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【TAS】

Last-modified: 2019-08-21 (水) 22:07:10

概要 Edit

Tool-Assisted-Speedrun(ツール・アシステッド・スピードラン)の略称。
「外部ツールを使用した【タイムアタック】」のような意味で、発音は「タス」。
使用ソフトが海外版であることが多く、海外の仕様を覗く事もできる。
 
これらのプレイを動画サイトに投稿している例も多数あるが、メーカーによっては製作者の想定外であるとして著作権者として削除を申し立て、動画の削除に乗り出している所もある。
著作物に関する法律もこれらのツールが生まれた頃と大きく変わっているため、制作は最新の法調査と自己責任の元で行う必要がある。
 
ツール・アシステッドの名の通り、専用のエミュレーターを介してゲームソフトを動かし、ステートセーブ&ロード(いわゆるどこでもセーブのようなもの)やフレーム単位の機械的な操作入力、メモリ及び乱数の可視化、プログラムの解析、マクロツールによる総当りなど、本来のゲーム機には存在しない機能をフル活用して最短記録を目指す。
ただし、認められるのは「理論上、実際のゲーム機でも起こりうる動作」のみとなる。
 
もっとも、この「理論上」とは、ゲームソフト側のプログラム上絶対にあり得ない現象でなければ良い、というレベルの話であり、非現実的な低確率で起きる現象でも「理論上」はあり得るものと扱われる。
システムの穴を突くような手法は凄まじいパターン数があるため個別の可否の事例は割愛するが、例えば、敵の攻撃を20回連続でかわし、30回連続で【会心の一撃】を出すのは「確率が低すぎて普通のプレイでは起こらない」が、「理論上はごく低確率で起こり得る」ので、TASの場合はセーブとロードを繰り返して都合の良い結果が出た戦闘だけを保存したり、乱数の可視化で最適な道順だけを進むといった方法で発生・利用しても良いとされる。
 
また、あくまでゲームソフト側が実機と同じであれば問わないらしく、「1/60秒ごとに十字キーの左右を交互に連打」などの人力ではまず不可能な入力操作も認められ、「十字キーの右と左を同時押し」なんていう、一見実物のコントローラーでは不可能に思える入力も、実機で強引に押し込むなどの手段を試して可能なら認められている場合もある。
これらの性質から、人力によるプレイではまず再現不可能な状況になる場合が殆どで、過程も結果も一般的なタイムアタックとは別物となりがち。
プレイヤーの感覚からすればあからさまな異常事態が巻き起こる例も多いが、ゲームデータを根本的に改変する類の【チート】とは原理が異なっている。
 
そうした状況も踏まえて、TASではゲームを開始してから最後にボタンを押した時間(それ以上ボタン入力をする必要がなくなる瞬間)までを記録とする。
そのため、仮に実機プレイでTASと全く同じプレイを再現できたとしても、記録時間はTASの方が短くなる。
その一方で、TASはセーブ・ロードによるリトライなど試行錯誤の時間を記録に含めないため、一回のトライにおけるゲーム起動時間長さで見れば、上手い手動プレイの方がクリア到達までは早い。
手動タイムアタックを可能とするほどのプレイ習熟にはかなりの時間を要するだろうが…。
こうした手動でのタイムアタックを区別する場合は「リアルタイムアタック(RTA)」と呼ぶ。
なお、RTAでも手動で可能なら解析で判明したバグやメモリ埋め、デバッグモードへの突入など異常事態を引き起こす手段を使えるレギュレーションもあるため、一般的な正攻法でプレイしたかどうかはまた別の話である。
 
ちなみに「ツールによるアシストを行いつつもタイムアタックをしない」というプレイに対してもTASと言われることがある。
こちらの場合はTool-Assisted-Superplay(ツール・アシステッド・スーパープレイ)の略称。
単に「難易度が高い」というだけで、それをやったところで何の意味もないようなことをあえて積極的にやったり、逆に簡単にできることをわざと面倒な手順を経て攻略して見せたりといった一種のお遊び、魅せプレイの類である。
一部ネット上のスラングとして「TAS」を擬人化して「TASさん」と呼び、更に本業のタイムアタックを行わないことから「遊んでいるだけ」という意味合いを込めて「TASさんの休日」等と呼称されることがある。

DQシリーズにおけるTAS Edit

たとえばDQシリーズでは、以下のような現象を意図的に発生させることができる。

  • 【ランダムエンカウント】の作品では全くエンカウントが発生しない。
  • 【歩数エンカウント】の場合でもエンカウント数が最少になり、エンカウント時は100%逃走が成功。
  • 珍しくエンカウントが発生したと思えばメタル系。そして逃げず絶対倒せる。
  • 味方の攻撃は全て会心の一撃になり、逆に敵の攻撃は一切当たらない。そのためレベルが低くても影響はない。
  • ところが【デスルーラ】【負けバトル】などさっさと死にたい場合は、都合よくエンカウントが起こり、そして露骨に乱数の最大ダメージや痛恨が出て即死。
  • 避けられない攻撃でも乱数の最低値が発生し、紙一重で生き残る。
  • ランダム行動が全て都合の良い結果になる(力溜め+商人軍団+全て会心の一撃を連発する【トルネコ】など)。
  • 敵が都合良く行動する(敵は通常攻撃だけしかせず時間短縮(もちろんこちらは全回避)、MPが枯渇した頃に現れて【パルプンテ】でMPを全回復してくれるなど)。
  • 1/256や1/1024のような極低確率でドロップするアイテムや仲間になるモンスターを1回の戦闘で入手、必要な場合はそれが連続して発生。
  • カジノで大当たりが連発し、必要なコイン数が一瞬で集まる。
  • 進路上のランダム移動のNPCが、主人公たちを避けるように移動する(主人公たちが足を止めずまっすぐ歩けるようになり、移動の手間が短縮)。
  • レベルアップの能力上昇がランダムの作品の場合、必要な能力は最大限に上昇し、必要でない能力はそもそも上がらない(メッセージが1行余分に表示されることによるタイムロスをカットさせるため)。
    昨今では能力値の変化が殆ど一括表示される(分割されても精々HPとMP、残り全部となる)作品もあるので、「〇〇がnポイント上がった」と言う旨を一行一行 見なくても良くなったため、そこまでの吟味は行われなくなっている。
    ※〇〇には ちからなどの能力値、nには自然数が入る

