巨人の犬

Last-modified: 2023-12-16 (土) 14:38:51

読売ジャイアンツに対して戦績の悪いチームに付けられる蔑称の一つ。対義語は巨人キラーまたはアンチ巨人。
かつては東京ヤクルトスワローズ*1に対して「犬ルト」などの形でよく使われていた。

本項目では主に阪神タイガースについて解説する。

概要

伝統の一戦と呼ばれるなど巨人のライバル扱いされることが多い阪神であるが、通算成績では大きな差がある。
更に直接対決の成績も2008年から2020年まで13年間ペナントレースで勝ち越すことができなかった時期もあるという有様で、ほとんどは巨人に負け越しとなっている。
1リーグ時代(1936年~49年)こそ、阪神の85勝84敗3分、勝率.5030と対等の成績だったが、2022年現在で858勝1109敗75分、勝率.4362と差を付けられている*2
単に負けているだけならばまだしも巨人以外のチームに対して強さを見せることもあり、横浜DeNAベイスターズは暗黒時代を脱して成績が上向き始めたにも関わらず(特に本拠地の横浜スタジアムで)2022年に勝ち越すまで阪神に一方的に負け越している。また、前述のヤクルトも2008年~2020年の13年間のうち9年負け越している。
他のチームを蹴落としながら巨人に勝ち星を貢ぐ様が、飼われている犬のようだとしてこの蔑称が定着した。


一例

2019年は、開幕後の4月に矢野燿大監督が初の巨人戦へ向けて「3連勝したい」と抱負を語った後、いきなり巨人に6連敗。
しかも巨人以外の球団に対しては強く、対巨人を除けば十分な成績を残していた。*3
その後は巨人戦を含めてなんとか持ち直したどころか、終盤の驚異的な追い上げで広島を追い抜き、3位に滑り込むことに成功。
CS1stでは2位のDeNAをペナントレース同様に撃破することに成功するも、CSファイナルでは力尽きたように巨人に1勝4敗(アドバンテージ含む)で終戦。相性を如実に表す結果となった。

翌2020年は新型コロナウイルス感染症拡大による開幕の大幅な延期で当初とは異なり阪神は巨人とカードが組まれ、「今年は日本一になる」と意気込んでいた矢野監督だが結果は投打*4とも壊滅し同一カード3連敗。また8月18~20日の東京ドーム3連戦ではなんと全試合完封負け*5という異次元の犬っぷり*6を披露した。この3連戦で先発し、いずれも試合をしっかり作ったもののムエンゴに泣かされた3人の先発、高橋遥人ガルシア青柳晃洋には熱い同情の声が寄せられた。


14年ぶりの勝ち越し、そして3年連続の勝ち越し

2021年に2007年以来14年ぶりとなる巨人戦勝ち越しを果たした。最終成績は13勝9敗3分であり、これまで苦戦していた東京ドームで7勝3敗2分けと勝ち越した。特に9月以降は巨人の失速もあり大幅に勝ち越した。
なお阪神はV逸した挙句CS1stでは去年までの犬に戻ったかのようにあっさり連敗して敗退。一気にお通夜状態になった模様。
ただし、翌年も14勝10敗1分で勝ち越し、2年連続の勝ち越しを決める。翌2023年に至っては18勝6敗1分と圧倒。*718年ぶりの3年連続勝ち越しを決めた。またこちらも17年ぶりとなるリーグ優勝を巨人の目の前で達成し、完全に「巨人の犬」イメージを払拭している。

余談

近年甲子園球場での勝利数の伸びが芳しくない阪神だが、対巨人戦となるとさらに酷い有様であり2018年5月27日の勝利から2019年5月29日の勝利まで1年以上も甲子園では勝ちが無かったほどである。ビジターでの試合であれば年単位で勝てないという例はそれほど珍しくはないものの*8、地方開催の例を除くとホームでの対戦成績でここまで勝てない例は少ない。

 

