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【TAS】

Last-modified: 2019-02-19 (火) 19:06:40




概要 Edit

Tool-Assisted-Speedrun(ツール・アシステッド・スピードラン)の略称で、
「外部ツールを使用した【タイムアタック】」のような意味。
使用ソフトが海外版であることが多く、海外の仕様を覗く事もできる。読み方は「タス」。
 
定義としては「実機でも理論上可能な限界」だが、この「理論上」というのは、
ゲームソフト側のプログラム上絶対にあり得ない現象を起こしていなければOKと言っても過言ではなく、
例えば【勇者】がレベル2で【ギガデイン】を覚えたりするのは絶対に無いプログラムなのでNGだが、
相手の攻撃を20回連続でかわして30回連続で【会心の一撃】を出すのは絶対にあり得ない訳では無いのでOK。
(もちろん、仕様で「○回以上連続で会心の一撃は出ないようになっている」シリーズがあったりすればその時は別)
また、あくまでゲームソフト側が実機と同じであれば問わないらしく、
「1/60秒ごとに十字キーの左右を交互に連打」などの人力ではまず不可能な入力操作も認められ、
「十字キーの右と左を同時押し」なんていう実物のコントローラーでは物理的改造無しには不可能な入力も
認められている場合もある。
このような性質から、通常の人力プレイによるタイムアタックとは別物として考えた方が良いだろう。
 
なお、実機でのタイムアタックと異なり、TASではゲームを開始してから最後にボタンを押した時間(それ以上ボタンを押す必要がなくなる瞬間)までを記録とする。
そのため、仮に実機でのプレイでTASと全く同じプレイを再現できたとしても、TASの方が記録としては短い時間になる。
 
ツール・アシステッドの名の通り実機で上手くいくまで延々と繰り返し続けている訳ではなく、専用のエミュレーターを使用し、ステートセーブ&ロード(いわゆるどこでもセーブのようなもの)やフレーム単位の操作編集、メモリ及び乱数の可視化、プログラムの解析、マクロツールによる総当りなどの実機では不可能な機能をフル活用して最短記録を目指す。
 
これらのプレイを動画サイトに投稿している例も多数あるが、メーカーによっては製作者の想定外であるとして著作権者として削除を申し立て、動画の削除に乗り出している所もある。
著作物に関する法律もこれらのツールが生まれた頃と大きく変わっているため、制作は最新の法調査と自己責任の元で行う必要がある。
 
ちなみに「ツールによるアシストを行いつつもタイムアタックをしない」というプレイに対してもTASと言われることがある。
単に「難易度が高い」というだけで、それをやったところで何の意味もないようなことをあえて積極的にやったり、逆に簡単にできることをわざと面倒な手順を経て攻略して見せたりといった一種のお遊び、魅せプレイの類である。
「タイムを競わない(=Speedrunではない)」ので厳密にいえばTASとは異なるものだが、あえて言うのなら「Superplay」のSといったところか。
一部ネット上のスラングとして「TAS」を擬人化して「TASさん」と呼び、更に本業のタイムアタックを行わないことから「遊んでいるだけ」という意味合いを込めて「TASさんの休日」等と呼称されることがある。

DQシリーズにおけるTAS Edit

たとえばDQシリーズでは、以下のような現象を意図的に発生させることができる。

  • 【ランダムエンカウント】の作品では全くエンカウントが発生しない。
  • 【歩数エンカウント】の場合でもエンカウント数が最少になり、エンカウント時は100%逃走が成功。
  • 珍しくエンカウントが発生したと思えばメタル系。そして逃げず絶対倒せる。
  • 味方の攻撃は全て会心の一撃になり、逆に敵の攻撃は一切当たらない(そのためレベルが低くても影響はない)。
  • ところがさっさと死にたい場合(【デスルーラ】【負けバトル】など)は、都合よくエンカウントが起こり、そして露骨に攻撃が当たって即死。
  • 避けられない攻撃でも乱数の最低値が発生し、紙一重で生き残る。
  • ランダム行動が全て都合の良い結果になる(力溜め+商人軍団+全て会心の一撃を連発する【トルネコ】など)。
  • 敵が都合良く行動する(厄介な全体攻撃を行わない、MPが枯渇した頃に現れて【パルプンテ】でMPを全回復してくれるなど)。
  • 1/256や1/1024のような極低確率でドロップするアイテムや仲間になるモンスターを1回の戦闘で入手、必要な場合はそれが連続して発生。
  • カジノで大当たりが連発し、コインが一瞬でカンスト。
  • 進路上のランダム移動のNPCが、主人公たちを避けるように移動する(主人公たちが足を止めずまっすぐ歩けるようになり、移動の手間が短縮)。
  • レベルアップの能力上昇がランダムの作品の場合、必要な能力は最大限に上昇し、必要でない能力はそもそも上がらない(メッセージが1行余分に表示されることによるタイムロスをカットさせるため)。

