海くん→植田くん→植田→こいつ

Last-modified: 2020-09-23 (水) 10:27:34

阪神タイガース・植田海(うえだ・かい)の呼び方の変遷。阪神ファンの植田への愛情の移り変わりがよく分かる。


経緯

2014年ドラフトで5位指名を受け阪神に入団。新人時代から俊足ぶりと守備力に定評があり、阪神ファンからは期待の若手として密かに注目されていた。
二軍で順調に成長し、2018年はポスト大和(現DeNA)を期待され開幕一軍の座を掴む。開幕後しばらくは代走要員として起用されていたが、大山悠輔鳥谷敬(現ロッテ)・北條史也らの不振、上本博紀の故障離脱という要素が重なりスタメンに定着。4月終了までにチームで僅か1個だった盗塁数を激増させる貴重な活躍を見せた。*1
この飛躍で植田は「海(かい)くん*2」と呼ばれるケースが増え、ファンと知名度を増やしていった。

特徴とその後

足が非常に速く、二塁から単打で悠々と生還したり、特に2018年は高い盗塁成功率*3を記録する。打撃でも選球眼が良く、小技にも優れるなど、ファンはさらなる期待を膨らませた。
しかし、試合出場を重ねているうちに元々難があった打撃成績は下降、さらに守備面でも打球反応の遅さ、守備範囲の狭さ、肩の弱さを露呈し、外野守備にも挑戦したが一軍レベルではなかった。
そして阪神ファンをさらに悩ませたのは、得点圏での異常なまでの弱さ
2018年8月末まで得点圏打率.028(36-1)しかも打点0の体たらく。
そして7月17日の読売ジャイアンツ戦(甲子園)で「連続無打点打席数の世界記録(204打席)」を更新してしまったのである。
なんJ民らが世界記録を認知しだした頃からアレ扱いされ出し、阪神ファンからも「こいつ」呼ばわり。
打撃難と守備難さらには走塁ミスの代名詞になってしまい以下のように多数の蔑称を付けられ、一気にネタ選手へと手のひらを返されヘイトを集めるようになったのだった。

その後、9月5日の広島戦(マツダスタジアム)の216打席目にて、植田のボテボテのファーストゴロの間に三塁ランナーの俊介がホームインしてプロ初打点を記録し、世界記録に終止符を打っている。*9

結局シーズン最終盤は代走要員に逆戻りし、打点は先述の1のみで、阪神ファンからの手のひら返しは得られなかった。

2019年は走塁能力は相変わらず高く、守備も前年よりはかなりマシ*10になり内外野をそつなくこなし守備がネタにされることは激減。一方、打撃については「申告三振しろ」とまで言われたり、「打撃は誰も期待していない」などと八木裕(元阪神)にダメ出しされたりした。一方で福本豊など一部の解説者からはスイングが力強くなっているなどの意見もあった*11

2020年も代走・守備要員として開幕一軍を掴み、6月27日のDeNA戦では代走から9回2アウトの場面で山崎康晃にプロ6年目で初の牽制を投げさせた後に見事盗塁を決め、そのまま調子を乱された山崎からジェリー・サンズが逆転3ランを放つという劇的な逆転勝ちに絡む活躍を見せた。
しかし7月11日の同じくDeNA戦では2-1の8回裏に代走で出場した後9回にセンターの守備に入ったのだが、1アウト1塁の場面で桑原将志が放ったセンター前ヒットを後逸してしまう。
この時の1塁ランナーは俊足の梶谷隆幸*12であり、もたつく間に梶谷はそのまま一気にホームイン、同点となり6回3分の1を無失点に抑えた先発・西勇輝の勝ちも消滅。
更にその後、藤川球児ネフタリ・ソト勝ち越し2ランを浴び*13、2-4で阪神は前述の6月27日の試合の借りを返されるがごとくの大逆転負けを喫してしまった。
よりによって1点差の場面でのやらかしに阪神ファンからはアレ呼ばわりされた挙げ句、本家以上に「何があった!また植田か!」がさらに定着してしまった。
ただ、今回は前日*14からかなりの悪天候*15が続いており、試合中にも雨が降り外野の芝の状態は連日の雨で濡れっぱなしと非常に悪いものであった。
一部スポーツニュースでも「甲子園の芝はあれだけ濡れてしまうと、打球が蛇行して非常に捕りにくい*16」と植田をフォローするコメントがなされている。
また、「ミスは良くなかったが、やはり本職は内野手である植田を外野の、それも重要ポジションのセンターに(わざわざ本職の外野手である近本光司をセンターからレフトに退かしてまで)土壇場で置く*17矢野監督の采配はどうなのか」という声も出ている。

