設定/【オキューリア族】

Last-modified: 2022-05-16 (月) 15:07:31
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FF12

絶対的な力でイヴァリースを統治する不滅の種族。
オキューリア族の王の名前はゲルン
語源はラテン語のocculereかも。

往年の活動

年代出来事
数千年~数万年前・魔石(=クリスタル)を創る。
審判の霊樹エクスデスを創る。
 世界を監視する役割を与える。
・輪廻王カオスを創る。
 クリスタルを司る役割を与える。

・寒さに打ち震えていた人間に、火と知恵を授ける。
・知恵を得た人間がイヴァリースを乱すようになり、その度に罰を下す。

異形の者達を創り、人間以上の知恵と力を与える。
 イヴァリースを統治するため各異形者に役割を与える。
聖天使アルテマが堕天使アルテマと接触し、オキューリアへの反逆を企てる。
・異形者の多くが、下界の統治中に魂を侵される。
・オキューリアと異形者との戦争(千年神戦争)。

ギルヴェガンに籠る。
前バレンディア暦元年より数年前・イヴァリースに戦乱が起こる。

ガリフ契約の剣を授けるが、ガリフたちは破魔石を扱えなかった。
・レイスウォールに契約の剣を授ける。
前バレンディア暦元年・レイスウォールがイヴァリースを統一し、善政を敷く。
-・700年間大きな戦乱が起こらず*1破魔石が古い文献上だけに記録される伝説の存在になる。
前バレンディア歴700年・オキューリア族のヴェーネスが、ギルヴェガンを訪れたシドに破魔石の秘密を教える。
前バレンディア歴704年・覇王の遺産が伝説の破魔石と教えられたシドは、ナブラディアとダルマスカの2国を侵略。
(2国には覇王の遺産「夜光の砕片」「黄昏の破片」が伝わっていた。)

人間に知恵を与えた後の成り行き

ゲーム中の解説文

ゲーム中の解説文

神は知恵を持たずに寒さに打ち震えていた人を哀れみ、火をくべた。
神は暖と知恵を人に授けた。
みるみるうちに人は知恵を付け、多くのものを生み出していった。
しかし戦乱により、火が戦争の道具として使われているのをみた神は嘆き悲しみ、世界を燃やし尽くした。
この力が精霊サラマンドを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊サラマンド 解説」より

ある民話では神が怒り雷を落とすと後には嘆きの雨が降るといわれており、農民たちは神を怒らせ雨を降らそうと忌みしき煙を天に昇らせた。
しかし、この行為が天神の凄まじい怒りを買い、大地には怒りの雷のみが落とされた。
これらの雷が精霊マルトを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊マルト 解説」より

神は人同士で起こった初めての争いを止めさせるべく、争う者たちの時を氷漬けにすることで止めた。
しかし別の大地でも次々と争いはおこりつづけ、いつしかすべての大地で争いが始まっていた。
嘆き悲しんだ神は大地に吹雪を降らしつづけ、吹雪が止むと神は姿を消していた。
この力が精霊レーシーを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊レーシー 解説」より

神は大地に楽園を創り見守りつづけていた。
しかし人は楽園だけでは満足できずに外の大地を開拓していった。
いつしか人は楽園を忘れ、大地をとりあう醜い争いを始めた。
神は怒り悲しみ、地割れを起こして人を奈落の底へと落とした。
この力が精霊ノーマを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊ノーマ 解説」より

神は汚れを落とし清めるための水を人に与え、大地を洗い落とし清めるために雨を降らせた。
清められた大地は草花の成長を促し人の生活は潤いに満ちた。
しかし人は神にすべての浄化を願う傍らあらゆるものを汚しつづけた。
神は、すべての人と大地を水の底に沈めて清めた。
この力が精霊ウンディーヌを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊ウンディーヌ 解説」より

神は弱い人の助けとして風を吹かせさまざまな情報を運ばせた。
風は草木の種を運び、遠くにいる獣の気配を悟らせ、友の声を届かせて人を助けた。
しかし人は草木を切り獣を絶滅させ、悲鳴だけがあがりつづけた。
悲しんだ神の慟哭は竜巻となりすべてを吹き飛ばした。
この力が精霊シルフスを誕生させたといわれている。
→ハントカタログ「精霊シルフス 解説」より

