1936A級駆逐艦 オッシュ

効果:主砲射程+4%、魚雷射程+4%、最大転舵速度+4%、海面発見距離-4%、EXPアップ+40%、シルバーアップ+40%

効果:HP+4%、魚雷速度+4%、最大転舵速度+4%、海面発見距離-4%、EXPアップ+40%、シルバーアップ+40%
性能諸元
基本性能
※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし
| 国 | フランス | |
|---|---|---|
| 艦種 | 駆逐艦 | |
| Tier | 8 | |
| 生存性 | 継戦能力 | 17936 |
| 抗堪性 | ・防郭防御5% ・火災浸水耐性10% ・装甲防御4.5% ・魚雷防御4.5% | |
| 主砲射程 | 8.63km | |
| 機動性 | 最大速力 | 40.01ノット[kt] |
| 最大出力への到着時間 | 9.77秒 | |
| 転舵速度 | 8.20度/秒 | |
| 転舵所要時間 | 3.75秒 | |
| 隠蔽性 | 6.78km | |
・兵装
| 主兵装 | 口径,搭載基数×門数 | 装填時間 | ダメージ(火災率)(防郭率) | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 128mm L/45 SK C/41 1基×2門,128mm L/45 SK C/41 3基×1門 | 4.50秒 | HE弾 354(4%) AP弾 448(150%) | 15.00度/秒 |
| 魚雷 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向門数) | 装填時間 | ダメージ | 射程 | 雷速 | 浸水率 | 魚雷管旋回速度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 533mm Vierling 2基×4門(8門) | 40秒 | 3658 | 7.20km | 58.35kt | 12% | 20度/秒 |
| 対空砲 | 種類 | ダメージ | 射程 |
|---|---|---|---|
| 大口径 小口径 | 0 66 | 0km 1.80km |
・艦艇スキル
| 種類 | 効果 | 持続時間 | クールタイム | 使用可能回数 |
|---|---|---|---|---|
| エンジンブーストⅠ | 最大航行速度+8% | 25秒間 | 75秒 | 2回 |
| ソナーⅡ | 4.5㎞以内の敵艦や魚雷を全て発見する | 25秒間 | 90秒 | 2回 |
| 発煙装置Ⅰ | 24秒間持続する煙幕を張る | 9秒間 | 105秒 | 2回 |
ゲーム内説明
1936A型駆逐艦15隻のうちの1隻。Z25の名で1940年に竣工し、第二次世界大戦を通じてドイツ艦艇の護衛に従事した。大戦後は最終的に1946年初頭にフランスに補償として接収され、オッシュと改名。一連の改装を経て高速駆逐艦護衛艦となった後、1956年に退役した。
解説
本艦はZ23と同型艦である。
・主砲
Z23と同じく、128mm連装砲を艦首に1基、128mm単装砲を後艦橋直前に前向きで1基、128mm単装砲を艦尾に背負い式で2基2門搭載している*1。ツリー艦である「Z23」主砲との比較を行うと、射程はZ23よりも下げられて8.63kmと同格では平均的。装填時間は格下である「レーベレヒト・マース」と同様の4.5秒装填。ところがAP弾の単発火力が「Z23」主砲では531あるのに対して、本艦の場合は448と15%以上引き下げられている。このためDPMも29867とLe Fantasqueクラス(同格平均)まで落ち込んでしまっている*2。