二つの物や生物の先天的な間柄の良さを表現する言葉で、主に良い悪いで表現される。
敵対する間柄に対して使われる場合(例えばAvsBとすると)、AにとってBとの相性が良い場合、
ほぼ確実にイコールBにとってAとの相性が悪いとなり、両方共相性が良いor悪いとなる事は極めて稀である。
逆に言うと敵対する間柄以外に使われる場合、大抵の場合両方共相性が良いor悪いになる。
目次
モンハンの場合
- モンスターハンターの世界では大きく分けて2種類の相性がある。
モンスターとハンターの間における相性
- ここでは主にハンター側の動き(主に武具)と、モンスター側の動きや環境においての有利不利について解説する。
例えば打撃系武器は固い相手と相性が良い、フルナズチは火山と相性が悪い等。
いずれも相対的な物なので、シリーズ毎の仕様により状況は変化する。
- 相性の良し悪しを語る前に、何を以て相性とするかを明示する必要がある。
例として、素早い相手との戦闘について、全体的な戦いやすさを相性として考えてみよう。
素早い相手に対しては、片手剣などの手数重視の武器が有利と思われがちだろうか?
手数武器は敵の攻撃を素早い動きで回避し、細かく攻撃を加えられるので、
相手のモーションへの対処のしやすさという点で相性がいいと考える人もいるだろう。
しかし手数武器は一撃の威力が小さく、細かいスキに強力なコンボを挟めなかったりすれば、
小さなダメージしか与えられない可能性もある。
むしろ大剣など「弱点を捉えやすく、一撃のダメージが大きな一撃離脱武器」によって、
少し大きめのスキに、より大きなダメージを一発で叩き込めるならば、細かいスキに弱点を狙いづらい相手や、
攻撃チャンスを見極めにくい相手などに対し、攻撃面において手数武器より戦いやすいと感じる人もいるかもしれない。
- 相性をダメージ効率(=単位時間あたりのダメージ=総ダメージ÷狩猟時間)の面で判断するならば、
手数型の武器が追加の攻撃チャンスで与えたダメージと、
一撃型の武器が共通の攻撃チャンスで与えた追加のダメージとの差の問題となる。
これには武器のモーションとモンスターの行動の噛み合わせ、弱点を狙うことができるかや属性の有無、肉質、
プレイヤーが適切な行動を選択できるかなど様々な要因が関わってくる。
また近年の作品では、手数型に分類される武器種に攻撃力の高い技が追加されたり、
逆に一撃型に分類される武器種に隙の少ない技が追加されたり、
カウンターや吹き飛び無効などの似た機能を持つ技が平等に配られるなど、
武器種ごとの対応力を高め、武器種間の対応力の差を埋めようとするかのような傾向もみられる。
ステレオタイプに依った大雑把な一般論はナンセンスになりつつあり、より具体的に議論する必要があるだろう。
- なお、相性はあくまでも有利か不利かを表すものであり、決して可、不可ではない。
確かにゲリョスにハンマーはきついとか双剣でガルルガは辛いなどは尤もな意見。
しかし、それを何とかするのがハンターの腕の見せ所でもある。
罠、大タル爆弾といったアイテム、状態異常などの搦め手を上手く扱い、
狙うべき隙を見定めて攻撃を続ければ、どんなモンスターもいずれ討伐出来るはずだ。
- 武器や○○使いの記事にもあるが、
元々MHシリーズでは、武器種の選択はこの相性差をカバーするためのものであった。
MH2頃までは開発側も明確に、○○で相性が悪ければ○○で……というプレイングに言及していたほどである。
(参考)
その為過去作においては、武器種とモンスターの相性差は非常に大きなものとなっていた。
だが、MHP2以降、特にMH3以後は明確に、武器種の相性差は是正されていき、
近年のメインシリーズにおいてはモンスターによって武器種間で若干の有利不利が出る程度で、
基本的に問題なく狩猟ができるようになっている。- 一応、弾肉質が恐ろしく硬いアルバトリオンやダラ・アマデュラ、
リーチの短い双剣では苦戦を強いられる可能性が高いクシャルダオラやアマツマガツチなど、
一部のモンスターではその有利不利の差が大きくなるケースは現在でも散見される。
(特にアルバトリオンやダラ・アマデュラのように高い体力値を持つラスボスは、
それなりのPSを持って臨まなければ時間切れの可能性も視野に入れることになる)。
ただしこれらも根本的に狩猟できないという性質ではなく、
あくまでより楽な選択肢が無いわけではない、といった具合である。
- また、装備が充実していない序盤では、斬れ味と弾かれの関係で近接武器が不利になったり、
防御力の関係でガンナーが不利になったりということは起こりうる。
序盤については、様々な武器を手にとってもらうという意図が含まれている作品が多いため、
時には自分に合いそうな他の武器に手を出してみることも必要かもしれない。
様々な武器を使うのもまたモンスターハンターの醍醐味の一つである。
