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【光魔の杖】

Last-modified: 2019-09-26 (木) 23:21:10

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する武器の1つ。大魔王【バーン】が持つ最強の杖。

性能 Edit

先端部分に三つ又の刃のような飾りがある黒い杖。三又刃の下には翼型の紋章のような豪華な金と紫の飾りがつけられ、その中心には赤い宝玉がついている。
宝玉の裏面あたりからは蛇腹状の鎖が伸び、杖部分に螺旋状に絡んでいる。
 
使用する際には先端の飾り部分が翼状に開いて左右に割れ、鎖が伸びて装備者の腕に絡みつく。この鎖が装備者の魔力を吸収し、その魔力を光の刃に変えて先端より噴出させ敵を切り裂く。
光の刃が出た状態は槍に近い形状で、魔力をそのまま打撃力に変換する直接攻撃用の武器である。
真・大魔王バーンでなければ使えない大技【カラミティウォール】も、この杖があれば普段の老バーンの姿のまま撃てる。
 
基本コンセプトは、装備者の魔力を打撃力に変える理力の杖と同じだが、理力の杖が「どんなに魔力の強い者が使っても上限は同じになる」リミッターがかかっているのに対し、光魔の杖は「装備した者の魔力を無制限に吸収」して、吸収しただけ無限に攻撃力が上昇する。
使用者であるバーンの魔力は、人間では最高クラスの魔力を持つ【ポップ】【メラゾーマ】【メラ】打ち勝つほどに桁外れなものだったため、【オリハルコン】製の【ダイの剣】を容易くへし折るという前代未聞の攻撃力にまで膨れ上がった。
神が創ったと言われる【竜の騎士】専用の武器【真魔剛竜剣】をさらに上回らんと特注されたダイの剣だが、剣本体の破壊力はこの時点で上限に達していた。バーンが魔力を維持できる間という条件はつくが、単体の武器としてなら光魔の杖は作中最強の強度と破壊力を発揮したと言える。 
防御にも秀でており、光の刃の出力を全開にすればあらゆる攻撃を防ぐ障壁を作り出すことが可能。その防御力は、直撃すれば一国を半島ごと消滅させうる【ドルオーラ】ですら凌ぐほど。
 
しかし握っているだけで無限に魔力を吸い込むため、装備していれば時間とともに莫大な魔力(MP)が消費され、杖の攻撃力と使用者の魔力が低下していくという重大な欠点も持っている。
流石のバーンもこの消耗からは逃れられず、装備した直後はダイの剣をいとも容易く叩き折ったが、その後に行われた【ハドラー】との戦闘では、同じオリハルコン製の【覇者の剣】を防ぐのがやっと。
MPの消耗がたたり、ハドラーに向けた【カイザーフェニックス】の威力も大幅に弱まっていた。
 
バーンは持ち前の魔力の恩恵で凄まじい攻撃力の光刃を生成でき、その威力で短期決戦を狙えるから「長時間の使用」を気にする必要がなかったというだけで、本来は使いどころを見極めねばならない諸刃の剣だったのだ。
  

製作者 Edit

製作者は若かりし頃の【ロン・ベルク】。90年ほど前、彼が【魔界】でバーンに仕えていた頃に【鎧の魔剣】等と一緒に制作し納めた武具の一つで、体力の落ちた老バーン形体の護身用として使われていた。
使用者に合わせたオーダーメイドではなく、とにかく作ったものを納めたようだが、様々な武具の中からバーンが自分用に選んだのが光魔の杖であった事を、ロンは意外だと受け止めていた。
ロンはこの杖について「単なる戯れで作ったような武器であり、武器そのものの性能は決して高いとは言えない」と称しているが、それをバーンが「ロン・ベルク最高傑作の一品」と評価してしまった事でひどく失望する事になる。
 
光魔の杖を装備したバーンが並外れた強さを発揮したのは事実だが、それは武器と無関係に「バーン自身が強いから」である。
"バーンの発する魔力や暗黒闘気に耐えられる強度"さえあれば、それこそただのナイフや棒切れだろうと圧倒的な戦闘能力を発揮できるので武器の基本的な性能差など意味がなく、光魔の杖もまた、バーンの魔力に依存して破壊力が高まったに過ぎなかったのだ。
魔力に比例して強化される光魔の杖と、桁外れな魔力を持つバーンの相性が抜群に良かったのは事実だが、その戦闘スタイルは力押しで、扱う上で最低限知っておくべき性質すらロクに見ていないような有様。
 
