Almirante Grau

デ・ロイテル級(DZP級)巡洋艦1番艦　アルミランテ・グラウ

性能諸元

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

・兵装

・艦艇スキル

・艦艇の特技
緊急修理
修理班を使用した際に回復するHPが20%増加する

ゲーム内説明

ペルー海軍の旗艦には、伝統的にミゲル・グラウ・セミナリオ提督にちなんだ艦名が与えられ、歴史上、5隻の艦艇が存在する。本艦アルミランテ・グラウはその5隻のうちの5番目の艦。もともとはオランダ海軍の2代目デ・ロイテル級で近代的なレーダー設備を備えた軽巡洋艦として建造され、1953年に就役した。1973年、ペルー海軍に買い取られアルミランテ・グラウと解明されてからは45年の間、ペルー海軍の旗艦として運用された後、2017年9月に退役した。退役する頃には世界最後の砲填巡洋艦となっていた。

解説

2024年1月のブリッツパスの40レベル目の報酬艦として実装された。なお、本艦はDZPと同型艦である。パンアメリカ巡洋艦であるのにも関わらずHE弾が使えること、ゲーム内初のスキルである戦闘指令:側面攻撃を使えること、修理班の回復量に優遇があること、が特徴的である。

・主砲
DZPと同じモデルであるが、いくつか異なる点、というか問題点を抱えている。
砲配置は艦首に背負い式で152mm砲を2基4門、艦尾も同様の配置で全砲塔が全周となっている。片舷指向可能門数は8門と同格軽巡洋艦の中では少ない方である。砲戦回速度は15°/秒と
同格巡洋艦では最良クラスである。
しかし、問題点は別にある。
HE/AP砲弾ダメージはDZPから据え置きの460/543である。これは同格軽巡洋艦ではワースト3位/ワースト4位である。DZPでは同格巡洋艦で2番目に速い装填5.5秒でなんとか実用クラスを保っていた。しかし、本艦は装填手が南米の暑さでへばったのか、3割増しの7.2秒に悪化した。当然、DZPよりもダメージが出ない。HE弾DPMは、40145→30666と約10000も悪化し、203mm砲8門の摩耶のそれと同程度である。火災発生率4%(同格最低)も据え置きであり、斉射発火率0.32、分間発火回数2.6回は同格軽巡洋艦で圧倒的最下位である。AP弾DPMは47389→36200と約11000も悪化し、203mm砲8門の摩耶のそれと同程度である。防郭率150%も据え置きである。
主砲射程は11.38km→11.25kmと何故か130m短くなっているため、40隻中21位→26位となり、やや短い部類である。
最大水平/垂直散布界は228m/57.6mと同格巡洋艦では平均的であり、σ値1も特筆すべきことはない。
砲指向が前後ともに広いこと、弾道が山なりなこと、貫通力が低めなこと、という特性はDZPから受け継いでいる。
これで、本艦の問題点が見えてきたのではないだろうか。本艦は主砲のみの搭載のため、主砲だけが頼りである。しかし、肝心な主砲性能が頼りなさすぎる(DZPの下位互換)ため、ダメージが出ないし、同格巡洋艦と撃ち合って勝てる相手はいない。おそらく、戦闘指令:側面攻撃での効果を踏まえての調整なのだろうが、これほどの弱体化はやりすぎなのではないだろうか...

・魚雷
ツリーのパンアメリカ巡洋艦には搭載されているが、本艦は残念ながら搭載していない。よって、大型艦にはHE弾か艦首艦尾AP弾狙撃で対抗するしかない。

・空襲
DZPは使えるが、本艦は残念ながら使えない。よって、島裏から延々と大型艦を燃やす運用は困難になっている。

・対空
DZPと全く同じである。
つまり、TireⅩ並の超対空で艦載機を理不尽にも吹き飛ばすことができる。大口径対空砲ダメージは132とナポリ以上アンリ以下と、そこまで高くない。しかし、小口径対空砲ダメージは510とモンタナに匹敵するほど高い。さらに、小口径対空砲は2.4km、大口径対空砲は4.2kmと長く、艦隊に対空の傘をさすことができる。その結果、長距離対空指数は1020、総合対空指数は2402とジナン並である。そこに、対空警戒Ⅱを使うと長距離対空指数は2040、総合対空指数は4804と対空警戒を使ったコルベールをも上回る。勿論、同格巡洋艦で比類しうる艦はおらず、本艦が1隻居ることで、相手空母はかなり辛くなる。

