00:58:02

 パワプロクンポケット13の裏サクセス。クエスト受注型の海洋RPGである。相棒はモッチー
 今作は2章構成ではなく、9900日(約27年)間の1章構成である。また、戦闘がクォータービュー形式からフロントビュー形式に戻り、コマンド入力式の戦闘からリアルタイム式戦闘に変化したりと、システム面での変更要素が目立つ。
 また、世界観設定で全体的に史実(17-19世紀前後)の影響が強く見られることが特徴であり、地図も実際の世界地図が登場している*1
 シナリオ全体の下敷きとしてフェルディナンド・マゼランの航海と漫画『ONE PIECE』の空島編が影響していることが西川によって語られている*2



ストーリー

 本編からずっと前のでき事。カリムーという船乗りが新学説に過ぎなかった「世界は丸い」ということを証明するために世界一周の旅に出た。出港から3年後にボロボロになりながら帰還したカリムーは「世界一周の成功」と「凄い宝の発見」を主張し続けたが、誰にも信じられることは無く、この世を去った。
 そのカリムーの死から、100年後の世界。世界が丸いことは学説ではなく事実になったが、カリムーの「宝」は見つかっていなかった。伝説と化したカリムーの宝を探しに、主人公(裏)の冒険が始まる。

設定・イベントの元となったと思われる史実

地名

  • パラポルト
     主人公(裏)の船である「コンキスタ号」の「コンキスタ」はスペイン語/ポルトガル語の「征服」を意味する単語"conquista"であることから、地名はポルトガルから来ているものと推測できる。
     ただし地図上の位置は地中海と思しき海の内部にあり、イタリアのような位置にある。
    • バドー島
       エオリア諸島パナレーア島か?
    • タルマ島
       イタリア(パラポルト)から近い島であることからシチリア島?シチリアの場合コムーネ「パルマ・ディ・モンテキアーロ」が名前の由来か。
       もしくは現マルタ共和国マルタ島(当時英領マルタ島)か。
    • コルサデーニャ島
       コルシカ島+サルデーニャ島。
  • グレートクイン
     イギリス。正式国名の一部「グレートブリテン」+女王を意味する「クイーン」と思われる。
    • クインシティ
       イギリスの首都ロンドン。
    • エルガッスム海域
       サルガッソ海。英領バミューダの南にあり、メキシコ湾流・北大西洋海流・カナリー海流・大西洋赤道海流の4つの中心にあるため、海流が弱く浮遊物が非常に集まりやすい。
       特に大量のホンダワラ(学名に"Sargassum"と入る程この海域に多かった海草)がこの海域に集まり、進入した船に絡み付き数多の船が脱出不能に陥り、大量の船員が犠牲となったとされている*3
  • ツンドランド
     ロシア帝国。名前の由来は大量のツンドラ地帯を国土としていることから来ているものと思われる。
     ただし「ジョークのつまらない国家」など文化面では明らかにドイツの影響が見られる。
    • ネロスブルグ
       現サンクト・ペテルブルグ市。「ペテルブルグ」や「ペトログラード」(ロシア帝国最末期)、「レニングラード」(ソ連時代)等複数の呼び名がある。
    • ガリ
       現ラトビア首都「リガ」か?1721-1918年の間はロシア領土であった。
       モスクワとサンクト・ペテルブルグに次ぐ第三の都市であり、リガ軍港はロシア海軍バルト海艦隊の重要な根拠地の一つであった。
    • トカラフ島
       「ツンドランドの東方に存在する島」で、「ツンドランドが拡大を考えている」島として適当なものとして、樺太島が考えられる。
       史実でも1807年に「シャナ事件」(ロシア海軍が択捉島・樺太・礼文島等を襲撃)があり、ロシアの拡大政策とツンドランドの拡大政策が一致する。
  • ニューホープ
     北米の英国植民地ニューイングランド(後に独立戦争を経てアメリカ合衆国となる)。なお、「ニューホープ」という名前は、ニューイングランドの大都市、「ニューヨーク」+希望を意味する「ホープ」にかけていると思われる。
    • ゴストン
       ボストン。ニューイングランドの中でも最古の街に属する「ニューイングランドの首都」とも言える街。
       後述するボストン茶会事件の舞台。
    • カプリ海
       カリブ海。カリブ海は歴史的に非常に海賊の多い海域であった。
       なお、カプリという名前は実在する(イタリア、ナポリ湾にある「カプリ島」)。
    • カリムー海峡
       「ドレーク海峡」。ドレークは初めてこの海峡を発見した人物の名前であり、世界で2番目に世界一周を成し遂げた人物「フランシス・ドレーク」のこと。
       カリムー/ドレークで世界一周の達成順こそ違えど世界一周を成し遂げた人物の海峡名という点で一致。また、ドレーク海峡近辺は常に荒れ続けており、カリムー海峡の気象状況とも一致する。
  • ウンガルフ
     インドと思われる。名前の由来はかつて存在した「ムガル帝国」か*4。ただし、ミーナの固有技名がアラビア語である*5ことを考えるとペルシア(イラン)の影響もある模様。
    • ラスリンカ島
       スリランカ島。
  • ヒノモト国
     「日の本の国」、日本。
    • デジーマ
       現長崎県長崎市にあった「出島」。
    • 鬼ノ島
       現香川県高松市の「女木島」が鬼ヶ島であったという伝承があることから、「鬼ヶ島=女木島」説を元にした「桃太郎伝説」を基にしていると考えられる。 
    • ダイガザラ島
       小笠原諸島?小笠原の小を大に変えると「大(だい)笠(がさ)原(はら)」とダイガザラの音に近くなる。
    • オエドー
       「大江戸」。
    • オフィングローブ島
       沖縄?オフィング "offing"は沖と言う意味だとして、ローブは沖縄のマングローブだろうと考えられる。
  • その他名前だけの国家
    • フランダ&スペトガル
       フランス+オランダ&スペイン+ポルトガル。
       この名前はホーキン男爵が過去に艦隊を率いて戦った国家として名前が出てくるが、フランス+スペイン連合はナポレオン戦争(トラファルガー海戦)でイギリスと敵対していた国家である。
    • ノルーデン
       ノルウェー+スウェーデン。

