概要
1ターンの間、相手が最初に使用したアクションカードをキャントリップにする持続カード。おまけで次ターン開始時にカードを2枚引ける。
ドロー効果のみを狙ったところで少々地味なので、アタック効果を活かしたい。
アタック効果は、少数のターミナルアクションを使いまわすステロ系のデッキにはよく刺さる。一方で、コンボ系のデッキにはその都度一番不要なアクションを最初に使うことで回避されやすい。
とはいえキャントリップよりも弱いカードを意図的に買うことは少ないので、なにかしら害を与えることはできるだろう。
利用法
- 次ターンに+2ドローする効果は、出力の波を生むのに有用。例えば鍛造のように、コストは高いが序盤から使いたいカードの購入を狙える。
- アタック効果は、主にステロ相手に有効。コンボデッキ狙いの相手に対しても序盤から使っていけばデッキの完成を阻害できる。
- 圧縮カードに対しては一長一短。序盤はモロにぶっ刺さる。しかし、圧縮が済んだ後は礼拝堂などの「圧縮しかできないカード」をキャントリップに変えられてしまうので利敵行為になってしまう。
- 追加ターンを含む全ての相手ターンで誘発するため、前哨地などに対する牽制としても機能する。
- 廃墟を撒く場合、アタック効果が利敵行為になることがある。
- 避難所場では、共同墓地によってドローを与えてしまうメリットになりかねないので注意。
- 後述の通り、習性を用いるゲームではアタック効果を回避されることがあり、弱体化する。
詳細なルール
女魔術師自体の効果の処理について
- 女魔術師は使用したターンのクリーンアップフェイズには捨て札にならず、次のターンのクリーンアップフェイズに捨て札になる。
- 女魔術師の効果は、使用した時に全ての効果が予約される。
- 女魔術師が何らかの効果*1により場を離れたとしても、他プレイヤーはターン最初のアクションカードの使用時効果をキャントリップにするし、使用者は「次ターンの開始時に+2カードを引く」を得られる。
- 女魔術師が使用されたタイミングに、他プレイヤーはアタックカードの使用に誘発するリアクションカード(堀、秘密の部屋、馬商人、物乞い、隊商の護衛、外交官、番犬、盾)でリアクションができる。
- (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンで『女魔術師の予約されたアタック効果』が誘発した際、これらのカードを持っていてもリアクションできないことに注意。
堀などをリアクションするタイミングは「相手のアタックカードの使用時」であり、自分がアクションカードを使用するタイミングになってからリアクションすることはできない。
- 女魔術師が使用されたタイミングに、灯台やチャンピオンや守護者の効果を発揮している他プレイヤーは、この『女魔術師の予約されたアタック効果』を受けない。
- (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンになってから、(2枚目以降のアクションカードとして)灯台やチャンピオンを使用した場合では、女魔術師のアタック効果を防げない。即座に追加のターンがあった場合、最初のアクションカードの使用時効果はキャントリップになる。
- (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンになってから、(他にアクション使用せず、)夜フェイズに守護者→人狼の順で使用した場合では、女魔術師のアタック効果を防げない。この人狼は「+1カードを引く、+1アクション」となる。
- 女魔術師のアタック効果は、「アクションカードの使用」に影響する。
- 女魔術師が使用される以前から予約されていた持続カードの効果の発揮や、リザーブカードを呼び出して効果を発揮させる処理は、『アクションカードの使用』ではないので、女魔術師の影響を受けない。
- 購入フェイズに冠や資本主義で財宝となったアクションを使用した場合や、夜フェイズに人狼を使用した場合でも、これらは『アクションカードの使用』である。
それがターン最初のアクションカードの使用ならば、女魔術師の影響を受ける。
- 女魔術師のアタック効果が持続するのは、「女魔術師を使用したプレイヤーの次のターンの開始時」まで、であるので注意。
- 女魔術師を使用したプレイヤーが追加のターンを得ていた場合は、このアタック効果は他プレイヤーに影響する前に消えることになる。
- 逆に、他プレイヤーは追加ターンを含め全てのターンにおいて、最初のアクションカードの使用時効果をキャントリップに置換することになる。
- 一人のプレイヤーが、女魔術師を複数枚(or複数回)使用しても、他プレイヤーは2回目以降のアクションカードの効果を変えることはない。また、他プレイヤーの1回目のアクションカードの効果を+2カードを引く、+2アクションのように変えることもない。
- 複数の他プレイヤーが女魔術師を使用している状態でも、やはり上記と同様の処理となる。
女魔術師の影響を受ける(他プレイヤーがターン中最初に使用する)アクションカードの処理について