神は人が暗闇に包まれぬように空に浮かび、自ら光となって大地を照らしつづけた。
光は寒さを打ち消し、恐怖を薄れさせ邪悪なるものを浄化した。
しかし人はその光を自らの手に収め神へ至ろうとした。
神は大地を照らすのを止め、人を聖なる力で裁くため精霊デクアルブを創造した。
それ以降、人は光を手に入れる代わりに神の加護を失った。
→ハントカタログ「精霊デクアルブ 解説」より

神は人が安らかに眠れるように闇をあたえ、彼らを優しく包み込んだ。
闇は時に死を思いおこし生を実感させ、大地に深い色合いをあたえた。
しかし人は陰に隠れて悪事を働くようになり、闇の底から悪魔を呼び寄せて神を蔑んだ。
神は、闇が人にとって脅威となるように精霊リョスアルブを創造した。
こうして人は恐怖という闇に引きずり込まれていった。
→ハントカタログ「精霊リョスアルブ 解説」より

異形者に関するいきさつ

召喚獣と獣印の解説文

古の昔に神が創りあげたという異形の者たち。
彼らは人間を超える強大な知恵と力を与えられたが、自らを過信した末神に戦いを挑む。
神は彼らを打ち倒し、魂と肉体を獣印へと封じ自由を奪った。
以後彼らは獣印によって魂が召喚された時のみ、召喚者のしもべとして生きるという定めを受ける。
→ハントカタログ「召喚獣」より

「獣印」という封印はFFTベイグラントストーリーにも関わっている可能性がある。

  • ベイグラントストーリーに登場する「血塗れの罪」とFFTの双魚宮のマークが非常に似ている、など。
    FFTでは、ルカヴィ達は相応の肉体なしには自由に現世を行き来できなかった。
    しかしFF12とは違い「契約者の体を乗っ取っている」。
    ベイグラントストーリーではを望んだギルデンスターンは魔に魂を喰われて転生しており、これが乗っ取りと関係があるのかも知れない。
    イズルードやアシュレイは「魔を望む」ようなことはせず、転生もしていない。
    しかし魔を望んでいるようには見えないアルマが転生しているので、確かなことは分からない。
    • アジョラの力なのか聖石の善の側の力かは判らないが、アルテマに転生する前にアジョラとアルマは分離してるので、アルマは転生していない。…ザルバッグ兄さんは無理矢理ゾンビにされてしまっていたが。

 

魔人ベリアス

神に創られた闇の異形者にして聖域の番人。
光の異形者である超越者アログリフとは対なる存在。
人とモンスターとが融合しているように見えるため魔人と呼ばれるようになった。
数ある異形者の中でも失敗作と位置付けられ、本来の役割をあたえられることはなかった。
魔人は怒り神々に戦いを挑んだが敗れてしまう。
その後覇王と契約を結び、王墓の守護者となった。
→ハントカタログ「魔人ベリアス 白羊の座」より

背徳の皇帝マティウス

下界に暮らす人を守り統治する闇の異形者。
光の異形者である深淵の司祭ラハブレアとは対なる存在。
統治の中、欲に溺れ闇に心を奪われた彼は悪神へと姿を変える。
そして氷の世界を司る女神を拘束し、生きる盾とする背徳的な行為をもって神に戦いを挑んだ。
しかし神の絶大なる力の前に敗れた彼は、断末魔と共に地獄の海深くに封じられた。
→ハントカタログ「背徳の皇帝マティウス 双魚の座」より

密告者シュミハザ

異界を漂うすべての霊魂を意のままに操り解き放つ人馬一体の異形者。
光の異形者である殉教者イゲオルムとは対なる存在。
神を護衛する役目を担っていたが、聖天使アルテマが反逆を企てた際には、神のあらゆる弱点を告げる密告者としての役割に転じた。
その後、神の許しを得ることなく地に降りたシュミハザは、人々に破壊と邪淫の教えを説いたため神により打ち倒され封印される。
→ハントカタログ「密告者シュミハザ 人馬の座」より

統制者ハシュマリム

現世の法則を自在に操り、聖なる力により人々を導くため統制者として神々に仕えた異形者。
光の異形者である守護者ファダニエルとは対なる存在。
万物を支配する絶対的な力を求めるがゆえ、聖天使アルテマと共に創造主である神々に反旗を翻した。
千年神争では主と仰ぐ聖天使のため自らの肉体を捧げ、力尽きると灼熱の獄炎の中へと堕とされたという。
→ハントカタログ「統制者ハシュマリム 獅子の座」より