・装甲
DZPと同じかどうかは不明であるが、同型艦のため装甲圧は同一と仮定する。
装甲は艦首艦尾25mmと標準的、甲板30mmと標準的、舷側75mmと最下位クラスであり、総じて信用ならない。砲弾は避けないとモロにダメージを喰らうため、回避は必須である。

・機動性
DZPから加速力が良くなった以外は同じである。最高速度まで13.04秒(加速力2.4kt/s)はシャルルマルテルより僅かに劣る程度はあり、そこそこ優秀な値ではある。転舵速度は6.9°/秒はウィチタと同程度で軽巡洋艦としてはやや重めである。転舵所要時間は8.40秒はベルファスト43と同程度であり、同格巡洋艦内でも小回りが効く方である。そのため、艦立て前後運動+時々転舵をメインに立ち回る戦法と相性が良い。
最高速度は31.40ktと同格巡洋艦で最下位クラスである。しかも、DZPと違ってエンジンブーストⅡが没収されているため、底上げができない。まさに、泣き面に蜂状態であり、引き際を間違えて追撃されると逃げ切るのが困難である。

・隠蔽性
DZPの7.98kmから何故か120m悪化して8.10kmである。しかし、同格巡洋艦中5位につけているため、かなり良い部類である。当然だが、隠蔽マシマシにしても駆逐艦や一部格下巡洋艦には隠蔽負けするため、索敵中には注意が必要である。
しかし、戦闘指令を発動させるためにほぼ常に主砲を撃っていること、隠蔽が鍵となる魚雷や空襲がない、といったことから、この良隠蔽が活きるのは序盤の探り合いくらいである。

・生存性
DZPからHPが減った以外は同じである。
HPは29618とDZPから2000ほど減らされている。これは脆いで有名な同志チャパエフとさほど変わらない。総じて、ヘイト管理を徹底しなければすぐに海底とお友達になってしまうであろう。
防郭防御は10%と高雄などの柔らか重巡洋艦と同等の数値を持つ。火災浸水耐性は15%とクリーブランドを除けば同格軽巡洋艦最高の数値である。装甲防御は9%と高雄などの柔らか重巡洋艦やクリーブランドと同等の数値を持つ。魚雷防御は9%と同型艦軽巡洋艦としては平均的である。総じて、軽巡洋艦としては頑張っているが、大口径砲や魚雷には無力であることには変わりなく、機動力で避ける努力が必要となる。

・消耗品
高級船員食糧、予備整備パック、改良型ディーゼルエンジンがおすすめ。追加対空弾を選ぶ場合は空母と分隊を組んだ上で、予備整備パックと交換するのもあり。

・艦艇スキル/艦長スキル
DZPは、エンジンブーストⅡを3回、対空警戒Ⅱを4回、レーダーⅡを1回であった。一方本艦は、対空警戒Ⅱを2回、ソナーⅠを2回に変えられている。特に対空警戒Ⅱの回数が減ったのが痛く、艦長スキルで回数を増やす必要がある。しかし、ソナーを手に入れたことで魚雷への対応が早くできるようになった。こちらも艦長スキルで回数を増やすことをおすすめする。
本艦は特技として、修理班を使った時の回復量が20%上昇するスキルを持っている。修理班なら1回約5000(一戦で約15000)、上級修理班なら1回約6000(一戦で約18000)回復できる。そのため、しぶとく生き残りやすくなっている。
そして、本艦の目玉でもある戦闘指令:側面攻撃は、主砲60発当てるごとに20秒間装填時間60%短縮かつ最高速度と最大転舵速度20%上昇という、高速装填3.5と強化版エンブを同時に発動するドーピング的なスキルである。じゃあ使用制限ない最強スキルなのでは！？　と思った艦長はWGに騙されている。そもそもこのTire帯では遠距離砲戦が主体になり、本艦の短い射程も合わさって単純に射撃機会が少ない。その上、本艦は主砲装填が長く、特段に精度が良いわけでもない。つまり、主砲60回当てるのにも一苦労である。やっとスキルが使えるようになる頃には試合は中～終盤であり、5回も6回も使えるというのはできない。ちなみに、筆者はAI戦で2～3回、ランダム戦で0～1回発動できた。