このように、通常プレイではあり得ないような内容を多々発生させる(その為に膨大な「どこでもセーブ」「納得がいかなかったらリセット」「直前の状態をロード」を存分に活用している)ことで、レベル上げ等の手間を極限までカットし、結果だけ見ればRTAとは比べ物にならないほど時間を大幅に節約できる。
そのあまりに神がかった且つ露骨な展開は、しばしば笑いのネタにもなる。
 

何だかんだ言っても所詮は一発勝負のRTAとは大違いで膨大な回数のステートセーブ&ロードをしている。

その為、実際の所要時間はTASの方が長い。

余談だが動画にアップしている場合、TASは「眠くなった」「腹が減った」などの時は時間に含まない。

しかし、RTAは含むので こちらの場合はムービーなどの待機時間で休憩や食事を済ませている。

更にセーブする時も必要最小限に抑えて「納得がいかなかったからやり直し」も時間に含む。

 
また、僅かでも時間を短縮するため、以下のようなテクニックも活用する。

  • 歩数を節約するため、半歩ずらして話しかける。
  • はい/いいえで問われた場合、少しでもテキスト量の少ない選択肢を選ぶ。
  • 夜限定イベントの場合、町に入った瞬間に夜になるように歩数を調整する。
  • メタル系やアイテムドロップなどの必要不可欠な雑魚戦は、長く歩かされるフロアでついでに行う(歩数エンカウントの場合。無駄な歩数を重ねることはしない)。
  • プレイヤーよりもNPCの方が移動が遅いため、イベントではNPCの移動の妨げにならない位置で話しかける。
  • 手渡しや装備の時間を短縮するため、アイテムを持たせる位置を考慮する。
  • 並べ替えや装備品の付け替えはまとめて行う。
  • レベルアップの時間を最低限に抑えるため、そして死にたい時にはスムーズに死ねるようにするため、必要以上のレベルアップは行わない。
  • そもそもレベルアップしても意味がないと判断した場合は、仲間にした直後、または途中まで使った後に死亡させる(大抵は自動蘇生を除いてラスボスを倒すまで死にっぱなしの方が多いが、DS版4のトルネコといった、がある時だけプレイヤーの手によって途中で復活させられるパターンも存在する)。

これらのテクニックをいくら駆使してもせいぜい数秒~数分の更新にしかならないが、元々が極限まで時間を短縮することを目的とした競技であるため、数秒、時には1秒未満の更新でも世界記録が塗り変わることは多い。
なお、上記の現象とは違い、これらのテクニックは一部を除いて乱数を必要としない。
よって人力によるタイムアタックに挑んでいる人でも応用可能であり、これらを心掛けることで自己ベストをグッと更新させることが出来るだろう。
 
基本的に、可能な限り全てのアイテムやストーリーフラグなどを回収する「100%run」と、それらの制限を考慮せず純粋にタイムアタックのみに終始する「any%run」に区分される。
DQのTASでは、

  • 物語が大幅に変化するイベントが少ない。
  • アイテム数、モンスター数などが多いため最適なチャートが組みにくい。
  • その割にレアドロップなどのコンプ要素が少ない。
  • そもそもコンプ要素の達成度がゲーム内でほとんど表だって示されない。

と言った理由からか、基本的にany%runのTASのみが製作されている。
またDQ11は放送規制がかかる都合上、基本的に【魔王ウルノーガ】撃破までがゴールと指定されている。
その他、バグを利用したプレイはTASは「glitched(バグ利用)」と言われている(むしろそれがデフォルトとして、バグを利用していても表記されないことも多い)。
こういった場合、通常RTAでは敬遠されることが多いストーリーの大幅ショートカットに代表される、ゲームシステムを破壊するようなバグが利用されていることも多い。
例えば、DQ5ではSFCは【ボロンゴ技】、PS2は【オープントレイ技】によりどちらも50分台でクリアされている。
逆に、本来のゲームシステムやストーリーに沿うバグ不使用によるプレイは「バグなしプレイ(no gliched,glitchless)」という別条件の記録として分けられる。
これも、理論上の最短時間を突き詰めるためである。
また、バグプレイの一種として何らかの手段を用いて、エンディングの呼び出しを行ってクリアするというものもある。
ラスボスを倒したというフラグを偽装することによってクリアするというものもあり、例えばSFC版DQ1ではなんと1分台でのクリア記録がある。
 
なお、「ゲームを最初から始めてクリアまで進めるのがTAS」だと勘違いされていることもあるが、禁止されているのはセーブデータの使用であり、パスワード(DQであれば復活の呪文)を使用したものもまた、別のレギュレーションの記録として認められている。