反面、HE弾の単発火力はフランスに寄せたのか「Z23」主砲よりも高い354(Ölandと同じ)であるが、それでも同格では低い方であるし、何より発火率4%もZ23から変わっていない。この様に数値の上では砲戦能力がかなり下げられているものの、ドイツ駆逐艦の主砲の特徴である弾速の速さと素直な弾道による「命中させ易さ」はそのまま引き継がれている。見方によってはドイツとフランスの主砲の特徴をミックスした結果、フランス駆逐の弱点であった弾道のせいで遠距離戦で撃ち負け易い・貫通力が低い・素の装填が長い・砲の旋回速度が遅いといった弱点が軒並み改善されており、通常のフランス駆逐艦が苦手としていた駆逐艦狩りが捗る(大型艦には弱くなったが...)様になったと言えよう。ところが2か国の主砲の特徴をミックスしてあるという事は良い面ばかりではなく、純粋なドイツ駆逐艦砲と比較すると回転の速さと威力&DPMで劣り、フランス駆逐艦砲には射程と一撃の重さ&発火率と高速装填Ⅲからくる瞬間火力で劣るという、なんともいえない性能になってしまった。総じて、フランス艦としては嬉しいところがあるものの、中途半端で痒いところに手が届かないような性能をしており、コレジャナイ感がいなめない。
・魚雷
こちらもZ23と特徴が似ている。533mmクラスを4連装魚雷発射管に収めて2基8射線搭載。発射管の位置が艦中央部およびそのやや後方にある為、射角は前後方ともに優秀。ドイツ駆逐魚雷らしく単発火力は3658とやや低め、浸水率12%は最低、旋回速度が20°/sと遅く取り回しが良くない。しかし主砲性能低下のお詫びなのか、装填時間はドイツ駆逐魚雷お約束の48秒からフランス駆逐規格の40秒に改善された事からDPMとしては43896とまさかの同格1位を誇る*3。更に魚雷の拡散の度合いが「狭すぎず広すぎない」事から狭角で撃った際にも全弾命中を狙い易い。もちろん広角で撃つ事で普通に広く撒くことも可能であり、この点に不満は無いだろう。しかし、WGは天にニ物を与えたくないのか、雷速が58.35ノットと激遅な上に射程がZ23のバフ前となる7.2kmと420mしか安全距離がなく、ヒストリカル迷彩で射程を伸ばしたり専用迷彩で雷速を上げたり装備で隠蔽を上げたりしないと、雷駆運用は難しい。また、DPMは高くても瞬間火力は29264と同格平均とそこまで高くないため、近接雷撃で仕留めそこなうと生きて帰って帰ってこれない。カタログスペックは高いが実際に扱ってみると中途半端な性能なので、効果的に活かすには慣れが必要だろう。とはいえ腐らせるのはもったいないため、ドイツやフランスのような中距離の置き魚雷運用をするか、障害物を活用した雷撃などの避けられないシチュエーションでの継続的な雷撃をするとよい。
・対空
まさかの大口径対空砲0、小口径対空砲66の射程1.80kmとZ23と同じである。同格ワースト3位の対空で射程は同格ワーストである。このTire帯は空母の魔境であり、相手空母のPSは言わずもがな性能も凄まじく高く、回避行動をしないと即沈するし、しても粘着されればそう長くもたない。しかし、後述の速度と機動性を生かしてどうにかなる(序盤の方は)こともあるし、救済措置の煙幕を2回使えるため、これらのツールを用いるとともに孤立厳禁で高対空艦と行動を共にするなどして、空母の食前酒としてパパっと完飲されないようにしよう。
・装甲
同格駆逐艦と比較すると平均程度である。贅肉がないため、遠距離戦艦のAPが過貫通するが、巡洋艦や駆逐艦のAP&HEと戦艦のHEと空母の爆撃はしっかりと痛い。駆逐艦らしく装甲なんか捨てて機動力で回避する方が賢明である。
・機動性
