Andrea Doria

Last-modified: 2024-04-18 (木) 00:44:14

アンドレア・ドーリア級戦艦 アンドレア・ドーリア

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ヒストリカル迷彩

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効果:HP+4%、主砲射程+4%、最大主砲砲弾散布界-4%、魚雷防御+6%、EXPアップ+30%、シルバーアップ+30%

性能諸元

編集時 ver.5.0.1

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

Tier6
生存性継戦能力36110
抗堪性・防郭防御12.50%
・火災浸水耐性12.50%
・装甲防御13.50%
・魚雷防御12%
主砲射程12.13km
副砲射程5.74km
自動副砲射程4.05km
機動性最大速力26.12ノット[kt]
最大出力への到着時間23.50秒
転舵速度5.80度/秒
転舵所要時間12.30秒
隠蔽性9.36km



・派生艦船



・兵装

主兵装口径,搭載基数×門数装填時間ダメージ(防郭率)砲塔旋回速度
320mm L/44 M1936, 2基×3門
320mm L/44 M1936, 2基×2門
23秒SAP弾 1438(250%)
AP弾 1380
5度/秒


副兵装口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数)装填時間ダメージ(火災率)砲塔旋回速度
135mm L/0, 4基×3門(6門)6秒HE弾 334(2%)10度/秒


自動副兵装口径,搭載基数×門数(片舷指向可能門数)装填時間ダメージ(火災率)
90mm L/50 OTO 1939, 10基×1門(5門)6秒HE弾 184(1%)


対空砲種類ダメージ射程
大口径
小口径
92
99
3km
1.50km



・艦艇スキル

種類効果持続時間クールタイム使用可能回数
排気煙幕Ⅰ即時隠蔽の煙幕を展開する9秒間60秒2回

ゲーム内説明

アンドレア・ドーリア級戦艦は、コンテ・ディ・カヴール級戦艦の発展型であり、副砲が強化されていました。1930年代に大改装が施された結果として対水雷防御も強化され、速力が向上し、主砲と副砲がより強力になりました。

解説

・主砲
 格下プレ艦のGiulio Cesareと同じ320mm主砲10門で配置も同様だが、Tier上昇により多少強化されている。320mmの小口径であるため、AP弾ダメージは1380と同格の14インチ砲には50ほど劣るがより大口径340mmのノルマンディーのものよりも大きい。口径にしては貫通が高く高ダメージと言えるだろう。SAP弾は本艦以降はAP弾ダメージを上回るようになり1438。斉射ダメージは14380と、同格戦艦のHE弾の斉射ダメージが6000前半から12000強であるのと比べると非常に高い*1。またSAP弾貫通力はそこそこあり、駆逐艦・軽巡洋艦に対して過貫通せずにフルダメージが入るため処理し易く、重巡は勿論のこと戦艦にもある程度は通用するので「巡洋艦がやるような弱点狙撃ができる人」はSAP弾運用に是非挑戦してみよう。ただし固い所に当たると半貫通・跳弾が発生し易くなるので弱点狙撃が苦手な人はより貫通力が優秀なAP弾も使用する事を検討したい。
 砲弾の使い分けについては駆逐艦・軽巡洋艦が近くに居ると推測される場合や制圧戦・震源マップのような交戦距離が近い傾向の戦場ではSAP弾を込めておき、SAP弾メインで戦って問題ないだろう。逆に中・遠距離で戦艦を狙う場合や拠点制圧戦マップの様に交戦距離が延びがちの戦場においてはAP弾も積極的に使おう。またこの砲は装填時間が少し長めの23秒であるためDPMはやや低めである。射程は同格内では平均的。主砲精度はやや良いように感じられるが射角はやや悪く、斉射時に姿勢を緩めた時に痛い目を見やすい*2

・副砲
手動副砲として135mm砲片舷6門搭載しており、ほどではないが使い易く中々優秀。他国艦の多くが片舷指向可能数9~10門と多めの中で本艦は6門とかなり少な目である。また単発火力も平均的なため斉射火力は同格下位、ただし装填時間に助けられる形でDPMは同格中位に浮上する。このようにカタログスペックはやや頼りないものの、射程距離が5.74kmのグループ(もう一つのグループは5.4km)に入っている事と精度が良好な類であることから駆逐艦に対しても命中させ易いという特徴を持つ。また配置が前向きの背負い式なので前方射角が極めて良く、ほぼ真正面に撃つことも可能なため、前方および側面から接近してくる敵駆逐艦・軽巡洋艦に対してはそれなりに頼りになる。半面、口径の小ささ故に戦艦相手だと火力不足を感じ易いし、最大の欠点は後方射角が良くないため後方から接近して来る敵艦には後述する自動副砲頼りになってしまう点である。