イベント

  • オープニングイベント「船に弱いヘルソン提督」
     英国海軍提督「ホレーショ・ネルソン」。トラファルガー海戦でスペイン・フランス連合艦隊を撃破した海軍史に残る名将。
     体質の問題だったのか、生まれつき船に弱く提督になってからも船には弱かったといわれている。
  • 海の悪魔「デイビージョーンズ」
     英語で「海底」を意味する言葉"Davy Jones' Locker"。この言葉自体の由来は諸説あるが、どれが正しいかは不明。
  • 教会による野球人形の禁止
     キリスト教の教義解釈の中に「人間は神が創ったものであり、人型ロボットを人間が作成するのは神の模倣行為であり、神への冒涜である」という解釈がある。この影響は現代まで残っており、欧米では一種のタブーとして扱われる場合もある*6。おそらく野球人形も人型であることから同様に禁止されたものと思われる。
     なお、現代のローマ教皇庁は人型ロボットの作成に事実上の許可を与えている*7


各国文化

  • グレートクイン文化
    • 料理がまずい。味付けが塩のみ。
       一般的によく言われている「英国料理」の特徴。名物料理は「フィッシュアンドチップス」(白身魚のフライ)や「スコーン」くらいしかなく、これらでさえもカンドリーや主人公(裏)からはそれぞれについて「ギトギトでとても人間の食い物には思えない」「ただのビスケット」と酷評されている。
       このジョークは既に17世紀~18世紀ごろには成立しており、歴史的に「英国料理=まずい」という扱いになっている。
       
       この評価は英国に「美食文化」が育たなかったことに原因がある。これは、英国で美食文化が成立する前に、植民地や近隣諸国などからの料理文化が伝わり、なおかつ伝わった他国の料理を「英国料理」として取り込まなかったことが一因である*8。事実、イギリス上流階級では、第一次英仏百年戦争~第二次英仏百年戦争の時期以外*9はフランス料理の影響が極めて強かった。
       また、産業革命の発生により労働者階級は料理をする暇と資源がなくなり食文化そのものが壊滅。中産階級では、労働者階級出身の家事使用人を採用したことで、労働者階級の料理が中産階級の料理文化を駆逐した。
       このような歴史的経緯から、「英国料理=まずい」というネタが固定された。
       
