2000年(平成12年)3月4日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)*1から発売された据置型ゲーム機。
対応タイトル
目次
概要
- 前世代機となる「プレイステーション」の次世代機として発売された家庭用据置型ゲーム機。通称「PS2」。
PS2専用タイトルだけでなく前世代機との互換性も有しており、大半のPSソフトを遊ぶことも可能。
その場合はポリゴン補完処理が行われ、若干のグラフィック向上も望める。
加えてDVD再生機能も有している。発売当時はDVDプレイヤーの価格が7~8万円と高価だったため、
希望小売価格が3万9800円と比較的手頃なPS2はそれだけで大きな注目を集め、
発売直後から凄まじい勢いで普及したことでも広く知られている。
その後も段階的な値下げが行われている。
- モンスターハンターシリーズの歴史が始まった記念すべきハード。
シリーズに於いては無印・G・2(ドス)の3作品が発売された。
かつては多くのハンターで街が賑わっていたが、現在はオンラインサービスが終了している。
- 初期型と後期生産型で大きくスタイルの違うハード。
SCPH-10000/30000/50000という型番が振られている前期型は分厚く大きいのに対し、
SCPH-70000/90000という型番で販売された後期型は大幅に小型・軽量化されている。- オンライン機能への対応方法は型番によって違いがある。
前期型にはLANポートが内蔵されていないため、外部機器として販売されている「BBユニット」が必要である。
このBBユニットにも2種類あり、PCカードスロット経由で接続する外付けタイプと、
本体背面のエキスパンションベイから挿入する内蔵タイプがある。
ややこしい事にSCPH-10000では前者しか使えず、SCPH-30000/50000では後者しか使えない。
SCPH-70000以降ではどちらも使用不可であるが、LANポートがデフォルトで備わっている。- このBBユニットにはLANポートが設けられており、
オンライン要素のあるゲームをプレイする際には、
モデム(ルーター)とBBユニットを搭載したPS2をLANケーブルで接続する必要がある。
ネットワーク以外の機能として、HDDも内蔵されており一部のソフトは、
データをHDDにインストールしておく事でロードを高速化できた。
セーブデータを直接ハードディスク上に保存できるソフトも少ないが存在。 - こう見ると、LANポートが標準搭載されている後期型の方が便利なように思えるが、
後期型はHDD取り付けが不可能な事により、
HDDへのデータインストールが必須の一部ソフトがプレイできない。
例として『ファイナルファンタジーXI』『信長の野望Online』などが該当する。
- このBBユニットにはLANポートが設けられており、
- 作品によって異なるが、
快適にプレイする為には特定プロバイダへの加入が事実上必須という場合も多く、
正常にインターネットが利用できれば特に通信業者、
プロバイダを意識する必要性に乏しい2020年以降と比べて、
インターネット接続設定の知識も含め、ハードルは現在よりも遥かに高かった。
- オンライン機能への対応方法は型番によって違いがある。
- MHシリーズをオンラインで遊ぶには上記の環境が必要だった。
加えて、KDDIが提供する「マルチマッチングBB」への加入が必須。
MHのヒットはこのサービスの加入者を大幅に増やしたと発表されており、
2003年時点では6万人だった会員が2005年には16万人に大幅増加している。- 早めにMMBBを介したプレイが打ち切られた作品もあるが、
MHシリーズは人気の高さからか、同サービス終了日の2011年6月30日まで
継続してプレイ可能な状態になっていた。 - この都合により、現在では初代MH~MH2のディスクとPS2実機があっても
オンライン必須の要素を正規手段でプレイする事ができなくなっている。
シリーズファンの中には自分でサーバーを立ち上げ、無理やりそこに接続する事で
強引にオンライン拠点に行く、上位/G級をプレイするという気合の入った人もいるが
当然ながらメーカーの推奨する遊び方ではなく、何が起こっても自己責任である。
- 早めにMMBBを介したプレイが打ち切られた作品もあるが、
- USBのポートが2個設けられており、MHをプレイする時の利用法としては、