素の最高速度は40ノットを超える。エリート特性で「駆逐艦近代化改修」こそ選択できないものの、消耗品の搭載のみで41ノットを超え、装備品まで速度に振ると43ノットを出す事も可能。更に本艦はレベルが低いが艦艇スキルの「エンジンブースト」も使えるため、効果時間内限定とはいえ更に速度を増す事も可能。これにより中央占領戦で有利になるだけでなく、その他の戦場においても味方艦に先んじて重要ポイントに急行する事が可能となった*4。また、これによって敵の駆逐艦を沈めるまでストーカーするといった、低速のドイツ駆逐艦にも駆逐艦狩りの苦手なフランス駆逐艦にもできないソ連駆逐艦のような運用も可能となった。最高速度まで9.77秒と同格では平均的だが、加速力が4.1kt/sとあまり良くないため、不意の衝突や加減速回避中は注意が必要である。最大転舵速度は8.20、転舵所要時間は3.75秒とZ23よりも改善されている。舵の応答が速く細かい操作にもキビキビ対応できる点も良い。しかし大柄な船体ゆえ、旋回半径が大きく、回頭の際は周囲の敵の動向に細心の注意を払う必要がある。総じて、本職のフランス駆逐艦には及ばないものの、ドイツ駆逐艦の弱点である低速が克服されており、加速以外は不満のない機動力を有しているため、回避や機動戦で有利に働く。よって、優秀である。
・隠蔽性
Z23と変わらず6.78kmである。同格では22隻中18位であり、悪い部類に入る。雷撃や索敵に不利となるため、気になるならば装備で6.1kmまで縮めたり迷彩で補ったりするとよい。
・生存性
体力は17936とZ23よりも若干上がっているが、大きく順位を上げるほどのものではない。同格では優秀であるが、本艦よりも体力のある艦は何隻かいるため、HPの払い出しは計画的に行い、不要な被弾や被雷は避けるようにしよう。耐性は同格駆逐艦と大差なく平均的である。被弾や被雷は自慢の機動力をもってして避けるようにしよう。
・消耗品
悪い隠蔽を補うための高品質石炭、劣化してしまった主砲と強力な魚雷を強化するための高級船員食糧、優秀な機動力をさらに伸ばすための改良型ディーゼルエンジンの3つがおすすめである。
・艦艇スキル/艦長スキル
➀エンジンブーストⅠ×1...Z23にも搭載されていたが、本艦の優秀な速度をさらに上げられる。艦長スキル「余熱装置」と合わせて使うといいだろう。
➁ソナーⅡ×2...Z23にも搭載されていたが、周囲の味方を魚雷から守ったり本業の駆逐艦狩り中の魚雷事故防止に役立つため、艦長スキル「戦場支援」と「偵察と警戒」をとって回数の増加とクールタイムの削減をしておきたい。
③発煙装置Ⅰ×1...格上のZ46から使えるようになるスキルが2回も使える。低対空の本艦にとっては命綱であり、短射程魚雷との相性も良いことから、艦長スキル「雲隠れ」でクールタイムの短縮をしておきたい。ただし、マッチ帯ではレーダー持ちが多いため、レーダー持ちの艦を把握する必要がある。また、ソナーの効果範囲内で使用しないようにしたい。
・装備
・兵装 取り回しを良くするために、射撃改良システムか魚雷発射管改良Ⅰが無難である。
・防御 機動力を底上げするために、操舵装置改良Ⅰか推力改良Ⅰが良い。
・適正 魚雷を生かしたり索敵を有利にしたりしたい艦長は隠蔽システム改良Ⅰ、速度を極めたい艦長は操舵装置改良Ⅱ、機動力を極めたい艦長は推力改良Ⅱが良い。
・エリート特性
・エリート砲術員 主砲装填時間-3%、主砲旋回速度-7%
・エリート魚雷オペレーター 魚雷装填時間-3%、魚雷管旋回速度-7%
・功績 EXPアップ+10%
※エリート砲術員かエリート魚雷オペレーターのどちらかを好みで選ぶと良い。
・総論
ドイツ駆逐艦にフランスの要素を付け足した結果、機動力が向上した艦である。その結果、素の状態で40ノットを超える速度で味方に先んじて重要ポイントに向かえるだけでなく、ドイツ駆逐艦譲りの「エンジンブースト」を使用して更に加速も可能。仮に敵駆逐艦と行き会ってしまっても並みの敵であれば砲火力のみで追い払える他、仮に優勢な敵であっても「ソナー」と「発煙装置」により占領サークル内に強引に居座るといった芸当も可能。この様に多くの場合でも対応し易い構成要素に恵まれている。
