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【バーン】

Last-modified: 2019-08-16 (金) 20:49:43

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

概要 Edit

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】のラスボス。自らを魔界の神と名乗る大魔王。
地上を焼き尽くすイメージから、「burning」にその名が由来する。ただしスペリングは「Vearn」となる。
かなり序盤から名前は出ており、シルエットとしては登場していたが、姿を見せたのは中盤あたり。
アニメ版での声優は内海賢二。こちらでは原作で正体が判明するところまで行かず終了になった都合で最後までシルエットのままだった。
 
魔界最強とされる実力者であり、神をも凌駕する圧倒的な力を持つ。
脆弱という理由だけで太陽の恵みを人間に与え、自分ら魔族や竜族を暗い【魔界】に押しこめた神々を憎んでおり、「力こそが正義」という信念を持っている。
真偽は不明だが、少なくともバーンと【ヴェルザー】はそう考えていた。
さらに半ば暇潰しじみた理由で魔王軍を結成し地上に侵攻したり、自らの究極形態(鬼眼王)を想像し【鬼岩城】を作ったり。
上記の日常の様子からも窺えるが、趣味を嗜む余裕のある人物でもある。
一方で慢心も見え、【ハドラー】を退け、【クロコダイン】を倒したダイ達を全軍を結集して叩こうとするハドラーを抑え【ヒュンケル】だけを派遣した場面も。
 
ハドラーを部下に迎える際は「地上のすべてを授ける」と述べているが、真の目的は地上の支配などではなく、地上自体を消滅させ、魔界に太陽の光を差し込ませる(「太陽を手に入れる」)事である。
そうした意味では魔界の住人にとっては救世主と見られてもおかしくなく、考えようによっては彼も「自分の故郷を救う戦い」をしているとも取れる。
ただ、バーン以外の多くの魔族が本当にそれを望んでいるのか、それとも彼の独り善がりに過ぎないのかは定かでない。
バーンはその目的を腹心中の腹心といえるミストバーンやキルバーンなどごく一部の者を除き誰にも伝えておらず、ハドラーにすら自分の目的は地上を手に入れることだと偽り、後日彼に地上を与えようといって騙していた。真の目的を話せば、必ずや反発すると思っていたのだろうか。
また彼のライバルであったヴェルザーも目的は地上の征服であり、決して破壊ではなかった。
 
衣装や自らの宮殿に関しては荘厳なセンスで統一されており、魔王である以前に「一人の王」としての威厳を持っている。それだけでなく、日常生活もそれに似合う豪勢なもの。
また、【今のはメラゾーマではない…メラだ…】【知らなかったのか…?大魔王からは逃げられない…!!!】などなど、数々の名言を残しているカリスマ。その凄さは【大魔王ゾーマ】と一、二を争うほど。

老バーン Edit

老人の姿。曰く、「魔力と叡智」のみを残した形態。
圧倒的な魔力を持ち、人間その他の存在には必要な"タメ"を行わずとも呪文を放てるため、一呼吸で二回の行動が可能になっている。ゲームで言う1ターン2回行動の再現である。
 
身体能力そのものは全盛期に比べればそう高くないようで、ロン・ベルクに献上された「【理力の杖】のリミッター解除バージョン」と言うべき【光魔の杖】でカバーしている。
これを用いてオリハルコン製の剣をへし折ったり、魔力炉を消し飛ばした【ドルオーラ】の直撃を耐えた他、肉体能力自体も全盛期ほどではないにせヒュンケルの【ブラッディースクライド】指でたやすく止める、双竜紋の力に目覚めたダイとも対等に斬り結ぶ等、充分地上最強クラスの領域ではある。
 
常に余裕と威厳ある態度を保ち、強い者には敬意を払うのも風格を漂わせる。
 
また、作中で見る限り他者の落ち度には寛大で、失敗も三度までは許すと公言している通りに基本的には許す姿勢をとっており、優秀な部下を些細な失敗を理由に処刑して組織を弱体化させるという悪の親玉のテンプレ行為を行っていない。