武器職人のロンからすれば、「使用に耐えるならなんでも良い」というバーンの存在と態度は己の存在意義の否定に等しく、まして光魔の杖は相手に合わせたオーダーメイドでも渾身の一作でもない、"戯れ程度"の品。
そんな物をたまたま手に取り、自分の圧倒的パワーの放出装置として使えば強いから最高傑作だなどと言われては、「武器を作る者からしたら白けることこの上ない」というわけである。
実際に、武器の発想や機能は理力の杖の延長でしかなく、類似の機能を持つ【ブラックロッド】は、バーンとの決戦前に何の前触れもなく、しかも他の武器とセットで作られているので、製作にさして労力がかかる代物ではなく、戯れ程度というのは誇張でもなんでもなかったのだろう。
 
明示はされていないものの、ロンは杖を持ったバーンを「完全無欠」「出される前に勝負を決めないとまず全滅」と評していることから、バーンの光魔の杖を使った戦いぶりを見たことがある可能性も高い。
 
いずれにせよ、この一件でロンはバーンの元にいる意味を失い、配下から去るきっかけとなった。

バーンによる使用 Edit

当初のバーンは光魔の杖を使わず、魔力だけで戦ってダイのパーティを圧倒していたが、反撃を受け彼らの力をある程度認めたことで杖の使用を解禁。同時にパーティ最強武器であり、中心人物でもあるダイ専用の剣をいともたやすく折ってみせ、絶望のどん底に叩き込んだ。
だが、ダイのパーティとの戦闘の後に、この武器や使い手であるバーンの弱点が露呈していくことになる。
 
ダイのパーティが逃亡した後、ハドラーとの戦いではダイの剣と同じ材質の【覇者の剣】を折ることが出来ず押し込まれ、さらにMP消耗によるカイザーフェニックスの弱体化も発生。
これまで魔力切れを恐れる気配を全く見せなかったバーン自身も驚いており、魔力低下が体感できるほど長時間使用したのはこの時が初めてで、杖の機能による消耗を考慮する事がこれまでなかったと考えられる。
上限なく魔力を吸う杖を握り続ければいずれ魔力が無くなるのは自明の理で、事前にどの程度威力を保って戦えるかを見極めておくべきなのだが、そうした武器の性能のチェックは行っていなかったらしい。
 
バーンは戦闘に対する警戒心も持ち合わせ、決して無策なタイプではない。しかし、その凄まじい実力ゆえに消耗するほど戦い続ける状況に陥ったことが無く、長期戦を前提にものを考える発想自体が無かったという事だろう。
 
ダイとの再戦時にもこれを使い、先の初戦はバーンにとってはかなり手を抜いた「余興」であったとも語っている。再戦では本気で魔力を全開にしていた為か魔力切れの兆しも見えず、寧ろ全速のカラミティウォールやカイザーフェニックスとの連携等、やはり初戦を"余興"と言っていたのがハッタリではないという事を改めて見せつけた。
しかし最初の【ドルオーラ】を防ぐのに魔力を消費しており、ダイの側も双竜紋の力でさらなる竜闘気を帯びていたためか、打ち合いで剣を折る事はできなかった。
さらに、杖の魔力壁でドルオーラを「受け止める」形で真っ向から防いだのを見澄ましたダイがドルオーラを連発した結果、たまらず魔力壁が破れる。
バーンはギリギリのところで避けたため大ダメージは免れたが、光魔の杖は二発分のドルオーラと魔力の衝突に耐えきれずバラバラになった。これによってバーンは今の姿では勝てないと判断、【ミストバーン】に預けていた全盛期の肉体を使用する事になる。
 
バーンが本来の姿である真・大魔王バーンに戻った後、光魔の杖は用済みと言わんばかりに踏み砕かれ破棄された。
ロンが同時期に作った鎧の魔剣は既に自己再生能力を実装していたので、光魔の杖も再生は可能だったかもしれないが、バーンは特に再生を期待するでもなかった。
尤も、破棄する際に『(老人体の自分にとっては)充分な働きをしてくれた』という趣旨の評価は下している。
バーンは部下の死に対して哀悼や労いの態度を見せたことがなく、壊れて不要になった物に対して評価の言葉を発したことは破格の対応と言っていい。
この場にロンがいたなら、なおのこと武器職人としての存在意義とプライドを傷つけられただろうが、バーンにとっては「最高傑作の武器」すら老人の姿の時の護身用にあれば良い程度の物であり、全盛期の力を取り戻したなら、もはや武器すら必要としない強さである事を読者に伝える一言でもあった。
 
