オリジナル版
2006年3月16日に発売された。機種はプレイステーション2。
『グラフィックを犠牲にしてでもゲームの面白さにマシンパワーを使う』という挑戦的な方針のもと制作された。
PS2の性能の限界まで処理を行い、
さらには性能以上の処理に「見せて」おり、PS2ゲームの限界到達点の一つである。
戦闘形式はシームレスになり、
フィールド上にいる敵とそのまま戦闘する臨場感あふれるバトルとなっている。
敵味方が入り乱れ複数の魔法が同時に飛び交うなど、リアルタイム性も更なる進化を遂げる。
プロデューサの河津氏は、本作の戦闘システムをアクティブタイムバトルの完成形と位置付けている。
- 本作の戦闘システムはアクティブディメンションバトル(ADB)と呼ばれている。
冒険の臨場感がウリだが問題点もあり、エフェクト不足で爽快感に欠ける地味さが指摘される。
戦闘中の演出を抑えないと処理落ちが頻発するため、必然的にこうした問題を抱えることに。
しかしスタッフは「RPGが求めるものは演出ではない」と割り切った姿勢を見せている。
ストーリーは他のイヴァリース作品と繋がるシリーズ形式になっており、
今作はFFTやベイグラントストーリーの過去の物語となっている。
イベントシーンでは、キャラクターの感情をセリフではなく表情や仕草で表現させるという手法がとられる。
これにより重厚で深い演出を表現することに成功している。
一方で、プレイヤーが受動的になるストーリーの見せ方はRPGのストーリーとして疑問があるとの考えから
プレイヤーが能動的に世界に関わり働きかけることが重視されている。
ストーリーの補完やバックストーリー・世界設定の説明などを、
多数いるNPCの会話やモンスター図鑑の中で行っている。
プレイヤーは積極的にダンジョンを探索してモンスター図鑑を埋めたり、街中でNPCと会話することで
今作の物語をより深く知ることができるようになる。
- 今作のストーリーは群像劇となっている。
一つの事柄を複数の視点から描写する手法のため、プレイヤーの見方(感情移入する相手は誰か、あるいは俯瞰的に見るか)によって印象が変わる。
これについてスタッフは「遊ぶ人の人生観や世界観によって印象が変わるゲームにしたかった」と述べている。
グラフィック面では、シームレスバトルの高速処理のためにポリゴン数が大幅に削られている。
しかしながらポリゴン表面のテクスチャの描き込みや光の処理の工夫で削減分を繕っており、
これは通常のイベントシーンでも活かされて細かい表現に一役も二役も買っている。
こうした技術により、グラフィックがさらに進化したように見せている。
その上でイヴァリースの世界観やキャラクターの魅力が評価されているのも確かであり、作品にファンがついているのは納得できる。
- 敵・味方共にビジュアル強化したため他では類を見ない美男美女の宝石箱になっている。
亜人のビジュアルと性格が宜しくないのは意図的なものと思われる。
ファミ通クロスレビューで2006年当時6作目となる40点満点を獲得した。
FFとしては初の快挙だが、イヴァリース作品としてはベイグラントストーリーに続く2作目の快挙*1。
- システム面はFF11の流用が多く、目新しい部分は少ない。
FF12の画期的な所は、MMOのマルチプレイ感覚を一人用RPGにおいて高い水準で実現した点だろう。
攻撃系範囲が狭めでタゲ操作もやりやすく、オート操作前提の調整がなされている。 - それまでのナンバリングFF作品から一線を画したゲームデザインを目指した結果、日本における評価は賛否が真っ二つに分かれる事となった。また欧米メディアは今作を「スクエニの挑戦」と評している。
セールスは200万本超で2006年のRPGでは最高の売り上げを記録。
洋ゲーライクなシステムのRPGがこれだけ売れたのは十分な快挙である。
賛否両論とか再評価とかいろいろ言われるが、具体的な評価の推移をまとめた。
- FF12発売
レアアイテム収集で賑わっていたのは間違いなく、ヘルヴィネックチェインなど稼ぎ技の一部はこの頃からある。
しかしネットでクソゲー評価だったのは周知の通り。
完全に2chの古参FFファンの逆鱗に触れてしまい、黒歴史だの未完成品だのと痛烈に批判された。
「発売日にディスクを割る人が相次ぐ」
「発売日に立ったアンチスレが半月で100スレ到達」
「アンチスレの鉄則はFF12完全否定(「一部は評価している」という人は追放される)」
「ファミ通宛てにFF12の批判が押し寄せ編集部が頭を抱える」
「攻略スレがアンチの襲撃で崩壊し終了→難民が本スレに殺到&アンチによる追撃」
等々、結局ネットの怒りは1年近く収まらなかった。
混沌とした状況だったが、当時のFF12ファンは逆境の中にいたぶん筋金入りのマニアが多かった。 - インター版発売
再評価のキッカケの一つがこれ。
ストレスが少ない遊びやすいことを目的に調整され、人気の高いジョブシステムも導入。
結果は好評で、「オリジナルはクソだがインターは面白い」という意見も生まれた。
ただオリジナル発売当時からのマニア層には完成度が低いと評され必ずしも好評ではなかった。
ここでオリジナル派、インター派という派閥が生まれることになる。- インター版の評価は高くなりやすい。(すでに見限っている層は手を出さないので。)
売上げは13万本と少なく、オリジナル版への逆戻りも見られるなど、正味の再評価と言えるのかは微妙である。 - 売上自体はインター13万本(初週5万)、FF12は232万本となっている。オリジナルの影響を踏まえても1割も買っていないのでは再評価と呼ぶには相当に厳しい。少数派に声が大きな人がいるだけだろう。FF10インター30万、FF13インター2万という点から見ても。
- インター版の評価は高くなりやすい。(すでに見限っている層は手を出さないので。)