・自動副砲
自動副砲として90mm砲を片舷あたり5門搭載。艦橋構造物後方に一直線で並べてある。片舷指向可能数はこれまた平均的、ダメージも最低だが他国同格の搭載する自動副砲のうち、最も射程が長い(但し、その差は極僅かにすぎない)。斉射火力とDPMは「ウォースパイト」のものを上回るが、DPMはドイツ戦艦のものと比較すると圧倒的に差をつけられてしまうので過信しないように。そして本艦の自動副砲配置も後方の死角については考慮されていないため斜め後方のキツイ角度から接近してくる敵に対して殆ど頼りにならない。この角度が弱点である戦艦は多いが、本艦の場合は主砲の門数や装填時間の問題もあって迎撃できる機会も短く…敵駆逐艦に「艦尾脇左右後方の後部主砲を撃てない位置」にまで詰められて張り付かれると副砲も撃てず、旋回で引きはがすこともできないので安全に魚雷装填時間を稼がれてしまい、ほぼ完全に詰んでしまう。次級では副砲配置がやや改善されるのでそれまで待とう。

・対空
かなり低い。ウォースパイトレパルスより多少はマシといったレベルである。大小ダメージの合計値はノルマンディーに勝っているが、本艦の対空値の配分は小口径寄りである上、射程が大口径でも3kmと短い*3ため実際の対空能力では劣ってしまう。旋回性能は悪くないので雷撃機に関しては転舵で一本でも被雷を減らそう。

・装甲
薄い。が同格戦艦の方がガバガバなので一気にHPを吹き飛ばされるということは起きにくい。バイエルンや扶桑で精密照準を使ってくるドーリア絶殺モードの敵戦艦は味方の戦艦に任せよう。

・機動性
優秀である。速力はTier6では快速の部類に入る26.12kt。陣地転換や引き撃ちには困らない。加速・転舵性能に関しても優秀な部類であるため、これを活かして主砲射角の悪さや抗堪性の低さを補おう。

・隠蔽性
同格の普通の戦艦が10km後半なのに対して、本艦は9.36kmと一部の巡洋戦艦に匹敵する高隠蔽を誇る。このため戦艦同士の戦いにおいては隠蔽を保ったままの陣地占領や撤退といった巡洋艦的な動きによる作戦も可能。また本艦は艦艇スキルの「排気煙幕」も所持しているので、スキル発動により文字通り敵前から姿を消す事もできるので総じて優秀。ただし本艦は巡洋戦艦ではないので隠蔽に特化するかどうかは別問題である。

・生存性
低めである。HPは米英ソの戦艦が40000前後なのに対して本艦は36110と残念である。これでもノルマンディー(33925)よりはマシ。ダメージカットに関しては装甲防御は普通、魚雷防御に関しては低い。加えて低対空で装甲も薄いため抗堪性は低いと言わざるを得ない。排気煙幕によるヘイト管理や機動性を活かして回避するという扱いが必要になる。

・消耗品
砲艦のハッピーセットである、体力、装填、速力が良い。

・艦艇スキル/艦長スキル
艦艇スキルには「排気煙幕Ⅰ」を2回使用可能。この「排気煙幕」は使用中に姿を隠せるという点は通常の「発煙装置」と同じだが、煙の持続時間が短い代わりに煙幕展開直後や全力航行時でも即座に姿を隠せるという特徴がある*4。集中砲火を受けた時の離脱用や敵前で転舵しなければならない時、駆逐艦に接近された時などに使おう。排気煙幕が気に入った艦長は艦長スキルlv8の「雲隠れ」を取得する事を考えても良いだろう。このスキルは本来「発煙装置」の効果を高めるためのものだが、排気煙幕に対しても範囲拡大(といっても極わずか)とクールタイム短縮が適用される。前者はかなり微妙だが、後者は効用が大きく、60秒のクールタイムが実質40秒程度に短縮される*5