主に対巨人を元にした呼称が目立つものの、○○の犬という呼称は他チームの極端に相性が悪い組み合わせでも巨人の犬ほどではないが見受けられる。
例えば2016年からの広島三連覇の時期は巨人が広島の犬と化していた。また横浜DeNAは上記の通り阪神を苦手としているため阪神の犬とも言えるが、阪神自体の犬扱いが目立つせいか巨人の犬の餌呼ばわりされることもある。
前述のとおりかつてはヤクルトのほうが巨人の犬呼ばわりされがちだったが、2018年に巨人に勝ち越した*9こと、そもそもヤクルトは弱いシーズンはとことん弱く勝ち星を貢いで当たり前と見なされることから犬としては阪神よりも影が薄くなっている。
また、ソフトバンクはかつてのポストシーズンでの対戦結果と2019年~2020年のロッテとの対戦成績が悪いことからロッテの犬と呼ばれることがある。

なお、通算成績では、巨人は千葉ロッテマリーンズ除く全ての球団に勝ち越している(セ・リーグで一番善戦しているのは中日だが、それでも2023年現在で893勝1107敗63分、勝率.4465と差を付けられている)。極論すると、「ロッテ(と交流戦開始後のソフトバンク*10)以外は全て巨人の犬」といえる状況になっている。

関連項目


*1 特に高田繁監督時代(2008年~2010年途中)は14勝41敗1分 勝率.255と散々だった。また古くは松園尚己オーナー時代に「巨人には勝たなくてもいい」と野球規則違反(敗退行為)紛いの発言で槍玉に挙がったこともある。
*2 巨人 カード別対戦成績」。逆に巨人から見て一番苦戦しているセ・リーグチームは「巨人だけには勝て」が合言葉といわれる中日。
*3 3・4月の成績は13勝1分14敗。巨人戦がなければ大幅に勝ち越す計算。2019年のゲーム差は6なので、最初6試合を仮に3勝3敗で切り抜けていれば巨人が74勝67敗(.5248)、阪神が72勝65敗(.5255)となり、(貯金7というとんでもない低水準ながら)優勝していたことになる
*4 特に打に至っては新外国人J.ボーアが3度の満塁機を潰し、野手のタイムリーはこの3連戦0(開幕戦で投手の西勇輝が1本放っている)という惨状。他の得点はソロホームラン3本だが、これも1本は西が放った
*5 1-0, 8-0, 2-0というスコアだった。ちなみにこの無得点は前のカードである8月16日の広島戦(京セラ)の2回からこの3連戦を挟んで次のカードの8月21日のヤクルト戦の2回まで、実に38イニング続いた。
*6 東京ドームが開場したのは阪神暗黒時代真っ只中の1988年だが東京ドームでの引き分けを挟まない開幕6連敗は暗黒時代でも起こらず 、球団ワーストを更新してしまった。連敗はその後9月16日まで続き、翌17日に11-0で大勝しようやくストップとなった。2020年の東京ドームでの野手初タイムリーは9月15日だった。打ったのは糸原健斗
*7 なおこのシーズンは伝統の一戦での最多勝利、最高勝率(巨人から言えばワースト敗戦、ワースト勝率)の記録を更新。逆に巨人が「阪神の犬」になってしまった模様。この年は阪神と広島を除く9球団から貯金22を稼いでおきながら、阪神戦と広島戦だけで14勝35敗1分と貯金21を吐き出す惨状だった
*8 近年では2012年の横浜DeNAが東京ドームで9敗1分であり、1勝もできなかった。
*9 ただしCSでは菅野智之にノーヒットノーランされるなどしてストレート負けしている。
*10 巨人は1リーグ時代に、弱体な時期の南海(現:ソフトバンク)から白星を稼いだ為、通算成績では2023年時点で122勝92敗と勝ち越している。ちなみにロッテの系譜である毎日オリオンズが誕生したのは2リーグ制となった1950年であるため、巨人は1リーグ時代にロッテと戦っていない。ただし、合併球団まで含めると、ゴールドスターズ(→金星スターズ→大映スターズ→大映ユニオンズ。1958年、毎日オリオンズと合併)相手に37勝30敗4分と勝ち越している。通常、大映の成績はロッテの通算成績には含まないが、仮に両者を合算しても、なおロッテ・大映が1つだけ貯金を残す計算になる。