  • 落ち度の続いたハドラーを処罰で脅したことはあったが、追い込めば一化けするかもしれないという期待も込もっており、ハドラーが超魔生物となった後は不敬な態度を見ても「覇気がある所が見られて安心」と不問にし、現実に処刑しようとしたのは明確に反旗を翻された時だけである。また、その後もダイとハドラーの決闘をあえて妨害することはなかった。
  • ミストバーンが【鬼岩城】を撃破されてしまったが、その後もミストバーンが処罰された様子はない。キルバーンは「謝れば許してくれる」とミストバーンをなだめてさえいる。
  • 【ロン・ベルク】が自身の顔に泥を塗る形で自身の部下になる誘いを蹴った際も、特に咎めない。

ただしこれは他者への労わりではなく単なる余裕からくる遊びから来る処が強く、実際ハドラーに【黒の核晶】を埋め込んでおいていざという時に捨て駒にしようとするなど、魔族、ひいては大魔王らしい非情な面も持ち合わせる。
他にもダイ達との初戦でマァムの【閃華裂光拳】が右手を掠り右手が崩れた際、あえて再生を遅らせポップとマァムに『自分が片手を失ってる今が絶好の好機』と挑発してマァムを誘い込み、彼女の突撃に合わせて瞬時に手を再生し攻撃する騙し討ちも戯れの如く行う。
間一髪ポップに救われたマァムに『そんな生殺しみたいな真似をして面白いのっ!?』と非難された際も即座にこう答えている。

…面白いね おまえたち人間は面白くはないのか?鍛えあげて身につけた強大な力で弱者をあしらう時…気持ちよくはないのか?優越感を感じないのか?

この台詞も、レベルアップを重ねて強くなれば過去に手強かったモンスターも楽に倒せるようになるRPGというゲームの本質を突くものといえ、我々のよく知るゲームシステムを交えたメタ発言という点では「大魔王からは逃げられない……!!!」と同じ系譜か。
 
後のダイとの再戦では大きく実力を上げたダイに圧されるのだが、あまりに露骨な善戦ぶりに違和感を抱く彼に対し

…これが本当にあいつかと思ってしまい、にわかには自分の成長度がつかめんだろう?だが…すぐだ すぐにいい気分になってくる… 己の強さに酔う…!どんな美酒を飲んでも味わえない極上の気分だぞ…

と薄ら笑んで語る。
 
バーンの目的も前述の通り「地上の支配」ではなく「地上の消滅」であり、【大魔王六軍団】も半ば暇つぶしの目的で結成させたようなものなので、最終的に吹き飛ばす以上、侵攻が成功しようが失敗しようがどちらでもよかったというのもあるだろう。
その一方で老獪さ、慎重さも併せ持つ。
一例として「どのような戦い方をしてくるか分からない」と、自身に力では劣るが脅威となりうる【バラン】を旗下に引き入れてそれなりの待遇を与えているし、ダイに対しても戦いの中で自身と拮抗する力があることを知った際にはその力を惜しみ、旗下に引き入れようと誘った。
 
また冒頭でもあるように「力による支配」を何よりよしとしており、マァムに言い放った先述の台詞に続けてこう述べている。

"力"ほど純粋で単純(シンプル)で美しい法律は無い 生物はすべからく弱肉強食 魔族も竜も皆そうだ 人間だけが気取った理由をつけてそこに目を背けておる ……力こそがすべてを司る真理だ!

