タトラ級駆逐艦 タトラ
性能諸元
基本性能
※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし
Tier | 2 | |
---|---|---|
生存性 | 継戦能力 | 6867 |
抗堪性 | ・防郭防御5% ・火災浸水耐性10% ・装甲3% ・対水雷防御3% | |
主砲射程 | 6.30km | |
機動性 | 最大速力 | 32.23ノット[kt] |
最大出力への到着時間 | 9.64秒 | |
転舵速度 | 10度/秒 | |
転舵所要時間 | 3.30秒 | |
隠蔽性 | 5.10km |
・派生艦船
・兵装
主兵装 | 口径,搭載基数×門数 | 最大ダメージ(火災率)(防郭率) | 装填時間 | 砲塔旋回速度 |
---|---|---|---|---|
100mm L/50 Skoda K10, 2基×1門 | HE弾 273(2%) AP弾 283(150%) | 4.50秒 | 10度/秒 |
魚雷 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向門数) | 射程 | 雷速 | 最大ダメージ | 装填時間 | 浸水率 | 魚雷管旋回速度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
450mm, 2基×2門(4門) | 6km | 66.69kt | 1308 | 28秒 | 24% | 25度/秒 |
対空砲 | 種類 | 平均ダメージ | 射程 |
---|---|---|---|
大口径 小口径 | 0 0 | 0km 0km |
※対空なし
ゲーム内説明
より先進的な艦艇を配備することを目的に、海軍のプロジェクトの一環として建造されたオーストリア=ハンガリー帝国海軍の最高の駆逐艦の艦級。駆逐艦用の大砲はチェコのシュコダ社から供給された。
解説
・主砲
他国より小さめな、100mm砲を使用。他国駆逐艦と比べて一撃の威力には劣るものの、装填速度が速い。
・副砲
史実で舷側に6門装備されていた7cm砲は、残念ながら飾りになっている。
・魚雷
45cm魚雷を連装2基搭載。このtierの駆逐艦としては標準的。
tier2にして浸水率24%という高い値を誇る。これに次ぐのは魚雷大国である大日本帝国籍の海風(14%)であり、同じ浸水率ではtier2どころかtier8の陽炎と同値である。
問題はその威力である。欧駆の宿命で、ハッランドまで続く欠点。同数の魚雷をもつ海風と比べて大きく劣っており、全弾直撃させても同格駆逐艦をワンパンできない。
...まぁ確かに、この性能の魚雷に威力まで付随したら明らかにOPとなってしまうので妥当といえば妥当か。
・対空
存在しないが、そもそも空母とマッチングしないため問題はないはず。一次大戦期の駆逐艦に対空能力を求めるのも酷な話だ。
・装甲
駆逐艦に装甲を求めてはいけない。
・機動性
速力は普通。遅くも速くもない。艦体の小ささも相まって、舵は素直に効いてくれる。
・隠蔽性
・生存性
HPは同格の中では高め。
・消耗品
駆逐艦三点セットと呼ばれる、高品質石炭、高級船員食糧、改良型ディーゼルエンジンがおすすめ。石炭に関しては予防整備パックに変えてもいい。
・装備
直感で選ぼう。
・エリート特性
船体強化 HP+4%
新型操舵装置 転舵速度+5%、転舵加速度+10%
功績 EXPアップ+10%
・総論
低威力ながら高性能な魚雷に、装填の速い主砲を生かして手数で攻めるタイプの駆逐艦。魚雷は高速で当てやすいため、駆逐艦の入門としても有用。
史実
タトラ級駆逐艦は、オーストリア=ハンガリー二重帝国が建造した駆逐艦級。前級はフサール級、次級はタトラ級代艦。艦名はかつて二重帝国内に存在した山、土地、湖の名に由来する。
タトラ、チェペル、オルイェン、リカ、バラトン、トリグラフの全6隻が就役し、一次大戦終戦時にはリカ、トリグラフが戦没している。生き残った4隻はいずれもイタリアに引き渡され、標的艦か解体されるかして最期を迎えた。