- 「全自動ヤズマット」の再現動画が登場
もう一つの再評価のキッカケ。
注目を集めたのは再現動画が登場してからだが、元はそれより1年も前に行われた。
経緯も変わっていて、アンチのとある叩きコメに対抗して2chスレ住人の有志が集まって作られた。
しかもまだ批判の嵐がすごかった時期なので、別板まで避難してそこで戦術を練っていた。
その内容にはマニアさえ脱帽し「これを見てFF12というゲームが分かった」という人もいるほどの革命的やり込み。
そしてこれを契機に様々なやり込みが登場した。 - 時代の流れ
早い話、風化したことで批判が収まった。
アンチの襲撃が収まったことで、全自動ヤズマットの時のように影でコソコソやる必要もなくなる。
ここからマニア層はシステム解析にまで手を出して、さらにマニアックになる。
新規層は女性陣のおっぱいやお尻の話、あるいはラーサーきゅんがどうのこうので盛り上がり、
マニア層は順番待ちやヘイトコントロールがどうのこうの。
ファン同士で話が全く噛み合わないという世代間ギャップが生まれる。
(ただしインターは新規とマニアで共通の「ジョブ選択」という話題があるため、二極化は起こっていない。)
(オリジナルの)スレの流れは基本はお尻、たまにマニア層の大議論→お尻勢「お尻の流れに戻せ」→お尻の流れというループ。
新規層と言ってもある意味マニアックなのが問題なのか、あまり一般人気には結びついていない。
ちなみにFF13発売時にFF12がやたら持ち上げられたが、その内容はあまり中身があるとは言えず、FF13叩きのダシに使われただけというのが実際の所。そして、FF13自体の功罪もあるが、少なからずFF12の評判はその売り上げに影響していると言わざるを得ない。
「次回作がでれば再評価される」とか珍妙な説があるが、単に風化する時期=次回作の発売というタイミング的な問題だろう。
ただし再評価は主に戦闘に対してのもので、ストーリーの評価は以下3点が長い間足を引っ張ることに。
①主人公ヴァンの活躍の少なさ
②ヴァンの声優の演技力の低さと滑舌の悪さ
③プレイヤーのおおよその期待から大きく外れたエンディング
このうちヴァン関連は説明不要かもしれないが、一応説明すれば村人Aなのである。
別に性格がひねくれてるとか性根が卑しいとかで叩かれているわけではない(むしろ性格的には前向きで人懐っこく愛されている)。
エンディングの方はさらに「アーシェの絶叫」と「オキューリア放置」の二つの要因に分かれる。
前者は先ほどのヴァン関連にも通じるキャラ叩きの一環であり、また恋愛展開のガッカリ感(そもそも恋愛描写が作品中に殆どないこと)への不評でもある。
後者については、多くの人がオキューリアを討伐する展開を期待していたため、肩すかしの展開が不評だった。
ただしオキューリア関連はかつて一大論争が起こり、今では本スレで話題にすることが暗黙的に避けられているほどの超難物であり、この点だけは今と昔で様相がかなり異なる点である。
触りだけ言うと、オキューリア放置はFFTへの伏線である。
興味がある人は調べてみるのも一興だろう。
5.リマスター版発売
- リマスター版の発売後、ストーリー面も再評価され始めるようになった。
これはオリジナル版やインター版発売当時は子供だったプレイヤーが、10年以上経って大人になってから改めてプレイした結果、ストーリーが理解できるようになり面白さが分かったというもの。
単にセリフの意味やストーリー展開が理解できるようになったというのはもちろん、群像劇ならではの多様な価値観や、「義務」という重いテーマに関連するキャラクターの心情なども、大人になって理解できたという。
当然既述の三点(ヴァンの扱いや最後の展開など)で今でも低評価を下すプレイヤーは多いが、以前には見られなかった評価も増えてきている。- オリジナル版発売時に子供だった人がネットに進出してきたり、先入観の無い新規のプレイヤーが増えたことでかつての評価から大きく変化している。
当初はFFTの松野泰己氏が開発主導だったが、途中からサガシリーズの河津秋敏氏主導に変更されている。
- 開発トップが途中交代という異常事態については「作りこみ主義の松野氏と納期優先のスクエニ上層部との軋轢」などと言った憶測がとられているが現在もって真相は闇の中である。
飛空艇が空を駆け、人間と多くの亜人種たちが共存する世界で
後に「バハムート戦役」と呼ばれることになる物語。
少年ヴァンは彼らと共に激動する歴史の渦中に身を委ね、
そして、ヴァンの物語は『レヴァナント・ウイング』へ続く……。
FFTの時代から約1200年前のイヴァリースという地域を舞台にした作品。
ダルマスカ戦役で帝国領となった旧ダルマスカ王国の王位継承者アーシェの祖国解放の旅を描いた物語。
同戦役による戦災孤児・ヴァンの視点で進行していく。
一作品で完結するストーリではなく、イヴァリースシリーズで物語が繋がっている。
- 中世ファンタジーのFFTから1200年も前なのに機械文明全盛の世界観だが、
これは伝説の大崩壊前のイヴァリースであるため。
ゲルモニーク聖典に記述されていた古代イヴァリースのさらに数十年前という背景設定。 - 「TO BE CONTINUED TO FINAL FANTASY TACTICS」と流せば分かりやすかったかも。
ドラクエ3みたいな感じで。 - 開発当初から、坂口氏の提案で「ロトのようなシリーズ作をつくろう」という方針があった。
これが結果的に(続編で掘り下げる構想の)オキューリアの掘り下げが甘い、消化不良という批判を招くことに。- オキューリア関連は大量の伏線が張られている。
- この方針は完全に捨てきれなかったようで、次のFF13は三作品で完結を迎える、ロトシリーズのような形式を取っている。
本作のテーマは「自由」。またその対になる「義務」もテーマである。
