【天地魔闘の構え】

Last-modified: 2021-01-26 (火) 09:10:34

概要

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するオリジナル技の一つ。
真・大魔王【バーン】が誇る最強最大の必殺技。真の強敵と認識した相手にのみ使用し、その悉くを葬ってきたという。
実在する空手の構えの一つである「天地上下の構え」とほぼ同じポーズで立ち、左手を高く「天」に掲げ、右手を低く「地」に構え、不動の状態で相手の攻撃を待つもので、この状態で敢えて相手の攻撃を受け、絶対の防御と確実な反撃によって仕留めるカウンター技である。
 
天は攻撃、地は防御、そして魔は魔法を放つことを表す。
攻撃して来た相手に向かい、天より凶悪な手刀【カラミティエンド】による「攻撃」を、
地よりギガストラッシュ【メドローア】をも弾く【フェニックスウィング】の「防御」を繰り出し、
そして桁外れの魔力で強化された【メラゾーマ】である【カイザーフェニックス】の「魔法」をも撃ち込む。
1つだけでも必殺と言って良い程の大技でありながら、天、地、魔、三つの動作は一瞬のうちに行われ、個別に捌いて防ぐという対策を取らせない。
劇中の描写では例外なく、天から振り下ろす手刀のカラミティエンドを高く掲げた左手で、地から振り上げるフェニックスウィングを低く構えた右手で繰り出しているため、技を繰り出した直後は構えの形が左右逆になる。
 
打ち込まれて来る相手の奥義をフェニックスウィングないしカラミティエンドで相殺し、全力の大技を防がれて無防備になった所に残る2動作を直撃させることで、確実に相手の息の根を止めるのが天地魔闘の構えの真骨頂。
力量を認めた相手にのみ使う奥義が迎撃に特化したカウンター技という、これまで圧倒的な攻め手で相手を蹂躙してきた大魔王としては異色の一手ではあるが、「一つの必殺技に全力を賭けて真っ向から突破する」というバトル漫画の王道とも言える戦法に対し、必殺級の力を三つも操る反撃で完膚無きまでに叩き潰すという点では、力こそを至高とするバーンらしい回答でもある。
 
動作だけ見れば手刀での攻撃に、掌打での防御、他のキャラクターも使う普通の火炎呪文の組み合わせに過ぎず、構え方も簡単に真似できるシンプルなもの。
主人公側のダイが特殊な出自に由来する専用技を、ポップが頭脳戦と開発者直伝のオリジナル呪文を決定打として来たのとは対象的な「単純で平凡な攻撃手段を、凄まじいパワーで別次元の技に変える」ものであり、地上屈指の戦士たちが束でかかっても全く突破できず返り討ちにされたインパクトから、連載終了して長期間が経つ現在でも作品ファンの語りぐさになっている。
 
作者曰く「3つの攻撃を一度に行う」この技は、DQのラスボスにつきものの【複数回行動】を漫画で表現出来ないか?と試行錯誤して生まれたもの。
原作者からは「RPGにおいて痛恨の一撃を連発してくるボス」を漫画で体現すべく天地魔闘の構えを考案したとも言われている。
ゲームシリーズへのリスペクトが数多く見られる「ダイ大」の中でも、ゲームのシステムを必殺技まで昇華させた屈指のアイデアで、明言こそされていないものの、「真バーン状態でしか使えない」設定は「形態が変わると使用技が変わり、猛攻の手数が増える」というラスボスの性質のようでもある。 
ダイ大より後発の作品では、DQ6、7のラスボスや隠しボスで、特定のタイミングのみ三回行動を行う姿が見られる。
カウンターで待ち受ける時のみ三回行動を行う天地魔闘の構えと通じる所があるかも知れない。
 
DQ9以降の本編作品には、この奥義をモデルにしたと思われる【天地のかまえ】という特技が登場している。
スマホゲームなど、大魔王バーンがゲスト登場した作品のいくつかでもこの技を使ってくる。
スーパーライトには「真・天地魔闘の構え」なるものも登場する他、「天魔の構え」という全く同じ効果で名前だけ違うものも登場する。