暗黒の雲ファムフリート

光の異形者、聖王妃エメロロアルスとは対なる存在であるファムフリートは、そのおぞましい暗雲の姿から彼を創造した神々からも脅威の対象となった。
そのため後の神々との戦いに破れると、強固な鎧に閉じ込められ封印された。
巨大な水瓶から流される、暗雲の雨水は、災害を呼び混沌を招くものとして人々に畏れ敬われている。
鎧の内側には一寸の光も届くことはなく、深い暗闇にくるまれていることから暗黒の雲と呼ばれる。
→ハントカタログ「暗黒の雲ファムフリート 宝瓶の座」より

憤怒の霊帝アドラメレク

憤怒の一撃をもって、すべてを無に還す異形の帝王。
光の異形者である慈愛の教皇デュダルフォンとは対なる存在。
神々により異界で暴れる魔物を統治するために創られたが、その強大な力と邪悪な風貌が仇となり魔物たちの心を惹きつける存在となった。
その後、神に背き異界の頂点に君臨したアドラメレクは憤怒の霊帝と呼ばれ、魔物たちと共に神々に戦いを挑み打ち滅ぼされた。
→ハントカタログ「憤怒の霊帝アドラメレク 磨羯の座」より

死の天使ザルエラ

世界を暗黒の力でおおい尽くし、生けるものすべての魂を奪い去る異端の異形者。
光の異形者、真理の天使エメトセルクとは対なる存在。
元は人の死後を審判する判事として神に創られたが、天を呪う者たちに魂を侵されてしまい、神に仕える巫女を人質にとり反旗を翻した。
神に敗れ封印された現在でも、その右腕には巫女の体が抱き抱えられており、彼女の断末魔と共に暗黒の魂を呼び起こす。
→ハントカタログ「死の天使ザルエラ 双子の座」より

不浄王キュクレイン

この世を浄化するために創られた異形者で、はびこる汚れを飲み込む不浄なる者。
光の異形者である尊厳王ナプリアレスとは対なる存在。
しかし世界は神々の想像を遥かに超える不浄物で満たされていた。
それらを飲み込んだ彼は醜悪極まりない不浄王へとなりさがり神々に背いた。
彼が足を下ろせば、いかなる地も不浄な地へと変わり果てる。
→ハントカタログ「不浄王キュクレイン 天蠍の座」より

断罪の暴君ゼロムス

誰よりも法を遵守し、罪人を断罪してきた聖なる法の番人たる異形者。
光の異形者である騎士聖斗パシュタロットとは対なる存在。
法を破るものに対する深い憎しみを暗黒物質へと変化させ、罪人を闇の奥底へと堕とし断罪する。
その思いは、いつしか法の遵守よりも断罪そのものを重視するようになり、憎しみに染まった彼は神々に反旗を翻した。
厳粛であるべき法の番人が憎しみの闇へと落ちたことが断罪の暴君と呼ばれる由来となった。
→ハントカタログ「断罪の暴君ゼロムス 巨蟹の座」より

審判の霊樹エクスデス

最古に創られた異形者。
光の異形者である仲裁者ハルマルトとは対なる存在。
世界を監視する役割を担い、万事を判定する権限も持っていた。
無の存在として世界を監視し続けた結果、執着心が皆無となった。
達観した彼は、すべてを無に還そうとするも神々との戦いに敗れ、封印されてしまった。
→ハントカタログ「審判の霊樹エクスデス 天秤の座」より

輪廻王カオス

創造の時代、神により創られた神聖なるクリスタルを司る守護神。
光の異形者である懲悪の神官ミトロンとは対なる存在。
人の世になりし後、世の中にはびこる混沌の渦に巻き込まれた彼は、迷いの世界で幾度となく転生をくり返し、ついには輪廻王として神々に背く悪神となってしまう。
混沌を映し出す台座ウネに静座し無念無想の境地に達することにより、秩序あるすべての条理や精神を一瞬にして消し去る。
→ハントカタログ「輪廻王カオス 金牛の座」より

聖天使アルテマ

神が創りあげた異形者の最高傑作にして、神への反逆を企てた首謀者。
反旗を翻すまで、天へ魂を運び転生の手助けをする役割を担っていた。
黄金に輝く神聖な翼を持つ姿は聖天使と称えられた。
しかし黒き翼を持つ堕天使アルテマと接触したことが後の反逆に繋がる。
堕ちてから以後、表情を失った彼女の心の内は伺い知れない。
→ハントカタログ「聖天使アルテマ 処女の座」より

