オワタ

Last-modified: 2023-12-01 (金) 00:08:06

終了、詰み、絶望などという意味の「終わった」を捩ったネットスラングの一つ。なんJにおいては以下の蔑称としても用いられる。

  1. 伊藤隼太(元阪神)の蔑称。本項で解説。
  2. 緒方孝市(元広島、同球団の元監督)の蔑称。主に「オワタ采配」の形で使われる。詳細は緒方伝説参照。


概要

プロ入り前

伊藤は慶應義塾大時代、主将としてチームを六大学野球連覇に導き、2年連続で大学日本代表の四番を務める等の活躍を見せる。大学の先輩にあたる高橋由伸と同じく走攻守三拍子揃った左打ちの外野手として注目され、「由伸二世」の触れ込みで2011年のドラフトの目玉候補に挙げられた。
しかし4年次に成績を落とした上に日米野球でも活躍出来なかったためか懐疑的な見方をする球団も増え、伊藤の地元の中日などは伊藤争奪戦から撤退。

そんな中、阪神は

  • 金本知憲城島健司新井貴浩ら主軸の高齢化が進み、次世代の和製大砲が待望されていた。
  • 葛城育郎・桜井広大といった中堅世代の外野手が本年で戦力外となったため、外野手を補充する必要があった。

という需要に合致する即戦力として伊藤をドラフト1位で指名。

しかし、なんJ内外を問わず阪神ファンからは他球団の撤退等を背景に地雷扱いされており、加えて当時の南信男球団社長が伊藤と同じ慶應大出身だったことから、「当時、プロ選手の輩出数が減っていた母校を救済するための贔屓指名ではないか」とも囁かれ、一部では『南くんの恋人*1』と揶揄されていた。

プロ入り後

ルーキーイヤーのキャンプにて初日から守備でボールをこぼし、打撃でも見るべき点がない*2という、阪神ファンの予想を上回る惨状を披露。いきなりファンを絶望させた。
開幕戦にて球団40年ぶりの新人野手スタメンを掴むも、出場するたびに素人のようなプレーを連発し、前評判とは真逆の走攻守すべてで致命的なミスを繰り返す大問題児であった。
ポスト金本どころか桜井や葛城の穴埋めにも到底なり得ない惨状にファンの失望は大きく、名前の「ハヤタ」と『(走攻守で)終わった』を掛け合わせた「オワタ」が誕生した。他にも「終身名誉外れ1位」「51番という選手」、(長所が一つもないという意味で)「0ツールプレイヤー」*3等、数多の蔑称をつけられ早々に絶望枠認定される。

通算成績一覧

年度試合打率本塁打打点盗塁盗塁死失策
通算365.2401059161
201222.14815010
201330.14514020
201452.294212101
201563.252212010
201629.24514010
201773.26129010
201896.247113000


能力

打撃

体格が良く鋭いスイングをする割に打球に力がない。良くてあへ単、またチャンスに弱く三振及び内野ゴロを量産。

脚力

入団当時の阪神においては平均よりは速い部類なためしばしば代走で起用された。しかし、走塁技術や判断力に難があり、通算盗塁数1に対し盗塁死は6(赤星式盗塁はマイナス11)。またキャリア初期においては多くの牽制死と走塁死を残した。

守備

「オワタ」の象徴といえる守備難の数々。下記に例を挙げる。

  • 絶望的なまでに空間認識能力が低く平凡なフライの落下地点に入ることすらままならない
    ライトへのファウルフライを追いかけて、そのままフェンスに突っ込んだこともあった(ファウルグラウンドの広い甲子園球場での出来事)。
  • 本人のエラーだけならまだしも、他の野手と交錯し負傷離脱に追い込む。
    • 2013年のWBC日本代表との強化試合にて上本博紀と交錯し、6ヶ月離脱の負傷を負わせる(上本自身がスペランカー体質ではあるが)。
    • 2014年春季キャンプにて田上健一と激突し、病院送りにする。
  • 2013年5月8日(伊藤の誕生日)に先制の2点バースデーアーチを放つも、9回裏にファウルフライを落球しピンチの原因を作り、捕ればゲームセットの飛球が上がるも落下点を派手に誤りフェンスに激突。同点タイムリーを献上し名誉返上。延長戦の末試合は勝利したものの、自身の誕生日を台無しにしかねないチョンボであった。(記事リンク/試合結果
  • 2014年8月だけで失策にならない3度の落球。サンスポに難しいことは言いません。外野手ならフライは捕りましょう。と書かれる。
  • 2015年6月4日、連続無失点記録を伸ばしていた藤浪晋太郎が6回まで無失点の好投を見せ8-0とリード。7回も続投するも、この回からライトに回った伊藤が無謀なダイレクト捕球を狙い後逸(記録は三塁打)。このプレーを発端に1イニングで8点差を追い付かれる*4。藤浪の無失点記録を止め、結果的に勝利投手の権利までも奪う痛恨のプレーとなった。加えて伊藤は試合中盤に行ったヘッスラで負傷しており、この回途中で交代。翌日に登録抹消された。(記事リンク/試合結果
  • プロ野球では一般的に守備機会の多いセンターに好守の外野手を、少ないレフトに比較的拙守の(≒打力が期待される)外野手を配置するが、伊藤は打球判断・風読み・球際の強さ・スピンがかかった変化する打球処理のいずれもプロレベルとは言い難い*5ため、落球されるよりはマシという理由で仕方なく長期間センターを守らされていた*6。もっともセンターは真正面に飛ぶ打球が多いため、前後の感覚を把握しにくいと赤星憲広は指摘している。
  • 大学時代は強肩と評価されていた肩も、2016年の右肩関節唇の損傷以降はプロでは弱い部類に劣化してしまう。送球精度も良くない。
  • 当時の阪神外野陣における三大糞守備として、元々守備が不得手な上に衰えと故障で満足にスローイングすらできない金本知憲、故障とイップスで投手を断念し外野手に転向したばかりの一二三慎太、そして若く健康であり中学時代から外野手一筋の伊藤が挙げられた。

上記の数多のエピソードに関わらず、記録上の伊藤の通算失策数は1。これはあまりに守備範囲が狭すぎて打球に触れることすらほとんどできなかったためである。


阪神退団、そして現役引退

金本政権時代の2017・2018年こそ代打の切り札として起用されたがその後は再び不振に陥り、矢野燿大政権になった2019年以降は一軍出場ゼロに終わる。更に2020年には新型コロナウイルスによる騒動のきっかけの一人にもなってしまい、同年戦力外通告を受け阪神を退団。

その後は四国リーグ・愛媛に選手兼任コーチとして所属する傍らYouTubeチャンネルも開設し活動を続けていたが、2022年限りで現役を引退し本当の意味でオワタとなった


関連項目



Tag: 阪神 蔑称


*1 内田春菊原作の漫画のタイトルから。4回もテレビドラマ化されている。
*2 当時、非常に打撃難だった大和(現DeNA)と比較されたほど。
*3 「5ツールプレイヤー」の捩り。後輩の江越大賀(現日ハム)が、ミート以外は一流とする「4ツールプレイヤー」と呼ばれている事との対比も含んでいる。
*4 なお幸い試合には勝利している。
*5 レフトはセンターよりも横スピンがかかってスライダーのように変化する打球が多いため、名手でもミスを犯すケースはある。とはいえプロレベルの外野手ならば落球は稀な程度であり、基本的には守備機会の多寡を優先してセンターに名手が配される。
*6 慣れや疲労などの問題からベテランの福留孝介をセンターに置きたくないという理由もあった。