主にPS2作品・PSP作品のMHシリーズをプレイする時に用いられるコントローラの特別な持ち方。
モンハン用の持ち方ということで「モンハン持ち」と呼ばれる。
概要 
- ハンティングアクションのMHシリーズでは、ご存じの通り
「ハンターの移動」と「視点操作」が独立しており、
プレイヤーはハンターを動かしつつモンスターの位置を正面に捉えるよう視点を変えていく必要がある。
- ところが、MHP3までのシリーズには現在の「ターゲットカメラ」のような、
ワンボタンでモンスターの正面に自動で視点変更をするシステムは備わっておらず、
しかもMH2までの作品においては昨今のFPS・TPSゲームのCS版で見られるような、
右スティックでの視点変更には対応しておらず、十字キーで視点変更をする必要があった。
実際にPS4などのゲームコントローラーを触ると分かるが、
普通の持ち方では左スティックと十字キーの同時操作、つまり移動と視点変更を同時に行うのは極めて難しい。
それを実現するためのコントローラーの持ち方として編み出されたのがモンハン持ちである。
- ちなみにPSPもアナログパッドと十字キーが両方とも左側にあるため、
PSPでのシリーズ作品でも移動と視点変更を同時に行うのは難しく、モンハン持ちが活用された。
後述するが、「モンハン持ち」という用語自体の発祥はPSP作品であるとみられる。
詳細 
- 右手は従来の持ち方と変わらないが、左手の人差し指で十字キーを操作するのが最大の特徴。
「モンハン持ち」で検索していただければ具体的な絵面はすぐに分かると思われるが、
通常ゲームコントローラー(PSP)を持つ場合、左手人差し指はLボタンに置いておくことになる。
モンハン持ちでは、親指はアナログスティック(アナログパッド)というのは同じだが、
人差し指は折り曲げて十字キーの上に置くというのが大きな違いである。
慣れるまでは指を攣りそうになる持ち方だが、使いこなせば視点変更と移動を同時に行うことができる。
- ちなみに本来人差し指が担当するLボタンをどうするかは人によって違う。
「中指で押す」「必要なときのみ人差し指を移動して押す」などが多い。
いずれにしても人差し指の基本ポジションが十字キーの上という点で、
通常の持ち方とは一線を画している。
- 上述したようにこの持ち方自体は初代・MHGの時代から存在しているが、
PSP作品でもこの方法を取り入れるプレイヤーが多く、
同シリーズが爆発的に普及したMHP2(G)において、当時非常に珍しいPSPの持ち方であるとして
「モンハン持ち」の呼び名が定着することになった。
電車の中でPSPをこの持ち方でしている人がいればほぼ間違いなくモンハンプレイヤー…という時代もあったほど。- 他のゲームでも視点変更とプレイヤーの移動が独立している作品は多いが、
当時のPSP作品で、オートカメラが無い=モンハン持ちが効果的に機能する作品となると限られている。
- 他のゲームでも視点変更とプレイヤーの移動が独立している作品は多いが、
- PS2作品にせよPSP作品にせよ、視点移動とハンターの移動を同時に行おうとするには、
この持ち方ぐらいしか有力な選択肢が無い状態である。
当時のモンハンのシステム上、この持ち方が生まれたのは必然だったのかもしれない。
ちなみにモンハンに限らず、左スティック(パッド)と十字キーを同時に操作したくなるゲームであれば、
この持ち方になりうる。
- PSPでは元々PS2コントローラーでやる指のポジションを、
ゲームグリップの無い状態で行っているため、普通の持ち方よりは手に負担がかかる。
その為、モンハン持ちに特化した専用グリップなるものが販売された事も。
- 攻略本や半公式の書籍でも度々この持ち方が推奨されているほど当時の界隈では一般的な持ち方と言えたが、
当然ながら、指の太さ・長さ・手の大きさ・慣れなどにより操作しやすさには個人差がある。
また、この持ち方というか操作方法(視点変更と移動の同時操作)はそれなりの器用さが求められ、
誰でもできるという訳ではない。
更に上述したようにPSPでは手に負担がかかり、長時間プレイに向かないという欠点もある。
- 上記の点からモンハン持ちが出来ない(しない)プレイヤーも少なくはない
(「モンハン持ちができません。」の著者などが有名)。
いわゆる普通の持ち方でも、Lボタンで視点を強制的に前方に変更するという仕様を活かし、
攻撃時は十字キーを触らず、モンスターやハンターが移動した際に、
モンスターの側を向く→Lボタンで視点変更して対応するプレイヤーもいる。