ダイの大冒険

初登場は単行本34巻。それまで見せていた老人姿の通常形態でダイ一行に追い込まれ、真の姿を現した大魔王バーンが披露。これも含めて4回使用している。

1度目

体力全快の【ダイ】のギガストラッシュをほぼ完全に無効化し、攻撃に竜闘気を使い切って無防備になったところへカラミティエンドとカイザーフェニックスを撃ち込んだ。
この時点でのダイ最高の技を完封して見せ、バーンは「ダイ一人では絶対に打ち破れない最大最強の奥義」と豪語した。

2度目

最初に素早い【ラーハルト】【ハーケンディストール】をフェニックウイングで相殺しつつダメージを与え、次に【アバン】【アバンストラッシュ】(ブレイクタイプ)をカイザーフェニックスで撃墜して戦闘不能に追い込む。
最後に【ヒム】【オーラナックル】をカラミティエンドで左手先から切断して三人同時攻撃を返り討ちにした。
戦局の上ではダイを回復する為の僅かな時間を稼いだだけだったが、ダウンした三人にトドメの追撃を仕掛けてこなかったことから、この時点でポップはこれは余裕ではなく仕様なのではないかと奥義の性質について分析を開始している。

3度目

ポップの策によりラーハルトとヒムが盾替わりとなって向かってきたところを迎撃し、カラミティエンドとカイザーフェニックスで【鎧の魔槍】とヒムの右腕を破砕して二人を戦闘不能にする。
技が終わった直後に撃ち込まれたポップのメドローアも奥義とは別のフェニックスウイングで別方向へ反らしたのだが、寸前まで行動できなかった上、正確に相手に向けて弾き返すことも出来なかった事で、構えに「一瞬の硬直」があることが露呈する。
しかし、見抜かれた所でポップ以外の戦える仲間はすべて倒れ、ダイが回復を終えても二人では最早打つ手なし。勝利は我が物というバーンの自信と余裕は揺らがなかった。

4度目

そんなバーンの自信と好奇心をくすぐって、ポップは「弱点を見破ったのでもう使わない方が良い」と挑発。ならば弱点とやらを突いて見せろと誘いに乗ったバーンに対し、ポップはダイを後ろに控えさせ、片手に【イオ系】呪文、もう片手に【ブラックロッド】の魔力刃という変則二刀流での攻撃を仕掛けた。
 
三人がかりでも突破できなかった天地魔闘の構えに対し二つの攻撃で向かって来るポップを、バーンは「一手のメドローアよりマシだが明らかに手が足りていない」と呆れながらも、他の技で潰したりはせず、宣言通り天地魔闘で迎え撃った。
ブラックロッドはカラミティエンドで破壊され、イオ系呪文はフェニックスウイングで跳ね返されるとともにカイザーフェニックスが放たれ、ポップは二つの呪文をまともに食らう。
ダイのための壁にもなれず焼き尽くされるかと思われたポップだったが、衣服の下に隠し玉の【シャハルの鏡】を仕込んでおり、フェニックスウイングに弾き戻されたイオ系呪文に加えカイザーフェニックスまでをも反射、技後の硬直状態だったバーンに直撃させてダメージを与える。
さらに追い打ちでダイの【アバンストラッシュX】がバーンの左腕を切断し、動揺した隙に左胸に【ダイの剣】を突き刺され、三つある心臓の一つが潰される。
心臓を一つ失ったことで身体能力は低下し左腕の再生も叶わず、両手が必要な天地魔闘の構えは使用不能に追い込まれた。

技の特徴

3つの大技を同時に繰り出すのはバーンといえども肉体への負担が大きく、老バーンの状態では同時に2つの動作を繰り出すのが限界で、若い肉体を取り戻した真・大魔王バーンの状態でなければ使用出来ない。
 