「プリウス植田」の誕生

元々攻守にミスが目立つ植田だが、2019年は走塁面でのボーンヘッドが特に目立った。

  • 5月23日のヤクルト戦(甲子園)
    あわやサヨナラ勝ちをフイにするボーンヘッドをやらかす。試合終了後、福留孝介に叱責される。
  • 6月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)
    9回一死三塁、一打同点の場面で高山俊が放ったレフト前ライナーを清田育宏がダイビングキャッチ。この時植田は三塁を飛び出していてホーム付近にいたため、サードに送球されてアウト*18変則ゲッツーで試合を終わらせたため、現地も含めた多方面から熱い罵声が浴びせられた*19
    なお、試合後矢野燿大監督は「ギャンブルスタートのサインをした」と釈明しているが、植田が打球の行方を追っている様子も分かっており、明らかに戻れると判断している者の方が多い。
    これが植田のボーンヘッドにしろ矢野監督の指示にしろ、「その読み、的外れやのぉ~。」と言わざるを得ないプレーだった。

これまでのこともあり「何があった!また植田か!」、「比屋根の再来」などと言われた。またこの時期、トヨタ・プリウスが度々暴走事故を起こしていたことに掛けプリウス植田という蔑称が誕生したり「62番という選手」呼ばわりされるなどさらなるヘイトを集めることになってしまった。現在ではやらかし選手の代名詞的存在になり、他球団の選手でも走塁でありえないやらかしをした場合は「頭植田」と言われる*20ようになっている。

ちなみに、2020年9月13日の対広島戦でも似たようなプレーをやらかし併殺を食らい勝ち越し機をフイにしている。

ポセイドン植田

しかし上記の件から一週間後の6月12日、対ソフトバンク戦で植田は元同僚の松田遼馬*21からヤフオク!ドームのライトスタンドへ2ランを放ち、プロ3打点目とプロ2本目の長打、そしてプロ初タイムリーとなるプロ初本塁打を記録*22した。しかもプロ入り後に挑戦し苦手としている左打席での本塁打という快挙*23を成し遂げ、ベンチ前列にいた高山俊北條史也木浪聖也らを爆笑させる。そのあまりの衝撃から、この日プロ初登板初勝利を挙げた日本ハムの高卒ルーキー・吉田輝星と並んでTL入りをし、ネタキャラとしての地位をさらに固めることになった。

この頃はショートのスタメン争いのライバルである木浪・北條・鳥谷があまりに不甲斐なかったために相対的に植田の評価が上がった。また2019年6月交流戦では、少ない打席ながら.455の打率で結果を残し「ポセイドン植田」と呼ぶ声もあり「海くん→植田くん→植田→こいつ→植田→植田くん→海くん」とV字回復した。
最終的には打率.242(33-8)、長打率.333ながら、得点圏打率は.091(11-1)と相変わらず異常な低さとなっているが、打撃面で成長したのは間違いない*24*25

2020年8月6日の巨人戦ではC.C.メルセデスからプロ初タイムリーとなる2点適時二塁打を放つなど3打点*26を挙げお立ち台を経験した。

余談

傑出した得点圏打率の低さをネタにされる植田だが、彼に限らず右打ち教の蔓延に苦しんだ2018年の阪神のチーム全体の得点圏打率はかなり低く、あと一本が出ない試合が続き最下位に終わる要因の一つになった。

