女魔術師

Last-modified: 2025-02-24 (月) 17:53:45
収録拡張カード名コストカード種別効果
EmpiresEnchantress3ActionAttackUntil your next turn, the first time each other player plays an Action card on their turn,
they get +1 Card and +1 Action instead of following its instructions.
DurationAt the start of your next turn, +2 Cards.
帝国女魔術師3アクションアタックあなたの次のターンの開始時まで、他のプレイヤーが自分のターンに初めてアクションカードを使用するとき、
カードの指示に従う代わりに+1 カードを引く+1 アクションを得る。
持続あなたの次のターンの開始時:+2 カードを引く

概要

1ターンの間、相手が最初に使用したアクションカードをキャントリップにするアタックカード。おまけで次ターン開始時にカードを2枚引ける持続効果もある。
持続ドロー効果のみでは少々地味なので、アタック効果を活かしたい。
アタック効果は、少数のターミナルアクションを使いまわすステロ系のデッキにはよく刺さる。一方で、コンボ系のデッキにはその都度一番不要なアクションを最初に使うことで回避されやすい。
とはいえキャントリップよりも弱いカードを意図的に買うことは少ないので、なにかしら害を与えることはできるだろう。

利用法

※以下、簡便のために女魔術師の予約されたアタック効果を【キャントリップ化アタック】と呼称し、【キャントリップ化アタック】を受けたカードを【【キャントリップ化】などと呼称することがある。

  • 次ターンに+2ドローする効果は、出力の波を生むのに有用。例えば鍛造のように、コストは高いが序盤から使いたいカードの購入を狙える。
  • 【キャントリップ化アタック】は、主にステロ相手に有効。コンボデッキ狙いの相手に対しても序盤から使っていけばデッキの完成を阻害できる。
    • 追加ターンを含む全ての相手ターンで誘発するため、前哨地などに対する牽制としても機能する。
  • 【キャントリップ化アタック】が弱体化or利敵行為になる場合があるので注意が必要。
    • 廃墟があると、廃墟で【キャントリップ化アタック】を処理されがち。また、廃墟がキャントリップになるということは、廃墟自体のデッキ汚染が(最初の1枚に限り)なくなっているも同然なので、お互いに弱体化させあっていることになり食い合わせが非常に悪い。
    • 避難所場では、共同墓地で【キャントリップ化アタック】を処理されがち。アクション権は得られないとしても、ドローを与えるのは考え物。
    • 圧縮アクションカードに対しては一長一短。序盤はモロにぶっ刺さる。しかし、圧縮が済んだ後は礼拝堂などの「圧縮しかできないカード」で【キャントリップ化アタック】を処理&ドローを与えることになるので考え物。
    • 後述の通り、習性あるいは悟りを用いるゲームでは、【キャントリップ化アタック】を回避されることがあり、弱体化する。

詳細なルール

女魔術師自体の効果の処理について

  • 女魔術師は使用したターンのクリーンアップフェイズには捨て札にならず、次のターンのクリーンアップフェイズに捨て札になる。
  • 女魔術師の効果は、使用した時に全ての効果が予約される。
    • ただし、持続カードが何らかの理由により場を離れた場合、【持続効果】はターン終了時にすべて失われる、というルールがあるので注意。詳細は詳細はリンク先を参照。
    • 女魔術師が使用されたタイミングに、他プレイヤーはアタックカードの使用に誘発するリアクションカード(秘密の部屋馬商人物乞い隊商の護衛外交官番犬)でリアクションができる。
      • (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンで【キャントリップ化アタック】が誘発した際、これらのカードを持っていてもリアクションできないことに注意。
        堀などをリアクションするタイミングは「相手のアタックカードの使用時」であり、自分がアクションカードを使用するタイミングになってからリアクションすることはできない。
    • 女魔術師が使用されたタイミングに、灯台チャンピオン守護者の効果を発揮している他プレイヤーは、この【キャントリップ化アタック】を受けない。
      • (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンになってから、灯台やチャンピオンの効果を発揮した場合では、【キャントリップ化アタック】を防げない。即座に追加ターンがあった場合、その追加ターンも【キャントリップ化アタック】は無くならない。
      • (他プレイヤーが女魔術師を使用し、)自分のターンになってから、(他にアクション使用せず、)夜フェイズに守護者→人狼の順で使用した場合では、【キャントリップ化アタック】を防げない。この人狼の使用時効果はキャントリップになる。
  • 【キャントリップ化アタック】は、「アクションカードの使用」に影響する。
    • 予約されていた持続カードの効果の発揮や、リザーブカードを呼び出して効果を発揮する処理は、『アクションカードの使用』ではないので、【キャントリップ化アタック】の影響を受けない。
    • 購入フェイズに資本主義で財宝となったアクションを使用した場合や、夜フェイズに人狼を使用した場合などでも、これらは『アクションカードの使用』である。
      それがターン最初のアクションカードの使用ならば、【キャントリップ化アタック】の対象となる。
  • 【キャントリップ化アタック】が持続するのは、「女魔術師を使用したプレイヤーの次のターンの開始時」まで、であるので注意。
    • 女魔術師を使用したプレイヤーが追加のターンを得ていた場合は、【キャントリップ化アタック】は他プレイヤーに影響する前に消えることになる。
    • 逆に、他プレイヤーは追加ターンを含め全てのターンにおいて、【キャントリップ化アタック】を受ける。
  • 1人のプレイヤーが、女魔術師を複数枚(or複数回)使用しても、他プレイヤーは2回目以降のアクションカードの効果をキャントリップ化することはない。また、他プレイヤーの1回目のアクションカードの効果を「+2カードを引く&+2アクション」のように変えることもない。
    • 複数の他プレイヤーが女魔術師を使用している状態でも、やはり上記と同様の処理となる。