 
さも人間というものをよく知っているかのように語り、人が持つ醜い一面を「苦しい時は泣いて縋り、平和になるや否や掌を返し不平不満ばかりを漏らす最低な連中」と蔑み、マァムに上記の非難を受けた際も雄弁を振るう一方で、人の情というものにひどく疎いような面を見せることもある。
例えば最終決戦を前にしてダイを自分の配下に勧誘しようとした際には、かつて彼の目の前で実父バランの死体を悠々と焼き払ったにも拘わらず「今でもバランには敬意を払っている」などと宣ったし、他にも黒の核晶を仕込んだのに「反旗を翻したハドラーに対する敬意は忘れていない」と明らかに相手の感情を逆撫でする・信用を損なうような事も平然と言ってのけた。
なおダイはバーンがハドラーの体内に黒の核晶を仕込んで捨て駒にしたことやそのせいで余命幾ばくもない状態になったことを知っているし、バランの亡骸を焼き払った際も激昂して飛び掛かってきたことから、彼がその行為を快く思っているはずがないのは把握していたはずである。
 
恐らく彼らへの敬意自体は力を持つ者への敬意であり決して嘘ではないのだろうが、自分の行動が他人にどんな印象を与えるかそのものには頓着していない(=相手への印象のために言動を取り繕ったりはしない)ために、そのズレを理解できてないのだろう。
ダイが勧誘を断った時には「所詮は子ども、勇者の幻想にしがみ付いていたいか」などと的外れな推測をしていた。
どうやら人間の醜悪な一面しか見ていないようで、別側面である人間の可能性を知らないという点はキルバーンやヴェルザーからも指摘されたことがある。
人間と精神構造が違う種族である以上、ここまで理解できているだけでもかなり凄いことではあるのだが、こうした価値観の相違はやはり一種の油断・慢心と言え、彼の隙の一つとなった。
 
そしてその行動の節々からは、利他行為に対して「無償の善意」と言う概念が欠落している事が見てとれる。
バーンも利他行為に及ぶことが多々あるが、それらは戯れか自身や魔王軍へ貢献した事の見返り(つまり褒美)としてであり、彼自身が恵まれているが故の寛容さや余裕、悪く言えば施しや温情と言えるものに近く、力を持たない者ほど見返りを求めない事が信じられないのだろう。
それを特に表していたのがポップに対する対応。彼はバラン・アバン・ダイといった、自分が要注意人物と定めた相手には警戒を怠ることのなかった一方で、なんの経歴も能力もない「ただの人間」であるポップに対してはほぼノーマーク同然だったのだ。
キルバーンが早くからマークし「甘く見てはいけない」「ダイ以上に厄介」と直に進言され、自ら「もっとも厄介な男」と認めていたアバンが「私以上の切れ者」と評するなど、バーンもポップの危険性に気づく余地はいくらでもあった。
ところが、ポップについては「魔法使いとしての実力は見たが、自分には到底及ばないし、ダイやバラン、アバンのような脅威になり得る事もない雑魚」と言う段階で評価を打ち切り、彼の戦略を単なる捨て身の特攻としかみなさず「簡単な計算もできんのか?」と嘲笑したりと侮り続けた。
しかしポップは力の低さを創意工夫と駆け引きで補うというあらゆる能力に恵まれていたバーンが考えた事のない(=考える必要がなかった)発想をもとに策を企てて数々の激戦を乗り越えてきており、バーンの考える強さとは全く異なる強さを持っていた。
そもそもポップが自分を一撃で消滅させうる呪文を扱える時点でダイ達以上に警戒するべきなのである。(アバンについては「自分にもよく分からない力がある」として警戒していた)
ポップのことを「分かっている"つもり"」で彼を軽んじ続けたことは、後の真バーン形態時に自身が嘲ったポップの「捨て身の特攻」で自らの腕を切り落とされ、そして鬼眼王形態時に至るまで、自身に対して災いを呼ぶこととなる。
 