しかし反面、ドイツ駆逐艦として観るとAP弾の砲火力に劣り、フランス駆逐艦として観ると砲射程やHE弾の火力・発火率に劣り魚雷も頼りなく感じる等、それぞれの国の強みのパラメーターをいじってバランスを崩した感じになっているため、扱う艦長によっては使いにくさやもどかしさを感じる事もあるだろう。しかし幾つかの欠点に目を瞑れば、駆逐艦への対応能力はそこそこのまま優秀な機動力を得たことで駆逐艦狩りがより得意になり、魚雷のDPM向上によりある程度大型艦にも抗える様になり、煙幕で空母をやり過ごすこともできるようになった…と考えれば少々の火力不足もやむを得ないと言えるだろう。ドイツとフランスのミックスというと先に実装されたZF-6が速度はドイツだが火力はフランス艦譲りというかなり尖った構成であったのに対して、こちらは互いの弱点を極力消すような方向性となっており尖った面こそ無いものの非常に扱い易い。纏めると、攻撃力を重視する艦長にはお勧めできないものの、ドイツともフランスとも言い難い絶妙な味付けを評価できる艦長や、弱点が少ないタイプの艦を好む艦長、一風変わった駆逐艦が好みの艦長にはお勧めの艦と言えるだろう。
戦闘名誉章
| レベル | 1 | 2 |
|---|---|---|
| 報酬 | アルティメットシルバーブースター×2 アルティメットEXPスーパーブースター×2 シルバー×250k | スティール×4 |
| ミッション内容 | 10戦をプレイする | 一戦中に2隻の敵駆逐艦を撃沈する |
史実
ゲーム内説明にもある通り、本艦は1936A型駆逐艦のうちの1隻である。とはいえ全15隻というのは1936A型の8隻と1936A(mob)型の7隻双方を合わせての数であり、厳密に言うと同型艦は「Z23」から「Z30」までの8隻と言える。本艦こと「Z25」は1938年度建艦計画において発注され、ブレーメン造船所において1939年2月に起工。翌1940年3月に進水、同年11月末には竣工・就役している。
主な活躍としては1942年3月29日に姉妹艦「Z24」「Z26」達と共にイギリスのE級駆逐艦「エクリプス」を大破させるも、この戦闘において「Z26」が撃沈されてしまった。5月1日に「Z24」と共にイギリスの軽巡洋艦「エディンバラ」を雷撃して大破させ、F級駆逐艦「フォレスター」「フォアサイト」に砲撃を加え損傷を与える。1944年3月12日には「Z28」「Z29」と共にフィンランド湾内のソ連軍事基地に艦砲射撃を行っている。第2次世界大戦を無事に生き延び終戦を迎えるも、戦後は「Z23」と共にフランス海軍が接収、フランス海軍により「Z23」は「レオパード」本艦は「オッシュ」と再命名されフランス海軍籍となる。姉妹艦の「レオパード」は1955年、本艦は1958年に除籍され、解体処分となった。
小ネタ
本艦の艦名の由来は、恐らくフランス革命期の軍人である「ルイ・ラザール・オッシュ(Louis Lazare Hoche)」より。彼は「ナポレオン」の同僚でありライバルでもあり、ナポレオンから「戦争の達人」と評価されていたものの、30歳の若さで病死(毒殺説あり)した。