また世界記録の件で(悪い意味でも)知名度が上がりサッカーブラジル代表のネイマール*27と顔が似ている*28こともネタにされ、「和製ネイマール」と呼ばれた。


関連項目


*1 同年の阪神の盗塁数は77でセ・リーグ2位
*2 関西方面の実況や解説者には、語呂の良さからフルネームで呼ばれることが多い。
*3 強肩で知られるソフトバンク・甲斐拓也からも含む21企図19成功で成功率は.905。新庄剛志以来となる高卒4年目以内での2桁盗塁となり19盗塁を記録。ただし以降は盗塁も減り、特に2020年は7企図5盗塁で成功率が.714と下がっている。
*4 旧日本軍の戦闘機零戦をテーマにした戦争映画・「永遠の0」の捩り
*5 名前の「海」が「うみ」とも読めるため、同音異義の膿を引っかけた。
*6 2013年に.175 (69-10)、0本塁打0打点とメンチさえなし得なかった不滅の記録を残した阪神のハズレ外国人。
*7 2019年オフには植田本人も使用していた。なお、由来となった「甲斐キャノン」の愛称で親しまれているソフトバンク・甲斐拓也とは奇しくも2019年まで同じ背番号だった(甲斐は2020年から背番号を19に変更している)。
*8 木浪や糸原の蔑称でもある。ただし倉本は守備はアレとしても植田とは違いここぞの場面における打撃には定評がある。
*9 世界記録を更新する間、Twitter上では「#植田海プロ初打点チャレンジ」というタグが出回り、植田の打点ネタがよく認知されていたことを示している。
*10 2018年の有り様は体力面の問題が指摘されている。
*11 前年と比べ打席数・打数共に約1/6に、安打数も約1/5にそれぞれ減ったものの、それでも打率.242、1本塁打、2打点、12盗塁を記録した。
*12 捕球体勢に入る時ちょうどランナーの梶谷が目の前の二塁ベースを横切っており、目を奪われたのではないかとの指摘もある。
*13 藤川はこの試合終了後、登録を抹消され8月末に引退を表明。
*14 5回表終了時で降雨コールドゲームとなり、3-2で阪神が勝利した
*15 新型コロナウイルスの影響によるシーズンの短縮で日程が押しており、前日の様にかなりの悪天候でも開催される試合が多く、当日もグラウンド整備で試合開始が遅れていた
*16 映像でもゴロが左右に揺れ動いている様がはっきり見てとれる
*17 8回裏、守備固めに入れていた江越大賀に対して福留孝介を代打に出したため外野に入れる選手が本来内野手の大山か植田か熊谷敬宥しかいなかった。
*18 リプレイではこの時清田が三塁付近に誰もいないのに気付いて近くの野手にサインを送ってから送球しており、ハーフウェー程度になら植田の足なら戻れた可能性もある。そもそもレフトの前進ダイビングキャッチなら三塁の状況は頭を上げるだけで丸見えなので、この場合戻れる位置までしかリードをとるべきではないのは言うまでもない。
*19 BS12トゥエルブやチバテレに黄色いメガホンがグラウンドに捨てられたのが偶然写り込んだ。阪神ファンが投げ込んだ可能性が高いと思われる。張本に大事なランナーであることを考えていないとサンモニで喝を喰らっている。
*20 加藤翔平、杉谷拳士増田大輝らが言われた。
*21 2018年7月に飯田優也との交換でソフトバンクにトレード。現鷹達副総帥。ちなみに飯田は2020年8月に小林慶祐との交換でオリックスへトレード。
*22 尚、前日までの長打率は.005であった。ただその長打の少なさを盗塁でカバーしていたため、そこまであへ単とは言えない。
*23 右打席ではプロ1年目、5月3日の2軍広島戦(由宇)で柵越えホームランを放っている。
*24 打数は2018の25%以下であることは留意しておく点である
*25 ちなみに2020年はオープン戦終了後の練習試合のヤクルト戦で満塁本塁打を放ち、その翌日の試合ではマルチヒットをマークしている。
*26 植田のこれまでの通算打点が3点だったが、1日で挙げたことになった。
*27 リーグだとリーグ・アン(フランス1部)の強豪チームの「PSG(読みはパリ・サンジェルマン)」に所属している。
*28 体格も似ており身長は同じ175㎝、体重はネイマールよりも1㎏少ない67㎏である(2020年準拠)