- 一応、弾肉質が恐ろしく硬いアルバトリオンやダラ・アマデュラ、
- 武器以外でも、防具とクエストの相性も存在する。
わかりやすいところではダメージの増減が顕著となる属性耐性が挙げられる。
特に即死するかしないかに関わるレベルならば、多少スキルを諦めてでも、
属性耐性を優先した防具にした方が安定する。
また属性やられがあるシリーズでは、そちらも関係してくるのも重要。
例えばスリップダメージを受け続ける火属性やられの効果と持続時間は現在の火耐性に関わってくるため、
炎のブレスを食らった際の総合ダメージが目に見えて変わる。- スキルに関しては、採取は採取用スキル、戦闘は戦闘用スキルとわかりやすい区分はあるため、
そこは相性としても認識しやすい。
その他だと、発動状況が限定されるスキルと武器、もしくはクエストの相性が大きい。
また、モンスターと相性が良い/悪い、特定のMAPで相性が良い/悪いというスキルもある。
この辺りはモンハン用語/死にスキルやモンハン用語/必須スキルなどで詳しく解説されているため、
そちらも参照いただきたい。
- スキルに関しては、採取は採取用スキル、戦闘は戦闘用スキルとわかりやすい区分はあるため、
- さらに言えば水中戦での相性、高低差対応、狩猟スタイル、狩技との相性といった、
シリーズ独自の要素との相性もそれぞれ存在する。
これについては調整等の問題で、上述の有利不利の差が大きくなってしまうケースがある。
- 3DS前後でハードを跨いで様々なコントローラーや画面でモンハンに触れていた経歴がある場合、
PS系ハードに於けるモンハン持ちの手慣れ感や
3DSに於ける下画面タッチパネル(上下二画面では気が散って、逆に集中できない)など、
ハンターの手腕や手癖とは異なり「機械との物理的相性」が狩猟活動を左右する局面も稀に見られる。
MHF
- MHFでは元々「武器種の選択は相性差をカバーするためのもの」
というメインシリーズ(当時はMH2)の風潮をそのまま引き継いでおり、
「モンスターとの相性」が非常に重視されることになった。
だがあまりに重視されすぎた結果、
「モンスターとの相性が最良な武器以外はPTプレイでは担いではいけない」
という考えが広まるという本末転倒な結果を生んでしまった。
- だが、○○使いの記事にもある通り、MHFでも使用武器種の単一化傾向、
及びモンスター毎の武器種との相性差改善が少しずつ進んでいき、
MHF-Z現在、メインコンテンツのG級では原則としてモンスターと各武器種の相性問題は解決している。- ただし、極みモンスターなどの一部の超難関クエスト(特にソロ)においてはこの限りではなく、
火力の出しやすさや特定の技への対処のしやすさにおいては武器種間格差が明確に存在し、
ソロ討伐の可否や討伐タイムには露骨に影響している。
また、G級大討伐やハメにより高階層を目指す狩煉道など、
一部のやり込みコンテンツにおいては武器種間格差は非常に大きく、
指定募集が行われることや、定石ではない武器種での参加が歓迎されないことも多い。
「モンスターとの相性が最良な武器以外はPTプレイでは担いではいけない」という風潮は、
ネット上での笑い話レベルの過去のものとなっている。 - ただし、極みモンスターなどの一部の超難関クエスト(特にソロ)においてはこの限りではなく、
- なおMHFではメインシリーズと比較して膨大すぎるといえるレベルのスキル搭載が可能になっているが、
MHF-Z以降は明確に「自身のプレイスタイル・モンスターとの相性の良いスキルを取捨選択すべきである」
という風潮が確立している。
これは過去の同作では見られなかった(かつては、効果のあるスキルをとにかく盛ればよいと言う考えだった)
もので、2015年以降、火力スキル自体のバリエーションの増加や、
「特定のプレイスタイルと相性が非常に良い/非常に悪い」というスキルが多く登場していったためである。
モンスター間における相性
- ここでは主にモンスター同士の戦闘に対する相性を解説する。
- MHWorld以降モンスター対モンスターの戦闘が発生する縄張り争いシステムが追加されたが、
特にMHRiseでは危険度や戦闘能力にそぐわない結果が発生しており、
これらはモンスター同士の相性の可能性が挙げられている。
- MHWorld時点では縄張り争い自体がそれ程多くなく、
発生するものも概ね危険度通りと言えるものがほとんどであった。
MHW:Iからは地形の有利不利で勝敗が入れ替わるリオレウスvsディノバルドが追加。
他の縄張り争いの結果から考えても戦闘能力は拮抗しており、
地形との相性で結果が変わっている確実な一例である。
古龍種が古龍種以外に敗北する唯一の例となるラージャンvsキリンも、
フィジカルが劣る為直接戦闘では負けるだろうという作中での推測から相性による敗北と言われる事もあるが、
対ラージャンを考えずとも多くのハンターズギルドでキリンの戦闘能力はドス古龍より格下と見られており、
