概要
全てのゲームで用いられる、1枚で1コインを産出する財宝カード。ゲーム開始時に用意される初期デッキ10枚のうち7枚は銅貨である*1。
通常のゲームでは、5枚の手札で8コインを出して属州を購入することが基本的な目標になるため、1コインしか生み出さない銅貨はできるだけ廃棄したい邪魔なカードとみなされる。
利用法
- 基本的にデッキ内で邪魔になりやすいカードなので、以下のような方法で処理するのが基本戦術となる。
- 圧縮系カードで廃棄する。
- ただし、屋敷と異なる点として、廃棄するとそのターンの発生コイン量は下がってしまうことや、コストが0であるため改築系による利用が難しいことが挙げられる。
「まずは屋敷を圧縮or変換し、余裕があればその後銅貨を処理する」「銅貨圧縮時に追加効果が発生するカードを利用する」「1ターンロスするのを覚悟で、一度に大量に銅貨を廃棄する」などの戦略が重要となる。
- 1アクション消費して手札の銅貨1枚だけ廃棄する行為は割に合わないことが多い。
- 銅貨を流せるカードを利用する。
- 語り部やサイロなどで銅貨をドローに変えられるのであれば、圧縮せずとも戦いやすくなる。
- 賢者や狩猟団などを使うと、大抵の場合、デッキの銅貨をある程度捨て札にした上で強力なカードをサーチできるので、圧縮せずとも戦いやすくなる。
- ステロ戦術をとる。
- 数枚のドローカードと財宝カードだけで勝利を目指すステロを行う場合は、銅貨が出す1コインも悪くない戦力になるため、処理する必要性は薄い。
- 銅貨は0金で購入することも可能だが、極めて弱いカードなので、普通買うことはないだろう。ただし以下のように銅貨を購入or獲得した方が得になるケースもある。
- 荒れ場でコインが出にくい状況であれば、余った購入権で銅貨を購入してデッキのコイン量を少しでも増やすことも地味に重要。
- 商人ギルドや迷宮や公会堂など、カード購入or獲得時にメリットがある効果を、銅貨購入(=1購入権の消費のみ)で得る。
- 商売など、「このターンに獲得した異なる名前のカードの数」が問われる場合も同様。
- 傭兵やコウモリなどの効果発揮に廃棄が必要なカードを使用する場合は、中盤から終盤にかけて「邪魔にならない廃棄材」として余った購入権で銅貨を購入する選択肢は十分ある。
- 大聖堂で強制廃棄効果が毎ターン発生する場合も同様。
- コインは無いが購入権がある場合に、銅貨購入→行人購入とすれば、何も購入しないよりはデッキパワーは強化できる。
- デッキのカードの枚数が多くなると勝利点が増える庭園戦法を取るときに、カードの枚数を増やす目的のため余った購入権を0コストの銅貨の購入に回すことは定番。
庭園は4コストなので、たとえデッキが銅貨だらけになっても購入を阻害しにくい。
- 「呪いよりはマシだが邪魔なカード」として、アタックで他プレイヤーに撒く(香具師など)、強力な効果の代償として獲得させられる(掘出物など)、などの用途として用いられることもある。
- サプライで最も枚数が多いため、塔があるゲームで山札を枯らすことができれば大量得点することができる。
- 普通に購入していてはゲーム終了までにとても間に合わないが、物乞いや宴会などの大量獲得手段があれば狙ってみる価値はあるだろう。
詳細なルール
- ゲームに使用する銅貨の総枚数は常に60枚である。
- ゲームの準備で、各プレイヤーの初期デッキ用として7枚配るため、サプライにある銅貨の枚数は基本的に2人戦時…46枚、3人戦時…39枚、4人戦時…32枚となる。
- 初期デッキ内の銅貨が家宝カードor受け継がれたカードと入れ替えられた場合は、(各拡張のルールブックに記載がある通り)入れ替えられた銅貨をサプライに加えることに注意。
- いずれの場合も、ゲームに使用する銅貨の総枚数は常に60枚となるという理解がわかりやすいだろう。
- 銅貨に限らず、財宝カードは使用するときにコインを産出するカードである。
- 2度使用すればコインを2回産むし、使用後に廃棄するなどカードの状況が変化しても既に産出されたコインの量は変わらず、失われない。
関連カード
余談
- 紙のカードの銅貨は、ドミニオン(基本)、陰謀の初版、基本カードセットにそれぞれ60枚ずつ収録されている。使う回数が多い関係上、最も痛みやすいカードでもある。
- なお、銅貨を含む基本カードの財宝は「基本(初版)と陰謀(初版)で収録されているカードのイラスト」と「基本カードセット発売以降で収録されているカードのイラスト」が異なっている。また、基本カードセットも版によって右下のいわゆる[拡張マーク]が異なるモノがあるので、違う版のモノが混ざってしまった際は見分けられるようになっている。詳細は英語版WikiのCopperのページを参照。
- あまり知られておらず現在は入手難のようであるが、ドイツ語版のみ存在するセット"Dominion fan edition 1"(2014年発売、参照、参照)に、表面にホログラム加工*2がなされた銅貨カード(デザインはドイツ語版の基本カードセットに準拠)が入っている。
- ただし、ホログラム加工の銅貨カードはゲームに用いる半分の30枚しかない(通常の銅貨カードも30枚入っているため)。
- このセットについて、他の内容物はプロモカードの総督および王子、カードの枠だけ印刷されているブランクカード40枚(うち20枚がホログラム加工あり)、2人分のプレイマット、カード収納用の仕切り、携帯用の小箱(特に収納や持ち運びのための工夫があるわけでなく、ただの箱)と微妙で、"fan edition"と銘打ってはいるが肝心のドミニオンファンからは不評であったようだ。そのためか(2021年現在)他言語版への展開はされておらず、また"1"とナンバリングされているにもかかわらず続編の発売はなされていない。
コメント
- 基本カードセット以降に収録されている銅貨のイラストに描かれた和同開珎のようなものは、何か元ネタがあるのでしょうか --
- 恐らく咸豊(1851年~1861年)に使われていた「咸豊重寶(かんぽうじゅうほう)」と呼ばれる中国の古銭です。 --
- ありがとうございます! --