PSPとの接続(MHPとMH2の連動)やキーボードの取り付け(オンラインプレイ時に重宝する)等がある。
- 記憶媒体として専用のメモリーカード(容量は8MB)を使用する。
これを持ち運べば、友人の家でも自分のデータでプレイ可能。
ちなみに、
PS2ソフトのケース内にはメモリーカードをはめる為のアタッチメントが設けられているので、
ソフトと一緒に持ち運びができる。
- コントローラー(ゲームパッド)はDUALSHOCK2と呼ばれるもので、
STARTとSELECT以外のボタンに押下時の圧力をアナログで出力できる機能が存在する。
コネクタが専用のもの(後述の初代PSから踏襲されている)であるため、
そのままではPCに繋ぐ事はできず、専用のUSBコンバーターを用いる必要がある。
しかし、専用コネクタの給電力とUSBの給電力に差異があるため、
補助電源無しタイプのコンバーターで振動機能をONにすると問題*2が発生、
最悪ブルースクリーンでダウンして再起動、なんてことがある*3ので注意。- PS2のゲームパッドは耐久性が極めて高いと言われており、
特に早期からこの恩恵に預かる事ができたMHFにおいては、
ネット上では推奨コントローラー(いわゆるPC用ゲームパッド)を差し置いて、
PS2コントローラー+USBコンバータ一択という声が多かった。
親元であるPS2本体の製造・保守終了から10年以上の歳月が経っているため、
新品を手に入れるのは困難である。 - PS2のゲームパッドは耐久性が極めて高いと言われており、
- 余談となるが、本機は「発売当時」の技術力を基準としてみた場合、
「非常に性能の高いコンピューター」として認められる程の性能を有しており、
それ故に「悪用防止」を目的として、輸出に関して一定の規制が設けられたという経緯がある。
- グラフィック面では半透明処理に非常に長けている他、
GPUと専用メモリとの通信速度が恐ろしく速いという特徴を有している。
それを生かして同世代の他機種では不可能な、
アンチエイリアス(詳細はこちら)に特化した表現が可能であった一方、
アンチエイリアスは処理負荷が高い事でも知られる技術であり、
GPUとメモリ間の通信速度の異常さも含め、
後継機含めた他種ハードへのゲームソフト移植を困難としていた。
- 現在、世界で最も売れたゲームハードである。
その台数、なんと1億6000万台という、あともう少しで頑張れば2億に到達せんが勢いであった。
これはPlayStation2が初代PlayStationの資産のほぼ全てを引き継げる事、
PlayStation2ソフトが潤沢であったこともあるが、
最大の理由としては廉価版DVDプレイヤーとして人気を博したという点が最も強い。
特に発展途上国を中心に、お手軽な価格でDVD-Videoを再生できるハードウェアとして、
PlayStation2の人気は長く続いていたという事実がある。- その人気は裏返すと、PS2はゲーム機としての本当の売上はそこまでのものではなかった…という訳でもなく、
日本国内ではPS1の最大売上ソフトは400万本もの売上に対し、
PS2の最大売上ソフトは370万本程度しか売れておらず、
ミリオンセラーの数も実はPS2のほうが少なかったりこそしたが、
世界に目を向けてみると、
「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」が2081万本も売れているなど、
ゲーム機としての人気が無かったとは言い難いモノであったのもまた事実である。
また、次世代機のPlayStation3に関しても、
最も売れたゲームソフトである「グランド・セフト・オートV」が2000万本を突破するなど、
PlayStationブランドが日本目線ではなく、
世界目線で展開していくには十分な影響が、この2世代で起こっている事がうかがえる。
- その人気は裏返すと、PS2はゲーム機としての本当の売上はそこまでのものではなかった…という訳でもなく、
- PS2のゲームソフトは光ディスクであるDVD-ROMが記憶媒体として使用されているが、
記憶媒体はどんなものであっても例外なく経年劣化する。
もちろん光ディスクにも同じことが言え、
どれだけ適切に保管したとしても、DVD-ROMを始めとした光ディスク全般の場合、
製造から約10年ほどで劣化の進行に伴い徐々に読み込みにくくなっていき、