       現代でもこの評判が固定されている理由としては、本来の英国料理は「味付けを自分でやる」のが基本であるのだが、それを知らない旅行者が味付けせずに食べてまずいと評されて、評判が加速している面がある。
       また、英国の調理方法が「野菜は徹底的に火を通す」など他国の料理文化と大きな差異があるため、このような評価に繋がっていると考えられる。
    • 海賊許可証
       イギリス(イングランド)発祥の政策、正式名は「私掠免許」、もしくは「報復的拿捕認可状」。報復的拿捕認可状は「自分が被った損害と同等の略奪許可」で、私掠免許は「無制限の略奪許可」という違いがある。
       この制度は戦争中、民間人に「自費で戦争に参加する」代わりに、「敵国の船への掠奪の権限を与える」制度である。この制度は「国内法に基づいた他国への攻撃許可」であり、一種の「海上の傭兵」と言える存在であり、私掠船から海軍提督に成り上がる者もいた(フランシス・ドレークやジョン・ホーキンス、ジャン・バールなどが有名)。この「国家公認の海賊」はれっきとした経済活動であり、戦利品は課税対象にもなっていた。
       現代の感覚からすると異様な政策に思えるが、実は20世紀まで残っていた。1907年「ハーグ平和会議」において「自衛以上の火器を搭載する艦は軍艦とする」と規定したことで、民間船が参戦することが不可能になり、最後まで残ったアメリカが1909年に発行を停止したことで消滅した。
  • ツンドランド文化
    • ビーツ(赤かぶ)のスープ
       ロシア料理「ボルシチ」。なお、現代の食卓に出回っているものは盛り付けも美しい。
    • キャベツの酢漬けとソーセージ
       ドイツ料理「ザワークラウト」と「ヴルスト」。ドイツの食卓の定番、地味だが美味。
    • 皇帝の悪口を逮捕する秘密警察
       ロシア帝国で1826年に設置された、ロシア史上最初の秘密警察「皇帝官房第三部」か。
       1825年に発生した自由主義将校による「デカブリストの乱」が発生し、それ以降ニコライ1世は反ツァーリズムに対する取締りを強化。有害思想の取り締まりのために皇帝官房第三部が設置された。
       また、「皇帝の悪口を言って逮捕される」はソヴィエト時代のアネクドート(ロシア政治風刺の小話)として有名なもの。元のアネクドートは以下の通り。
       『赤の広場で、酔っ払いが、「スターリンの馬鹿野郎!」と叫んでいた。すぐにNKVD*10がやって来て、酔っ払いを逮捕し、懲役22年を言い渡した。国家侮辱罪で2年、国家機密漏洩罪で20年。』
       なお、ロシアでは現在に至るまで皇帝官房第三部の末裔が残っており*11、その末裔の中にNKVDも含まれる*12ことからも、アネクドートの影響を推測できる。
  • ヒノモト文化(=ユウキ連続イベント)
    • 「鎖国」
       宗教改革の失地回復のため日本で布教を行うカトリック勢力の影響力が拡大し、日本人の奴隷売買事案なども確認されたため、これを危惧した江戸幕府がカトリック系国家との貿易などを打ち切り、宣教師の流入を阻止した政策を便宜上こう呼ぶ。この結果、布教を強行しなかったプロテスタント国家である*13オランダのみが、出島において日本との貿易を継続した。
       しかし、対馬府中藩経由の対朝鮮貿易や薩摩藩・琉球経由や出島経由の対中華貿易、松前藩経由の北方(アイヌ)貿易も存在していた。このことなどを理由に「鎖国」の定義やその評価は諸説あり(「鎖国」という用語そのものが誤りであると主張する学者もいる)、厳密に定義づけることは不可能である。
      • 外国船が近づくと砲撃される
         1825-1842年「異国船打払令」。
    • 百年の平和、おおらかな階級制度
       幕府の治世は二百数十年に及び、その過程で様々な政策が採られ文化も熟成していったため、「江戸時代の階級制度」を端的に説明するのは非常に難しい。
       劇中でユウキが語る「農民」は裕福な自作農の像であり、同じ農民でも困窮から逃れられない貧農とは全く事情が違っている。
       しかし、江戸中期~後期になると「収入増加」*14と「税の据え置き」*15によって農民のほうがどんどん豊かになっていったのも事実である。
       なお、ユウキの話すヒノモトの税制はこの辺りの事情を反映したものになっている。
      • 250年前のタイコー様が調べたものがそのまま
         1582年から始まった「太閤様」=豊臣秀吉による検地、通称「太閤検地」。ただし、実際の江戸幕府は前述した通り1670~1680年代前後まではデータを更新していた為、この点は史実と少し異なる。
    • 「老人を襲撃した47人のサムライ」
       「赤穂四十七士」、いわゆる「忠臣蔵」。主君、浅野長矩が江戸城内で吉良義央に背中から斬りかかった事件で浅野家が改易されたにもかかわらず吉良家への処罰が軽かったことを不服とし、47人がかりで吉良邸を襲撃して殺害した事件。