彼は革命期に活躍した軍人の多くがそうであるように裕福な生まれでは無かった。1768年に馬丁(馬の世話をする人)の子として生まれ、16歳で軍隊に兵卒として入隊。革命勃発期には伍長に昇進していたが、1789年7月14日のバスティーユ牢獄の襲撃においては民衆の側に加担。8月にフランス衛兵隊が解散されると民兵組織である国民衛兵隊に入隊、1792年4月に「フランス革命戦争」が勃発すると順調に出世を重ねていった。1793年3月には幕僚中佐に任命されるも、反革命容疑で逮捕されてしまう。しかし証拠不充分だったことから無罪を勝ち取り、転属先で大きな武功を上げて准将から将軍に昇進、わずか26歳にして軍司令官に任命される。1794年に「ラザール・カルノー」に罷免されるも、イタリア軍司令官へと栄転が決まった。サン=ジュスト配下の将軍による告発で再び逮捕され、今度こそ牢獄に送られ処刑を目前にしていたが「テルミドールのクーデター」が発生しからくも釈放される。その後、西部方面軍へ転任した際にはヴァンデの反乱を鎮圧、議会での王党派勢力拡張に危機感を持ち軍隊を派遣してパリを包囲するなどしたが、陸軍大臣への誘いを受け極短期間のみ受ける。しかし総裁「ポール・バラス」の腐敗に抗議して辞職、軍に戻るも直後に体調を崩して病死。テルミドールの政治に関わった直後に病死した事から毒殺説も囁かれている。
ナポレオンが率いた兵が強かったのは周知の事実だが、実はナポレオンが直接率いていなくともこの当時のフランス兵の士気は非常に高かった。というのもフランス革命によって多くの貴族が外国に亡命、革命政府によりその土地は細分化され農民達に分け与えられた。わずかながらも自分の土地を手に入れた農民は、革命が途中で不成功に終わり再度貴族による大土地所有制が復活する事を非常に恐れ、進んで革命軍に協力した。このため農村から多くの志願兵が生まれ、長い事組まれていた対仏大同盟の存在する期間、農村は兵士の供給源として上手く機能した。
また農民が進んで革命軍に協力したという事実は補給の面でも大きく、フランス国内においてはフランス軍は補給の殆どを現地において賄うことができた。また国外においても当時の貴族領主の多くは農民に圧政を強いており、農民は「自由と平等」を旗印に掲げて戦うフランス軍に対して好意的だった。こういった理由もあり、フランス軍は鈍重な輜重部隊を編成せずに兵士を常に軽装で運用できた。この軽装とアップテンポの軍楽隊の組み合わせによる行進がナポレオンの機動力の秘訣であった。
そしてナポレオン自身の指揮能力の高さは、機動力のある兵の能力を極限まで生かし、戦場における各個撃破を可能とした。というのも現代と異なり戦場までの兵の移動は徒歩がメインであり、更に整備された道も少ない。こうなると通常の軍隊の場合、昼の間のみ行軍し夜や悪天候の場合は行軍を見合わせるのが普通だった。戦場に数万の兵が集結予定といっても、途中停滞しないように複数のルートから時間をずらして進軍させる必要があったのである。ところがナポレオンの率いる兵は悪天候であろうと進軍が可能、そして場合によっては戦場に到着して休息無しで戦闘に突入することもあった。このため敵軍が分散して戦場に向かっている状態を急襲、各個撃破を繰り返して数的有利を造り出してから敵の本体と戦うという「通常の軍隊では到底不可能な芸当」も可能であった。
エジプトから舞い戻ったナポレオンは国民から大歓迎を受けたものの、そのままでは敵前逃亡罪で処刑される懸念もあった。そこで「ブリュメール18日のクーデター」により総裁政府を倒し、新たに統領政府を立てる。そして自身は統領政府の第一統領となって権力の座に就いた。
統領ナポレオンが最初に目指したのは、自身のエジプト遠征中に悪化した第2次対仏大同盟による圧迫の緩和であった。オーストリアが影響力を持つイタリアに対して、アルプス山脈を越えて奇襲をかけ、1800年6月の「マレンゴの戦い」でオーストリアのイタリア遠征軍に大勝。12月にはドイツ方面においてナポレオンのライバルの1人であるモロー将軍がオーストリア軍に大勝。この連勝によりオーストリアは、イタリアをフランスの保護国とする事を認め、更にライン川の左岸側をフランスに割譲する事に承諾。第2次対仏大同盟の一翼であるオーストリアを屈服させたことにより、実質的に第2次対仏大同盟は瓦解。残ったイギリスとの敵対関係も1802年に「アミンの和約」を結び、講和に持ち込んだ。
