概要
持続して相手の財宝1枚目を無効にするアタック効果と、次のターン開始時に3ドローする効果を持つアクションカード。
財宝カードを無効にするアタック効果は、無効になるのがたとえ銅貨だろうと金量を押し下げるため、序中盤ではほぼ確実にダメージを与えられる。
仮想金量だけで戦うデッキには回避されてしまうが、それでも特殊財宝カードと併用することが難しくなるため、完全に影響されないデッキは少ない。
次ターンの開始時にカードを3枚引く効果は女魔術師や呪いの森等に似ているが、捨て札になるタイミングは次のターン開始時であるため、他の持続カードのような2ターンに1回しか使えない制限がないのが強味。
特にドロー処理の直前で捨て札になるため、毎ターン連続して使用しやすいのが大きな利点。
利用法
- 財宝カード1枚を無効化するアタック効果は、圧縮によって銅貨を廃棄し、銀貨・金貨が中心となるデッキには刺さりやすい。
- 特に薬草集めに対しては高額財宝カードのプレイを拒否できるので強い牽制になる。
- 反対に銅貨の圧縮手段が少ないゲームや、アクションなどによる仮想コイン中心のデッキには影響が少ないと言える。
- アタックの影響を受けている場合、ターン最初に使用した財宝カードの効果はすべて無効化されてしまう。
- 該当するアクションカードが財宝と化す資本主義にとっては天敵になることがある。
- 刈り入れを購入した次のターンに使用する金貨も、ターン開始時に使用する関係上ほぼ確実に無効化されるので注意。
- 略奪品・備蓄品は自身を場から移動する効果まで無効化されるので、場に残すことができる。
- 錬金術師はポーションを場に出しさえすれば(追いはぎの影響で「+ポーション」の効果を得なくても)デッキトップに戻せるので、ポーションコストカードを購入するつもりがないなら対抗策になる。
- 問題点は錬金術師自体がポーションコストカードであるため、追いはぎアタックを受けると購入しづらくなる。購入以外の方法で獲得する手段があるならこの対抗策は視野に入る。
- 持続効果は類似した効果をもつ呪いの森などとは異なり持続ターンの開始時に捨て札に置かれるため、引き切りができれば1枚の追いはぎを毎ターン打つことが可能。
- そこまでできない状況でも、山村・進軍・急使などがあれば捨て札にした追いはぎを拾ったり使用することができる。
- 毎ターン引ききって使うことを前提とすると、「1ターンドローが遅れる鍛冶屋*1」という使用感になる。アクションに余裕があれば複数枚投入も選択肢に入る。
- 明確な対策と呼べる対策は少なく、アタックカード全般に共通する堀や灯台を除くと構築時点で仮想コインをメインにするぐらいしか根本的な対策はない。
- 仮想コインを主軸に据えたとしても、財宝カードに全く頼らない構築は考えにくいためダメージを回避するのは難しい。
- 「とにかくドローを厚くすることで1枚無効化された程度のダメージは無視して金量で押し切る」というのがシンプルながら有効な対策となる。つまり、なんだかんだで「自分も追いはぎを使う」というのが最適解となるケースが多い。
詳細なルール
女魔術師と似た効果であるため、詳細なルールに関しても共通点が多い。
追いはぎ自体の効果の処理について
- 追いはぎが捨て札になるのは、使用したターンの次のターン開始時である。
- 追いはぎを捨て札にした後にカードを3枚引くため、自分自身を引きなおすこともある。
- 玉座の間系カードで追いはぎを複数回使用した場合、追いはぎの1回目の持続効果発揮で追いはぎは捨て札になり、2回目の持続効果発揮で捨て札になることに失敗するが、+3ドローは問題なく発揮される。
- 追いはぎの効果は、使用した時に全ての効果が予約される。
- 追いはぎのアタック効果は、「ターン中最初に使用する財宝カード」にのみ影響する。
- アクションフェイズに冠・資本主義の効果で財宝カードとなったアクションカード(以下アクション-財宝カード)を使用した場合も財宝カードの使用とみなされるため、それがターン最初の財宝カードであれば追いはぎの効果を受ける。