一度は配下になったロン・ベルクに対しても、彼の武器に対する思い入れを知っていながらそれを蔑ろにするような発言や待遇を行った結果、失望した彼は魔王軍を去った。その後、ロン・ベルクはダイたちの味方につき、最高クラスの剣士、刀匠を手放したばかりか自らに刃を向ける結果となっており、彼を手元に残しておけばダイがオリハルコンの武器を手に入れられなかった可能性は高いことを考えればその代償は余りにも大きかったといえる。
バーンのスタンスに不快感を露にして去った際にも報酬、地位という彼の不満とは全くズレたもので止めようとし、「魔族の人生は長いから気が変わるかもしれん」と一見寛大に見えるが要は相手が変わるべきといった発言をしており、相手が何故去ったのか、自分の行いに問題があったとは露ほども思っていないのが見て取れる。
他にも、光魔の杖に命を救われた事を認識しておきながら、全盛期の肉体に戻るや否や用済みと言わんばかりに踏み砕いたり、何千年にも渡って彼の恩義に報いようと自らの片腕として忠実に働いてきたミストバーンの死に関しても慈しみの素振りも見せなかったりと、所々で謝意の念が欠落している所もある。
あらゆる意味で強すぎる力を持ち、謝意など持たなくとも実力だけでついてくる相手が山ほどいるが故の驕りの表れとも言えようか。
この「強過ぎるが故の盲点」は、後の形態においても端々に現れている。一度はダイに倒された時、まだバーンが生きていることに気づかなかったダイは「強過ぎるのもそんなにいいことじゃない」と語り、彼の言う通りその盲点はバーンにとって時に大きな仇をなすこととなった。
 
なお、限りなく永遠に近い命を得るために肉体を2つに分けた際魔力と知性のみを残したこの形態を本体とした影響で、この形態が危険にさらされると命にかかわる。
そうなった場合、【ミスト】に預けていた「若さと力」を残した肉体と融合して、下記の本来の姿である「真・大魔王バーン」へと変貌する。

真・大魔王バーン Edit

【凍れる時間の秘法】で封印していた「若さと力」の体を取り戻した本来の姿。
ミストバーンの預かっていた肉体の声が難波圭一なので、アニメで登場していたらポップとのダブルロールだっただろう。
外見はミストに預けていた時と同じく、端正な顔立ちに銀(灰色)の長髪をたなびかせる壮年の男性魔族で、ミストに預けていた際の肉体には無かった額の鬼眼と側頭部の角が復活している代わりにミスト本体であった額の黒い部分がなくなっている。
衣装もローブ調から、両腕を大きく露出した格闘家風の動きやすいものとなった。
額の鬼眼には魔力が集約されており、ここから放つ光線は力量の足りない、あるいは消耗した者を【瞳】と称する小さな玉に封じ、戦いの場から排除してしまう。
 
武器は使用しないが、若返った肉体そのものが伝説の武器に匹敵し得る圧倒的パワーと強度を誇る。
掌が燃えるほどの速度によってあらゆる物理攻撃や呪文をはじき返す【フェニックスウィング】、伝説の武器並みの威力の手刀【カラミティエンド】を使えるようになり、段違いの火力を発するメラゾーマ【カイザーフェニックス】を扱う魔力と知力も失われていない。
この三つの攻撃・防御・魔法を同時に使用する絶対のカウンター技【天地魔闘の構え】はダイ一行を圧倒し、1回2動作で魔法を連射できた老バーンから、1回3動作が可能な真バーンという、非常にわかりやすい形での「強化」を読者に印象付けた。
 
肉体とともに精神面も変化していて、老バーンと比べると威厳よりも自信が全面に出ており、かつ饒舌になっている。
慢心して相手を見下したり嘲笑を表に出す言動も増え、ポップに対する軽んじた扱いは、この形態でのものが多い。直前には奥義の隙を突いたメドローアで命の危機を感じたはずなのだが…。
老バーン形態は「魔力と叡智」のみを残したと称しているが、真バーン形態では精神面にも「若さ」が戻ったぶん、慢心や傲慢を覆い隠す叡智や齢を重ねた落ち着きが失われたのかもしれない。
 
それでも戦略と奮闘の末に自身の左腕を切り落とし、再生まで阻止したダイとポップの絶望の涙に対し「泣くな、お前達は本当によく戦った…」と健闘を讃え、ロン・ベルクに対しても最後通告も兼ねつつ「もう一回部下になれば助けてやる」と持ちかけるなど、寛大な所もしっかり残っている。
 