【キャントリップ化アタック】を受けるアクションカードの処理について

  • 【キャントリップ化アタック】を受けると、アクションカードは使用時効果がキャントリップに上書されるが、仕切り線以下に書いてある能力はそのままである。
    • 例えば、【キャントリップ化ならず者】は、「+1 カードを購入、+2コイン、他のプレイヤーは全員、自分の手札が3枚になるまで捨て札をする」という効果がキャントリップに上書されるが、「カード1枚を購入するとき、+1 勝利点トークン」という効果はそのまま発揮される。
      また、実質的に大広間騎士見習いは効果が全く変わらない。
  • 【キャントリップ化アクション】は使用時効果以外は変更されないので、名前、コスト、カードの種類は変わらない。
    • 他プレイヤーが、【キャントリップ化アタックカード】を使用した際も、『アタックカードを使用に誘発する効果(秘密の部屋馬商人物乞い隊商の護衛外交官番犬浮浪児来寇)』が誘発される。
    • 【キャントリップ化岐路】を使用してキャントリップの効果を得て、その後2枚目の岐路を使用すると、2枚目の岐路は「そのターン最初に使用した岐路」ではないため、+3アクションは得られない。
    • 前哨地は第二版で「これがそのターン最初に使用した前哨地の場合」という効果になった(詳細はリンク先参照)ので、女魔術師の影響を受けた前哨地を使用してキャントリップの効果を得て、その後2枚目の前哨地を使用しても、追加ターンは得られない。
  • 【キャントリップ化アタック】を受けるのは、「『自分のターンに』最初に使用するアクションカード」であることに注意。
    自分のターン以外にリアクション効果で隊商の護衛などを使用しても、【キャントリップ化アタック】を受けない。
    • ただし、自分のターン以外に上記カードを使用した場合でも、自分のターン最初に使用するアクションカードは【キャントリップ化アタック】を受ける。
  • 【キャントリップ化アタック】を受けると、持続カードは使用時効果で次ターン以降に行う処理がなくなるので、使用ターンのクリーンアップフェイズに捨て札にされる。
    • 【キャントリップ化持続カード】を御料車王笏で再使用するなどし、次ターン以降に行う処理が復活した場合は、持続することになる。
  • 【キャントリップ化アタック】を受けても、そのカードの由来する山札に教師などで置く各種プレイヤートークンがあれば、効果は得られる。
  • 【キャントリップ化アタック】を受けたカードを、御料車王笏で再使用した時は、本来の効果を得る。
  • 幽霊(など、カードの使用を伴わずにアクションを再使用する効果)で使用されるカードが【キャントリップ化アタック】を受ける場合、1回目の使用ではキャントリップの、2回目以降の使用では本来の効果を得る。
  • テキストに「+Xコイン」を持ち、資本主義により財宝化する【コイン産出アクション】が、【キャントリップ化アタック】を受けた場合でも、それによってカードの種類は変化しない。場に出ている財宝カードを参照する効果(薬草商施しなど)との組み合わせに注意。
  • 他の使用時効果を書き換える効果との組み合わせに注意。「効果の上書き」と「効果の書き換え」に関する2023年版裁定も参照のこと。
    • カメレオンの習性以外の習性を用いるゲームでは、アタックの対象になるアクションカードを使用したプレイヤーは「習性の指定をし、習性の効果を得る」「【キャントリップ化アタック】を処理し、+1ドロー&+1アクションを得る」のどちらかを選択できる。
      カメレオンの習性は例外的に【キャントリップ化アタック】が優先される。
    • 追いはぎのアタック効果も受けている場合、アタックの対象になるアクション-財宝カードを使用したプレイヤーは「追いはぎのアタック効果を処理し、使用時効果を無効化する」「【キャントリップ化アタック】を処理し、+1ドロー&+1アクションを得る」のどちらかを選択できる。
      • なお、「【キャントリップ化アタック】を処理し、+1ドロー&+1アクションを得る」を選ばなかった場合でも、その後使用するアクションカードは『ターン中最初に使用するアクションカード』ではないので、【キャントリップ化アタック】の対象にならない。

余談1

細かい点だが、日本語版カードのテキストは誤読の可能性がある。
【キャントリップ化アタック】の効果は「カードの指示に従う代わりに+1 カードを引く+1 アクションを得る。」とすべきである*1

余談2

  • Donald X.氏のDominion Strategy Forum内の書き込みによると、女魔術師のカードアートは「ギリシア神話に登場する魔女のキルケ―」を元にしているようである。
    (該当書き込みのリンク)
    • キルケ―については、キルケーのWikipedia記事を参照。
      「人を動物に変身させる」という魔法のイメージがあるようなので、カードアートにある豚は『魔法で変身させられた何かしらのアクション』を表しているようである。

コメント

  • 習性を用いるゲームの項目に少し語弊があるように感じます。「習性を指定して、習性の効果を得る」場合は厳密には「先に女魔術師の効果を処理した上で習性を指定して、結果として習性の効果を得る」が正しいと思います。逆に(おそらくナンセンスなので)ここに記されていない状況として「先に習性を指定して、その後女魔術師の効果処理を行うことで、女魔術師によって置換された使用時効果を得る」こともできると考えられます。 -- 2021-09-10 (金) 16:51:05
  • なるほど、ちなみに私の解釈は異なりますね。ルールブックの記載は「1ドロー1アクションを得る代わりに習性を使える」であり、それは通常のアクションカードと習性の関係から漏れる書き方ではありません。つまりこのページの該当文章に語弊があるとしたら「誘発する」だと思っています。女魔術師は誘発する効果ではないのでは。 -- 2021-09-10 (金) 21:08:14





*1 後の拡張で出た馬丁などでは、ちゃんとこの書き方になっている