対外問題が一段落したナポレオンは、次に内政面における改革に着手。中央銀行であるフランス銀行を設立したほか、有名な「フランス民法典(ナポレオン法典)」を発布、公共教育法も制定している。更に交通網の整備や産業全般の振興にも力を注いだ。しかしフランスの産業が復活すると、海外への市場・販路が被っているイギリスとの摩擦も強くなる。締結したばかりのアミンの和約も反故になり、再度イギリスとの仲は険悪になりつつあった。
またこの頃、フランスの海外領土の運営は上手くいっておらず、フランス領ルイジアナ(中央アメリカ・ルイジアナ領)をアメリカ合衆国に売却し中央アメリカから実質的に手を引いたり、最も利益が上がっていたハイチにおいても革命が起きてその権益を失うなどの混乱が続いた。これらの対外問題に対して、ナポレオンは自らに権力を集中する事でその事態を打破しようとする道を選択、1802年8月に憲法を改定して自らを終身統領とした。しかしこの時点では彼の権力は1代限りであり、世襲制ではなかった事から「あくまで非常時の対処」という名目が立っていた。
ナポレオンは引き続き自身に権力を集中させるべく、国民投票を経てフランス人民の「皇帝」として即位(1804年5月)。同年12月に戴冠式を行うも、これまでの慣例*5に則らず自身で王冠を被った。このパフォーマンスは「皇帝の政治は教会の支配下には置かれない」事を明確に示すものであった。また今度はイギリスを直接叩くべく、フランス北部のブローニュに艦隊を集結させた。これに対してイギリスは「第3次対仏大同盟」を締結して対抗、ナポレオンはスペインと組む事で英国海軍に対して有利に立とうとしたものの「トラファルガーの海戦(1805年10月)」においてフランス・スペイン連合軍は完敗して英国上陸作戦は実行されなかった。
海戦では敗れたものの、陸戦においてはオーストリア軍を破って首都ウイーンを占領する事に成功。更に北に逃げたオーストリア軍と援軍に来たロシア軍とも戦い「アウステルリッツの戦い(1805年12月)」において双方を撃破、これにより「第3次対仏大同盟」は解消した。まだ体力を残していたプロイセンが中心となって「第4次対仏大同盟」が組まれるも「イエナ・アウエルシュタットの戦い(1806年10月)」によりプロイセンは大敗、ベルリンは占領され西南ドイツ一帯を「ライン同盟」と称してフランスの影響下に置かれてしまう。
こうなるとこの時点でフランスに表立って対抗できるのはイギリスとロシアだけとなったがナポレオンは先の海戦における完敗を忘れておらず、イギリスに対しては大陸封鎖令を出して貿易を制限するのみに留めた。
ナポレオンの帝国はこうして確実に拡大していき、彼は親族を周辺国の王に任命するなどして確実に足元を固めていく…様に見えた。ところが1808年5月にスペインの内紛に介入するとイベリア半島戦争に巻き込まれ苦戦してしまう。というのもナポリ王であった兄のジョセフを今度はスペイン王にしようとしたのであるが、これにマドリード市民をはじめとするスペイン人が大反発。フランス軍は今までのような地元民や農民を味方につける戦い方ができず、逆に敵にしてしまった事で泥沼の戦に足を踏み入れてしまう。フランスがスペインで苦戦しているのを知ると、オーストリアは好機とばかりに「第5次対仏大同盟」を組みフランスの背後を突く。ナポレオンは再度のウイーン侵攻を成功させるも、自身が直接指揮した「アスペルン・エスリンクの戦い(1809年5月)」ではオーストリア軍に敗北。最終的にワグラムの戦いに僅差で勝利して「第5次対仏大同盟」を解消させる事に成功した。
