クドリャフカの余生

Last-modified: 2024-03-24 (日) 20:02:15

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基本情報

画像詳細
クドリャフカの余生.jpg名前クドリャフカの余生
レアリティ★4
属性
イラスト江川あきら
入手ドロップ(H閑-5-2)
備考'22/05/31追加
装備時上昇ステータス
強化値+0+1+2+3+4+5+6+7+8+9+10強化値
体力+70+95+120+145+170+195+220+245+270+295+320体力
陽攻+16+19+22+25+28+31+34+37+40+43+46陽攻
#特性
限界突破0限界突破4
特性1使用時に自身の霊力を0.75上昇使用時に自身の霊力を1.25上昇
特性2使用時に自身の体力を10%回復使用時に自身の体力を20%回復
#解説
解説1「はは。 元気そうだな、ライカは」

僕はそう言って、ページから目を離す。
足元を縫うように走り回るロボット犬は、これがどうにも愛らしい。
表情も鳴き声も持たない機械のペットだが、今ではすっかり彼の相棒である。

これは、いつかどこかであったかもしれない。
そして、いつにもどこにもなかったかもしれない。
誰の口にも上らなかった、物語。

「僕の柄じゃあないけど、君は犬だものな。 散歩にでも行こうか」
解説2「ぬかるみには気をつけるんだ。 ここは湿気が多いからね」

ライカは元気に、魔法の森を駆け回る。
道具蒐集家の魔法使いたちばかりか、動く魔法地蔵も住まう土地。
思えば、動かない物が動くという意味では、魔法地蔵もその類であった。
ライカは転生した仔犬の霊を宿したロボットである……という見解は、
命蓮寺の住職によるもの。
宗教家の言うことなど眉唾である。
一定の魔力が込められた存在は、自然に意思を持ち、動き出すのではないだろうか?

「あの住職の持つ経巻も、たしか似たようなものだったはず」
解説3「あまり走ると、転んでしまうよ」

ライカは颯爽と、再思の道を駆け抜ける。
この先にある無縁塚は、大きく分けて三つの地理的特徴を持っている。
ひとつは、その名の通り、縁なき死者を葬る場所。
もうひとつは、幻想郷の中では屈指の、外の世界の物品が漂着しやすい場所。
そして最後に、これも屈指であるが、外の人間が迷い込んでくる場所だ。

迷い込んできた人間の多くは、ふらふらと再思の道を歩むことになるが、
彼岸花の毒気で生気を取り戻し、結界の外へ引き返していくとの話がある。
『毒』という、本来対象を害するはずのものが、生きるための役に立つ好例であろう。
そういえば、ここより離れた『無名の丘』に住む毒人形は、
ある種の『呪われたアイテム』とも考えられる。
彼女が動けるのは、呪いの力によるものなのではないか?

「もしかして君は、『呪いのアイテム』だったりするのかい?」
解説4「さて、君も供養を手伝ってくれるかい」

ライカは言葉を聞き分けたかのように、僕の隣で大人しくなった。
供養と言っても『品探し』なのだが、
それでも死者たちを偲ぶ祈りは僕の内にも宿っている。

供養されない死霊は、怨霊となって人に妖に害をなすことがある。
これは、供養されない古道具が付喪神になるのと、部分的に似ている気がする。
ライカはそこまで古いロボットではないので、たぶん付喪神ではない。
しかしこうして『この場所』へ来ると、様々な思いが僕の中に浮かんでくる。

ここは、僕がライカと出会った場所。

「さあ帰ろう、ライカ。 『バイト』君が待っているから」
解説5「どこほっつき歩いてたんですか、店長」
「珍しく散歩だよ。 犬に引かれてね」

以前、黒い水が森で湧き出たことがあった。
紆余曲折の結果、それがストーブの燃料になるのではないかと思ったが……
結果は、ストーブを壊しかねない散々なものだった。
『バイト』君の仕事は、煤けたストーブの掃除。
どうやら悪戦苦闘したようだが。

「あー! この子まで真っ黒! んもー」

『バイト』君によって布に包まれたライカは、くすぐったそうに身を捩らせる。
さながら、普通の犬のように。

ライカ。
もし君が『あの犬』の生まれ変わりなら、星を見るのはウンザリかい?
君さえよければ、今度は晴れた夜に散歩をしよう。
間近で星々を眺めた君となら、楽しい時間になると思うんだ。

無表情なその顔に、一瞬の笑顔が見えた。

「……まさかね。 ふふ」
 

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