戒律王ゾディアーク

神々が創造した異形者の中でも最も強力な存在であるがゆえに、成長を止められた赤子の天使王。
圧倒的な力で、あらゆるものをねじ伏せ消滅させる。
森羅万象の法則を創造することが可能で、すべての事象や生物に対して神の代わりに罰を与えることができる。
そのため戒律王と呼ばれ、逆らう者はない。
→ハントカタログ「戒律王ゾディアーク 蛇遣の座」より

現在の活動

ひたすらギルヴェガンに籠りイヴァリースを見守っている。
ヴェーネスシド破魔石の秘密を教えてしまい、帝国がイヴァリース中に戦火をまき散らしたため、ヴェーネスと帝国を止めるためにアーシェ契約の剣を授けた。
アーシェは大灯台の試練を乗り越えるものの破魔石を手に入れず天陽の繭を砕く。
しかし最終的にはヴェーネスが討伐されて帝国を主導していたヴェインとシドも死に、後継のラーサーが善政を敷いてイヴァリースが平穏になったため、それ以上手を下すことはなかった。

  • 破魔石を手にしてからのアーシェの前にはラスラの幻影が度々登場するが、これはアーシェの復讐心を煽って帝国を確実に滅亡させるために彼らが見せているものである。

オキューリアの目的が明かされていない現状では、人間に介入した本当の理由も不明。
ただヴェーネスとシドの接触がきっかけだったことは間違いない。
(それまではギルヴェガンに引きこもり、人間はその存在すら誰も知らなかった。)

  • FF12での介入は明らかに異端者とそれがもたらしたものを消す事で、人間の歴史へ干渉する力を保ちたいという目的がある。
    ただ、こうして粛清まで行って人間を監視している目的ははっきりとしない。
    • 後述の神話を見ると、人間にはイヴァリースの「肉体」が朽ちるまでは存在し続けて欲しいのかも。
      ただ存在しさえすればいいから、滅亡は防ぎたいが予想外の力を持つ事も防ぎたい。

今後の活動

天陽の繭が砕け散ってもギルヴェガンには大きな破魔石が無傷で残っており、オキューリア自身も絶対的な力を持っているため、今後のイヴァリースに関わっている可能性が非常に高い。
 
アジョラの転生直後にミュロンドを襲った天変地異*2伝説の大崩壊大洪水などは、破壊の規模が異常なほど大きいことからオキューリアが関わっている可能性がある。
過去にオキューリアが大規模な天変地異を起こした時は、必ずイヴァリースが大荒れの状態だったので、もしこれらがオキューリアの仕業とするなら、その直前には非常に重大で歴史的な事件が発生していた可能性が高い。
しかし破壊の規模が大きすぎるせいか記録が後世にほとんど残っておらず、詳細は続編を待つしかないだろう。

ドラゴンの創造と力の封印

ゲーム中の解説文
風化した碑文に記された記録 

──陽が昇る場──ら沈む場所まですべて──配していた──は、自らが創りあげた者たちを──く管理するために──の力──印した。
竜の首にかかっている円月輪は、──が封──ために用意した──。
神─は自らの力が強大であ──故に非力な存在を創り──るこ──できなかっ──である。
→ハントカタログ「風化した碑文」より

 

白き陽が昇る場所から沈む場所まですべてを支配していた神々は、自らが創りあげた者たちを等しく管理するために、竜の力を封印した。
竜の首にかかっている円月輪は、神々が封印のために用意した物だ。
神々は自らの力が強大であるが故に非力な存在を創りあげることができなかったのである。
→ハントカタログ「風化した碑文」を、アルティマニアΩが独自で補完した文

神とドラゴンの力くらべの童話 

古の昔。神より強い力をもって生まれたドラゴンは、いつしか自分は神よりも偉いと思うようになった。
ある日、ドラゴンは神に言った。
「オレ様は神よりも強い。」
神は微笑んでこう返した。
「わかりました。では、どちらが優れているか比べてみましょう。」
今まさに神とドラゴンの勝負が始まろうとしていた。
 
ドラゴンと神は3回の勝負で強さを比べることになった。
「あそこに見える大きな山を、あなたはここまで運んでくることができますか?」
神は尋ねた。
「それくらい簡単なことだ。」
ドラゴンは言葉の通り、あっという間に山を運んできた。
「さあ、次はオマエの番だ。」
ドラゴンに神が答えた。
「いえ、私はそこまで力が強くありません。あなたの勝ちです。」
1回戦目はドラゴンの勝ちだった。
 