しかし帝国の急拡大と共に、ナポレオンの政治的・軍事的才能に陰りが見えつつあるのも事実であった。イギリスを縛っている筈の大陸封鎖令は「世界の工場」と呼ばれたイギリス製の製品を必要としている周辺国にも影響し、これらの国の産業を停滞させただけでなくフランスの産業も停滞させていた。ロシアは1810年に大陸封鎖令を反故にしてイギリスとの貿易を再開。ナポレオンはロシアに対して通告を行うも、ロシアはそれを無視。1812年にロシア遠征を行うも、この時のフランス軍は地元民や農民にとっては侵略者であって最初から最後まで補給に苦しむことになる。
本艦はゲーム内説明にこそ記載が無いものの、イギリス海軍において最も活躍した軽巡洋艦「エディンバラ」を雷撃し大破させるという武勲を上げている。このためドイツ駆逐艦として知名度が高い…かと言われるとそういう訳でもなく、最終的にフランス海軍籍に転籍している事から先の武勲を誇る訳にもいかないという非常に肩身の狭い立場の不遇艦と言える。
編集用コメント
- 編集用コメント欄が無いとの指摘により新たに作成。 -- 2024-08-08 (木) 23:06:49
- 主砲と総論について、元の文章をベースに構成を変更。この艦は強みが無いのが強みというバランス型と考えればもうちょっと営業的にもマシな表現になると考えて実施。 -- 2024-08-10 (土) 19:06:58
- 小ネタを編集 -- 2025-09-03 (水) 22:41:51
コメント欄
- ページ作成と解説+その他諸々を記載しました。史実と小ネタ書いてくださる方いたら嬉しいです。また、解説て不備や不十分な箇所がありましたら、訂正・補充してもらえると嬉しいです。 -- 2024-08-04 (日) 04:36:03
- 編集お疲れ様です。ありがとうございます。 -- 2024-08-04 (日) 10:48:52
- スチールラット迷彩つけると1番砲塔が単装砲になっているように見える -- 2024-08-04 (日) 14:53:45
- 今日初めてレンタルオッシュ見たわ。こりゃ戦場が荒れる予感… -- 2024-08-05 (月) 14:27:19
- オッシュ君、ドイツ艦だったのか…。
名前だけならアメリカだと思った。 -- 2024-08-05 (月) 15:16:15 - 駆逐乗れない私でも強いと思えるオッシュ君 -- 2024-08-06 (火) 14:47:39
- レンタルで乗ってみたら自分だけボトムにされるとかいう強制地雷マッチにされたけど、なんとかそれなりには使えた。これ高速装填ついてたら買ってたかなぁ。弱くはないけど、クッソ強くもないからときめく人用な気がした。弾道はドイツだからそこは使いやすいけどさ。まぁ高速ないから主砲は逆にフランス要素どこだよって感じにはなるけど...私はドイツ駆逐鹵獲からのフランス駆逐って時点でときめきを感じなかったから買わなくていいや() -- 2024-08-06 (火) 15:06:18
- コイツ敵が来そうな場所にひたすら魚雷を垂れ流しにしないとダメージ出せないな。 -- 2024-08-06 (火) 23:21:46
- レンタル艦でランダム戦いけなくならないかなぁ。味方に複数隻いると戦績汚されて正直嫌な気持ちになる。 -- 2024-08-07 (水) 14:26:16
- 名誉章のレベル表記が他と違っていたので統一、改行もしました
それとここのページの編集コメント欄が消えてるので、有識者の方復元お願いします -- 2024-08-08 (木) 20:54:07- あっ、もしかしたら元から編集コメント欄が無いかもしれんのか… -- 2024-08-08 (木) 20:55:53
- トークンイベントで貰える -- 2025-08-14 (木) 13:14:43
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