・装備
 ・兵装 主砲旋回
 ・防御 舵か加速
 ・適正 舵

・エリート特性
 ・戦艦近代化改修 HP+3%、小口径対空兵装ダメージ+5%、対水雷防御+5%
 ・水雷防御装置 魚雷防御+10%
 ・功績 EXPアップ+10%
※消去法的に「戦艦近代化改修」がお勧めである。

・総論
 他国同格の戦艦と比較するとコンパクトな船体に、やや小口径ながらも強力なSAP弾を発射できる主砲を10門搭載した扱い易い艦である。船体はティア5に毛が生えた程度の能力しか持っていないため、防御力や耐性には期待できない。しかし速度や舵の反応は非常にバランスが良く、遠距離であればタイミングよく艦をひねって敵の斉射を躱すことも難しくない。さらにイタリア戦艦の売りとも言える「排気煙幕」も獲得したので、艦本体の防御に頼らずに戦う術を身に着けた艦長が扱うとかなりしぶとく耐えられる。
 主砲門数は13門から10門に減って火力は減少したものの、速度や運動性が向上した事で敵艦への対応能力はむしろ向上している。SAP弾を込めておけば巡洋艦だけでなく駆逐艦に対しても通用するので他国の戦艦に比べると序盤から臆さずに前に出れるのもポイント。副砲に関しては前方火力が優秀だが後方への指向に問題がある。だからといって副砲で射撃するためだけに後方から接近する駆逐艦に対して回頭しようとはしない方が良い…間違いなく側面に魚雷を食らってしまうだろう。
 戦艦としては優秀な機動力を活かして味方駆逐艦や軽巡洋艦に追従し、敵駆逐艦や軽巡洋艦を堕として数的有利を確保するのが基本的な戦い方である。間違っても敵味方の数が同数、もしくは敵の方が多いのに敵戦艦と正面から殴り合いをしようとしてはいけない*6。本艦の砲の特性を良く考えたうえで、適切な場所に適切な火力を提供しよう。

戦闘名誉章

レベル1234
報酬艦艇exp 4000
シルバー75k
艦艇exp 4000
シルバー75k
艦艇exp4000
シルバー75k
艦艇exp4000
シルバー75k
ミッション内容15戦プレイ15回勝利巡洋艦20隻撃沈45隻撃沈