30年以上経つと寿命を迎えて一切読み込まれなくなる個体が出てくるとされている。*5
また、PlayStation2ソフトのパッケージは十分な大きさと強度が確保されているために、
あまり気にならない事ではあるが、光ディスクは上から重たい物を乗せる等、
外部からの圧力にも弱く、圧力を加え続けた結果、
データを記録する役割を持つビットの一部が破損して、
ディスク自体は正常だが、内部のデータが正しく読み込めなくなる…、
といったことも起こり得る、デリケートな構造をした記録媒体である。*6
初代モンスターハンター発売から20年以上が経過した今となっては、
モンハンユーザーからしても決して遠い未来の話ではなく、既に現在進行形で起こっている出来事なのである。
一応、丁寧に保管することで寿命を伸ばす事は可能である*7ため、
PS2に限った話ではないが、古いゲームソフトを持っている人は大切に扱い、少しでも寿命を延ばすように心がけたい。
本体の違い
- PS2の本体は大きく分けると5種類存在し、型番の5桁数字の万の位で分類できる。
- 10000番台 - PCカードスロットを搭載しており、
HDDは外付でインターフェイスカード経由での接続。
詳細は後述するが、
初期生産分に同梱されていたユーティリティディスクのDVDプレイヤーは、
設定ミスでリージョンコード設定が「ALL」になっており、
どの国のDVDでも再生できてしまう設定ミスがあったため、
大体的に広告を打ってまでメーカー回収を行うという騒動があった。 - 30000番台 - 本体にHDDを内蔵するスペースを確保、
LANコネクタ兼用のインターフェイスアダプタを経由しての接続となる。 - 50000番台 - リモコン受光部を内蔵、ディスクドライブの対応ディスクが増えている。
HDDの付け方については30000番台と同様。- 初代「モンスターハンター」発売時点での現行機。
- 70000番台 - 前期薄型。ディスクドライブがトップローディングに変更、
HDDには対応しなくなったがLAN端子を標準搭載するようになった。
電源がACアダプタになっている。
後期型番では一部PS2ソフトの動作に問題が生じている。- 「モンスターハンターG」、「モンスターハンター2」発売時点での現行機。
- 90000番台 - 後期薄型。電源が内蔵に戻っている。
70000番台後半で問題視されたPS2ソフトへの互換性も若干改善された。
- 10000番台 - PCカードスロットを搭載しており、
- なお、SCEではなく親会社のソニー自身から2003年末に発売された「PSX」と言うものもある。
こちらはハードディスクが搭載されたDVDレコーダーとして発売されたものだが、
内部構造はPS2のものが流用されており、
実質「DVDの再生に加え、録画も可能になったPS2」と言ったところ。
モンハンを含めたPS、PS2のソフトのほぼ全てが問題なく遊べるが、
価格の高さ故にそれほど普及はせず、2年後の2005年に生産終了となった。
しかし、その設計思想は次世代機であるPS3やその周辺機器に受け継がれており、
起動直後に出てくるメインメニュー画面の体裁はのちのPSPやPS3でもほぼ同じものが使用されていたりする。
余談
- PS2や後述の初代プレイステーションにおけるCD-ROM*8も含め、
パッケージ版のソフトウェアの供給媒体における物理的な仕様は
それぞれのディスクのデータ用規格をそのまま利用しており、
初代およびPS2のディスクではデータ用規格のロゴも表示されている*9。
なお、Blu-ray Discは他にもセキュリティが高いという利点があり、
PS3およびPS4のパッケージ版は、
たとえ容量に余裕がありすぎても全てBlu-ray Discで提供されている。- 余談だが、初代およびPS2用のCD-ROMは、
そうであることを解りやすくするために、記録面側に色が付けられている。
初代の物は黒と言われているが、実際にはかなり暗めの青である。
PS2の物は普通にわかるレベルの青。
- 余談だが、初代およびPS2用のCD-ROMは、
- PS2の日本国内市場で初のミリオンセラー作品は『鬼武者』、何を隠そうカプコンの作品である。
残念ながらモンハンの鬼武者超えは(PS2では)叶うことはなかった。
- ちなみに、いわゆる初代「プレイステーション」は1994年12月3日に発売されている。