次も、どちらの力が強いかを比べてみることになった。
「この世界でもっとも固いこの岩に、あなたは穴をあけることができますか?」
神は尋ねた。
「それくらい簡単なことだ。」
ドラゴンは言葉の通り、あっという間に大きな穴を開けた。
「さあ、次はオマエの番だ。」
ドラゴンに神が答えた。
「いえ、私はそこまで力が強くありません。あなたの勝ちです。」
2回戦目もドラゴンの勝ちだった。
 
最後も、どちらが強いかを比べてみることになった。
「ここに魔法の輪があります。あなたはこの輪をくぐり抜けることができますか?」
神は尋ねた。
「それくらい簡単なことだ。」
ドラゴンは言葉の通り、あっという間に輪をくぐり抜けようとした。
しかし、輪はドラゴンには狭すぎてくぐり抜けることができない。
「オレを騙したな。」
神がにこやかに答えた。
「知恵は私のほうが上ですね。」
3回戦目は神の勝ちだった。
 
こうして、ドラゴンはすべてにおいて神より劣る存在となった。
→ハントカタログ「ドラゴンの力くらべ」より

イヴァリース創造に関する神話

ゲーム中の解説文
キルティア教の神話と古文書 

キルティア教では、神が世界を創造したときに12人の使者を遣わしたとされているけど、実は13番目の使者がいたかもしれないそうよ。
蛇のような姿をした使者についての記述がある古文書が、どこかで発見されたと噂されているの。
もし本当なら、蛇の紋章が入った宝石が存在するってことになるわ。
サーペンタリウスという名の宝石がどこかにね。
 
魔界幻士エリディア
→ハントカタログ「酒場の噂話」より

復讐劇から始まるイヴァリース創造神話 

神話や昔話の類は、語り継がれるうちに世情や宗教的な理由により、その大部分はオリジナルから大きく外れているといってよいだろう。
しかし、逆にそれを注意深く読み解くことで真実に一歩でも近づくことができるはずだ。
ここに紹介するのは、イヴァリース創造に関する神話の一辺だ。
創造神話は星の数ほど存在するが、復讐劇から始まる物語は極めて珍しい。
あなたにはこの神話の真実が見えるだろうか。
 
神話学者シェカバ
 
聖神アーナス その1
ファバルの神々とダナンの神々は、幾万の年月の間戦いを続けていました。
予言者マトーヤは、ダナンの神王ザバームの死をもってこの戦いが終わると予言しました。
最も信頼する者の刃によって倒れると。
死を恐れた神王ザバームは、ダナンの戦を司る神々の中でも最も信頼していた剣の神アーナスとその従者を永遠の闇がおおう深き迷宮に幽閉してしまいます。
しかし、剣の神アーナスは深き迷宮の主である死の神ヘスの力を借り、深き迷宮から脱出します。
 
聖神アーナス その2
アーナスは脱出の報酬として死の神ヘスに自らの命を差し出すと、従者と復讐を誓うのでした。
幾千の月日が流れた頃、ファバルの神々の元に傭兵の一団が現れます。
それはアーナスの従者と、ヘスの命とひとつになり生まれ変わったアーナスでした。
聖神となったアーナスの傭兵団は、次々とダナンの軍に打ち勝ち、その功績はファバルの業神ウェハカにも届きました。
ある日、アーナスは業神ウェハカに自分の過去を打ち明けます。
 
聖神アーナス その3
復讐に力を感じたウェハカは、ダナンとの最終決戦にアーナスの傭兵団を組み込むことを約束しました。
ファバルとダナンの長き戦いも終盤を迎えていました。
アーナスは死の神ヘスの呪術で従者に戦いのための力を与えました。
ある者は、火や水を支配できるエレメントの長に。
またある者は、毒や波動で戦を導く技の長に。
異形の力を手に入れた従者たちは、それまで以上に活躍しました。
幾百の月日におよぶ戦い。
ついにダナンの神々を打ち負かしたアーナスは、神王ザバームに向かって自分がアーナスであることを打ち明けると見事ザバームを捕らえました。
 