史実

格納

 「アンドレア・ドーリア」級戦艦は、前級である「コンテ・ディ・カヴール」級戦艦の改良型である。主砲の構成や配置等は前級を踏襲しているが、弱点とされた副砲が120㎜から152㎜に拡大されている。本艦は1912年に起工、1913年に進水、1916年3月に竣工・就役している。姉妹艦に「カイオ・ドゥイリオ 」が居るが、姉妹艦のほうが先に竣工・就役してしまったため、資料によっては艦級の名称が「カイオ・ドゥイリオ 」級となっている場合もある。
 本級の就役前はオーストリア・ハンガリー帝国海軍の「テゲトフ」級4隻に対して、イタリア海軍は「コンテ・ディ・カヴール」級3隻に加えて明らかに劣っている「ダンテ・アリギエーリ」の1隻を加えた4隻で対抗せざるを得ず、どうやっても後塵を拝すことになるのは明らかであった。このため1914年7月に第一次世界大戦が勃発すると、イタリア海軍はアルゼンチン海軍がアメリカの造船会社に建造を依頼していた「リバダビア」級戦艦を譲ってもらえるように交渉するなどしたが、交渉は不調に終わった。やむなく同時期に建造を開始した「フランシスコ・カラッチョロ」級戦艦の建造を中止し建造のためのリソースを集約する等の努力を重ねた結果、本級は第一次世界大戦中に竣工・就役することができた。
 本級2隻の就役により、オーストリア・ハンガリー帝国海軍の「テゲトフ」級4隻に対して、イタリア海軍は「コンテ・ディ・カヴール」級3隻と「アンドレア・ドーリア」級2隻と計5隻となり、1隻分のアドバンテージを得ることができた。ここからイタリア海軍の反撃が始まる…かと思いきや、そうはならなかった。オーストリア・ハンガリー帝国海軍は「コンテ・ディ・カヴール」級の史実でも触れた通り主力艦を温存しつつ活発な活動を行わなかったため出撃はしたものの船団護衛や海峡封鎖等の地味な任務をこなしたのみで終戦を迎える。
 本艦の本格的な戦闘参加は皮肉にも同じイタリア人に対してであった。パリ講和会議でフィウメを割譲せよという結論に反対し、1920年ガブリエーレ・ダンヌンツィオ(初代モンテネヴォーソ大公)がフィウメを占拠してイタリアに宣戦布告した(フィウメ占拠事件)。本艦はこの反乱の鎮圧に参加し、彼の本拠地を砲撃。これにより彼は投降した。
 その後に1920年代に「コンテ・ディ・カヴール」級戦艦と共に近代化改修を受けるが、もともとカヴール級の弱点増補型である本級の改装は必要最低限に留まった。1926年には本艦は国王「ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世」の御座艦も務めたが、1932年には2艦とも予備艦となりそのまま退役を待つばかりとなった。
 ところが第一次世界大戦後に新たな仮想敵国となったフランスがドイツ軍お得意の宣伝作戦に踊らされ「ダンケルク」級戦艦の起工を発表。本級は魔改造の対象とはならなかったものの…ドック入りした「コンテ・ディ・カヴール」級戦艦の代わりに練習艦として復帰。さらには平時のフランス海軍への平時の備えとして扱われるようになった。幸いに「コンテ・ディ・カヴール」級戦艦の大規模改造は無事に完了し、1937年に再就役したことから、今度こそ本級2隻の退役も確実と思われた。
 だがしかし…フランス海軍は「ダンケルク」級戦艦2番艦「ストラスブール」の建造を開始、さらに強力な「リシュリュー」級戦艦の建造も発表。イタリア海軍は「ダンケルク」級を上回る戦艦として新戦艦「ヴィットリオ・ヴェネト級」を計画してはいたが、イタリア海軍の建造ペースではどう考えても「ストラスブール」の竣工・就役には間に合わない。そこでイタリア海軍は「コンテ・ディ・カヴール」級戦の魔改造のノウハウ、新戦艦の設計で得られた新技術を融合させ、カブール級以上の超魔改造戦艦を短期間で作り上げてしまおうという計画を立てた。この計画により超魔改造を施された後の「アンドレア・ドーリア」が本ゲームに実装された姿である(上部構造物や配置がヴィットリオ級と似ているのはこのため)。
 とはいえ、如何にイタリア海軍の魔改造技術が優れているといっても本級の改装は第2次世界大戦の勃発には間に合わなかった。そして改装後に再就役して間もない1940年11月にタラント空襲を受ける。幸い本艦は被害を受けなかったものの、姉妹艦の「カイオ・ドゥイリオ」は魚雷により小破・大浸水したためドック入りする等、幸先の良いスタートとは言えなかった。さらには大戦初期こそ積極的に活動(特に本級2隻が同時に参加した第1次シルテ湾海戦が有名)できたものの、燃料不足からタラント軍港から動くに動けない状況が続く。1943年にイタリア本土が連合軍の攻撃目標になるとそれは特に顕著となり、同年9月にイタリアが連合国に降伏するまでそれが続いた。
 第2次世界大戦が終結すると、他のイタリア艦艇は戦利品として割譲されたり除籍される艦が多かったが本級の2隻はイタリア海軍に留まることができた。艦隊旗艦としてNATOの演習にも参加する等したが、さすがに老朽化により2隻とも1956年9月に除籍となり、11月にスクラップ処分された。

小ネタ

艦名の由来

 本艦の艦名の由来はそのまんま「アンドレア・ドーリア(Andrea Doria)」である。彼はイタリア・ルネサンス期の軍人であり、コンドッティエーレ(イタリア人傭兵隊長)の1人でもある。彼は1466年にジェノバ共和国の名家であるドーリア家に生まれたが…前半生についてはよく分かって居ない。しかし1522年(56歳の頃)にフランス海軍に入り活躍した事、および1528年(62歳の頃)には神聖ローマ帝国に雇われ海軍提督を務めている事から、恐らくは他国で長期間軍務に就いていたと推測される。
 海軍提督としての活躍は1535年にオスマン帝国海軍との間に起きた「チェニスの海戦」において勝利を収めた。しかし1538年の「プレヴェザの海戦」では大した戦闘をしないまま撤退し結果として敗北した。その後も海軍提督を続け、80歳を超えてなおバルバリア海賊(北アフリカのアルジェ、チェニス、トリポリを起点とする海賊や私掠戦乗員)駆逐のために現役で戦ったとされる。当時としては非常に長命で1560年に亡くなった際は94歳であった。