- 追いはぎが使用される前から持続していた契約書・資本主義の効果で財宝カードとなったアクション-持続カード(以下持続-財宝カード)、酒場マットから呼び出して効果を発揮した法貨は財宝カードの使用にあたらない。
- 追いはぎのアタック効果が持続するのは、使用したプレイヤーの次のターンの開始時までである。
- 追いはぎを使用したプレイヤーが追加のターンを得ていた場合は、このアタック効果は他プレイヤーに影響する前に消えることになる。
- 逆に他のプレイヤーが追加ターンを得た場合、追加ターンにもアタック効果を受ける。
- 一人のプレイヤーが追いはぎを複数枚・複数回使用した場合、あるいは複数のプレイヤーが追いはぎを使用した場合も、無効化されるのは「ターン中最初に使用する財宝カード」のみである。
- (契約書の効果などで)ターンの開始時に画策を使用した場合、追いはぎが自身の効果で場から捨て札になる際に、画策の効果で追いはぎをデッキトップに置くことができる。(そして+3ドローにより即座に追いはぎを手札に加えることができる)
- 玉座の間などで追いはぎを複数回使用した際の、玉座の間系が場から捨て札になるタイミングに注意。
例えば、プレイヤーAが10ターン目に玉座の間Aで追いはぎAを2回使用した場合…
- 「①玉座の間Aは持続カード(=追いはぎA)を使用した」「②その使用した追いはぎAが場に持続し、次のターンに持続効果を予約している」という状況なので、10ターン目のクリーンアップフェイズで場から捨て札にならない。
- 次のターン(=11ターン目)の開始時に、追いはぎAの持続効果が処理され、場から捨て札に移動する。
この時点で『使用した持続カード(=追いはぎA)が場から離れた』と判定されるが、このタイミングで玉座の間Aが捨て札になるのではなく、11ターン目のクリーンアップフェイズで場から捨て札になる。
- なお、11ターン目で捨て札に移動した後の+3ドローで手札に戻った追いはぎAを手札から使用すると場に出るが、(2)のタイミングで一度『使用した持続カード(=追いはぎA)が場から離れた』と判定されている。
その後場に同名のカードが戻ってきても、移動阻止ルールにより、「②その使用した追いはぎAが場に持続し、次のターンに持続効果を予約している」という状況だとは判断されない。
よって、11ターン目で手札に戻った追いはぎAを手札から使用した場合でも、玉座の間Aは11ターン目のクリーンアップフェイズで場から捨て札になる。
追いはぎの影響を受ける(他プレイヤーがターン中最初に使用する)財宝カードの処理について
- 追いはぎの効果を受けた(以下「無効化された」)財宝カードは使用時効果のみ無効化される。
- 無効化された財宝カードは、使用時効果を発揮しないが、場には出ること&仕切り線の下に書いてある能力は発揮されることに注意。
- 無効化された護符・玉璽などは場に出ている時の効果を発揮する。
- 無効化された元手は場から捨て札にされた時に負債トークンを受け取る効果を発揮する。
- 無効化された財宝カードは薬草商・造幣所・銀行・官吏・施し・偶像などの、「場に出ている財宝カード」を参照する効果の対象となる。
- 無効化された財宝カードは使用時効果を発揮しないが、「その財宝カードを使用したことにより誘発される効果」は誘発する。
- 無効化された遺物・偶像・資本主義の効果で財宝カードとなったアタックカードの使用に対し、『アタックカードを使用された際に誘発する効果(堀、秘密の部屋、馬商人、物乞い、浮浪児、隊商の護衛、外交官、番犬、盾、浮浪児、来寇)』を誘発できる。
- 無効化された道化棒・契約書(などの連携カード)使用後、魔女の輪や小売店主連盟の効果を誘発することができる。
- 無効化された財宝カードに由来する山札に教師などで置く各種プレイヤートークンがあれば、そのトークンの効果を得られる。
- 炉の使用後に無効化される財宝カードを使用すると、無効化される財宝カードを獲得して良い。