パッケージイラストは「義務」の象徴であるジャッジとなっている。
ストーリーは祖国解放までの過程に重点が置かれている。
敵側や第三者の内情・苦悩も緻密に描いた群像形式の展開が特徴。
また善悪の区別をせずに、敵味方で差別なく平等にそれぞれの信念・正義・価値観を描いている。
国家・地理・歴史・種族も丁寧に構築され、各NPCのセリフも世界情勢にあわせて細かく変化する。
世界を旅する「冒険者」を、加工品の原材料「おたから」を売る産業の一つとして
世界経済の一環に取り込み、社会的な存在価値を持たせている。
アーシェ達だけでなく世界全体が動き、プレイヤーはリアルな仮想世界・イヴァリースを旅していく。
FF12の世界ではSF映画ばりの超高度な機械文明が築かれているが、
このままでは従来の白兵やファンタジー色が浮いてしまう。
そのため、それらの共存に説得力を持たせるための設定が多い。
まず汎用的に使用される金属を腐食させる「ミミック菌」、物理的攻撃を完全に防ぐ「魔法障壁」。
例えば拠点制圧の際には、魔法障壁によって飛空艇の空爆が完全に防がれてしまう。
魔法障壁を展開する魔道士を倒すために、ミミック菌の漂う地上で白兵戦が繰り広げられる。
人々の暮らしにおいては「ミスト」という魔力の源になる自然エネルギーが様々に活用される。
さらにミストは生物・気候風土に影響を与え、ミストの安定した土地は人が暮らしやすい。
逆に不安定な土地は環境変化が起こりやすく、不毛な土壌、凶暴なモンスターも生み出す。
ミストや地中の魔石の影響により「飛空石」の働きを狂わせる土地は「ヤクト」と呼ばれる。
飛空石は飛空艇の浮力源なので、飛空艇はヤクトを飛ぶことはできない。
『人や機械が馴染みづらい環境』が魔力的な設定を基に定義され、高度な文明とファンタジーを調和させている。
- しかしこの設定と演出は同時に批判要員の1つともなりえた。
上記のように条件を満たして閲覧していく設定単語も存在するため、開始時は特に分からない。
加えてOPではこの設定を生かした結果、上空ではス○ーウォー○ばりの空中戦なのに地上は甲冑姿の騎士が戦うという
初見では無茶苦茶な映像に見えてしまい、初っぱなから不安や拒否反応を持つプレイヤーも出てきたのである。
これが小説媒体とかなら早めに説明可能かもしれないが、ゲーム性としても自由を求めたためにすぐには判明しない。
また、設定があるからといってなんでも使えばいいというものではないといった形の批判もあるため、
12の世界観はかなり好みが分かれる。 - SF要素とファンタジー要素の乖離は映像技術の進歩に依る部分も大きいと思われる。
例えばス○ーウォー○の影響が強い人物がいた作品では終盤に
騎士と魔法使いと忍者と宇宙人が宇宙船に乗って、
巨大ロボット相手に空飛ぶプロペラ機やドワーフの駆る戦車が立ち向かう場面に立ち会う、
と文章だけ見ればFF12以上に無茶苦茶な組み合わせだが、ドット絵というある種のデフォルメが効いているので画面上の違和感はまったく無い。
またドットからCGに転換してからはサイバーパンク、学園ジュブナイル、オリエント風、純ファンタジーと無茶苦茶な組み合わせ自体が少なかった。
「ファンタジー+SFな世界観」を「"リアルな"CGで表現」したのはこれが初(FF9は三頭身デフォルメ)。
>アーシェ達だけでなく世界全体が動き、プレイヤーはリアルな仮想世界・イヴァリースを旅していく。
- シナリオ担当の渡辺氏は「今作では、最初にまずイヴァリースという世界が存在していて、
そのなかで生きているキャラクターたちを描く、といった作りかたをした。
最近のFFは主人公の物語を描くために世界が作られているスタイルだったが、今作はそれとは逆。
そういう意味では、主人公というものの考えかたがFF6に近い。」
と語っており、最近のシリーズの中では一風変わった物語の見せ方となっている。 - 発売前のメディア情報では
「主役は世界全体で、大河ドラマ的な、世界とそれをとりまく人々を描く感じ。」
「主人公とヒロイン二人のドラマが展開されるのではなく、二人が世界を救うという感じにもならない。」としている。
バトルシステムはFF11に酷似していて、FF11オフラインなどと呼ばれる。
エンカウント方式とは異なり、
戦闘中も移動フィールド上の時間が常時流れる完全なシームレス方式となった。
魔法の演出中でも敵味方が入り乱れて攻撃するなど、リアルタイム性もFF10-2からさらに向上。
ヘイト、リンク、感知など数々のシステムがFF11から受け継がれている。
人間・亜人以外がお金を落とさない点もFF11から継承された。
- ヴァナ・ディールからやってきた冒険者はFF12にすんなりと馴染める傾向にあるらしい。
さらに詠唱中断がない、バトルチェイン、ガンビットなどおいしい仕様も満載なのだが、
ガイアやスピラなどヴァナ以外からの冒険者にとっては、あまりに異色の作りで馴染みにくい。- ここを見るまでFF12が低評価と言うのを知らなかったが、ヴァナ出身の俺にはオフラインでNM狩まで楽しめ、ヘイトコントロールの妙まである良く出来たオフライン版FF11の様で寄り道要素こそ楽しめたからそこが原因だったか…
FF11では各PCに一人のプレイヤーが付くが、FF12では3人のPCを一人で動かす事になる。
これにより、カスタマイズが可能なAIシステム「ガンビット」が考案された。
PCの行動をプレイヤーが細かく設定するため、
自律行動でありながらプレイヤーの意図を最大限反映した行動をとれる。
設定を簡素にすれば従来のコマンド戦闘に近い戦い方もできるので、プレイスタイルの幅も広い。
しかしあくまでもAIのせいか、AIが範囲攻撃を回避できるように、
FF11と比べて範囲攻撃の効果範囲がかなり狭くなっている。