副砲の話

 建造当時の強化策として副砲を152㎜砲としているものの、ゲーム中の本艦の副砲は135㎜砲となっている。これは1937年の超魔改造の際に、副砲を旧式のケースメイト搭載型から砲塔搭載型に変更するとともに、副砲の口径も変更しているためである。副砲の口径を拡大して威力の向上を狙ったのに、今更口径を小さくすることに疑問を覚える艦長も多いだろう。これについては技術進歩により新設計の「1935年型 45口径13.5センチ速射砲」は既存の152㎜砲を上回る射程と威力を手に入れる事ができたためである。

未回収のイタリア

 未回収のイタリアとは、1870年にイタリア王国が統一された後も「イタリア人が数多く居住しているにも関わらず、オーストリア領に留まった地域」を指す。具体的には「南チロル」「トリエント」「イストリア」「トリエステ」といった小地域であり、これらの地域をオーストリアから取り戻すことがイタリア人の悲願となった。ところがこの「未回収のイタリア」をめぐる感情的な対立はやがて複雑な政治的対立を生み出すことになってしまう。
 フランスがチェニジアを保護国としたことに不満を持つイタリアはドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー帝国との間に3国同盟を締結してそれに対抗。第1次世界大戦が勃発した際にも同盟の理論からすれば同盟国側として参戦すべきであったが、先の感情対立をこじらせてオーストリアと対立、中立を保つことになった。この姿勢を徹頭徹尾保てればよかったものの、連合(協商)国側からの秘密裏の誘い(ロンドン密約)を受けて今更ながら連合(協商)国側として参戦。ところが「後から来て何もしていないイタリア」に領土は渡せないとして「パリ講和会議(1919年)」では未回収のイタリアの割譲どころか、既に話が進んでいた「フィウメ併合」についてまで保留とされてしまう。
 これによりイタリアは講和での敗戦国とまで呼ばれ、首相が責任を取って辞職する騒ぎとなった。結局後継の首相が「ヴェルサイユ条約(第1次世界大戦の講和に関する条約)」に調印するも、この「損なわれた勝利」に対するイタリア政府の不甲斐なさと、それに反発して声を上げた民族主義者・帝国主義者のグループに対する好印象は後に国家ファシスト党が躍進する下地を造るのに十分な事件であった。