聖神アーナス その4
業神ウェハカをはじめとするファバルの神々は、神王ザバームの首を取るように命じましたが、アーナスはザバームに償わせるために永遠の命の呪術をかけ、その体で新たな大地を創りました。
そして、アーナスは彼の従者とともに天からその大地を見守ることにしたのです。
光の神アーナスは、その大地に人を創り、呪われた地イヴァリースと名づけました。
やがて人は幾億の月日をかけて大地を蝕み、永遠のザバームは罪の意識を残したまま肉体を失うことになるでしょう。
アーナスの従者たちは、自らの体を昼のペルセラスと夜のメタセラスにわけ、永遠に見守ることを誓ったのです。
→ハントカタログ「神話のパズル」より

関連項目

【イヴァリース】 【FF12】 【FFT】 【ベイグラントストーリー】 【ゲルン王】 【ヴェーネス】 【召喚獣】 【ルカヴィ】 【伝説の大崩壊】 【大洪水】 【契約の剣】 【破魔石】 【魔】

余談

ルカヴィなども含めたイヴァリースの全キャラクターの中で、高度な文明を消し去った伝説の大崩壊や魔法文化を消し去った大洪水のような大災害を起こせる力を持っていることが、イヴァリース作品内で明言されている唯一のキャラクター。

  • これほどのストーリー的、設定的にも面白い要素を持ち、更にキャラ達に選択を促す重要な役割であるのだがXIIでは影が薄い。非常にもったいない。
    • 公式発言に「アーシェヴェインを倒してしまうのは、後世の歴史から見ればマズい事」とある。
      さり気ない展開だったが、打倒オキューリアを目指すヴェインが死んだのは歴史的には重大事件。
      • 例えバハムートが繭を全て吸収出来ていたところでとても歯が立つ相手とも思えないが。後の大災害の到来が早まるだけではなかろうか。
    • 「今後オキューリア絡みの事件が起こり、FF12は人間たち中心の視点」とのこと。
      FF12はFFTやその後まで続く長期構想の序章部分に過ぎず、FF12が物語の全てではない。
  • フランが「すべてを滅ぼせる」と言うほどの巨大破魔石を、FF12のED時点でも所持している。

イヴァリースの道標のような存在。
過去にも似たような文明に発展したが、想定外の文明に発展した場合滅ぼしている可能性がある。


ゲルン王以外には、末席に3人とヴェーネスがいた空席が存在する。
末席の4人が東西南北のどちらかを仕切っていたと思われる。

  • 台座に乗っている「本体」と思われる存在は、竜のような人のような特徴が混在した造形をしている。
    超越的な風は無く、彼らも被造物であると想像できる。
  • 円卓のシーンを確認してみたところ、ゲルン王とヴェーネスの分を含めて6つの台座がある。
    つまり末席は5つあるので東西南北を仕切られているわけではないようだ。

イヴァリース創造神話から察するに、聖神アーナス=オキューリア、アーナスの従者=異形者か。
自らが創ったイヴァリースを呪われた地と称し、神話の内容も一般の神のイメージとはかけ離れている。
オキューリアの粗暴な性格が、神話上の異端な部分と符合している。
 
業神ウェハカや神王ザバームなど、創造神より上位の神がいるらしいが、今のところ完全に謎の存在。
続編制作中らしく時代的アジョラ関連が描かれる可能性が高いので、そこで明らかになるかもしれない。

  • オキューリアの目的について、創造神話のように何かを監視していると仮定した場合。
    FFTでは、1200年間地上で流されたおびただしい血によって、血塗られた聖天使が再臨した。
    乱世のときにオキューリアが干渉してくるのも、これと関連した理由がある?
  • 創造神話を信用した場合、FF12のテーマの一つと言っていいであろう「復讐」が絡んでくる。
    オキューリアもまた復讐の念に囚われた存在となるわけだ。
    更にこの神話は、最初の予言は未だ達成されていないと読みとる事も可能である。
    イヴァリースは最終的にオキューリアによって滅ぼされる運命にあり、人間の存在はそれまでの余興でしかない、のかもしれない。
  • シェカバが忠告している通り、ウェハカやザバームは宗教的な影響で創りだされた架空の神という可能性も十分ある。
    (2000年前から広く信仰されているキルティア教が多神教であるため。)
  • オキューリアたち自身が、何でもかんでもオキューリアに最終責任を求められては困る、と存在しない上位神をでっち上げた可能性も?(苦情はそちらに、と)

巷では神殺し展開が盲目的に期待され、「なんで生きてるの?」と口々に言われる割と不憫なキャラ。
アーシェに倒す理由はないし、そもそも誰もオキューリアには迷惑していないのだが…。