- ここを見るまでFF12が低評価と言うのを知らなかったが、ヴァナ出身の俺にはオフラインでNM狩まで楽しめ、ヘイトコントロールの妙まである良く出来たオフライン版FF11の様で寄り道要素こそ楽しめたからそこが原因だったか…
- モンスターもガンビットに従って行動している。
モンスターの種類が多く、ハントカタログで読めるモンスター設定も凝っている。
モンスターの背景設定および特性・習性の多様さが、本作の冒険を一層引き立たせている。
ライセンスシステムは、もとはFF11にあった装備Lvだと思われる。
低レベルクリアを意識したと公言されているが、装備Lvの仕様ではとても低レベルクリアはできない。
そのためLvとは別のLPというポイントを使うことで装備が可能になるようにしたのだろう。
FFTに出たルカヴィ達が召喚獣として登場する。
FF12のシナリオに直接絡むのは「覇王はベリアスを倒してオキューリアに認められた」という伝承のみ。
ハントカタログでは、ルカヴィとオキューリアの関係および歴史や、
なぜルカヴィたちが召喚獣として登場したのか、といったことまで言及されている。
物語本編とは関係ない寄り道が序盤からたくさんあるため、
ものすごく無理をすれば、序盤からいろんな強力装備を入手することができる。
「序盤に強力装備を集められるだけ集める」というプレイが一部で賑わい、王宮前プレイと呼ばれる。
さらに物語中盤まで拡張したガリフ前プレイなどもある。
- 実のところストーリーをただ追うのではなく、モブ退治など寄り道を遊ばないと真に楽しめない。
こういうサブイベントを楽しむことに比重をおいたゲームは海外には多いため、
海外受けは良かったらしい。 - 裏設定などが見られるハントカタログを見るためには対応するモンスターを10体前後倒す必要がある。
一つの区域に出るモンスターは5種類以上がザラなので埋めるのはなかなか手間。 - >ものすごく無理をすれば、序盤からいろんな強力装備を入手することができる。
これはとても重要なFF12の特徴。
強力装備が早くから入手可能になっていて、それを入手するという明確な目標が存在しているから、
プレイヤーは嬉々として本道を逸れ凶悪ダンジョンに潜入するのである。
本編バランスは崩壊するが、開発側はゲームバランスを絶対に保ちたいとは考えていない。
(「ユーザーがバランス調整の5割くらいを受け持っている」としている。)
シナリオ進行やバランス調整を理由にプレイヤーの冒険が過剰に制限・抑圧される、ということがない。
開発側が父権的に干渉するのではなく、プレイヤーの欲求や好奇心が尊重された作りになっている。
新たに、白魔法と黒魔法の一部を分割、さらに新規の魔法を加えて
「緑魔法」と「裏魔法」のカテゴリーが作られた。
スタートボタンを押して□ボタンを押せば、
ソフトリセットが可能でリセット前にリセットするかどうか聞いてくる機能がついている。
イベントシーンはスタートボタンを押して○ボタンを押すとカットできる。
FF10までとは異なり、操作時の視点が固定カメラではなく自由に動かすことができ、
様々な風景を楽しむことができる。
どこの地形もスケール感がたっぷりで、多層構造になった首都ラバナスタ、やたら広いダルマスカ砂漠、
乱立する大木郡の中にある空中集落エルトの里、辺り一面青い海と青い空に囲まれた大灯台、
地中深くまで続く不気味な巨大遺跡ギルヴェガンなど、
スクウェアのグラフィック技術も相まって背景美術面が大変素晴らしい。
世界不思議発見や世界遺産などのTV番組が好きな人は冒険した気分を味わえるだろう。
ストーリーやキャラがよく槍玉に挙げられるが、こういった部分がFF12の良い所でもある。
「FFも10作を超えたので、バッサリと変えていこう」という方針があり、
オンラインでサービスを開始したFF11に続いて、システム性・物語性ともに大きく転換させた意欲作。
しかしE3の頃から「海外での受けは良かった」という話があったように、
この方針は国内のファンからはあまり歓迎されず、発売直後から痛烈な批判が続出した一作となった。
本作の原型となったFF11はエバークエストというMMORPGのシステムを採用している。
エバークエストは上述のシステムによる戦略性の高さがプレイヤーに多大に評価され、
FF11を含めたEQクローンと呼ばれるMMORPGが多数登場しているが、
オフラインでこのシステムを採用した例は本作が最初と思われる。
個人的にはMMORPGは好まないけどこのシステムは好きなんでフォロワーが出てほしい。
- 本当にね、戦闘がリアルタイム+仲間がフル(セミ)オートで戦闘っていうRPGはなかなか見かけない
- 近作では任天堂傘下に入ったゼノギアスのチームが製作した「ゼノブレイド」がこの方向性を引き継いでいる。
- 今までのFFとは全く違う戦闘システムなのにヘルプが乏しい。
システムを理解できず、今までのFFと同じような戦い方をして、先に進めないプレイヤーが続出した。
そういったプレイヤーはレベル上げや金稼ぎに走ってしまい、推奨されている戦い方をせずに進めてしまう。
そのため、「レベル上げをしないと進めない」とか「ゲームバランスが滅茶苦茶」と思われ、一部のプレイヤーにはかなり評判が悪い。
余談だが、上記の「ゼノブレイド」では、このようなことがあったためかヘルプが充実している。 - FF10まではプレイした事があるがFF11はオンラインなので敬遠していた、というプレイヤーが少なく無かった事がシステムを理解する上での一番のハードルになっていたと思われる。
もう1クッション、例えば今であれば先にFF13をプレイすると比較的スムーズに馴染めるかもしれない。
舞台となっている時代のイヴァリースは亜人種がいっぱいだが、
パーティーキャラとして使えるのはごく少数だけなのが残念。
えっ、FFTA2?