キャラクターイベント

  • カズーイ連続イベント
    • 「自由のイルカ達」
       北米植民地における愛国急進派の通称が「自由の息子達」。特定の組織ではない。
    • 積荷の紅茶を捨てるチャイン達
       1773年「ボストン茶会事件」。自由の息子達が引き起こした事件の中で最も有名と思われる。
       ただし、この事件で紅茶を捨てたのはアメリカ・インディアンではなく、アメリカ・インディアン(モホーク族)の扮装をしたボストンの住人である。
    • タイロンデゴガ砲台
       「タイコンデロガ砦」。アメリカ独立戦争の初期にアメリカ民兵隊の手に渡っている。
    • デキシントンの武力衝突
       1775年「レキシントン・コンコードの戦い」。マサチューセッツ民兵隊と英国軍の衝突で、アメリカ独立戦争の契機となった戦闘である。
    • ニューホープ独立戦争
       1775-1783年「アメリカ独立戦争」。
    • エピローグ「北方への移住」
       文明化五部族(チェロキー・チカソー・チョクトー・クリーク・セミノール)の強制移住、その中でもチェロキー族「涙の道」か?
       1830年に制定された「インディアン移住法」によって米国東部にいた文明化五部族は大陸西部の「インディアン準州」(現オクラホマ州地域)へ強制移住させられた。その中でも1838年のチェロキー族強制移住が一番悪名高く、1万数千人の部族のうち数千人が死に至った。特にこれを指して「涙の道」という。
       また、カズーイの出自と「涙の道」を率いたチェロキー族長ジョン・ロスの類似も指摘でき(詳細後述)、この点でチェロキー族が設定の根底にあるのではないかと推測することができる。
       ただし本作でカズーイが行った移住は自発的なものであり、強制移住だった涙の道とは決定的に異なる。この点は史実の悲劇を回避するための改変か。


  • ブサイ連続イベント
    • グレートクイン・ツンドランド間の戦争
       1807-1812年「英露戦争」か?
    • ジャガイモをわざと盗ませるジオット一世
       フランスにおいて「食品としてのジャガイモ」普及のために行われた施策。
       フランス人農学者アントワーヌ=オーギュスタン・パルマンティエの発案により、「昼間のみ厳重に警備した畑を夜に無人にし、民衆にわざと盗ませる」ことで食品であると学習させた。
    • ジャガイモを先に観賞用として広めるブサイ案
       上記の施策と同時にマリー・アントワネットに行わせた行動。ジャガイモの花を装飾に利用して浸透を図ろうとした。なお、この行動もパルマンティエの採った浸透策の一つだったと言われている。


  • レンシズヤ連続イベント
    • ラーム大陸
       「ムー大陸」伝説。太平洋に存在したとされる超古代文明を持った大陸だが、約1万2000年前に大陸ごと消失したという有名なオカルト伝説。
    • シズヤ「西方から来た異教の者たちへの弾圧に巻き込まれた」
       いわゆる「禁教令」と思われる。「禁教令」の狭義の意味では慶長17-18年(1612-13年)のバテレン追放令が該当する。だが、シズヤがパラポルトへの移住を余儀なくされるほどに禁教が厳しくなったと語っていることから、禁教が厳しくなった元和年間(1615-1624年)の禁教を指しているものと思われる。
       日本におけるキリスト教弾圧は豊臣時代から始まってはいるが、元和年間の禁教から厳しくなっている。一般庶民レベルにまで禁教が及んだのは慶長のバテレン追放令が初期のもので*16、バテレン追放令の後も京都に「デウス町」と呼ばれるキリスト教徒の町が残っていたりしており、徹底的な禁教ではなかった。
       逆に元和の禁教は元和5年(1619年)「京都の大殉教」や元和6年(1620年)「元和の大殉教」と殉教者を出すほどに厳しいものであった。 特に元和の大殉教は即座に欧州のキリスト教組織に伝えられ、逆に日本に対する布教熱を高めた事件であった。


  • ハイバラホンフー連続イベント
    • ホンフー商会
       特定の組織ではないが、江戸幕府の出島経由の対清貿易が元ネタであると考えられる。
       当時の対清貿易は琉球・薩摩藩経由のものと出島経由の二種類があった。清は対外貿易について、冊封体制による「朝貢」*17関係しか認めていなかったが、琉球王朝は清王朝の冊封体制下に組み込まれており、朝貢と「恩賜」*18を用いて清と琉球が実質的な貿易関係を持ち、琉球が恩賜の品を薩摩藩相手に貿易し、間接貿易が成り立っていた。
       一方出島経由の貿易は、日本は冊封体制に入っていなかったので、民間の「密貿易」が主であった。このため、中国の民間人が出島に多数居住していた(現長崎市館内町の「唐人屋敷」)。このことをモデルにホンフー商会を生み出したのではないかと思われる。
    • オエドー沖に戦列艦で侵入
       おそらくペリー艦隊の来航、いわゆる「黒船来航」で、特に第一回の浦賀来航が元ネタとして該当するものと思われる。
       第一回浦賀来航時にペリー艦隊の4隻が江戸湾(現東京湾)に侵入して空砲を射撃していることや、ペリーが提出した日本遠征艦隊編制案では帆走戦列艦を要求していたこと、オエドー沖に戦列艦が損傷を受ける事無く接近していることから、オエドー沖に防備が無かったことがわかり、江戸湾防備の状況と一致する*19ことから推測。