イギリスのトライバル級駆逐艦(初代)に影響され、機関には最先端の技術であった蒸気タービンを取り入れ、当時の軍艦としては高速の32ktを記録。
兵装はチェコのシュコダ社から供給された47口径100mm単装砲を使用、対水雷艇兵装に44口径7cm単装砲6基を両舷3基搭載。水雷兵装として、45cm連装魚雷発射管を2基搭載した。
小ネタ
艦名の由来は旧オーストリア=ハンガリー帝国領内に存在したタトラ山脈から。現在ではポーランド領、及びスロバキア領に含まれる。80%程度はスロバキア領であり、同国を代表する山脈。スロバキアの国歌 (Nad Tatrou sa blýska、稲妻がタトラの上を走り去り)にも歌われている。(Wikipediaより引用)
フランツ2世が神聖ローマ帝国の帝位を放棄(1806年)した事により神聖ローマ帝国が消滅、フランツ2世は実質的な領土であったオーストリア及びハンガリーを領土とした「オーストリア帝国」を標榜*1するも…1848年にヨーロッパ各地において革命の機運が高まり、ハンガリーにおいても民族運動が盛んになった。この運動の結果、帝国政府はハンガリーの内政上の独立を認め「オーストリア帝国」は領土内において同君連合(同一人物を君主と仰ぐものの、政治形態が異なる連合)を組む形へと移管した。これにより、国名も「オーストリア=ハンガリー帝国」となった。
ハンガリーは内政における独立は手に入れたものの、ハンガリー内部におけるハンガリー(マジャール)人の人口は48%程度であり、36%程度を占める旧支配階級のドイツ人とさほど変わりは無かった。これでは過半数に届かず、自由に政治の舵取りを行う事は難しい…そこでハンガリー(マジャール)人は国内のクロアチア人と協力することでようやく過半数に達する事に成功、国内のハンガリー(マジャール)化を推進する。
一方で帝国政府は旧体然としたドイツ人による支配体制に限界を感じ、新憲法で民族平等を謳い新体制へのシフトを試みるも、ドイツ人だけでなくハンガリー(マジャール)人の反発も受けこの案は廃案になった*2。また、オーストリア内部ではハンガリー以外の民族においても民族運動が激しくなり、工業地帯のチェコ人や金融業を営むユダヤ人の発言力が強くなった。しかしこの時点ではどの民族も帝国からの完全な独立を目指していたわけではなかった。何故なら両隣をロシアとドイツという大国に挟まれた状態で小国が独立しても、やがてどちらかに飲み込まれてしまう事は明らかであった為である。
しかし帝国という卵の殻は中の人々が思っていたほど堅固では無かった。各民族が他に負けじと対立を深めたり帝国政府に圧をかけたりしているうちに、皇帝一族に不幸な事件が相次ぐのである。特に大きな事件は「サラエボ事件」であり、これを契機として第1次世界大戦が勃発(1914年7月)。しかし多民族国家故に統率に欠けるオーストリア軍は小国セルビアにすら苦戦、1917年にアメリカが協商国側として参戦すると長引いた戦争への厭戦ムードが高まる。また帝国内ではドイツ人支配体制側とそれぞれの民族代表との意見の相違から政治改革は一向に進まず、チェコスロバキアが協商国側に独立を打診すると協商国側はそれを承認。これをきっかけに帝国内の諸民族は次々と独立を宣言、最後の皇帝カール1世はこれを繋ぎとめようとするも果たせずに国外へ逃亡…ここに帝国は実質的に空中分解した*3。
帝国解体への大きな後押しをした存在の一つに、1917年に協商国側として参戦したアメリカが挙げられる。アメリカは参戦の際に「民主主義(協商国側)と封建主義(中央同盟国側)の戦い」という宣伝文句を高らかに歌い上げ、自らの参戦を正当化した。この宣伝文句はアメリカが考えた以上にオーストリアにとって大きなショックを与えた*4。
なお、大戦後の世界秩序を位置付けた「ヴェルサイユ条約」の原型でもある「十四か条の平和原則(ウィルソン大統領が戦後に守られるべき国際的な平和構想として提唱)」の原案を造ったウォルター・リップマンは「各民族の自治権は確立しても、ハプスブルク帝国を解体してはならない」とウィルソン大統領に警告を行っていた。