・装備
　・兵装　少ない手数が気になるなら主砲改良Ⅱ、遠距離戦や駆逐艦処理を重視するなら主砲改良Ⅲがおすすめ。
　・防御　本艦は回避盾や島陰撃ちがメインである。そのため、優秀な加速力を推力改良Ⅰで伸ばすか、微妙な転舵力を操舵装置改良Ⅰで補うかのどちらかがおすすめ。
　・適正　優秀な加速力を推力改良Ⅱで伸ばすか、微妙な転舵力を操舵装置改良Ⅱで補うかのどちらかがおすすめ。

・エリート特性
　・護衛特化　主砲旋回速度+7%、最高速度+3%、対空火力+5%　
　・対空特化　対空火力+7%、小口径対空兵装ダメージ+7%　
　・功績　EXPアップ+10%

・総論
性能だけ見ればDZPの下位互換である。主砲性能は悪化したくせに魚雷や空襲といった救済措置がない。対空火力や耐性も増えてはいないし、隠蔽は悪化し、装甲ペラペラで機動力は加速がちょっと良くなったくらいである。そのせいで、せっかくの戦闘指令:側面攻撃を活かすのが難しくなっている。
しかし、それは性能だけを見た場合の評価である。イギリス巡洋艦より細い船体、パンアジア巡洋艦にはないソナー、パンアメリカ巡洋艦にはないHE弾、などの他にもDZP譲りの超対空、煙幕がないことによる味方への負担軽減などの良いカードはある。
これらを踏まえると、近代護衛艦のような運用が合っている。ソナーで駆逐艦から、超対空で空母から艦隊を守ることができる。また、スリムで良い加速力を以て艦立てを行い戦艦の砲撃を引き受けつつ避ける、受けたダメージは優遇付き修理班でリカバリーして前線復帰できることから、戦艦から艦隊を守ることができる。本艦は煙幕を持たないことから、沈まない限り味方へのヘイトを逸らすことが可能である。(DZPのように島裏巡洋艦でもないことも関係している)このような護衛艦的な巡洋艦というのは新しいジャンルではないだろうか。
とはいえ、そのような運用をするには、側面を取られない位置取り、艦載機の通り道の予測、敵弾回避の腕前、全門斉射のタイミングの見計らい、山なり弾道の扱い方に長けていること、などのスキルが伴わないと不可能である。
総じて、与ダメージで戦果を判断しない艦長のうち、前述のスキルを持つ玄人向けであり、初心者には全くおすすめできない。

戦闘名誉章

史実

1953にオランダ海軍のデ・ロイテル級巡洋艦「デ・ロイテル」として就役。1973年に退役した。同年、チリがスウェーデン海軍の巡洋艦「イエータ・レヨン」を購入したのに対抗して、ペルーが購入、再び現役となる。
ペルーが購入後、「アルミランテ・グラウ」と改名された。この艦名は南米の太平洋戦争で活躍しアンガモスの海戦で戦死したペルーの提督ミゲル・グラウにちなんだものである。1973年7月11日、新しい母港カヤオに到着した。ペルー海軍での公式分類はミサイル軽巡洋艦である。
「アルミランテ・グラウ」はペルー海軍の艦隊旗艦となり、1985年から1988年までアムステルダムで近代化改装が行われた間は、同型艦の「アギーレ」が「アルミランテ・グラウ」として旗艦の任務を引き受けた。1988年2月15日、旧「デ・ロイテル」のほうがカヤオに帰還し、それぞれ元の艦名に戻った。
「アルミランテ・グラウ」は2017年9月26日に退役した。2019年にペルー海軍は、「アルミランテ・グラウ」をリマにおいて博物館船として保存することを発表した。が、資金難により結局解体されてしまった。

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