  • 単発イベント
    • カズーイ&エンゼル「ワンピースと麦藁帽子」
       海賊漫画「ワンピース」。ワンピース内に登場する海賊の中に「麦藁帽子」がトレードマークの「ゴム」人間がいる。
    • エドワードヒヨリ「リクエストに角笛」
       海洋冒険小説「ホーンブロワー」シリーズのこと。海洋冒険編と同じ大航海時代を舞台にした世界的に有名な海洋冒険小説である。


人物

  • カズーイ
     エピローグから考えると「涙の道」を率いたチェロキー族長で「チェロキーのモーセ」と呼ばれるジョン・ロスが元である可能性がある。
     ロスは8分の7白人の混血(ロスの母方の曾祖母が純血チェロキー族)であり、チャインとヨロピンのハーフであるカズーイと混血度合いこそ違うが、混血児であるという点は一致する。
     また、ロスの別称として「グウィスグウィ」(「神話のor珍しい 渡り鳥」を意味する)があり、チャインに伝わる神話の中に神鳥がいる(クエスト「神の軍団」)ことと類似が見られる。
     
     ただし、チャイン全体の元ネタとしてはチェロキーに限らない様子。
     固有スキル「グデイツダイ」はブエブロ部族の口伝えを元にしたナンシー・ウッドの詩*20が元。作中で「死ぬには良い日」と言われているが、この言い回しが詩の日本語訳。それを英語に直訳すると"Good Day to Die"となり、発音をもじることでグデイツダイと変化する。
     また、もう一つの固有スキル「ラスオブツエイ」に関してもナバホ族の言語の中に「岩の中」を意味する単語として"tseyi"というものがあることから、こちらも別部族の言語を元にしていると思われる。
  • ユウキ
    • ヒノモトから流されてツンドランドに救助される
       日本から漂流してロシアに保護された人物は複数いるが、その中でも日本人として初めて世界一周をした「津太夫」が元ネタではないかと推測される。
       一度大陸を横断し、ペテルブルグで乗船した津太夫と同じく大陸を横断しネロスブルグで乗船したユウキの航路が一致することから推測可能。
    • マツダイラ姓
       ショーグン家=「徳川家」に非常に近い(徳川の血族だった)「会津松平家」ではないかと思われる。
  • ジオット一世
     ロシア皇帝「アレクサンドル一世」+「イヴァン四世」か?
     アレクサンドル一世については上述した通り英露戦争を元ネタにしたイベントがあるが、英露戦争中のロシア皇帝はアレクサンドル一世であった。
     また、アレクサンドル一世は父帝であったパーヴェル一世暗殺に関与していたとも言われており、ジオットが帝位を簒奪した点と類似している。
     イヴァン四世については英国との政略結婚話(イヴァン四世の使者がエリザベス一世にイングランド王族との結婚を打診しているが不成立)や、貴族達を圧倒する恐怖政治といった点での一致が見られる点から推測。
  • ホーキン男爵
    • 全体的な設定
       イングランド人私掠船船長「ジョン・ホーキンス」か?
       男爵が過去に艦隊を率いて戦った国家として「スペトガル」という国家が出てくるが、これはホーキンスがアルマダ海戦(1588年)で戦った相手国であるスペイン・ポルトガルの二つを混ぜた名前であると推定できる。
       また、男爵がその敵について「火船で体当たりしてきた」と発言しているが、これはアルマダ海戦においてイングランド艦隊がカレー沖海戦(アルマダ海戦の一部に入る)でスペイン艦隊に対して取った戦術である点で攻守が逆転している以外は一致する。
       以上の2点と名前の類似から見て判断。
    • 「死後200年後に名誉回復」
       イギリス海軍提督「ジョン・ビング」か?
       ジョン・ビングは七年戦争(1756-1763年)中に英領メノルカ島沖で発生した「ミノルカ島の海戦」(1756)において、戦力不足からフランス艦隊の撃破に失敗し、メノルカ島セント・フィリップ砦救援にも失敗。この一件が戦時服務規程違反であるとして1757年に銃殺刑に処された。そして処刑から250年後の2007年にビングの子孫が英国国防省に名誉回復を求めたが拒否された。
       名誉回復が認められたかどうかという違いと、名誉回復までの期間が約50年違うという相違点はあるが、英国海軍における提督の名誉回復が求められた例としては直近のジョン・ビングのものが有名である点から推測。
  • カリムー
     ポルトガル人探検家「フェルディナンド・マゼラン」。
     カリムー艦隊とマゼラン艦隊を比較すると、5隻のキャラベル船で出航、途中艦隊乗員による叛乱が発生、新大陸の南側の海峡を発見(カリムー/マゼラン海峡)、艦隊のうち1隻を途中で放棄(カリムー:ダイガザラ島でサザランド号を放棄 マゼラン:フィリピン・セブ島でコンセプシオン号を放棄)、世界一周を成功させて本国に帰還した人数(両艦隊とも18人)と航海の過程において数々の一致が見られ、明確にマゼランがモデルであると思われる。
     ただし、マゼランの場合本人は世界一周を果たす事無くフィリピンで戦死、残された艦隊が西回り航路で世界一周を達成したという違いがある。