また、この形態になれば他の生物と同じように「その身に与えられた寿命を消耗する」事になる。
次に凍れる時間の秘法を使える500年後の皆既日食まで、この肉体で歳をとらなければならないのだ。
魔族は個人個人の肉体的な差が激しく、バーン本来の寿命がどの程度なのかは明らかになっていない。「余は数千年にわたって力を蓄えた」という発言もあることから、バーンが一般的な魔族より長寿なのは明らかだが、それでも全盛期の肉体でいられる時間が減り、肉体を保存して永遠に近い生命を得るという理想が邪魔される事を重く見ているようだ。
 
魔力と全盛期の肉体が結び付いた力はまさに圧倒的だったが、『最後の手段』で竜魔人となったダイに押され、
「力こそ正義というなら、より強い力でブチのめされれば、お前は満足なのか!」と、自らの謳った理念を投げ返されてしまう。
バーンが心底から「力こそ正義」と信じ、その力において敗北したのなら、たとえ相手がどんなに忌むべき怨敵であろうと、相容れない考えの持ち主であろうと、自分の正義を取り下げ服従しなくてはならないのだ。
さもなくば、自分が相手より力で優っているのを前提に「自分こそ正義」を都合よく正当化していただけと言う事になってしまう。
これまで力で勝る者と対峙する機会そのものが極端に少なく、なまじ強すぎる力を持つが故のバーンの盲点が、竜魔人ダイという強者の存在によって暴かれたとも言えよう。
 
満身創痍にまで追い込まれたバーンは相手の力量を測り、冷静に考えていた。
仮に両方の腕が無事で、万全の天地魔闘の構えができる状態であっても、恐らく勝てないだろう、と。
「力こそ正義」を掲げたバーンにとって、敗北は命や正義、果ては全てを失うことを意味する。
だが、それでもダイに対して「力こそ正義」の信念を撤回することは無かった。
その信念に従ってバーンの出した答えは、強い者としての驕りを捨て、勝つために全てを捨ててなおダイを上回ること。
人を捨てたダイに勝つために、例えるなら魔王を捨てるとでもいうべき大きな決断を下し、下記の形態へと変貌する。

鬼眼王 Edit

竜魔人と化したダイに追い詰められたバーンが、自らの魔力の源である鬼眼の力を解放し、肉体に上乗せして魔獣化した最強の姿。
荒々しい岩山のような頭部と肩装甲をもち、胸に巨大な鬼眼が開く巨人で、額部分には元のバーンの上半身が埋まっている。
バーン自身も最強最後の手段と自認しているが、魔力の源である自身の肉体を変質させるためもはや解除の手だてはなく、一度なってしまえば二度と元の姿には戻れない。
 
元の姿に戻れないのに加え、バーンはもともと通常形態、真バーン形態からして圧倒的な強さであるため、この変身が必要なほど追い詰められる事は無かったし、今後もそんな強敵など現れるはずもないと考えていた。
なるつもりも無いし、なる事態が訪れる事も無いであろう鬼眼王となった自身の最強の姿を夢想し、想像だけでも形にしようと作らせたのが【鬼岩城】である。
 
ダイの強さの本質が「勝利の為に全てを捨てている」ことだと悟ったバーンは、自分も全てを捨てねば勝てないと覚悟を決め、戦いの最中にこの姿を開放する。
強大な呪文を操り体術の奥義をも極めた魔王の肉体を捨てて、二度と戻れない破壊魔獣の姿と化すのを選ぶのは、バーンにとっても追い詰められた事を認める屈辱ではあったが、なにより「敗北よりは良い!」と、竜魔人ダイとの最後の戦いに臨んだ。
 
強力無比な呪文や体術を駆使したこれまでとは異なり、この形態に技らしい技は無い。攻撃は原始的な殴る蹴るの打撃が中心となるが、巨体の質量を高速で振り回す威力は単純にして圧倒的で、鬼眼から魔力の波動、鬼眼砲を出すことも可能。
ドルオーラの直撃に耐えてダイを殴り返したり、弱点のはずの胸の鬼眼も硬質の瞼で覆い、【竜の騎士】に代々受け継がれてきたオリハルコン武器【真魔剛竜剣】を押し合いの末にへし折るなど、守備力も折り紙つき。