- バッガモナンを仲間にしたかった
- 某所ではブナンザ親子がモーグリになってたりする。
エンサ大砂海あたりから範囲対策が、レイスウォール王墓あたりから状態異常対策が重要になり、
ザコ戦でもジリ貧になりやすく、レベル上げとお金稼ぎの作業を強制されるという批判が多い。
実際は盾役に盾、回復役に杖やローブというふうに、ごく普通に役割化することで、
被ダメージを抑え、MPやアイテム消費を抑えられ、過剰に稼ぎ作業をしなくても進めるようになる。
- ザコとの戦闘が難しいというよりギルとMPの運用が難しい。
ギルを入手しづらく物価が高い。最大MPが低く消費MPが高い。
戦闘の戦術とは別に『リソース管理』が重要で、一つのダンジョンを攻略する上での難しさがある。
安い装備でもしっかり役割化して装備特性を活用し、MP効率を考え低コストの魔法中心で戦う。
こうした運用戦略を立てないと、ひどい稼ぎ作業ゲーになる。
リソース関連のバランスは、FFよりもベイグラに近いものがある。 - 考えなしにプレイすればレベル上げ強制になるのは、デザインとしては当然の形。
FF12は行動範囲も戦術面も自由度が高いが、もし模索する必要性がなければ意味がなくなってしまう。
安易に歓迎されがちな自由度の、真に重要な点を体現したゲームと言えるのではないだろうか。 - これらの高く評価できる点を長期かつ有名なタイトルで導入したことは評価されるべきだろう。
しかし説明不足が多いのも間違いなく事実であり、日本製RPGとしてのFFに親しんだ人には特に必要だったろう。
それを考慮せずこのシステムだと当然、ネットゲームに近いシステムだから当然といった考えが開発側に
あったのが眼に見える形になっているのは残念ながらマイナス要因と言える。 - 本作はゲームバランスが防御志向。
武器でも、回避力の高さ、範囲攻撃のかわしやすさ(=射程)、
敵対心の溜めやすさ(=CTや連撃値など手数の多さ)などの防御的要素を含んでいる。
火力にしか目が向かないようだと、相当厳しい戦いを強いられる。- 大群や強力オプションによる敵側の猛攻のわりに、こちらの防具性能や回復力が貧弱。
これを役割分担でカバーするか、稼ぎで押し切るか。
- 大群や強力オプションによる敵側の猛攻のわりに、こちらの防具性能や回復力が貧弱。
- よく攻略サイトにある「適正レベル」は、役割分担前提のもの。
やはり”攻略”と謳っているわけなので、上手い攻略法で進む前提で考えられている。
役割分担なしだとMPやアイテムの消耗が相当ひどいので、+5~+10レベルは必要と思われる。
(これを補うために、LPや金稼ぎの手段が用いられることになるが、終盤になると基礎戦術を覚えていないと厳しくなる) - 役割分担をしないプレイヤーが多い原因として、各キャラクターのパラメータに大差が無いことと、
ライセンスシステムにより攻撃から回復まで一人で何でもできてしまうことが挙げられる。
これらのせいで、全員が同じ戦い方ができてしまうので、全員で集中攻撃をしたり、
自分の回復は自分でするといった、役割分担を考えない戦法をとりがちになってしまう。
また、戦闘に関するヘルプが乏しいことも原因のひとつである。- たぶん多くの人は、パーティ戦術という考え方や、自分で個性化することは思いも寄らない。
こういう役割意識はネトゲ的な感覚だと思う。 - FF7やFF8、育成すればFF10も、全員が万能選手で力押しできるバランスだったことも一因と思われる。
自由に育成できるライセンスボードを見て、それらと同じく全員を万能選手にそだてようとすると
とても非効率的なことになる。- 実は、育成は自由なのに複数のPCで役割分担をした方がいい、というシステムはFF2以来である。
FF4,FF6,FF9,FF10などは最初からキャラの役割が決まっている。
ジョブのある作品はジョブによってそれぞれの役は決まる。そして、上記の通りFF7,FF8は全員万能型。
FF2をやった世代のプレイヤーはそう多くないだろうし、今までの感覚でやるとうまく行かないシステムだったってことだな。 - ざっくり言えば、久々に現れた河津システム全開のFFってところか。それは当時の評価も已むなし。
「作品ごとにシステムをガラリと変えてくる」というFFのシリーズカラーも1→2が作ったものであった。
- 実は、育成は自由なのに複数のPCで役割分担をした方がいい、というシステムはFF2以来である。
- たぶん多くの人は、パーティ戦術という考え方や、自分で個性化することは思いも寄らない。
ストーリーがFFっぽくないと言われる。
なにせ世界の危機を救う内容ではなく、一国の再興という小規模な内容である。
それでも、舞台が狭いためか、世界設定は非常に細かい。
シナリオはその細かな設定を活かした内容だと言える。
善悪の明確な境界がなく各々の正義が描かれ、様々な立場、素性、価値観がよく表れている。
また事件の闇を暴く、謎を追うといった探求意識を前面に出している。
しかし個々の意識が強いため仲間意識が希薄という批判があるし、状況整理には苦労する。
- 洋画的な雰囲気が批判されがちで、SWや指輪物語と揶揄される。
恋愛展開が二の次三の次というくらいあっさりしている所も不評である。
話の筋や演出は整然としており、悪く言えば地味だが、その落ちついた雰囲気を好む人も。- その地味さが、様々な不評の根本の原因ではないかと思う。
小難しい長話や状況説明のシーンが多いが、逐一状況整理をする人はめったに見ない。
実に多くの人が、状況整理どころか「めんどくさい」とうわの空で聞いている。
結果として状況が全くわからなくなってしまう。- RPGには大抵「何をすべきか」について登場人物が話し合うシーンがある。
当然FF12にもたくさんあるが、FF12はその内容が多少難しかった感もある。
例えば「ブルオミシェイスの大僧正に王位継承者であることを認めてもらうため、王家の証である暁の断片を取りにいく」とか
「ロザリアが解放戦争への参戦を目論んでいて、一大大戦に発展するとダルマスカが焦土になりかねないので、アルケイディアとの和平を進める」とか
行動の理由が明確で分かりやすいという人もいるだろうが、それ以前に内容自体が分かるかどうかという問題がある。 - その地味さを「味」と捉えられるか評価の分かれ目。
さすが松野氏というべきか、キャラごとのテキストの含みの深さはナンバリング作中トップクラス。
無論例外も存在するが。
- RPGには大抵「何をすべきか」について登場人物が話し合うシーンがある。
- その地味さが、様々な不評の根本の原因ではないかと思う。
- 正義などというものが、いかに身勝手なものか。
憎むべき敵にも、興味と愛を向けられるか。