※簡単な意見交換にどうぞ。
 雑談・感想目的の書き込みはご遠慮下さい。
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  • コメント整理反映 -- 2011-01-28 (金) 02:45:31
  • カリムー海峡はマゼラン海峡だと思ったんだがな…。知名度高いし -- 2011-02-02 (水) 23:21:14
  • いや、マゼランじゃないね マゼランの線は俺もこれ書く時に考えたけど条件がうまいこと合わない、マゼランが難所である理由は狭い航路と大量の暗礁が原因であって、気象条件はマゼランを難所たらしめる要因ではない 逆にドレークは絶叫する60度として常に荒れ狂う気象条件で有名だからカリムーの状況と一致する -- 2011-02-03 (木) 00:27:07
  • カリムー自身はマゼランが元ネタと思ったが、よく考えて見たらマゼラン自身は世界一周できてないんだよね。他に何が元ネタとして入っていると思う? -- 2011-02-06 (日) 12:10:43
  • マゼラン艦隊の資料引いてみたが今書いた通り一致する点が多い、普通にマゼランが元ネタと見て良いと思う -- 2011-02-06 (日) 15:44:42
  • オープニングで出てくる「カリムーのたからもの」みたいなものをマゼランもしくはドレークが記したのならばどちらが元ネタかはっきりするのでは? -- 2011-02-06 (日) 19:01:50
  • あれは本人著ではなく他人による著作だろう、大体マゼラン・ドレーク共に著作は残していない -- 2011-02-06 (日) 19:39:04
  • ツンドランドはどちらかというとソ連に近いと思うんだが。 -- 2011-02-14 (月) 00:15:35
  • ソ連の体質がそもそもロシア帝国由来 -- 2011-02-14 (月) 02:04:15
  • OPでカリムーが「その言葉・・・パラポルトの人間か!?」って言ってるから、一応この世界でも言葉の壁はあるんだな。主人公達は全ての外国語を話せるんだろうか。 -- 2011-02-21 (月) 18:48:51
  • ↑現実的に考えるなら無理。船員が通訳をしていたか、カリムーの言葉の意味が少し違うかだと思う -- 2011-02-21 (月) 18:52:05
  • 覚えた方が得になると思われる言語は覚えてたんじゃない?俺達の世界ではお互い英語話せれば大体通じるわけだし。会話イベントでも普通に話してる辺り英語にあたるような言語を使ってると勝手に解釈してる。 -- 2011-02-22 (火) 01:26:29
  • 言葉というか訛りに近いのかも -- 2011-02-22 (火) 01:35:42
  • カリムーの珠をカメダが「心技体のオーブ」とか呼んでたけど、13裏じゃ野球人形ともガンダーとも無関係なんだろうか。 -- 2011-03-01 (火) 21:29:27
  • 少なくとも野球人形とは関係ない。 -- 2011-03-01 (火) 21:30:31
  • ホンフー商会の項目だけど、明と清の貿易政策がごっちゃになってませんか?清は日本との民間の貿易を常に禁止していたわけではなかったと思うのですが -- 2011-03-02 (水) 16:37:02
  • 清王朝も海禁令出していた時期あったからそっちを指してるとすれば問題無いと思う 江戸期の話と同じく清王朝の時代が広すぎて時代全体に一般化できないというのはわかるが -- 2011-03-02 (水) 16:59:25
  • ウンガルフにいるときに流れる「ルフ運河全長何m」というBGMについてだが   ……ルフ運河?元ネタは? -- 2011-03-04 (金) 15:00:26
  • ↑ウンガルフをばらして組み立て 元ネタ知らん -- 2011-03-04 (金) 17:04:32
  • 運河+"gulf"でウンガガルフ→ウンガルフじゃねえの イメージは中東地域の運河と言えばスエズだろうがここまでくると連想ゲームの域に -- 2011-03-04 (金) 18:23:35
  • マゼランを戦死に至らしめたのはフィリピン人指導者で、「フィリピンを侵略者から守った」から英雄視されている。今のままでは少し誤解を招くと思うのですが。 -- 2011-03-12 (土) 14:57:42
  • ウンガルフってベンガル湾関係してないですかね? -- 2011-05-19 (木) 20:18:50
  • ↑↑というか、はっきり言って蛇足。赤穂浪士やソビエトの秘密警察の部分もそうだが、サクセスと直接関係の無いことまで書く必要は無いと思う。 -- 2011-05-21 (土) 13:27:58