その力は間違いなく作中最強レベルなのだが、登場期間が短く「今のはメラゾーマではない」や「天地魔闘の構え」のような印象的な描写も技すらも無いせいか、インパクトや絶望感はこれまでのバーン戦より小さいという感想もあったようだ。
実力と威厳や印象が一致しなかった例ではあるが、ダイに勝つことだけを考え、叡智や魔法の力、編み出した技も威厳も全て捨てたという意味では、バーンの覚悟と執念ゆえのシンプルさであり、常に他者を見下ろす存在だったバーンが、初めて他者と同じ目線でぶつかり合う事を選んだ姿だとも言えるか。
戦いの一部始終を見守っていたヴェルザーも、かつての競争相手バーンに最終手段を選ばせた竜魔人ダイの力に「それほどの相手か…」と驚嘆しており、鬼眼開放がそれだけ重大な決断である事を印象付けている。
 
実際にその絶大な力でダイを追い詰めるが、頭部に埋まるバーン本体の胸に刺されていた【ダイの剣】をそのまま斬り下ろされ、魔力の源である鬼眼ごと、かつての鬼岩城よろしく真っ二つに切り裂かれ敗北。
鬼眼王の体は崩れ去って本体の上半身のみが石化して残り、自らが渇望した太陽を背にして宇宙空間へと消えていった。

魔力 Edit

格闘でも高い能力を発揮しつつ、作中最強の魔力の持ち主でもある。
小指の先ほどしかない【メラ】の火の粉を放ってポップの【メラゾーマ】を何発も突き破り、【今のはメラゾーマではない…メラだ…】と言い放つワンシーンを筆頭に、それを印象づける描写は数多い。
特に力を溜めるでもなく撃った【メラゾーマ】ですら、そのケタ違いの火勢から【カイザーフェニックス】と呼ばれる必殺技扱い。
一コマで表現される短時間で【イオラ】3.5発分を軽々と放ち、その威力は上位呪文の【イオナズン】級とまで言われた。
魔法反射の【マホカンタ】を使いこなし、完全回復の【ベホマ】は全身の大火傷を瞬く間に治癒している。
作中で使ったのはこの5種類とシンプルだが、特に攻撃呪文は他者の同じ呪文を大きく上回る効果を見せた。
 
また、通常形態で所持している【光魔の杖】は「無制限に魔力を吸い、吸っただけ攻撃力が上がる」という機能を持つが、バーンの莫大な魔力を吸わせた際にはオリハルコン製の武器を叩き折り、地形を変えるほどの威力を持つドルオーラに拮抗する防壁を発するなど、魔力の高さに物を言わせて段違いの性能を発揮させている。
 
戦闘以外でも【ゴーレム】型の城【鬼岩城】や浮遊城【バーンパレス】への魔力伝達、【黒の核晶】の操作など、魔力そのものを外部に放出、供給する能力も持っていて、これは頭部にある角がアンテナの役割を果たしているという。

魔力は額にある第三の目「鬼眼」に集約されていて、生物に直接干渉することもできる。
鬼眼から放つ光線は、レベルが低かったり消耗している者を【瞳】と呼ばれる宝玉状の物体に封印してしまう。大魔王と対峙するに相応しくない弱者を戦うまでもなく排除する能力であり、物量作戦で疲弊させるといった手段を無意味なものにする。
パーティー編成人数が数人レベルに限られ、大部隊を率いる事ができないゲーム本編に倣った能力とも言えるだろう。
 
また、【進化の秘法】のような効力も発揮していて、太鼓型のモンスター【ゴロア】を大柄な鬼のような姿に変化させていた。
最終決戦で巨大な魔獣と化した鬼眼王バーン形態も、鬼眼の魔力を開放したことによる肉体強化である。