FF12のストーリーを理解する上では、このように多少ひねくれた姿勢で見るほうがいいように思う。
理解力云々じゃなく、生真面目な人ほど付いていけなくなるタイプのストーリーではないかと感じる。 - 困ったことに、テキストの解釈自体もかなり難解で人によって受け止め方が異なるようにできている。
当辞典のセリフ項目にも何重にも解釈が分かれ、相手を罵倒するような不毛な議論を繰り広げているのが証である。
ひと言でいえばマニア向けの作品。
- じっくり腰を据えてやる内容なので、システムなど気にせずのんびりやるライト層と、徹底的にやり込むマニアの二層向けか。
色んなゲームをやりたくて1~2週間で終わらせたい中間的な層には間違いなくキツい。 - 当初はシステムの評価が低く、IZJSでのシステム変更の一因になる。
やり込む人も限られていた。
ところがシステムの解析が進むにつれ様相が変わっていく。
結果的にアクション的な性質が強くなり、今度はやり込み難度が変に高くなって敬遠される。
病的なまでにモブ狩りに熱中する人が多い。
プレイヤー同士で情報交換をすることを狙った要素が多い。
(オンラインゲームのFF11を意識しているためと思われる。)
交易品がその例で、入荷に必要なおたからの種類や個数がわかりにくくしてある。
システムやバトルのヘルプの内容があまり詳しくないのもそのためだろう。
だが、それによりシステムが理解出来ないままゲームを進めてしまうプレイヤーが続出した。
役割分担の重要性がわからずにレベル上げに走ってしまったり。
交易品の有用性がわからずに金稼ぎに走ってしまったり。
- 奥深い斬新なシステムだったのは間違いないが、それをうまく使うような説明がゲーム中あまりされなかったのがこの作品の不幸な点だろう。
オキューリア族に関して多くのプレイヤーが興味がなく、超兄貴と老人の友達でさえうろ覚え。
なぜかFF12の戦闘に関れない残念衆で、必然的にプレイがコアに近づくほどオキューリアから離れて行く仕様。
本スレではオキューリアのオの字も出てこないので、他作品の話、それもオキューリアさんの話を持ちかけるのはナンセンス。
一時期ヤズマット最凶派とゾディアーク最凶派で一部論争があったが、オキューリア衆最凶派はいなかったであろう。
- 出てくるのが遅い、出番が少ないというのもあるが、それ以上に本編での説明が足りてない…と言わざるを得ない。
大半のプレイヤーは「そういえば神様っぽいやつらいたけど、あいつらって結局なんだったんだろう」ぐらいの認識しかしてないのではなかろうか。
詳細はこちら参照。
インターナショナル版
後にインターナショナル版が発売された。
ダメージ上限がなくなり6桁7桁のダメージも出せるようになった。
転職不能なジョブシステムやインターナショナル限定アイテム等が登場している。
また、怨霊の巣窟や魂の祠に似たシステムのトライアルモードが登場し、
クリアーすると経験値が一切入らない弱くてニューゲームがプレイできる。
インターナショナル作品としては大幅な変更が当たる為こちら用のアルティマニアが発売されている。
- オリジナル版はゲーム的にもシステム的にも難度が高く、MPの回復手段が多い反面すぐに無くなり
物価が高いためすぐに金欠になり、魔法や技すら満足に揃えられないゲームバランスだった。
親しみづらかったシステムの反省からインターナショナルは「遊びやすいゲームバランス」が徹底される。
MP切れにも金欠にも困らないバランスでイージータイプ的な位置付けとの言葉通り、
初プレイでも遊びやすく、とてもユーザーライクな作りになっている。
また、非売品アイテムが増えている他、相当な運が必要になる三大凶悪アイテムが登場している。- 順番待ちやヘイトの記事にもあるように、防御的な戦闘だったオリジナルに比べて
インターナショナルは攻撃的な戦闘へと調整されている。
「オリジナルとインターナショナルは全く別のゲーム」と言われるほどゲーム性が異なる。- FFユーザーの理解度が足りなかった故の悲劇。
FF8のような前例があるとはいえ、製作陣もまさかここまで
ライトゲーマーに迎合する必要があるとは思わなかっただろう。 - ヘイトや順番待ちはアルティマニアでさえ殆ど触れていない。
FF2の魔法干渉のような隠しシステムなので、FF8のジャンクションシステムとはまた別。
またインター版発売当初はシステム解析前であり、その当時はインターが高評価であったが
研究が進んだ現在では完成度はオリジナル版のほうが高いとされ、人気は五分五分である。
それと当時からFF12というゲームを通して問題になっていたのは、
戦闘システムがどうこうという話よりも、「ゲームを楽しもうとする姿勢」である。
上でちらっと言われているファミ通アンケートに殺到したFF12バッシングの件については
桜井政博氏*2が「減点法みたいな評価*3」とユーザー側のゲームへの姿勢に苦言を呈したと言われる。*4
FF12はやれることが多いゲームなのでいろんな楽しみ方ができる。
しかしやる必要はないので、受身の姿勢では楽しさが損なわれやすい作りになっている。
またフィールドが広大で探索範囲はかなり広い。
こういう遊び要素を「やれることが多い」と見るか「やらされることが多い」と見るかで評価にかなり差が出る。
インター版ではどちらかと言えば受身のユーザーを楽しませようという内容になっていて、
ジョブチェンジなしのジョブで育成方針をある程度固定するなど、制作者側が遊び方を誘導する作りになっている。
- FFユーザーの理解度が足りなかった故の悲劇。
- 順番待ちやヘイトの記事にもあるように、防御的な戦闘だったオリジナルに比べて
- インターナショナルという名称だが、英語音声、一部イベントシーン、一部ボス以外は
倍速機能もゾディアックジョブシステムも、強ニュー弱ニューやトライアルモードも
ダメージ上限なし、トレジャー、魔法や技、装備の仕様も海外のものとは無関係なオリジナル要素。
もともと「違ったプレイ感覚を味わってもらう」ことがコンセプトであり、
開発当初はインターナショナルではなくアネックスという名称だったという。 - インターナショナル版の正式名称は
ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアックジョブシステム(Final Fantasy XII International Zodiac Job System)。
長過ぎるためFF12IZJSと略される。- 略にしてるのにそれでも長い、長すぎるぞ。
クセの強いシステムを遊びやすいように、クセの強い別のシステムが導入されている。
FF12を好むプレイヤーでも無印派とインター派で二分されるといわれる。