- 女魔術師の影響を受けると、アクションカードは使用時効果がキャントリップに置換されるが、仕切り線の下に書いてある能力はそのままである。
- 例えば、女魔術師の影響を受けたならず者を使用した場合、「+1カードを購入、+2コイン、他のプレイヤーは全員、自分の手札が3枚になるまで捨て札をする」という効果がキャントリップになるが、「カード1枚を購入するとき、+1勝利点トークン」という効果はそのまま発揮される。
また、実質的に大広間、騎士見習いは効果が全く変わらない。
- 女魔術師の影響を受けたアクションカードは使用時効果以外は変更されないので、名前、コスト、カードの種類は変わらない。
- 他プレイヤーが、女魔術師の影響を受けたアタックカードを使用した際も、『アタックカードを使用に誘発する効果(堀、秘密の部屋、馬商人、物乞い、隊商の護衛、外交官、番犬、盾、浮浪児)』を誘発できる。
- 女魔術師の影響を受けた岐路を使用してキャントリップの効果を得て、その後2枚目の岐路を使用すると、2枚目の岐路は「そのターン最初に使用した岐路」ではないため、+3アクションは得られない。
- 前哨地は第二版で「これがそのターン最初に使用した前哨地の場合」という効果になった(詳細はリンク先参照)ので、女魔術師の影響を受けた前哨地を使用してキャントリップの効果を得て、その後2枚目の前哨地を使用しても、追加ターンは得られない。
- 女魔術師の影響を受けるのは、「『自分のターンに』最初に使用するアクションカード」であることに注意。
自分のターン以外にリアクション効果で隊商の護衛、黒猫、牧羊犬、村有緑地、鷹匠、海賊、番犬、進路、織工、密航者、地図作りを使用しても、女魔術師の影響を受けない。
- ただし、自分のターン以外に上記カードを使用した場合でも、自分のターン最初に使用するアクションカードは女魔術師の影響を受ける。
- 女魔術師の影響を受けると、持続カードは使用時効果で次ターン以降に行う処理がなくなるので、使用したターンのクリーンアップフェイズに捨て札にされる。
- 女魔術師の影響を受けた持続カードを御料車や王笏で再使用するなどし、次ターン以降に行う処理が復活した場合は、持続することになる。
- 女魔術師の影響を受けても、使用したアクションカードの由来する山札に教師などで置く各種プレイヤートークンがあれば、効果は得られる。
- 女魔術師の影響を受けたアクションカードを、御料車や王笏で再使用した時は、本来の効果を得る。
- 幽霊、山砦、旗艦で使用するアクションカードが女魔術師の影響を受ける場合、1回目の使用ではキャントリップの、2回目の使用では本来の効果を得る。
- 使用時効果に「+Xコイン」があり、資本主義の効果で財宝として扱われるアクションカードが、女魔術師の影響を受け使用時効果をキャントリップ効果に置換された場合でも、それによってカードの種類は変化しない。場に出ている財宝カードに関係する処理(薬草商、造幣所、銀行、官吏、施しなど)がある場合は注意。
- 例えば、資本主義購入済みの状況で、使用した民兵が女魔術師の影響を受けた場合、得られる効果は「+1ドロー、+1アクション」だが、民兵は財宝として扱われ続ける。
よって、この時銅貨5枚を場に出して造幣所を購入し獲得した場合、造幣所の獲得時効果によって廃棄されるのは銅貨5枚と民兵である。
- 他の使用時効果を書き換える効果との組み合わせに注意。
- カメレオンの習性以外の習性を用いるゲームでは、アタックの対象になるアクションカードを使用したプレイヤーは「習性の指定をし、習性の効果を得る」「女魔術師のアタック効果を処理し、+1ドロー+1アクションを得る」のどちらかを選択できる。
カメレオンの習性は例外的に女魔術師のアタック効果が優先される。
- 追いはぎのアタック効果も受けている場合、アタックの対象になるアクション-財宝カードを使用したプレイヤーは「追いはぎのアタック効果を処理し、使用時効果を無効化する」「女魔術師のアタック効果を処理し、+1ドロー+1アクションを得る」のどちらかを選択できる。
- なお、「女魔術師のアタック効果を処理し、+1ドロー+1アクションを得る」を選ばなかった場合でも、その後使用するアクションカードは『ターン中最初に使用するアクションカード』ではないので、女魔術師のアタック効果の対象にならない。
コメント
- 習性を用いるゲームの項目に少し語弊があるように感じます。「習性を指定して、習性の効果を得る」場合は厳密には「先に女魔術師の効果を処理した上で習性を指定して、結果として習性の効果を得る」が正しいと思います。逆に(おそらくナンセンスなので)ここに記されていない状況として「先に習性を指定して、その後女魔術師の効果処理を行うことで、女魔術師によって置換された使用時効果を得る」こともできると考えられます。 --
- なるほど、ちなみに私の解釈は異なりますね。ルールブックの記載は「1ドロー1アクションを得る代わりに習性を使える」であり、それは通常のアクションカードと習性の関係から漏れる書き方ではありません。つまりこのページの該当文章に語弊があるとしたら「誘発する」だと思っています。女魔術師は誘発する効果ではないのでは。 --