カメラは一瞬で背後に回り、モンスターの動きさえ読めていればより確実に視界内に捉えられる他、
ハンターがモンスターに対して正対している状況であるため、
攻撃もしやすくガード可能武器なら咄嗟にガードも効くなど、便利な部分はある。
ただしこれを行う為にはモンスターの位置を見極めなければならない。
MHP2Gでもナルガクルガ、MH3以降の作品では全般的に、
慣れない内だと逆にモンスターを見失ってしまうこともしばしば。
この他にも回避中や攻撃、アイテムの使用など、各硬直の間に十字キーでサッと向き直すことも可能。
ただこちらに関しても、モンスターの位置やテンポを把握しておかないと被弾の原因になってしまう。
- 上述したように当時は異端とされるモンハン持ちだが、PSPをMHPシリーズ専用機として使っており、
他のゲームは一切遊ばないプレイヤーはモンハン持ちが通常の持ち方となるため、
モンハン持ちが異端な持ち方だと知って逆に驚く人もいたという。
変遷 
- 初代から存在し、MHP2(G)で一躍有名になった「モンハン持ち」であるが、
この操作が(操作体系上)できるかどうかは、長年界隈での関心事となっていた。
- Wiiで発売されたMH3では、
そもそも根本的な操作体系がリモコン(ヌンチャク)に変わるという事で大きな話題になった。
実際にはクラシックコントローラーも用意され、
それを使うことで「モンハン持ち」を行うことができた。
スティックが攻撃アクション入力になっている操作タイプ(Type2)に設定することで、
概ねPS2コントローラーと同じような操作ができる。- なおこの当時は「モンハン持ち=PSPのモンハンと全く同じ持ち方と操作」という認識も強く、
「クラシックコントローラーではモンハン持ちが出来ない」ともいわれていた。
実際には、人差し指でカメラ操作をする必要があり、
モンハン持ちの条件である左手の配置はクラシックコントローラーでも同じである。
- なおこの当時は「モンハン持ち=PSPのモンハンと全く同じ持ち方と操作」という認識も強く、
- PSPとほぼ同じボタンアサインのType1も存在するが、
こちらは視点変更を右アナログスティックで行えるため、モンハン持ちをする必要がない。
ただしこちらは操作性が微妙に悪いと言われていた。
詳しくはクラシックコントローラーの記事も参照のこと。
- MHP3は一時期、PSPgoで発売するかもしれない。と噂されており、
PSPgoのボタンの配置上、モンハン持ちが困難になるので一部で不安が高まっていた。
どんな感覚か体験してみたい方はPSPを縦にして持ってみると分かるだろう。
実際はPSPで発売されており、モンハン持ちは当然可能であった。
- MH3Gでは、従来の常識を大きく覆す出来事が起こった。
ターゲットカメラの実装である。
Lボタンを押せば視点が自動的にモンスターの方向を向くというものであり、
これによって従来の視点操作を行わなくても快適な狩りが望めるようになった。
なお3DSでは下画面に仮想十字キーが表示され、
それを用いることで従来の視点変更は一応は可能である。- ターゲットカメラの性質上、周囲を見渡すようなカメラ操作は出来ないため
小型モンスターの掃除などは自分でカメラを操作しなければならない。
そもそもモンハン持ち自体が難しくなった。 - ターゲットカメラの性質上、周囲を見渡すようなカメラ操作は出来ないため
- MH3Gの当時はモンハン持ちに慣れていたプレイヤーが多数存在しており、
まだターゲットカメラ関連も過渡期であったことから、
「モンハン持ちが仕様上できない」事への不満を感じるプレイヤーはそれなりに存在していた。
一応そのような声を予測してか、任天堂から3Gと同時に「拡張スライドパッド」が発売された。
(とはいえ重さや大きさは確実に増してしまうためこれも好みはある。)
また、3DSの下画面に存在しているパネル配置を操作し、
カメラのパネルを人差し指が届く左側に置くことでもある程度は対処できる。
- また、拡張アイテムを使用せず、どうしてもモンハン持ちをしたいというプレイヤーも存在し、
強引に新モンハン持ちを生み出したり、あろうことか、拡張スライドパッドを改造したり、
仮想十字キーに本物の十字キーっぽいものを貼り付けるという驚きの暴挙に出た馬鹿強者も現れた。
さすがにここまでモンハン持ちに固執するのはかなり少数であるが…。
- MH3GHDはWii用のクラシックコントローラーにも対応しているので、
それを使用すれば従来通りのモンハン持ちが可能。右スティックでカメラ操作も可能。
