アルフィタリア灯台

辿りついたのは「アルフィタリア灯台」。
廃墟と化した灯台は、かつて岬の先の要塞と
しても機能していたらしく、灯台というには
大きく、複雑なつくりをしている。
ロウロとともにすでに壊れている扉跡から中
に進む。奥のほうからは異様な、大きな気配
を感じるが、モンスターのそれとは違ったも
のだった。やはり、この場所には自分の身体
があるのか……？頭上の塔の天井を見上げる
と同時にモンスターが襲いかかってきた。

モンスターを倒し、息を整える。不気味な
静寂が二人を包み込む。
奥からの異様な気配が急激に膨らんだ。圧力
に耐えられず片膝を地についたとき、一瞬の
閃光の先に現れたのは……グルカ……？
「俺の名は、グルカ・グレナ・グルナ。
アザーネーム、レッド。俺は……誰だ･･･…？」
かざした腕の先から次々とモンスターが発生
する中、苦い顔でロウロがつぶやく。
「……グルカが……暴走している……」

大量に喚びだされたモンスターの影に隠れ、
グルカの姿を見失う。モンスターに満たされ
る灯台内部。ロウロとともに必死で防戦を続
けるが、その勢力は衰えるどころか、ますま
す勢いを増しているようだ。これ以上は……
もたない……。折れそうな気持ちをこらえな
がら、モンスターの隙間に見えたのはグルカ
の苦しそうな背中。もう少し……最後の力を
振り絞る。対するグルカも苦悶の表情で、モ
ンスターを喚びだした。

モンスターを一掃し、グルカに近寄る。
「グルカ！　お前は自分がわからないのか！」
ロウロの悲痛ともとれる問いを聞き。グルカ
の表情に意識が戻るが、すぐに苦痛に変わる。
「来るな！　俺は、ここを守らなければ……。
貴様の…身体を見つけて…ラルドの元に……
…違う…これは…俺の意思じゃ……くぅぅ！」
やはり、ここに身体が？！
困惑の表情を残して、グルカは胸を掻き毟る。
暴走したグルカは、再び腕を振り上げた。

苦悶の表情を抱えながら、グルカがねじれていく。

「……こいつの身体を……ラルドに渡すな……
これは、異界の神を……喚ぶ……
残り２つの……プレートのうちの……ひとつ……」

２つ？アイオラは残りのプレートはひとつと言っ
ていた。ラルドとアイオラの目的は違うのか？
グルカの身体が光り、異質なものに変形していく。
これが……、ピクトロジカーの末路……なのか？

ロウロは倒れたグルカの側に座り手をとった。
虚空を見つめるグルカは、力なく言葉を発す。
「マインドウォールが消えされば、その身体
は、易々と異界への道へと……成り下がる」
「それはメモリアの話しだよ。お前は……、
俺たちは、人間じゃないか！」
「違う、違うんだロウロ……、俺は……、
俺たちこそが……メモリアなのだ……」
グルカは目を見開いたまま、確かに、まるで、
メモリアが消えるように消滅していった……。