- 略奪品や備蓄品や呪符の巻物は使用時に山札に戻ったり追放マットに移動したり廃棄されたりする効果も無効化されるので、場に残る。
- 無効化された銀貨使用後、「使用していた商人の『初めて銀貨を使用した時、+1コイン』の効果」や「サウナの『銀貨を使用した時、手札1枚を廃棄してもよい』の効果」は誘発する。
- ターン中最初に愚者の黄金を使用すると無効化されるが、それはターン中で最初の愚者の黄金の使用であるので、それ以降愚者の黄金を使用した際は+4コインとなる。
- 一方で、無効化された財宝カードの効果を書き換える効果は発揮されない。
- 銅細工師を使用していても、無効化された銅貨から+1コインは得られない。
- 羨望により得た嫉妬を返したターンでも、無効化された銀貨や無効化された金貨から+1コインは得られない。
- 専門家で財宝カードを複数回使用する際に、それがターン最初に使用する財宝であった場合は、1回目の使用は無効化されるが2回目以降の使用は無効化されない。
- 無効化された持続-財宝カードは使用時効果で次ターン以降に行う処理がなくなるので、使用したターンのクリーンアップフェイズに捨て札にされる。
- 御料車・王笏・専門家などで再使用するなどし、次ターン以降に行う処理が復活した場合は持続する。
- 他の使用時効果を書き換える効果との組み合わせに注意。「効果の上書き」と「効果の書き換え」に関する2023年版裁定も参照のこと。
- カメレオンの習性以外の習性を用いるゲームでは、アタックの対象になるアクション-財宝カードを使用したプレイヤーは「習性の指定をし、習性の効果を得る」「追いはぎのアタック効果を処理し、使用時効果を無効化する」のどちらかを選択できる。
カメレオンの習性は例外的に追いはぎのアタック効果が優先される。
- 女魔術師のアタック効果も受けている場合、無効化の対象になるアクション-財宝カードを使用したプレイヤーは「女魔術師のアタック効果を処理し、+1ドロー+1アクションを得る」「追いはぎのアタック効果を処理し、使用時効果を無効化する」のどちらかを選択できる。
- なお、「追いはぎのアタック効果を処理し、使用時効果を無効化する」を選ばなかった場合でも、その後使用する財宝カードは『ターン中最初に使用する財宝』ではないので、無効化されない。
- このターンに使用したアクションカードAが、このターンに資本主義を購入したことにより財宝化した場合でも、このアクションカードAが「ターン中最初に使用する財宝カード」として扱われることはない(この後使用される財宝が「ターン中最初に使用する財宝カード」として扱われる)ので注意。
- 女魔術師とは異なり、追いはぎのアタック効果は「『自分のターン以外を含むあらゆるターンで』最初に使用する財宝カード」に影響することに注意。
- 例えば、プレイヤーAが追いはぎのアタック効果を受けている状態で、何らかの効果*2で「プレイヤーBのターン中に(プレイヤーAが)埋められた財宝を獲得した」という際には、『埋められた財宝は獲得後即座にプレイヤーAにより使用されるが、追いはぎのアタック効果により使用時効果を無効化される』という処理になる。
余談
- アタック対象が財宝カードになり、コストとドロー枚数が増えた女魔術師ともいえる。
コメント
- 冠環境では、冠を起点としたアクション展開を封じれるので確実に買いですね。 --
- そういや同盟以降に持続カード大量に出たけどターン開始時の捨て札化はこれだけだった。上陸部隊はちょっと近いけど毎ターン安定化という意味ではやはり違うし。 --
- 女魔術師と同じと思いきや微妙に異なりますね。具体的には「自分のターン」という文言がないので他人のターンに最初に使った財宝も無効化してしまう。そんな状況、ほとんどないとは思いますが…。 --
- 上の処理の違いについて考えてみましたが、資本主義下の隊商の護衛の他、埋められた財宝の獲得時の強制効果、たとえば使者でコストが下がったものを撒かれたり、蛮族で金貨や戦利品が廃棄されたりする場合などは比較的起きやすいでしょうか。 --