ガブリエーレ・ダンヌンツィオ

 史実の項目で少しだけ触れた「ガブリエーレ・ダンヌンツィオ」はイタリア出身の作家・政治活動家。ダンヌンツィオは思想・手法の両面においてイタリア・ファシズムの先駆であったと見做されている。生年は1863年、没年は1938年で享年74歳であった。彼の文芸的な才能は早くから他に認められるも、イタリア人らしい情熱的な性格から素行にも問題が多く、スキャンダルも多かった。有名なところでは劇作家として活動中に女優の「エレオノーラ・ドゥーゼ」を主役とする幾つかの演劇(死都:1898年、フランチェスカ・ダ・リミニ:1901年)を書き上げヒットさせるも、ドゥーゼと愛人関係になってしまい大スキャンダルに発展した。またイタリア下院議員に選出された際には放蕩な性格ゆえに多額の債務を背負い、債権者から逃れるためにフランスに逃亡。そこで作曲家の「クロード・ドビュッシー」と出会って意気投合、2人で聖史劇「聖セバスティアンの殉教」を書き上げる。
 第一次世界大戦の勃発に伴い帰国した彼はイタリア国民に対して連合(協商)国側として参戦を訴える演説を行う。また志願して戦闘機のパイロットとして参戦し、飛行中の事故で片目の視力を失った。1918年8月には中央同盟国側のオーストリアの首都ウィーンにプロパガンダ用のビラを撒きつつ無事帰還するという往復700マイルの長距離飛行を成功させた(ダンヌンツィオのウィーン上空飛行)。さらにはこの大戦中、イタリア軍に義勇兵として従軍した日本人「下位春吉」と意気投合し親交を深めた。この時ダンヌンツィオが日本まで飛行する計画を立てたが、政治的な状況により断念せざるを得なかった(しかしこの計画は後にアルトゥーロ・フェラーリンによるローマ=東京飛行として実現している)。
 第一次世界大戦における経験は彼の国家主義的な考え方を強固にし、イタリアが大戦中に得たヨーロッパの一等国としての役目を戦後も果たしていくべきだという趣旨の演説・政治活動を行った。パリ講和会議におけるフィウメの割譲を行うべしとする内容は彼を激怒させ、ロンキからイタリア人武装集団を率いてフィウメ市を占拠した(ロンキ進軍およびフィウメ占拠事件)。この時のダンヌンツィオのスローガンが「全ての抑圧された人々の解放」であり、この行動からダンヌンツィオはウラジーミル・レーニンに「革命家」として絶賛される。ところがフィウメの併合を主張する彼らに対して、国際的な関係悪化を懸念するイタリアは武装組織の投降を要求。彼はフィウメ独立を宣言し、さらに国際連盟に対抗する組織を立ち上げることを計画したが失敗。イタリア本国に対して宣戦布告を行ったが、海軍による艦砲射撃を受け投降した。
 フィウメ占拠事件後の彼は自宅に隠居して著作活動に専念した。しかし、1922年に国家ファシスト党のローマ進軍の前後においては国家ファシスト党が彼の名声を利用しようとする動きがあり、それを抑制しようとミラノで演説を行った。ところが難解な彼の演説の趣旨は聴衆には理解されず、党の行動を激賞するものと受け取られた(ファシスト党もこれを大いに利用し、英雄が我々を支持したと喧伝した)。
 彼は仇敵の野党の領袖でもある「フランチェスコ・サヴェリオ・ニッティ」元首相に呼びかけを行い、ムッソリーニを交えた3者会談を開催する約束を取り付けたものの、彼の負傷(自宅の窓から転落して重傷を負ったとされるが、彼は生涯この件に関して詳細を語らなかったため詳細不明である)により実現しなかった。後に負傷から回復した彼はムッソリーニと幾度か会談を持ったものの、彼は最終的にファシスト党の政権掌握を止めることはできなかった。ムッソリーニは彼とその仲間たちが作ったカルナーロ憲章、および彼の政治的手法を模倣しを大いに活用したものの、政治的な権力は一切渡さなかった。後に彼は国王よりモンテネヴォーソ大公の称号を贈られ、イタリア王立アカデミーの総裁も務めているが、1938年3月に自宅で脳卒中により死去。ムッソリーニにより国葬で葬られている。

高雄同様、2番が先に竣工された。
そして高雄同様、高雄型は愛宕型 アンドリアドーリアのこともカイオ・ドゥイリオ 級とも言う

編集用コメント

編集用のコメントはこちら
  • 解説書きました。 -- Holy_Roman_Empire? 2022-02-28 (月) 12:57:09
  • 史実を追加 -- 2022-03-05 (土) 19:39:32
  • 小ネタを記載 -- 2022-03-05 (土) 23:03:08
  • 副砲について増補 -- 2022-03-22 (火) 22:50:50
  • 高ティアにおけるSAP1強について削除しつつ主砲の項目の文章を整理。 -- 2023-10-08 (日) 17:27:04
  • 巡洋戦艦の登場で本艦の隠蔽がトップではなくなったので隠蔽の記載を修正。 -- 2024-02-17 (土) 09:49:12