なおゲームパッド使用時は、手の大きさによっては仮想十字キーに指が届かないことがある。
- MH4以降はターゲットカメラの重要性が更に上がり、*1
そもそもモンハン持ちの必要性自体が薄くなっている。
ただ、約7年近くにわたって普及した持ち方であることから、
モンハン持ちに拘り独自の工夫を図るプレイヤーは、MHX(X)の頃まで存在していた。
- Newニンテンドー3DSシリーズではXボタンの少し上の位置に、
拡張スライドパッドでいう右パッドに該当する「Cスティック」が存在する。
スライドパッドのそれと比較し、比較的近い場所に配置されているので、
Cスティック独特の操作感に慣れれば所謂「攻撃しつつ周囲を見る」ことは難しくはないと思われる。
- MHP2G for iOSではデバイス形状の関係上モンハン持ちは極めて難しいが、
ターゲットカメラ機能、更には自動追尾機能(モンスターを自動的に追尾して視点変更する機能)があり、
視点変更と移動を同時に行う必要性が薄く、モンハン持ちはそこまで重要ではない。
また、MFiなどのゲームコントローラに対応するため、それでモンハン持ちをしようと思えば可能である。
- MHFではMH2と同じ操作体系である「クラシック」が選択でき、
(現在では入手困難だが)PS2コントローラー、或いは近い形状のコントローラーを使用できるため、
PS2作品と同様の形式であるモンハン持ちは出来る。
また「携帯機」操作の場合はボタンアサインがPSP作品に近い形になり、
右スティックでも視点変更ができるようになるが、
十字キーの視点変更操作は失われていないため、こちらでもモンハン持ちは可能。
どちらにしても、MHF-G8アップデートでターゲットカメラ機能
(同作ではロックオンカメラという名称)が実装されているため、
他シリーズ同様モンハン持ちの必要性自体は今となっては薄くなっているが、
MHFの元々の経緯から、古くからのプレイヤーからはターゲットカメラを用いず、
クラシックタイプでのモンハン持ちによる同時操作を推奨する声が強めである。
- なおMHFのプラットフォームの内、Xbox 360とWii Uは標準コントローラーの
左アナログスティックと十字キーの配置が逆のためモンハン持ちはできない。
ただし、Xbox 360は方向キーとアナログスティックを入れ替え可能なサードパーティー製のコントローラーがあり、
それを使用して強引にモンハン持ちをする剛の者もいたという噂も。
- また、PSVita版に関しては、右アナログスティックが存在するため、
他のプラットフォーム同様に右スティックを攻撃か視点変更のどちらかに設定できる。
一応モンハン持ちも可能だが、有効性については上述した通り。
- 据え置き機のMHWorldについてはターゲットカメラ及び自動追尾機能が存在するほか、
MHFの携帯機操作同様、右スティックでの視点変更が可能である。
十字キーについては設定で視点変更に割り当てることが出来るため
「モンハン持ち」は可能ではあるが、十字キーを視点変更に割り当てた場合、
アイテム使用に大変便利なカスタムショートカットキー機能が使用不能になってしまうため、
そちらに慣れてしまうとモンハン持ちには戻せない、という声があるようだ。- 大型拡張コンテンツのMHW:Iでは十字キーで視点変更かつカスタムショートカットが
使用可能となる操作タイプが新たに追加され、この問題は解決された。
- 大型拡張コンテンツのMHW:Iでは十字キーで視点変更かつカスタムショートカットが
余談 
- 上述したようにターゲットカメラの無い作品では使いこなせばかなり便利な持ち方ではあるが、
持ち方や操作性には個人差があり、更に誰でもができるわけではないという点で、
その定義(持ち方や操作方法)・重要性・必須性については論争になりやすかった。
PSP作品での展開が終了した直後は特に、
コミュニティなどでモンハン持ちの必要性についての話題が出ると荒れる原因になりやすかった。
MH3Gの発売から7年近くが経過している現在ではこの点を論じられることも減ってきたが、
少なくとも自分の考えを押し付けるような意見はすべきではないだろう。
関連項目 
ゲーム用語/プレイステーション - 操作方法の発祥
ゲーム用語/プレイステーション・ポータブル - 「モンハン持ち」という呼称が普及した大きな要因
ゲーム用語/拡張スライドパッド
イベント・メディア展開/モンでき。 - 初期のタイトル「モンハン持ちができません。」は、著者がモンハン持ちできないことが由来。