余談 Edit

趣味としてチェスを嗜み、彼の所持していた【オリハルコン】製のチェスの駒から【ハドラー親衛騎団】が生み出されることになる。
この駒をハドラーに譲り渡す際「どうせ指す相手もいなくなって久しい」と発言していることから、彼には魔界に碁敵ならぬ “チェス敵” がいたのかもしれない。
或いはこのチェスセットの正体と本来の役割から、指す相手=自分の城への侵入者の事で長らく出番がなかった、という一つの伏線が含まれていたのかもしれない。
 
彼の強大な力の象徴として、本拠地であるバーンパレスが不死鳥の形を模した物になっていたり、ダイが放ったアバンストラッシュで黒焦げになった際、【ベホマ】で不死鳥が灰の中より蘇るがごとく復活したり、技名や技自体の形態にフェニックスが織り込まれたものが多いなど、不死鳥フェニックスの名を関したものや表現、描写が作品の随所にちりばまれている。
作中ではヒュンケルがこれらの要素から、ミストバーンの正体について確信を得る場面もある。
 
人間と同じ肌色(コミックスの背表紙ではやや色黒の肌に銀髪の姿に描かれている)と血の色をしており、心臓を三つと鬼眼、それに自らの魔力の発信塔となる2つの角を持つという、寒色系の肌、蒼い血が一般的な魔族にしては珍しい体質をしている。
角は自らの居城であるバーンパレスを浮遊、維持させるのに重要な役割を果たすが、片方でも折られるとその機能を失ってしまう。また傷付いたダイの仲間たちを『瞳』に封じる能力も解除された。
この立派な角は彼のトレードマークにもなっており、その存在は物語序盤からカーテンに透けて見えるシルエットからもうかがえる。
また、鬼岩城の顔、玉座の間の壁飾り、【暴魔のメダル】に描かれた絵などにも反映されている。
 
顔を見せたのは超魔生物となって大パワーアップを遂げたハドラーに対する評価の証としてであり、その際にはキルバーンとミストバーンにしか見せた事の無い素顔だとも言っていた、のだが物語終盤のロン・ベルクの回想では90年前には彼どころか給仕役の女性魔族達にも普通に見せていたりする。
また、ハドラーに見せた際に同時に天井に居合わせた【あくまのめだま】やそれを介して見ていた【ザボエラ】にも素顔を公開しているが、特に気にした様子はなかった。ふらりと眼前に現れた正体不明のキルバーンにも何一つ追求していない。
明確な描写はないが、【マキシマム】やゴロアにもまず間違いなく見せているはず、と彼の素顔にそれほどレア度は感じられない。
後付け設定その他の事情の為とはいえ、相対的に魔軍司令殿の扱いがえらくショボく見えてしまう……。
ただ実際、彼が大魔王から離反するに至るまでの経緯を思えばその通りなのだが。
 
余談だけに…というわけではないが、彼の一人称は「余」。威厳溢れる魔族の王たる彼に相応しい一人称である。
真・大魔王バーンでも一人称は基本的に変わっていないが、一度だけ「私」と称したこともある。
ちなみにミストバーンやバランは「私」、キルバーンは「ボク」、ハドラーは「オレ」であり、性格の違いのようなものが見て取れる。
 
また、原作者の三条陸がダイ大を手がける前にシナリオを執筆したRPG「邪聖剣ネクロマンサー」に「バーンの杖」という重要アイテムが登場しているが、続編の2(nightmare reborn)で「海神の力が宿る杖」となっており、単なる同名でダイ大との関係はないとされている。

ゲーム作品への出演 Edit

外伝の漫画作品のキャラクターという事もあってか長らくゲーム本編には参戦しなかったが、2016年10月頃からDQのゲーム作品とダイ大コラボにより、
後述のDQMJ3Pの他、星のドラゴンクエストやスーパーライト、モンパレのダイ大コラボイベントにモンスターとして登場。
老バーンはすべての作品で登場しているが、その後の形態である真・大魔王バーンは星ドラとスーパーライトに、
鬼眼王バーンはDQMJ3Pと星ドラと分担して登場。彼が使用する装備品や特技も一緒に登場している。
 