コメント欄

  • 同じPSの場合、ガチ戦艦処理戦艦と戦うのを避ける方がいい。接近して副砲撃ちまくれば相打ちにできるかもしれないが普通にこの船は巡洋艦を処理、願わくば駆逐を処理する艦である。だからその仕事があらかた片付くまでガチ戦艦には喧嘩を売らないことをおすすめする。喧嘩ふっかけられたら排気煙幕でも使っておけばいい。ガチ戦艦が主砲を発射した16~18秒後に煙幕展開が目安。逆にニューメキシコとかでこいつ見かけたら進んで処してあげよう。船腹そこそこ広くてSAPでワンパン狙って艦傾けてるドーリアにはかなり痛いダメージが出せる。ガバ砲戦艦で与ダメを稼ぐにはもってこいの獲物よ。 -- 2022-05-05 (木) 14:03:09
  • これ装甲が本当にペラペラ、装弾”激遅”の巡洋艦だとでも考えて乗らないと痛い目に遭う。近距離戦に強い!?そうかね~?疑問が残るけど。 -- 2022-05-16 (月) 19:19:07
    • こいつ、、、強くね?40戦程度乗って平均与ダメ55000MVP率40%勝率66%だわw装甲ペラいっていっても戦艦だしねー?なんだろな、イメージとしては大巡だねー。戦艦と真っ向と撃ち合って良い船ではない、だが主砲は強いのでAP、SAPの切替タイミングが適切であれば与ダメが伸びるし、、、大型巡洋艦乗れるのであれば楽しい船 -- 2022-06-04 (土) 18:28:46
    • 1枝と同じく、大巡みは感じる。装甲が薄く主砲が320mmなので、戦艦とのタイマンはちょいキツい。得に扶桑とかニューメキシコとか。その代わりに駆逐艦と巡洋艦(このTierの巡洋艦はほぼ軽巡なのでSAPがよく通る)に強いので、駆逐艦にクソ強な大巡って感じ。戦艦との接近戦は足と煙幕で翻弄してSAPを艦首に差す必要がある。それができないとTier6に多い12門艦の攻撃をまともに食らって死ぬ。
      また、アーリーで手に入れた人(≒それなりにやり込んでいる)は乗りこなせる可能性が高いけど、新たにイタ戦ツリーを作ろうとするような人(≒あまりやり込んでいない)が大巡に近い本艦の立ち回りを初めから理解できるかと言われると難しいかも知れない。 -- 2022-06-04 (土) 20:01:18
    • この船の装甲でペラペラとか言ってたらフランチェスコは無理だよ。ドーリアのせいにせずに今のうちから伊戦の乗り方覚えておかないと... -- 2022-06-04 (土) 20:13:29
  • 再出撃でツリー艦最強だと思うわ -- 2022-06-25 (土) 15:53:15
  • アンドレア(艦長)をアンドレア・ドーリアに乗せてアイコンをアンドレアにするとパーフェクトアンドレア・ドーリアが完成しますね、これ -- 2022-07-24 (日) 20:45:51
    • パーフェクトあんどりゃーどりゃーって響きが格好良い! -- 2022-08-01 (月) 22:51:16
  • 細かいことですが主砲の解説分で、高TierのSAP一強は~の箇所が、Tire(タイヤ)になってしまっています。 -- 2022-08-01 (月) 19:38:06
    • 解説“分”ではなく文でしたね。失礼いたしました。 -- 2022-08-01 (月) 19:39:29
      • 修正しておきました。 -- 2022-08-01 (月) 22:19:02
  • この船とても乗りやすいね…戦艦をあんまり殴らないからか平均与ダメはしょぼいけど勝率と撃破比率がめちゃめちゃ高い。 -- 2022-09-06 (火) 13:49:35
    • まあ、駆逐艦撃つだけでもかなりの驚異になり得るからね -- 2022-09-06 (火) 20:15:30
  • やっぱこいつ強いよね。10門SAPというだけで駆逐は警戒するし、艦立てても5門撃てるし、装填も言うほど気にならんよね。 -- 2022-11-20 (日) 12:34:44
    • 確かに無課金版ジュリオ・チェーザレ。主砲弾がSAPに変更されて自動副砲の装備、艦のスキルが精密照準から排気煙幕に変更されているのでジュリオが攻撃重視に対してドーリアは生存性重視かつ駆逐艦始末に向く差分化していますね。 -- 2022-11-20 (日) 21:11:22
    • うーん、比較するなら格下のジューリオでは無く、元がジューリオのノヴォロシスクや同格戦艦達では無いかと思いますがね、、 ノヴォロシスク自体がそこまで評価高くないですが -- 2022-11-20 (日) 21:20:52
      • あいつは砲がまとまるだけまだましだよな -- 2022-11-20 (日) 21:54:38
    • 6帯自体がウォースパイト、PEF、扶桑など、戦艦がかなり強いティアって言うのと、駆逐乗りの腕や性能がまだそこまで良くないティアなので他国戦艦でも十分対応可能。 でもドーリアは対戦艦が口径と装填、hp差からかなり弱めなのと、戦艦の対駆逐が性能を割くほど重視されない事から性能が噛み合っておらず、個人的には評価してません。 -- 2022-11-20 (日) 21:08:57
  • 単純に格好良いよね、この船 -- 2023-04-04 (火) 22:01:31
    • かっこいいし、しかも性能もそれなりだから乗ってて楽しいよね。 -- 2023-04-04 (火) 22:08:43
  • 主砲精度が悪いと感じるのは気のせい? -- 2023-05-25 (木) 20:08:39
    • まぁ少しは感じる事もあるけどtear6なんだしこんなもんだと思う。少なくとも精度の物足りなさはtear8以降で解消されるから大丈夫。6から10のの全ての艦に迷彩付けて同じほぼ装備にしているけど、迷彩で精度が結構変わるから付けれたら付けた方が良い。あと高tear伊戦から降りてきた人なら、観測機スキル使用時の方が当てやすいって思うのは当然かも。 -- 2023-05-25 (木) 20:57:30
  • こいつに乗り始めたんだけど脆い…どうすれば良いんだ… -- 2023-06-04 (日) 10:41:28
    • 防御姿勢とってればガッツリ損害を被ることはないよ。あと戦艦にはAPじゃないと全然ダメージ出せないから弾種の切り替えはしっかりとやった方が良い。 -- 2023-06-04 (日) 11:43:23
    • あと排気発煙装置をつかえば敵前でターンしてリポジできるよ -- 2023-06-04 (日) 15:16:56
  • つよっ!伊戦いいですなぁ(*´∇`*) -- 2023-08-01 (火) 07:57:16
  • 史実だと重巡だった気が・・・ -- 2023-09-06 (水) 08:19:32
    • 何を言ってるんだ?一度調べてみてください。戦艦と出るはずです。 -- 2023-09-06 (水) 08:37:25
    • この名前の艦艇は実は3隻あって、初代が装甲艦、2代目が戦艦、3代目がヘリ巡洋艦なのでどれかと誤認しているとか。 -- 2023-09-06 (水) 09:20:02
      • それはありそう -- 2023-09-06 (水) 09:28:46
  • 平均50000に届かないが、臨機応変に対応できる力は光るものがある。APも刺さるし、ヒス迷彩をオススメする。 -- 2023-10-08 (日) 15:00:52
  • カラチョロにSAPでボコされた時に初めてSAPが戦艦にも通用することが分かった -- 2023-12-04 (月) 22:50:26
  • 低ティアで駆逐倒すマンがたまに乗っている伊戦。 -- 2024-04-18 (木) 00:44:14