しかし無情にも帝国は解体され、それまではかろうじて結束を保ち大国に抗っていた幾つかの民族は身を守ってくれた帝国という卵の殻を失う事となった。独立したは良いが協商国側から期待したほどの支援を得られず、現在においても不安定な立場に甘んじている民族も多い。
また諸民族に見放され取り残される形となった旧帝国内のドイツ人にとっては大ドイツ主義に基づくドイツとの合併すら拒否され、完全に自己の民族アイデンティティの喪失が訪れた。このアイデンティティの喪失は後々までオーストリアの政情不安の要因となり、やがてナチス・ドイツ体制による合併(アンシュルス)へと繋がって行く。前述のウォルター・リップマンは「これ(ハプスブルク帝国の解体)が中欧の政治的均衡を破壊し、ヒトラーへの道を開いた」と後々まで悔いている。
上記の帝国の崩壊、およびその後のアイデンティティの喪失という状況を踏まえた上で読んでもらいたい作品がある。それがオーストリア海軍将校の妻であり、後に自叙伝を発行して有名になる「マリア・フォン・トラップ」の「トラップ・ファミリー合唱団物語」である。本作は金融恐慌により一切の財産を失ったマリアが貴族としてのプライドを捨て自分とその家族で合唱団を形成。コンサート活動でようやく生計を立てられるようになったところにナチス・ドイツ体制による合併(アンシュルス)が実施され、当時のオーストリア人が味わったであろう苦悩や複雑な心境が描かれる。
本作品は映画化やミュージカル化もされているが、何より手に取りやすいのは世界名作劇場として1991年に放送されたTVアニメ版の「トラップ一家物語」であろう。作品の終盤においては経済危機やナチスの脅威、そして一家がオーストリアからの亡命を決意して実行に移すまでの描写が非常にスリリングに描かれており、世界名作劇場内における異色作として独自の地位を保っている。
本艦の艦首部は凌波性を高めるために一段高くなった船首楼甲板を採用しており、その上にむき出しの単装砲と艦橋(よく見るとこれもまた露天艦橋である)、そして単純な構造のマストが立っている。これより後ろの部分は主機等が収められた缶室区画となるが…余計なものを極力省いた構造により凸型の構造が良く判る*5。さらに後ろは兵装区画であり、魚雷発射管と後部単装砲が確認できる。後楼上に見えるのはサーチライトであり、これは艦橋にも同様のものが確認できる。
編集用コメント
- 小ネタを追加 -- 2024-02-13 (火) 23:10:36
コメント欄
- 今更だけど威力低くて浸水確率高い攻撃って何なんだろうね?弾頭にHEATでも載せとるのかいな -- 2022-06-23 (木) 15:36:19
- >水雷兵装として、45cm連装魚雷発射管を1基搭載した。あれ?モデリングを見ると2基あるような・・・ 魚雷発射管は2基だぞ -- 2022-07-20 (水) 23:57:39
- え?ウィキペディアで見てきたけど2基しっかりついとるぞ、、、? -- 2022-07-21 (木) 16:34:00
- 編集した者です。本当ですね、2基でした……何と勘違いしていたのか。修正しておきます! -- 2023-11-07 (火) 07:34:45
- え?ウィキペディアで見てきたけど2基しっかりついとるぞ、、、? -- 2022-07-21 (木) 16:34:00
- 欧駆だから当たり前っちゃ当たり前だけど、相手にヘイト向けられた状態で肉薄雷撃したら大抵格下ですら仕留められずに逆にボコされてショボ沈する。かといって遠距離から魚雷投げてても、このティアでも操艦の腕がある人はある程度いるから普通に避けられる。欧駆の立ち回りを学ぶのにふさわしい艦ですな。 -- 2022-10-27 (木) 10:44:39
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