ドス古龍と引き分けとなるラージャンが勝るのは従来の設定通りとも言える。
- MHRiseでは、主に以下のモンスターの世界観上の実力について議論がなされている。
- 明確に危険度が下でありながら前作の主級モンスター達と引き分けに持ち込むリオレイア
- 主級モンスター達とは引き分けでありながらリオレイアには敗北するアンジャナフ
- 前作で古龍級生物と見られていたバゼルギウスを撃墜し、古龍とも痛み分けに持ち込むマガイマガド
ハンターから見た戦闘能力差だけでは測れない相性によるものという推測が立てられている。- どれにも共通するのは飛行するモンスターに対する対処手段という点である。
実際の戦闘においても基本的に上方を取る事はあらゆる点において有利であり、
リオレウス程ではないにしろ飛行能力を持つリオレイアに対して、
地上戦を主体とする主級モンスターは本来の戦闘能力を発揮できない為引き分けとなり、
一方でパワーこそ一級なものの飛行能力も俊敏さも一切持たないアンジャナフが敗北しているとする見方ができる。 - ではマガイマガドはと言うと、爆発による推進力で空中の敵に食らい付けるという対抗手段がある。
戦闘中の描写を見れば分かる通り翼で空気を仰ぐ事での飛行より、
爆発による一瞬の加速の方が瞬発力で勝るのは明らかであり、
この運動性を駆使して飛行するモンスター全体に有利に立ち回っていると考えることができる。
ラージャンvsキリンのように作中で勝敗の根拠が述べられているわけでもない。
実際にマガイマガドが古龍と引き分けるのも単純に実力である可能性もある。
しかしながら、飛行しないモンスターとの縄張り争いが今の所存在せず否定材料が無い為、
これらに理屈を付けようとすると「相性」という一言でしか片付けようがないのが現状である。
- ちなみに上を取る方が有利という理屈は多くの縄張り争いでも描かれており、
基本的に空対空の場合上の取り合い、
空対地の場合も地上側がダメージを与えるのは主に隙を突いて地面に抑え付けて攻撃する部分である事から、
モンハン世界においてもこの理屈が通用するのはほぼ間違いない。
また、登場ムービーにおいても悉くを殲ぼすネルギガンテとバゼルギウスの目まぐるしい上の取り合いや、
イャンガルルガが格上のイビルジョーを封殺しかけた事等で描かれている。
- MHR:Sではもう一つ物議を醸す縄張り争いが実装された。
エスピナス対クシャルダオラである。
MHFでのモンスター紹介に対するファンサービスとも言える勝負だが、
結果は引き分けに終わっている。
これだけだと単にエスピナスが古龍級生物であるとも考えられるが、
この二頭が同時に出現するクエスト名が「毒を以て、風を制す」であり、
これはエスピナスがクシャルダオラと拮抗するのは毒を与えられるからであるとも読める。
残念な事にエスピナスは性格故かクシャルダオラ以外との縄張り争いが無く、
エスピナスの他のモンスターに対する戦闘能力を押し測る事ができない為、
現状では相性勝ちの可能性があるという程度で留まっている。- ちなみに実戦はともかく、
属性相性で勝敗が決していると思われる縄張り争いは無いが、
状態異常はほとんどのモンスターが活用していない為、
そもそも状態異常が結果を左右し得るかは不明である。
ただ、属性の有効性はダメージ量にしか関わらないが、
状態異常は例えば麻痺を使えば当然相手は動けなくなる為、
活用した場合一切影響が無いとは考えにくい。
エスピナスはクシャルダオラを放り投げる突進の直前にクシャルダオラにブレスを命中させており*1、
それがその後の力比べに影響を与えた可能性は否定できない。
- ちなみに実戦はともかく、
- さらにMHR:Sでは相性が色濃く表れたイヴェルカーナ対原初を刻むメル・ゼナがある。
イヴェルカーナと原初を刻むメル・ゼナの間で実力に劇的な差はないが、原初を刻むメル・ゼナの一方的な勝利となる。
イヴェルカーナの十八番である極低温ブレスを原初を刻むメル・ゼナは盾翼で完全に完封しており、
ブレスが通らない相手に対する相性差によって一方的な勝敗となったとみることができる。
MHSTシリーズ
- RPG作品であるMHSTシリーズはゲームシステムとして相性の概念が組み込まれている。
同作品群のバトルにおいては、全ての攻撃手段は
「パワー」「テクニック」「スピード」「ノータイプ」の4タイプに大別されており、
ノータイプ以外の3つは「パワー > テクニック > スピード > パワー >…」と言う3すくみの関係になっている。
そして、戦闘中に敵味方同士が繰り出す攻撃のタイプによって真っ向勝負の結果が変わるなど、
勝負の行方に大きく作用する極めて重要な位置づけがされている。
関連項目
モンハン用語/○○使い - シリーズによってはこれになることで相性の差を強く感じる事がある。
ゲーム用語/シナジー