  • いや関係あることだろ、例えば秘密警察のほうは皇帝官房第三部が元ネタなのに何故NKVDアネクドートを利用しているのかの説明だし -- 2011-05-21 (土) 15:37:40
  • すまない、秘密警察に関しては私の方に誤認があったので撤回する。ただ、カリムーに関しては、ちなみに~の部分とゲーム本編との関連性が全く見出せない。ゲーム本編と全く関連のない余談まで書く必要は無いと思う。 -- 2011-05-21 (土) 22:30:48
  • カリムーに関してはまあ同意見であるので削ってみたがいかがか -- 2011-05-26 (木) 03:44:50
  • カリムーのところに付け足した人です。完璧に蛇足でした申し訳ありません -- 2011-05-30 (月) 17:39:13
  • ニンゲツと忠臣蔵事件は何の関係もないと思うが、どうだろう -- 2011-05-30 (月) 22:39:03
  • 赤穂浪士はユウキのイベントじゃないか? -- 2011-05-30 (月) 23:18:34
  • ↑↑↑蛇足だといった人間ですが、私の言い方がきつかったのならこちらも謝ります。申し訳ありませんでした。↑赤穂浪士はユウキのイベントであってます。ただ、赤穂浪士の行為に対する評価までここで書く必要があるのかまでは正直疑問です。 -- 2011-06-08 (水) 23:07:16
  • 一部のコメント整理 -- 2011-12-31 (土) 16:35:19
  • 九州に嵐で船が沈没しそうだった点ではレザーノフに似てるな。 -- 2012-01-14 (土) 01:37:54
  • この世界の動物たちの身体能力って現実世界の動物より高いんだろうか?牛を3分で骨にするピラニアバードに全く物怖じしないハーシバルが白熊に対しては危険性を感じているみたいなんだけど。 -- 2012-07-13 (金) 19:11:34
  • ウンガルフでの3人の王子のイベントは「セレンディップの3人の王子」が元だろうか -- 2012-09-05 (水) 19:04:46
  • ↑↑ハーシバルは哺乳類に対してあまり関心を示さないよね -- 2013-01-13 (日) 21:22:47
  • しかし最大で27年か。ヒヨリはともかくほぼ全員が三十路四十路になるのにグラは変わらず… -- 2013-03-23 (土) 09:35:35
  • ヒヨリのアルバムで「最近発明された気球」ってあるから、モンゴルフィエ兄弟の人類初の空中飛行が成功した1783年辺りに相当する。 -- 2013-04-27 (土) 12:38:32
  • ↑↑ウズキは60近くいってそう -- 2013-04-27 (土) 23:14:44
  • ツンドランドって北朝鮮みたいだな(悪口いって逮捕されるから) -- 2014-10-12 (日) 14:00:44
  • ツンドランドの酒場で「大工のイワノフが逮捕された」とかいってたからな -- 2014-10-12 (日) 14:02:21
  • 皇帝の悪口いったから -- 2014-10-12 (日) 14:02:54
  • ↑×1~3。本項目の元ネタ関連の「各国文化」「ツンドランド」で既に説明されてますよ? あと、不敬罪はそれこそ古今東西色んな地域で適用されています。戦前の日本でも勿論法制化されてますし、タイ王国では今なお現役で、外国人ジャーナリストが度々これを喰らっています。 -- 2014-10-12 (日) 16:38:11
  • 穴掘ると埋宝とれます -- 2015-03-09 (月) 23:04:59
  • ニューホープの曲って、何回聴いても♪アイツはアイツは可愛い 年下の男の子…に聴こえなくもないな… -- 2017-12-03 (日) 00:03:30
  • やっぱパワポケってすげぇな、ほんまもんの世界史を元に制作してるのか -- 2021-11-14 (日) 01:08:00
  • ボルシチって正確にはウクライナ料理では…というツッコミは野暮か -- 2022-04-06 (水) 10:00:40
  • ウンガルフってムガル帝国じゃないの?時期的に最盛期を築いたのは一瞬ですぐ諸侯乱立になっちゃうけど -- 2022-12-02 (金) 15:23:54
  • インド半島に点がある事を考えるとそれが妥当かな でそこにイスラム関係でアラブ圏ネタを絡めたって感じだろうか グレートクインからの年金で暮らす王族とかセポイによる大反乱とかのネタがあっても面白かったかもね -- 2022-12-11 (日) 16:58:27

