「効果の上書き」と「効果の書き換え」に関する2023年版裁定

Last-modified: 2024-03-22 (金) 14:15:58

概要

カード効果の変更処理(+カード効果の参照処理)が煩雑になってきたことを踏まえ、2022年末頃よりDominion Strategy Forum内で議論が起きていたが、2023年1月31日にリンク先の通り裁定が行われた。

裁定は英語表記である&複数のカードなどを横断する概念である&今後あるかもしれない対象カードの追加orエラッタor新裁定に対応する意味も込めて、本ページで裁定のまとめを行う。

なお、Dominion Onlineでは裁定後のルールで処理されているハズである(要検証)が、
混乱を招かないように、以下を使用するサプライではどのルールを採用するか事前に決めておいた方がいいだろう。

対象となる効果のリストと用語の説明

関連する処理の一覧

カード効果の上書きを行う処理(以下【上書処理】と表記する):女魔術師カメレオンの習性以外の習性追いはぎ
カード効果の書き換えを行う処理(以下【書換処理】と表記する):カメレオンの習性ランタン長老無謀な
カード効果の参照する処理(以下【参照処理】と表記する):港の村

「カードの指示に従う」の説明

  • カードAを通常使用するとき、「カードの指示に従う(Follow the instructions)」という処理(以下【FTI処理】と表記する)が行われるとみなす。
    先述の各種処理について、以下のような原則がある。
    • カードAの使用時、何らかの効果で「(【FTI処理】を上書きし)処理Aを行う」という【上書処理】が行われる場合がある。この場合、カードAは【FTI処理】されたとみなされない。
    • カードAの使用時、何らかの効果で「【FTI処理】の一部を書き換える」という【書換処理】が行われる場合がある。この場合、カードAは【FTI処理】されたととみなされる。
    • カードXにより、「事前に使用したカードYの効果を参照する」という【参照処理】が行われる場合がある。この【参照処理】と【上書/書換処理】が組み合わさった場合は「(本来の処理がどうだったかは無視し)【上書処理】の結果のみ」または「(本来の処理がどうだったかは無視し)【書換処理】の結果すべて」を参照する。

裁定の詳細

【FTI処理】関係の裁定の詳細

  • 【FTI処理】関係の厳密な処理は、以下のように裁定された。
    • 通常のカードAの使用時は、当然、「カードAの【FTI処理】を1度行う」が実行される。
    • カードAが女魔術師のアタック効果を受ける場合、カードAの効果は『キャントリップ』に【上書処理】される。つまり、これは【FTI処理】ではないとみなす。
    • カードAが追いはぎのアタック効果を受ける場合、カードAの効果は『効果なし』に【上書処理】される。つまり、これは【FTI処理】ではないとみなす。
    • 国境警備隊がランタンの効果を受ける場合、【書換処理】として「【FTI処理】を1度行うが、その際、3枚を公開し、2枚を捨て札にする(その3枚がすべてアクションの場合、角笛を得てもよい)」が実行される。つまり、これは【FTI処理】とみなす。
    • カードAが【長老化アクション】となった場合、【書換処理】として「【FTI処理】を1度行うが、その際、【選択効果】で追加で異なる選択肢1つを選んでもよい」が実行される。つまり、これは【FTI処理】とみなす。
    • カードAが無謀なの特性を持つ場合、【書換処理】として「【FTI処理】を2度行う(+場から捨て札時、山に戻す)」が実行される。つまり、これは【FTI処理】の実行とみなす。
    • カードAが習性として使用された場合、【上書処理】か【書換処理】かは各習性により異なる。
      • 具体的にはカードAがカメレオンの習性以外の習性として使用された場合、【上書処理】が行われたと裁定する。
        例えば、カードAが羊の習性として使用された場合、【上書処理】として「+2コインを得る」が実行される。つまり、これは【FTI処理】ではないとみなす。
        例外的に、カードAがカメレオンの習性として使用された場合のみ、【書換処理】として「カードAの【FTI処理】を1度行うが、その際、『+Xカードを引く』を『+Xコイン』に変換する(逆も然り)」が実行される。つまり、これは【FTI処理】とみなす。