- オリジナル版では、プレイヤーの能動的な意思決定を重視するコンセプトがあった。
逆にインターナショナル版は、開発者の意図するプレイスタイルが強力に推奨されている。
ゲームのコンセプトとしてはインターナショナル版のほうが一般的だが、
プレイヤーの自己決定に寛容なオリジナル版があったため、両者が対比され議論の的になった。- 評価する声には「個性が出た」というものが目立つ。
しかし元々オリジナル版で自ら個性化していた人は「余計な世話」と敬遠する。
- 評価する声には「個性が出た」というものが目立つ。
- ゲームバランスに関しても意見の対立が見られる。
- 使用可能アクションが分割されて「役割が生まれた」という好評。
装備やオプション等の強化で「役割化の必要性がなくなった」という悪評。
- 使用可能アクションが分割されて「役割が生まれた」という好評。
- 狭すぎた門戸を広げる目的なので、ゆるい調整が多め。
その割にゾディアックジョブという奇異なシステムがあり、ちぐはぐになっている。
評価が分かれるのもこの辺りに起因するのではないか。
通常版でよくあった、MPやアイテムを吐きだしジリ貧で戦線崩壊という展開は少ない。
単純に対策不足ならやられるという、ある意味FFらしい戦闘になっている。
総力戦になりにくく次のダンジョンに余裕をもって進めるので、稼ぎが少なくてすむ。
- オリジナル版の戦闘の形が異質すぎたとも言える。
MPの確保、敵対心の調整、順番待ちの制御など、リソース管理と行動制御が主体であった。
これに対してインターナショナル版は敵の行動に対応手を打つという標準的な形に戻った。
インター版で一番物議をかもす要素は、間違いなくゾディアックジョブシステムだろう。
「ジョブ決めで悩む面白さ」「育成の分かりやすさ」は多くの人が評価する部分。
装備の長所・短所は使いこんで分かるので、その点で合っていて基本システムを理解しやすい。
一方で批判としてよくあるのは「単調」「大味」というもの。
育成の制限とそれに合わせたイージー化調整で、やれることもやり繰りする必要も減っている。
このシステムのおかげで、選択していないジョブの武器は誰も装備出来なくなってしまい、意味も無く持て余す事となる。
ステータス強化ライセンスが大量に増え、装備や魔法の性能も上がっている。
これはゾディアックジョブによって採れる戦術が限られてしまうことを考慮しての調整と考えられる。
トライアルや高速モードは追加されて良かったけど、
オリジナル版のライセンスボードで遊びたかったという人も多いかもしれない。
簡潔に言えばオリジナル版を分かりやすくしたもの。
(元々「オリジナル版は遊びかたが分かりにくかった」という反省がインター版制作の出発点である)
戦術的な方向性自体はオリジナル版と全く変わらない。
このことを理解するのがFF12のスタート地点で、あとは好みの問題である。
つまり倍速機能と新ガンビットの快適さや新装備・新モードのあるインター版が好きか、
自由度・完成度共に優れ深いやり込みができるオリジナル版が好きかに分かれる。
- 別の言い方をすれば役割化の利点を理解し自力で個性化できることがスタート地点。
個性化はおろかジョブすら一考もせずテンプレを選ぶプレイヤーにはオリジナル版は勧められない。- こういうのもなんだが、一般的なプレイヤーは「なんとなく」テンプレを選ぶのがほとんどだと思うぞ…
HDリマスター版
タイトルは「FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE」で2017年の7月13日にPS4で発売。
最新のHDグラフィック技術による高画質リマスター、
高音質の音声や新録されたBGMを含む7.1chサラウンドサウンド、ロード時間の短縮、オートセーブの追加、高速モードでの操作性向上のほか、キャラクター育成要素の改良も行われた。
公式サイトのスクリーンショットではブリザガやファイガ、アーダーとフレアーを同時に実行している。
PS2版では明らかに順番待ちしそうな組み合わせだが…!?
現段階のプレイ映像ではメニュー画面がオリジナルと少し変わっている。これが製品版と同じになるかどうかは不明。
ストーリー上戦う必要のないボスは強いまんまだろうか?アイツも含めて。
2017年7月4日、インターナショナル版からの更なる変更点が発表された。
- 2枚目のライセンスボード
- ストーリーが一定まで進行するとメインの他にもうひとつジョブの解放が出来るように変更された。
またこれによりオリジナルでは出来てIZJSでは出来なかった組み合わせも可能になった。
ただオリジナルのライセンスボードが今回も収録されていないのは少し残念。
- ストーリーが一定まで進行するとメインの他にもうひとつジョブの解放が出来るように変更された。
- 映像表現力の向上
- 現世代の技術が導入されたことで肌、髪、布、革、金属等の質感が向上したとのこと。
キャラや背景とともに。岩のゴツゴツ感や、絨毯は繊維のディテールまで手が加えられているらしい。
わかりやすいところで言えば違和感のあったヴァンの腹筋もきれいに直されている。
- 現世代の技術が導入されたことで肌、髪、布、革、金属等の質感が向上したとのこと。
- 3種類のBGM
- BGMをオリジナル版と新録版とサントラ版で変更できる*5
新録版には崎元氏書き下ろしの新曲も存在する
更に初回生産版かDL版の早期購入特典として、オリジナルのサントラ版に変更可能となるプロダクトコードが先行入手できる
- BGMをオリジナル版と新録版とサントラ版で変更できる*5
- 順番待ちの解消
- ハード機の性能向上により魔法が同時発動しても大丈夫なように。
しかしバランス据え置きの為、ただでさえ強かった魔法がさらにとんでもないことになっている。
- ハード機の性能向上により魔法が同時発動しても大丈夫なように。
- 全体マップを画面全体に透過表示
- これにより複雑なダンジョンでもそのままマップを表示しながら進行出来るような作りになった。
しかし"あの"クリスタルグランデは従来のままの仕様なのが残念
- これにより複雑なダンジョンでもそのままマップを表示しながら進行出来るような作りになった。
- 海外版での新録ボイスの日本語化
- 海外版でボイスが新たに追加された箇所を日本語でも新たに吹き込んでいる。
オープニングから最終決戦までに度々挟まれるオンドール4世の回顧録や
目的地へのナビゲーション等の状況確認の為に起きるイベントにボイス追加が多い傾向
- 海外版でボイスが新たに追加された箇所を日本語でも新たに吹き込んでいる。
- 倍速モードに2倍速モード追加