  • 実際に何をやってきたかを振り返ると、契約の剣と破魔石を渡して戦乱を鎮めさせていただけ。
    これをシド達は「神に歴史を動かされた」として不服を唱えているわけである。
    • 紛争地域への介入は、その地域の権力者からすると支配を妨げられて迷惑かもしれない。
    • FF12本編では「侵略する帝国を止める為に剣と石を渡そうとする」ためこう見えなくもない。
      しかしそれも帝国の侵略を問題にしているのではなく、異端者を問題としている。
      だからアーシェが復唱したように、帝国を滅ぼせとまで言っている。明らかに戦乱の種。
      またレイスウォール王には「戦乱を止める」ために渡しているが、これは言いかえれば侵略の支援である。
      戦国時代の武将に一人だけ現代兵器を渡すようなもので、決して肯定的に考えられるものではない。
  • ウォースラは裏切ったから悪者、シドは神と戦うからいい奴という感じで、
    どうもFF12には勘違いされてるキャラクターが多い気がする。
    • アーシェの目的は王国再興で終始一貫しているし、シドやヴェインは神との対決、解放軍は帝国軍との対決で目的はハッキリしている。
      ウォースラにしてもダルマスカのために帝国との衝突を避ける道を選んだことを、本人やバッシュがちゃんと言葉で説明している。
      おそらくコレがひねくれて見える人は、言葉の意味を言葉通りに受け取らず深読みしすぎか、各キャラクターの目的を整理できていないかのどちらかかと思う。
    • “今までのに比べて”という点では間違っていなくも無い。
      今までの歴代作品が程度の差こそあれ概ね二極化した勧善懲悪的なものであったのに対し、12は立場と事情の絡み合い方がややこしい。
      しっかり考えればわかる一方で、そもそも勧善懲悪のスーパーロボットアニメ望んでる層にいきなり生々しく政治的描写も多いリアルロボットアニメ見せて納得が貰えるか、という物である。乱暴な例えだが。
    • そもそもゲームを楽しみたいだけなら何となくで理解できる程度のストーリーで十分だとも言える。求めてるものが別にあるので変に小難しくされても楽しめないという人はいくらでもいるだろう。ドラマなどの映像作品ならともかく、ゲームなんだから単純に楽しめてなんぼである。
    • 言いたい放題される発売日付近ならともかく、今もそんな勘違いされている事は滅多にないだろう。
  • オキューリアへの敵愾心を煽るような演出があったことが混乱の原因だろう。
    それと歴史を動かすというキーワードについて、観念的な部分が主で、実態の是非まで及んでいない。
    (実態は討伐に値するようなことはやっていないので、シド達は観念的なことしか言えなかったのかも)
    こうした上っ面だけの大義についてはアーシェがズバリ指摘している
    しかしプレイヤーにとって一度刷り込まれた印象は簡単には拭えなかったようだ。
  • さんざんに「力を求めるアーシェと、それに賛成しない周囲の人達」っていう構図を見せられていたので、
    力を手にして、帝国を滅ぼせなんて言うこいつらが間違っていると思ってしまうというのもあるかな。
  • ガンダム00のイオリアなんかも独善っぷりがシドに近い(声も同じ)。
    • 結果論だがアレは必要悪。ああしなければ人類は滅亡していただろう。
    • 別にイオリアは「なんとなく気に入らないから」で行動を起こしたわけではないが。
  • 非ナンバリング作品なら良かったんだけどな。従来のナンバリング作品のラスボスが11含めて世界や時空を支配・破壊しようとする強大な存在だった事が肩透かし感の一因でもある。

実際に後に伝説の大崩壊だの大洪水だのを引き起こした存在なのだとすれば、人間に敵対する存在という認識は間違ってはいない。
それらの起こる時代に生きる人々は帝国の侵略を遥かに超える被害を受ける事になるし、人間の発展の歴史そのものを否定するような行いは過去の人間全てに対する敵対でもある。
これらの側面を見る限りでは完全にラスボスポジションである。