その他、天地魔闘の構えが【天地のかまえ】としてDQ9で輸入されている。

DQMJ3P Edit

コラボイベントにおいて、老人の姿の「大魔王バーン」と最終形態である「鬼眼王バーン」が参戦した。
ここでは「大魔王バーン」についてのみ解説している。「鬼眼王バーン」についてはこちらを参照。
 
イベントバトルに勝利すると【アロマ2号】から報酬としてもらえる【コラボバトルチケット】を使用すると3回目の対戦相手として登場。
初登場時のセリフでは、「ここでは自分の方が来訪者なのでそちらが負けても命までは取らない」と寛大さが垣間見えるものの、「全力でかかってこなければこの世界をいただく」とも言い、【ブレイクワールド】を奪う気満々だったりもする。
原作の行動目的から見るに、やはり魔界の魔物が太陽の光が差す中、平気で地上をウロウロしているのが気に入っているのだろうか。
2周目以降の前口上では「こうも何度も来るとは簡単に勝てる相手だと思っているのか」「お前は余の恐ろしさを知らぬ」と少々の憤り(?)を見せるが、勝利後には「余の世界であれば部下にしたいくらいだ」と改めてこちらの実力を評価してくれる。
部下のスカウトには余念がないようだ。
 
ここでの戦闘では【メラガイアー】【イオマータ】【アビスハンド】【神の裁き】【カラミティウォール】を使用してくる。
部下2人と異なり全ての状態異常が効かないので正攻法で攻めるしかない。一方、カラミティウォール以外は全て属性攻撃なので、属性耐性を埋めていれば部下2人よりあっさり突破しやすかったりする。
因みに【キルバーン】はハック耐性が軽減なのに対し、こちらは普通である。しかし、今作では表記上の耐性に関わらずボスにはハック系が効かない仕様になっているのであまり意味はない。
 
勝利すると【大魔王マデュラージャ】よろしく「自らの分身」が仲間に加わる。 
闘技場での戦闘ではあるが、命令は出せるので積極的に活用していきたい。
また、この次の日以降のコラボバトルは【キルバーン】にもどり、3日後には再び仲間にすることができる。
 
なお、コインでは交換することはできないので、仲間にするには3日に一度の彼とのイベントバトルに勝利し分身を貰う方法のみとなる。
これは鬼眼王形態やミストバーン、キルバーンにも言えることである。
 
???系のSSランクで固定特性は【ときどきインテ】。他は【メガボディ】【火ブレイク】【AI2回行動】
+25で【いてつくはどう(特性)】、+50で【聖賢】、+100で【秘めたるチカラ】、ギガボディ化で【つねにマホカンタ】、超ギガ化で【やみのはどう(特性)】が解放される。
メラブレイクを持ってるのは作中でメラ系の魔法を主に使っていたという点から、素でAI2回行動なのは上記の設定の再現からであろう。マホカンタは恐らくポップのメドローアを反射した点の再現か?
合体特技は【雷雲招来】、合体特性は【超いてつくはどう】
所持スキルは固有の【大魔王バーン(スキル)】
 
原作で【カイザーフェニックス】「メラゾーマクラスの威力のメラ」を放ったためかステータスはMPと賢さが最高値に設定されている。自力習得特性もときどきインテに聖賢に秘めたるチカラと、呪文アタッカー向けの特性が揃っている。
また、状態異常耐性にも優れており、ノーマルボディに縮めた場合でも【全ガード+】1つつけただけで異常耐性はすべて無効まで持って行けてしまう。
一方で属性攻撃耐性は弱点こそ無いが全部普通で軽減すらないとからっきし。炎耐性すらない。
 
なお、同じくMPと賢さが最高値に設定されており、同じく大魔王と名乗っている【ゾーマ】と比較すると守備力・素早さで劣る代わりにHP・攻撃力に優れる。
 
ライド攻撃や全体物理技及び雷雲招来をする際は、光魔の杖を用いる。