【参照処理】関係の裁定の詳細

  • 【参照処理】関係の厳密な処理は、以下のように裁定された。
    • 【参照処理】で通常の【FTI処理】の結果を参照する場合、当然「【FTI処理】の結果」を参照する。
    • 【参照処理】が「【上書処理】された結果」を参照する場合、「(本来の処理がどうだったかは無視し)【上書処理】の結果のみ」を参照する。
      • 例えば、港の村が参照するのは(【上書処理】関係でいえば)「女魔術師で『キャントリップ』に上書きされた効果の結果」「追いはぎで『効果なし』に上書きされた効果の結果」「羊の習性で『+2コイン』に上書きされた結果」などである。
    • 【参照処理】が「【書換処理】された結果」を参照する場合、「(本来の処理がどうだったかは無視し)【書換処理】の結果すべて」を参照する。
      • 例えば、港の村が参照するのは(【書換処理】関係でいえば)「【無謀なカードA】で得られたすべての結果」「【長老化アクション】で得られたすべての結果」「カメレオンの習性で得られた実際の結果」などである。(さらなる詳細は港の村のページを参照)

各種処理の組み合わせの裁定

  • 【FTI処理】と【書換処理】と【上書処理】が組み合わさった場合の処理は、以下のように裁定された。
  • 【FTI処理】とみなされない処理(要は、カードAを【上書処理X】を伴って使用した場合)に対して、【上書処理Y】が実行される場合は、どちらか一方にしか上書できない。
    • つまり、カードA使用時、【上書処理】である「女魔術師のアタック効果」「(カメレオンの習性以外の)習性」「追いはぎのアタック効果」のいずれか複数が適応できる場合でも、複数の【上書処理】を実行することはできず、どれか1つを選択することになる。
  • 【FTI処理】とみなされる処理(要は、カードAを通常にor【書換処理A】を伴って使用した場合)に対して、【上書処理X】が実行される場合は、処理が上書きされるので、元の処理は行われない。つまり、【書換処理A】と【上書処理X】が実行されると、常に【上書処理X】のみが結果に反映される。
    • つまり、カードA使用時、例えば【書換処理】である「無謀な」を実行しようとしたが、【上書処理】である「女魔術師のアタック効果」「(カメレオンの習性以外の)習性」「追いはぎのアタック効果」のいずれかが適応される場合は、【上書処理】の方を実行しなければならない*1
  • 【FTI処理】とみなされる処理(要は、カードAを通常にor【書換処理A】を伴って使用した場合)に対して、【書換処理B】が実行される場合は、特に問題なく処理される。つまり、【書換処理A】と【書換処理B】が発生する場合、その全てが結果に反映される。
    • 組み合わせ例を一部挙げておくと、以下の通り。
      【カメレオン化無謀な鍛冶屋】は、「+3コインを2度得る(+場から捨て札時、山に戻す)」と処理される。
      ランタン所持時の【無謀な国境警備隊】は、「国境警備隊の【FTI処理】を2度行うが、その2度ともで、『3枚を公開し、2枚を捨て札にする(その3枚がすべてアクションの場合、角笛を得てもよい)』(+場から捨て札時、山に戻す)」と処理される。
      【カメレオン化長老化貴族】は、「次のうち1つか2つを選ぶ:『+3コイン』『+2アクション』」と処理される。

余談

  • カード効果の変更処理として、銅細工師嫉妬があるが、これらはリンク先によると「【上書処理】でも【書換処理】でもない"shapeshifts"が実行される」との裁定のようである。詳細は以下の通り。
    • 嫉妬の効果を受けている際に銀貨金貨を使用した場合、それらは"shapeshifts銅貨"(+1コインの使用時効果を持つ財宝カード)を使用したものとみなす。
      この時「追いはぎのアタック効果」を受けた場合、"shapeshifts銅貨"の効果は『効果なし』に【上書処理】される*2
    • 銅細工師の効果を受けている際に銅貨を使用した場合、それは"shapeshifts銀貨"(+2コインの使用時効果を持つ財宝カード)を使用したものとみなす。
      この時「追いはぎのアタック効果」を受けた場合、"shapeshifts銀貨"の効果は『効果なし』に【上書処理】される*3

コメント

  • hirotashiさんのサイトの当該ページでも触れられていますが、元記事では嫉妬銅細工師関係の疑問が解決されないんですよね。余談などでそこも追記しようとは思いますが、難解なのでもう少し時間かかると思います。 -- 2024-03-19 (火) 10:20:57
  • ひとまずこの内容で賄えているかと思いますが、何かあれば修正をお願いします。こちらの内容を元に、関係する各カードなどの個別ページの記載も追って修正します。 -- 2024-03-21 (木) 06:17:17

*1 移動動物園(拡張)のルールブック上などで「カメレオンの習性を選択すれば、『女魔術師のアタック効果』を回避できる」という記載があったが、これが覆るので注意が必要。
*2 幸い、他の【上書処理】や【書換処理】と組み合わさることが無いので、ひとまず2023年3月時点で裁定に困ることはない状態である。
*3 幸い、他の【上書処理】や【書換処理】と組み合わさることが無いので、ひとまず2023年3月時点で裁定に困ることはない状態である。