  • 12本編内でやった事をまとめてみても「亡国の王女に亡き夫の幻影を見せて復讐心を煽る」「その王女に力を与え、自分達の不祥事の始末をさせようとする(しかも、人間に力を与える者を人間に殺させようとしている構図)」「人間の国一つ滅ぼす事はあまり意に介していない」と割と碌でもない。
    仮にアーシェが思惑通りに帝国を滅ぼしたとしても、その後都合が悪い治世を行うようであれば新たな粛清対象にしていた可能性も高いのではなかろうか。
    彼女はレイスウォールのような統治を期待して選ばれた存在ではなく、異端者と関係者の殺害を目的として選ばれた存在であるため、平時のオキューリアの目的とはあまり一致しない。
    そのような者に破魔石を渡す事はハイリスクなはずだが、それほど異端者の存在はまずかったのだろう。
  • こんなこというとアレかも知れんが、某封○演義の女カみたいな存在やね。
    彼女?は故郷を再現するために時の為政者に力を与えて操作して失敗すれば壊してまた作り直してた。
    ことオキューリアは目的こそわからないがなんらかの理想形から外れる(外れそうになる)と大破壊を起こしてる。
    結局その目的はなんだろうか。イヴァリースどころか星が消えてしまう/次元が崩れるなど生命すべてを包括した存続のためなのか、はたまた反逆者勢力に取って代わられて単に自身の存在が危ぶまれるからなのか。前者なら世界を維持するための超越者みたいになるのでなんとも言えないところだが、自己の保身のために大破壊してる後者なら敵とみなされよう。反逆者側が人類を解放する保証はないかもしれんが

オキューリアを倒す展開にならないせいで「尻切れとんぼ」と批判されるが、この批判はある意味正しい。
上で議論されているように、制作者はFF12の製作段階で伝説の大崩壊までの展開は想定していた節がある。
その構想の遠大さはハントカタログからも分かるのだが、どう考えても1話で完結する規模ではなく、少なくともアジョラ編と大崩壊編の2話分の続編は必要である。
しかし続編を外注に投げ、その外注先が製作途中で倒産し、イヴァリースに携わってこなかったスタッフが続編を作るなど、紆余曲折を経るうちに当初の構想は空中分解してしまったようだ。
FF12が不人気だったため続編に力を入れなかったのかもしれないが、せっかく作った大規模な構想を展開させずに腐らせるというゼノギアスと同じ轍を踏んでしまっている。

  • FF13だって当初不人気だったのにきっちり続編だして完結したじゃん。
    それと同じようにFF12の続編今からでもいいのでだしてくれないものか。
    最悪、松野氏が構想していたイヴァリースの設定集だけの販売でもいいので。
  • 夢物語ではあるが、リマスターが出たことによって続編制作にこぎつけてくれると嬉しい…
  • 人間の上位に存在する者の理不尽に対しては最後まで掌の上で踊らされて終わってしまうという不毛な結末はFF零式やFF15に近いものがあるな・・・

キュウリ屋呼ばわりされる事がある。お胡瓜屋である。

オキューリアの目的の考察

オキューリアに関する考察でたびたび議論になるのが「彼らの目的は何なのか?」という話題。
続編が出ないことには確かなことは分からないのだが、イヴァリース史の重大事件に関わっている可能性が高いため、色んな推察がある。


現時点でそこそこ有力視されている説に「聖天使アルテマの復活を阻止する目的」というものがある。
聖天使アルテマはオキューリアによって創られたが、過去に反逆を企てており(千年神戦争)、現在はオキューリアによって封印されている。
 
この説の根拠となっているのは、聖天使アルテマが復活するために必要な「モノ」。
FFTの設定では、復活には「多くの血」が必要であった。
(聖天使アルテマの復活をもくろむルカヴィ達は、戦乱を扇動することで「多くの血」を用意した。)
 
FFTの設定をFF12に当てはめると、オキューリアがするべきことは「多くの血」を流させないこと、つまり戦乱を鎮めること、と解釈できる。
レイスウォールの時代に破魔石を与えて平和をもたらしたのも、ヴェインシド、そして彼らに入れ知恵するヴェーネスを討とうとするのも説明がつく。
そして平和活動に見えるこれらの行為も、本心は「自身の脅威となる存在を復活させまい」とする保身行為であるので、彼らの態度が卑屈極まりないのも説明がつく。
さらにFF12から数十年後には、イヴァリース史の重要人物・アジョラが登場して聖天使アルテマが復活するとされている。
オキューリアはFF12で天陽の繭を砕かれて人間への干渉手段を失っているので、考えられる展開としては、FF12の後に戦乱が起こるも鎮められずに多くの血が流れた、というものがある。
 
このようにFF12、FFTの設定を通して見ても、そこまで無理のない解釈ができる説となっている。
しかし、あくまで憶測でしかないため、続編が強く望まれていることに変わりはない。


*1 というより、大戦が起こったという記録がない。
*2 この天変地異によりミュロンドの大半は水没した。