ダムシアン砂漠

ダムシアンを襲ったモンスター達は、街の
南西にある砂漠を根城にしているらしい。
そういえば石畳の上には大量の砂が
撒き散らされている……
砂漠の入り口に立ち、あたりを見渡すと、
モンスターのものらしき移動の跡が。
これを追っていけばきっと……。
一歩踏み出したところで、今しがた刻み込ま
れた足跡に気づく。
アイオラの足跡だろうか。

モンスターとアイオラの足跡をたどりながら
探索を続ける。
照りつける太陽がだんだんと力を奪っていき
足取りも重くなってくるが、アイオラの足跡
は逆に歩幅を広げ、スキップでもしているか
のようにも見える。
ピクトロジカの腕前はさておき、冒険者と
しては彼女のほうが何枚も上手のようだ。
自分も負けてはいられない。
顔をあげて、先を急ごう。

モンスターの移動跡は突然途切れていた。
あたりを見渡すとアイオラの姿がある。
「ここまで移動してきているのは間違い
ないんだけど……なんか変なのよね」
まわりをぐるっと指差すと、その先には
モンスターの移動跡が、四方八方からここに
向かって集まっている……！？
まさか、と言いかけた瞬間に膨らむ地面。
砂煙の中から姿を現したモンスター達。
「砂の中にモンスターの巣がっ……！」

アイオラは腕のたつピクトロジカーだった。
素直にそれを伝えると、また彼女はキョトン
とし笑顔を見せた。「あなた変わってるね」
ピクトロジカーには、メモリアの力に溺れ、
自分を特別だと思ってる輩が多いと彼女は
憤った。自分は英雄ラルドに助けられた命を
使って、同じように人々を助け、いつか彼の
ようになりたいと夢を語る。彼女は驚き、
シゲシゲと自分を眺め「じゃあ、英雄候補生
だね」と、優しくほほえんだ。