*1 「カリムーの宝」発見シーンで南北アメリカ大陸が映っている
*2 電ファミニコゲーマー「『パワポケ』はなぜこんなにも尖っているのか? 極秘資料とともに開発陣が語る開発哲学と『パワポケ』らしさ
*3 実際は偏西風・貿易風の狭間の海域がサルガッソ海であるため帆船の航行に向いた風が吹かず、前述の通り海流も弱いことから航行し辛い海域という点で忌避されていた。ホンダワラも航行不能になるほど多いわけではなく、一種の都市伝説である。
*4 ムガル帝国自体は1858年のセポイの反乱まで存続したが、19世紀頃には既に英国および東インド会社がインドを支配しており、もはやデリー周辺を治めるのみの傀儡国家となっていた
*5 トゥファーン=ラテン文字転写"Toophan"(暴風)、サイフアルナスル=ラテン文字転写"Saiph al nassr"(勝利の剣)である。
*6 出典:横河メータ&インスツルメンツ株式会社「産声を上げた人型ロボット=ヒューマノイド」(早稲田大学理工学部機械工学科 高西淳夫教授へのインタビュー)
*7 ローマ教皇庁が96年に「P2(本田技研工業"ASIMO"の前身)が作られたことは、神がせしめたこと。それもまた神の行為の1つ」という発言をしている(ITmedia「日曜日の歴史探検:ASIMOまで駆け抜けたホンダのロボット開発」)。
*8 「英国料理として取り込めなかった」一例として「カレー」の存在がある。英領インドから英本国にインド料理が伝わり、それが英国で「カリーアンドライス」としてアレンジされたものが、現在世界で知られる「カレー」の原型となった。そして、日本の「カレーライス」の元でもある。だが、カレーをイギリス料理扱いする人は極めて稀である。
*9 第一次英仏百年戦争と直後の薔薇戦争でノルマン・コンクエストから続くフランス系貴族が没落し、イギリス土着貴族(ジェントリ)が台頭、フランス料理の影響力が減少。第二次英仏百年戦争後に英仏の関係改善によって、再びフランス料理の影響力が増した。
*10 内務人民委員部、ソ連国家保安委員会(KGB)の前身の一つ。
*11 皇帝官房第三部→ロシア帝国内務省警察部警備局(オフラーンカ)→反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会(チェーカー、後に国家政治保安部(GPU)と改名)→ソ連国家保安委員会(KGB)→ロシア連邦保安庁(FSB)と移り変わっている。
*12 正確には「KGBがGPU+NKVDで作られており、皇帝官房第三部の末裔にNKVDが組み込まれた」とも言える。
*13 現在のオランダはローマ・カトリック系信者の国民が増えているが、当時はプロテスタント国家であった。
*14 肥料の改良や品種改良など農業技術の発展に伴う土地あたりの収穫増や、商品作物(木綿や菜種など売ることが目的の作物)の導入によって収入増が見込めるようになった。
*15 江戸中期~後期の「年貢」システムは、「土地の収穫量をあらかじめ計算して、凶作でも豊作でも毎年同じ『先に見込んだ収穫量』から一定の税をとる」(「定免法」)システムであったが、この「定免法」で定める量が最後に改定されたのは大部分が1670~1680年代前後であり、1700年代~1800年代には定免法が改正されなかった。 さらに、前述した通り「土地あたりの収穫が増えた」という事情があり、収入全体が増加している。結果、収入は増えるのに取られる税金は定額で農民の手元に残る分は増え続けた。また、現在の一般的イメージ(「五公五民」等の重税イメージ)ほど元々税が重くなかった(例えば幕府直轄領「天領」で税は収穫の35%だった)という事情もある。
*16 豊臣のキリスト教の禁教はあくまで大名に対するものであり、一般庶民は自由に信じて良いという扱いをしており、徳川になって庶民レベルにまで範囲が伸びた。
*17 臣下から皇帝=清に対して貢がせる関係。
*18 朝貢してきた相手に持たせる土産のようなもの。これを渡すことで、臣下の地域に対して「臣下に対して寛大なる皇帝」として皇帝の威光を示した。
*19 品川台場(現お台場)などの江戸湾防備施設はペリー来航をきっかけにして建造が開始されており、第一回来航時には防御施設が無かった。
*20 ナンシー・ウッド『今日は死ぬのにもってこいの日』(めるくまーる、1995)参照。