このように、通常プレイではあり得ないような内容を多々発生させることで、レベル上げ等の手間を極限までカットし、RTAとは比べ物にならないほど時間を大幅に節約できる。
そのあまりに神がかった且つ露骨な展開は、しばしば笑いのネタにもなる。
 
また、僅かでも時間を短縮するため、以下のようなテクニックも活用する。

  • 歩数を節約するため、半歩ずらして話しかける。
  • はい/いいえで問われた場合、少しでもテキスト量の少ない選択肢を選ぶ。
  • 夜限定イベントの場合、町に入った瞬間に夜になるように歩数を調整する。
  • メタル系やアイテムドロップなどの必要不可欠な雑魚戦は、長く歩かされるフロアでついでに行う(歩数エンカウントの場合。無駄な歩数を重ねることはしない)。
  • プレイヤーよりもNPCの方が移動が遅いため、イベントではNPCの移動の妨げにならない位置で話しかける。
  • 手渡しや装備の時間を短縮するため、アイテムを持たせる位置を考慮する。
  • 並べ替えや装備品の付け替えはまとめて行う。
  • レベルアップの時間を最低限に抑えるため、そして死にたい時にはスムーズに死ねるようにするため、必要以上のレベルアップは行わない。
  • そもそもレベルアップしても意味がないと判断した場合は、仲間にした直後、または途中まで使った後に死亡させる(大抵は自動蘇生を除いてラスボスを倒すまで死にっぱなしの方が多いが、DS版4のトルネコといった、がある時だけプレイヤーの手によって途中で復活させられるパターンも存在する)。

これらのテクニックをいくら駆使してもせいぜい数秒~数分の更新にしかならないが、元々が極限まで時間を短縮することを目的とした競技であるため、数秒、時には1秒未満の更新でも世界記録が塗り変わることは多い。
なお、上記の現象とは違い、これらのテクニックは一部を除いて乱数を必要としない。
よって人力によるタイムアタックに挑んでいる人でも応用可能であり、これらを心掛けることで自己ベストをグッと更新させることが出来るだろう。
 
基本的に、可能な限り全てのアイテムやストーリーフラグなどを回収する「100%run」と、それらの制限を考慮せず純粋にタイムアタックのみに終始する「any%run」に区分される。
DQのTASでは、

  • 物語が大幅に変化するイベントが少ない。
  • アイテム数、モンスター数などが多いため最適なチャートが組みにくい。
  • その割にレアドロップなどのコンプ要素が少ない。
  • そもそもコンプ要素の達成度がゲーム内でほとんど表だって示されない。

と言った理由からか、基本的にany%runのTASのみが製作されている。
その他、バグを利用したプレイはTASは「glitched(バグ利用)」と言われている(むしろそれがデフォルトとして、バグを利用していても表記されないことも多い)。
こういった場合、通常RTAでは敬遠されることが多いストーリーの大幅ショートカットに代表される、ゲームシステムを破壊するようなバグが利用されていることも多い。
例えば、DQ5ではSFCは【ボロンゴ技】、PS2は【オープントレイ技】によりどちらも50分台でクリアされている。
逆に、本来のゲームシステムやストーリーに沿うバグ不使用によるプレイは「バグなしプレイ(no gliched)」という別条件の記録として分けられる。
これも、理論上の最短時間を突き詰めるためである。
また、バグプレイの一種として何らかの手段を用いて、エンディングの呼び出しを行ってクリアするというものもある。

なお、「ゲームを最初から始めてクリアまで進めるのがTAS」だと勘違いされていることもあるが、パスワードを使用したものもまた、別のレギュレーションの記録として認められている。