その真の姿になってなお、ポップが見抜いたように繰り出した直後は一瞬だが体が硬直するという弱点が存在している。
これは確実な迎撃を狙って強大な力を技に込めるのが原因だが、バーンが余りに強すぎて大抵の相手は奥義を出すまでもなく倒せる上、この技を受けて生還した者はいない、つまり分析し対策を練ってきた相手も未だかつて存在しなかったので、バーン自身もこの弱点に気付くことは出来なかった。
 
また、あくまで返しの技であるが故に、構えをとっている限りバーンからは一切攻めて行けない。
これについては自発的に構えを解くことで簡単に解決するのだが、ポップの「弱点は見破ったから天地魔闘の構えなんかやめて普通に攻めてきたほうがいいぜ」という挑発に誘導され、打ち破れると言うならやってみせろというプライドと好奇心から、攻めに転じて押し切ったり他の技でポップを迎撃するという選択肢を自ら放棄している。
その結果、前述のように左腕と心臓を潰され、剣を避雷針に仕立てた【ライデイン】の連打でかなりのダメージを負い、さらに最終局面まで突き刺さったままだったダイの剣が最後の一撃の起点になるという、好奇心と慢心が文字通りの命取りとなった。
 
一度に導入できる奥義の数は3つであることから、4人以上で同時に攻撃すれば突破可能ではないのか?という疑問もある。
しかし、地上最強クラスのヒムやラーハルトが命を捨てる覚悟で突撃して尚、捨て駒や弾避け程度にしかならないのだから、天地魔闘に立ち向かえるような強者を4人以上用意する事がまず不可能に近い。
仮に【瞳】に封じられないレベルの者が大人数で仕掛けようにも、相手がバーン1人であるため連携して殺到するのが難しい。
ポップも真っ向からでは10人同時に仕掛けても破ることは出来ない性質の技だと分析していて、ダイを後方に控えさせ自分が単騎で三つの技をすべて受ける策を使用している。
魔法等の飛び道具を時間差集中砲火するにしてもバーンには反射技や広範囲を吹き飛ばすカラミティウォールがあり、攻撃を他の敵に反らす技量もあるため通用しないという見立てだと思われる。
 
バーン自身の予想では、すべてを捨てる覚悟で竜魔人化した状態のダイの力ならば、万全の状態での天地魔闘の構えであっても破るだろうと分析している。
これが「奥義の守りを力ずくで叩き潰してくる」のか「奥義の反撃に耐えた上でさらに追撃を仕掛けてくる」破り方なのかは不明。
いずれにせよ単独の力押しで破るにはそれだけ桁外れの力が必要ということであるが、見方を変えるとこの構えの強さはバーンの凶悪なまでの力量に裏打ちされたものであり、それ以上に強すぎる敵に対抗できるような無敵の技ではないということでもある。
 
ちなみにバーンが「天地魔闘の構えをとらずともカラミティウォールやカイザーフェニックスを放てるように~」と言っていることから、ダイ大ファンから「カラミティウォールを組み込んだパターンの天地魔闘の構え」も存在するのではという推理も出ている。
この辺りはファンの間でも諸説あり、『劇中披露した組み合わせ限定』との説から、『片腕の技×2と魔力技であるなら組み合わせ不問』(例えば、『カラミティウォール・フェニックスウィング・マヒャド』と言った組み合わせ)と言った説まで、論は分かれている。劇中描写を見る限り、「不可能ではないが、劇中で見せる機会・意味がなかった」くらいが落とし所だろうか。

星ドラ

真・大魔王バーンを瀕死に追い込むと使用。4コンボを決めないと原作通りの3つの技による反撃を喰らってしまう。

余談

印象の強さからか半ばネットミーム化しており、DQ以外の作品で似たようなポーズや技が出た際にも「天地魔闘の構え」と呼ばれることがある。
天地魔闘の構えを画像検索するとドラクエと無関係な作品の画像が出るのはだいたいこのせいである。
 
ただし、上述の通り現実の空手には「天地上下の構え」が実在している。
特に格闘漫画などで天地上下の構えが登場した時、安易に「天地魔闘の構え」呼ばわりすると失笑を買うだけなので気をつけよう。