相応しくない状況では鞘から抜けないダイの剣のように、ロンの作る武器は時に持ち主にすら逆らう心や意思のようなものを持っている。その意味では、常に要求通りの性能を発揮し、破壊されながらもドルオーラからバーンを守った光魔の杖は、しっかりと持ち主を認めていた事が窺える。
製作者のロンが「戯れ」扱いしていた点は哀れとも言えるが、そんな自身を選んで「最高傑作」と言い、力を認めた相手との戦いで使うに相応しいと評価したバーンは、杖にとっては最高のパートナーだったのだろう。
それ故に、彼が若さを取り戻した後の扱いはなお憐憫を誘うものであった。
 

使用法 Edit

蛇腹状の鎖を腕に巻き付けることで魔力の吸収を開始し光の刃を生み出すが、上限が無いという設定に加えて、吸収量を加減できるような描写も無い。
防壁を作る際のように出力を上げる事はできるが、「MPの入力を減らす、あるいは光刃の出力を弱める代わりに魔力を長持ちさせる」という使い方ができるかは不明である。
作中最大の魔力を持っていたバーン以外が使った場合、例えポップや【マトリフ】【ザボエラ】といった高位の魔法使いキャラでも、ごく短時間だけ制御不能な大威力の光刃が出て、後はあっという間に魔力が枯渇してしまうという可能性もある。
MPを全て吸い尽くされてしまえば、光魔の杖の威力も呪文を撃つ魔力も失い、【ルーラ】での撤退すら出来ないという、体力面に劣りがちな魔法使いにとってお手上げ状態に陥りかねないのは致命的である。
吸収量の調整や、鎖をこまめに付け外し出しできるといった機能でもない限り、使う場所を選ばなければ、使い手にもパーティにも、逆にピンチを生み出す代物と言える。
 
そもそも光魔の杖をフルに使いこなす莫大な魔力があるなら、バーンがそうであったように単純に攻撃呪文のみで戦っても無類の強さを発揮でき、格闘武器であるこの杖にあえて頼る必要が乏しい。
バーン級の魔力があると、攻撃重視とは言え完璧な魔法耐性を持つはずの【鎧の魔槍】を呪文だけで破壊できるレベルになるし、爆発呪文とカイザーフェニックスの同時反射とは言え常時マホカンタがかかっているシャハルの鏡すら破壊されているし、そもそもダイ大の世界では補助呪文はある程度の実力があると効果が薄くなるケースが多くこの杖を使えるほどの力があるのなら通じない可能性が高い。
最高クラスの強者でなければ杖は力を発揮しないが、そうなってしまうと呪文が封じられたり、呪文が効かないといった事態そのものがまず起きないというジレンマも抱えているのだ。
ともあれ、使用者は非力で武器戦闘に慣れない魔法使いが想定されるため、上記のような魔法使いが本来得意でない格闘戦を求められた時の非常用武器として、しかも魔力枯渇リスクとも相談しながらごく短時間限定で使うことになるぐらいだろう。
 
武器と使い手が一体となって働くことに美学を見出すロンにとって「得意でない戦闘を想定した非常用の武器」は、必要性は理解できても目指す方向性とは相容れないだろう。
自ら「戯れで作った」と言うように、非常用として使い道があるからこそ一応は制作・献上したが、評価を求めて作った物ではなかったようだ。
あるいは、ロンでも想定しないような光魔の杖ならではの有効な運用をバーンが見出していたなら評価は変わったかもしれないが、欠点を考慮もしない単なる力任せの使い方はロンを白けさせるだけであった。
 
同じく魔力の物理威力変換という発想と機能で作られつつ、形状が変幻自在という特徴を追加されたブラックロッドの方は使用者の発想次第で柔軟な運用が可能になり、持ち主となったポップは破壊力のみに頼ることなく、変形機能を利用して相手の意表を突く戦い方をしている。
わざわざ同種の武器に「発想次第でいろんな使い方が出来る」機能を追加した事は、或いは光魔の杖を単純な出力兵器にしてしまったバーンに対してのロンなりのアンチテーゼなのかもしれない。
一方、光魔の杖は魔力さえ供給すれば「超強力な剣槍」「魔力壁で防御」というシンプルな使い方で押していけるため、ほとんどの敵は力任せに戦っても勝てるほど強い大魔王バーンにとって、そういう意味でも相性の良い武器だったといえる。

余談 Edit

他作品ネタが多く、我らがDQからも【なめまわし】【ひゃくれつなめ】をネタに出された『サガ2秘宝伝説 GODESS OF DESTINY』にも同名のアイテムが存在するが、其方は味方全員の全能力値を一時的に引き上げるという物で、形状も効果も此方の光魔の杖とは似ても似つかない。
また、SFCソフト『魔法陣グルグル2』にもククリ用の装備として「光魔の杖」が登場。グルグル自体がドラクエのパロディものなので気分だけでもバーンごっこができた。