- IZJSでは4倍速のみで地形が複雑なマップでは使い難かったが新たに2倍速に切り替えられるように。
ちなみにL1+方向キーでコンフィグに入らなくても好きな速度へ変更出来る。
- IZJSでは4倍速のみで地形が複雑なマップでは使い難かったが新たに2倍速に切り替えられるように。
- ロード時間短縮、オートセーブに対応
- オリジナル、IZJSに比べると暗転時間がかなり短くなっておりエリアチェンジが快適になった。
またオートセーブを利用してレアモンスターからのレアドロップを簡単に狙うことも
- オリジナル、IZJSに比べると暗転時間がかなり短くなっておりエリアチェンジが快適になった。
- トライアルモードからオリジナルデータへの帰還
- これによりトライアルで入手したレアアイテムを何個でも持ち帰る事が可能になった。
本編では複数入手不可能なトロの剣を始め、さらには女神の魔石や暁の断片なんてモノも。
- これによりトライアルで入手したレアアイテムを何個でも持ち帰る事が可能になった。
2018年2月2日、Windows版がSteamで配信開始。以下、主な追加要素として
最大60fpsのフレームレート、21:9ウルトラワイドモニター、3画面マルチモニター対応。
強くてニューゲーム、弱くてニューゲームをゲーム開始時から選択可能。
ギル、ライセンスボードをMAXにするブースト機能が追加。
ついでXBOX ONE、Nintendo Switchでも発売が決定した。
XBOXでの発売はある程度予測出来たものの、Nintendoのハードで7以降の作品が発売された事は一切なく(今回のニンテンドーダイレクトで7、9、10、WOFFも同時に発売が決定した)、かつてFF7が原因とも言えるPSと任天堂の壁が薄くなったと言える。今後FF7 REMAKEなどが任天堂ハードで展開される可能性があり、注目と期待が高まった。
- 発売日は2019年4月25日。Switch版はパッケージ版も販売され、新規のパッケージイラストが描き下ろされている。
- 「ジョブのリセット」「ガンビットのセットを3パターンに拡張」「強くてニューゲーム時にアイテムも持ち越し」の要素が追加。また、XBOX ONE Xは60FPS対応となる。
- 2020年4月のオンラインアップデートでPS4版、Win版でもライセンスボードのリセット及びガンビットの拡張が可能になった。
宣伝費にも余裕があったのか、はたまた売れ行きが好調だったためか、ゾディアックエイジ版プロデューサー・加藤弘彰、ヴァン役・武田航平、パンネロ役・小澤真利奈の3人+ゲストスタッフによる公式生放送が7回に渡って行われた(本来は第4回で終わる予定だった模様)。その生放送実施のほか、Steam版発売や売り上げ100万本達成、Nintendo Switch版とXbox One版発売などの節目節目で描き下ろしイラストやPVが公開されている。
動画の「120秒でわかる『FFXII TZA』」シリーズではヴァンとパンネロによる作品の解説が行われており、今作の物語や登場人物、システム、新要素などの紹介を行っているほか、ヴァンが早口言葉を披露したりしている。第3回の動画ではパーティメンバーが勢揃いし、みんなで喋った。200秒くらい。
近い時期に公開された他FF作品のリマスター版PVは1分から1分30秒くらいの長さのものが多いが、ゾディアックエイジの最後に公開された動画は4分50秒ほどの長さがある。
バグなのか仕様なのかよくわからない仕様がオリジナル版の頃から数多く存在し活用されてきたFF12、本作の魅力のひとつとする声が根強いからか、そのほとんどが修正されず続投となっている。
例外は順番待ちと5Hits法ぐらい。
- 順番待ちそのものは修正がかかったが、順番待ち関係で存在していたバグらしき仕様は続投。
- 修正はされていないがやる意味はなくなった仕様もある。
Fortress
FF12の続編として制作されていたゲーム。
プラットフォームはPS3/Xbox360/PC(Windows)の三機種。
開発担当の海外のデベロッパーが経営難で閉鎖し、製作途上のアートワークが大量に流出したことで
FF12の続編が制作されていたことが明らかになった。
上記のとおり開発会社が経営難で閉鎖してしまったため、この続編が今も製作されているかは謎である。
- 海外サイトでFortressの開発はまだ続いているという情報が出ている。
スクエニはGRIN(=外注先)閉鎖前の時点で開発プロジェクトをGRINから引き上げていたという。 - 上記の記事には書いていないが、GRINが倒産したのは、スクエニがGRINに仕事のクオリティを理由にお金を支払わなかったから。
流出したアートワークには、ラミナスと同じ王冠を戴くダルマスカ女王アーシェのものも含まれ、
ダルマスカの国章が入った旗が翻る城塞、魔法障壁を張る城塞とその上空を行く巡洋戦艦イフリートなど
この海外デベロッパーがFF12の続編を制作していたことが明らかな内容であった。
さらには技術デモ動画まで流出し、チョコボに騎乗して広大なフィールドを走り回る様子が収められ
FF関連作品であることも明白になった。
和田社長は海外メディアに「FFが海外スタジオで開発される可能性はある」と応えており、
その一環として、このFortressを海外で開発していたということが考えられる。
しかし委託した海外デベロッパーは経営難で閉鎖してしまっており、
それに伴いFortressの開発がどうなっているのか、開発中止になったのかなどは不明。
流出動画を見る限り、PC一人のアクションRPGらしい。
ただし派手な動きで派手なエフェクトが飛び交うアクションとは180度異なる作りで、
洋ゲーによくありそうな渋い雰囲気を醸していた。
ベイグラントストーリーの戦闘をリアルタイム化したもの+FF12よりも広大なフィールドと言った印象。
海外ウケは良かった作品同士を足してさらに濃くしたような作りっぽいので、
海外にはウケそうだが国内ではFF12以上に問題作になりそう。
- スクエニがどれほどGRINに開発を委任していたかにもよる話ではあるが、
「役割を遊ぶ」海外式と「役割を演じる」日本式というRPG感の違いが問題になるかと。
プレイヤーキャラが自作で、ならず者として遊んだりもできる形になる可能性がある。
日本式だと世界の中心的存在として作られた主人公が前提なので、この段階から異なる。
また意思決定という積極性重視のスタイルは、感情移入が前提の日本式には合わないだろう。
「FF12の時代=アジョラ登場から数十年前の時代」はFF12で明言されていることだが、
FF12の後の時代の物語だったということは、アジョラが登場する予定だったかもしれない。