2D描写は苦手ながらも、3Dポリゴンの表現が非常に得意なゲーム機という特徴があった。
この頃には当然ながらまだモンハンシリーズは出ていないが、
他のカプコンのゲームを挙げるとすれば、
『バイオハザード』や『ディノクライシス』あたりが有名どころか。- プレイステーションの名は、元々はソニーによる
「CD-ROM搭載型スーパーファミコン互換機」のコードネームだったそうである。
その計画が破たんした後、ソニーが独自に開発したゲーム機にその名が受け継がれた。
それが理由かどうかは不明だが、
コントローラーはスーパーファミコンのそれをかなり意識しており、
右手側4ボタンの配列においては(日本国内において)一般的に決定ボタンと、
キャンセルボタンとして使われるボタンの位置関係が、
スーパーファミコンのそれを踏襲している*10。- 初代プレイステーションのコントローラーは大きく分けると3つの世代がある。
これといった名称のない初期型のもの、
アナログスティックを追加搭載したもの(「アナログコントローラー」と呼ばれている)、
そして左右双方のグリップに異なるサイズの振動モーターを内蔵した、
後のPSシリーズのコントローラーの礎となる「DUALSHOCK」の3種類である。*11
アナログコントローラーは文字通りアナログスティックを追加したものであるが、
その配置はアナログスティックが後付けとわかる形であり、
基本的な配置についてはそのままPS4まで踏襲されている。
PS3のオプションとして発売されたコントローラー装着型のキーボードは
そのフォルムから大変よろしくない渾名を付けられてしまっている。
- 初代プレイステーションのコントローラーは大きく分けると3つの世代がある。
- なお、CD-ROMを採用した最初の家庭用ゲーム機は初代プレイステーションであると
考える人もいるだろうが、これは間違いである。
最初にCD-ROMを採用したゲーム機は、PS1発売の6年前にあたる1988年に
PCエンジン用の外付けの周辺機器で登場した「CD-ROM²」が最初であり、
「ソフト供給媒体をCD-ROMに一本化した最初のゲーム機」という見方に変えても、
1993年に登場した3DO*12や、
プレイステーションの発売より10日ほど前に発売されたセガサターンという前例がある。
ただ、この前例で「CD-ROMの読み込み速度は遅い」という事実が業界内には知れ渡り、
ゲーム機向けに、読み込みに時間がかかる(ストレスが溜まりやすい)CDの採用は、
敬遠されやすいという傾向を生む要因になってしまった。
その中、CD-ROMを採用したPS1はその欠点を解消し、
CDのメリットである、
「フラッシュメディアと比較して大容量なのに製造費用が安価である」点を
大きく活かした売り込みをかけるのに一苦労したという逸話が残っている。*13 - 初代プレイステーションの末期型はそれまでのモデルより若干小型化されており、
その型のみの呼称として「PS one」という物も存在している。
電源はACアダプタになっており、また専用の液晶ディスプレイも存在していた。
なおそれ以前から初代プレイステーションをPS2と区別するために「PS1」と呼ぶことはあった。
- プレイステーションの名は、元々はソニーによる
- SIE(旧SCE)が発売したゲーム機としてはプレイステーションが最古ではあるが、
「ソニー発売のゲームが遊べる機械」として見ると実は前例がある。
それは1984年に発売された「HiTBiT」と言うパソコン周辺機器である(テレビにもつなげられる)。
見た目はややゴツくなったキーボードと言った形だが、
ファミコンなどと同じでカセット交換式のゲーム機であり、
またキーボードの右側にはゲームの操作をしやすいよう、大きな方向キーのようなものが付いている。
宣伝イメージキャラクターに松田聖子氏を起用するなど大掛かりな宣伝も行なわれたが、
価格の高さ故にそこまで売れることは無かったようで、かなりマイナーな存在になっている。
関連項目
ゲーム用語/プレイステーション3 - 次世代機。初期型の一部機種はPS2と互換性あり。
ゲーム用語/プレイステーション・ポータブル - 携帯機版プレイステーション・第1号。MH2など一部タイトルは連動要素あり。
ゲーム用語/プレイステーション・ヴィータ - 携帯機版プレイステーション・第2号。
モンハン用語/モンハン持ち