「SAP弾サイコー」というのも駆逐艦をワンパンできるほど主砲が強いから。戦艦相手でも甲板とかだったらダメージが入りやすい
(さすがに舷側はAP弾の方がいい)本艦二番目に好きな艦艇です。   to56

過去ログ

過去ログ一覧

*1 理論上は同格駆逐艦の6割程度をワンパン可能。ただし近距離であっても全弾命中は厳しいので、優秀な副砲で削るなりとどめを刺すなりしよう。
*2 装甲とHPの両面でやや劣っている本艦は姿勢には注意する必要がある。
*3 同格戦艦では3.3kmと3.6kmが主流
*4 通常の「発煙装置Ⅰ」だと煙の持続時間は24秒で、9秒間に渡って展開できる。しかし照準を合わせられていた場合直ぐには姿を消せず、また全力航行などすると煙のエリアを示す丸いサークルから出てしまう等扱い方にコツがいる。
*5 とはいえこちらは煙幕をタイミングよく効果的に使える人向けの選択であり、強敵と渡り合う際に運が良ければ短時間に2度に渡って姿を消せる点を評価する人向けの選択。煙幕をあまり効果的に使えない人は素直に「消火器」を選んだほうが良い。2回しか使えないのでクールタイム短縮が無くとも余裕で使い切る事ができるのだから。
*6 敵戦艦は後回しにするか、それができない場合は引き撃ちに移行して遅滞行動を取りつつその場に拘束する。柔らか高速戦艦の基本中の基本である。