【ふこうのかぶと】

Last-modified: 2023-05-02 (火) 07:01:29

DQ3

【しゅび力】35で、【勇者】【戦士】が装備できる。
その名の通り装備するとあの忌々しいBGMが流れ不幸な【呪い】にかかってしまい、【うんのよさ】が0になる。
「運のよさぐらい大したことねーじゃん」と思うかもしれないが、DQ3における運のよさは【ラリホー】など確率系の呪文や特殊行動の耐性値となっている重要なステータスなので、軽々しく装備するのは問題なのである。
「状態変化の耐性が0になる」と書けば、この装備のデメリットの大きさがなんとなくわかるのではないだろうか。前作DQ2で言う【あくまのしっぽ】のようなコンセプトが盛り込まれているのだ。
まあ、名前が名前なので前知識のない初心者でも呪われていることは容易に想像がつくであろうから、間違って装備するということはまずないだろう。FC版ではソロプレイ専用の【はんにゃのめん】を除くと最高守備力の兜なので使う人もいるかもしれないが。
例として終盤の【キングヒドラ】【ゾーマ】の連戦では敵が誰も補助呪文を使ってこないので、ここで不幸の兜をかぶれば全く実害なく守備力を上げることが可能。
さらに勇者ならザキ系を無効化する【せいなるまもり】を装備できる上、バシルーラは元々無効なので、ラストダンジョンに限れば基本的にノーリスクである。
一応ミミックが稀にラリホーを唱えてくるが、ザラキ対策のアストロンでガス欠にする方法で対処できるので問題ない。
 
通常は【バラモスの城】にある1つしか手に入らないが、1/128の確率で【ミニデーモン】が落とす。
FC版では売ることも捨てることもできない、【預かり所】を無駄に埋めるだけの存在だが、故意に装備して【シャナク】【教会】で呪いを解くことで破壊し処分することは可能。
 
なお、【栗本和博】4コマネタの1つである「メダパニ勇者」において、はんにゃのめんとセットで装備させられていた(2巻P25)。ゲームでは両方同時に装備することはできないのであしからず。
また【新山たかし】が、商人にこれまたはんにゃのめん及び【なげきのたて】を装備させたネタも存在する(4巻P60。結果は見事に【ヘルコンドル】のバシルーラで飛ばされた)が、商人はこれはおろか、なげきのたても装備できないのであしからず。

リメイク版

売却できるようになったがたったの13Gとショボい。西洋で不吉の象徴の数字になぞらえたのかもしれない。
 
リメイクに合わせて【ミスリルヘルム】やら【グレートヘルム】やら、もっと強い兜が店で購入できるようになったので、まず装備されることなく、売り払われるか袋の肥やしとなるだろう。
【ジパング】【すごろく場】にある【壷】のマスからも入手できるが、その頃は既にゲームをクリア済みという事なので、ますます使い道が無い。
 
【バラモス】戦で【バイキルト】などを覚えさせた戦士に装備させ、勇者に補助呪文をかけた後に【バシルーラ】でぶっ飛ばしてもらって、「バラモス一人撃破」を達成するという使い方はある。
まあ、そこまでしてももらえる報酬は【バスタードソード】と微妙なのだが……。

不幸の兜=ロトの兜?

FC版DQ3に【ロトのかぶと】に相当する防具がないのは有名な話だが、この不幸の兜が後のロトの兜ではないか、あるいは当初裏設定としてそのように考えられていたのではないかとする説がある。
 
まずデザインが比較的似ていること。
FC版の公式ガイドブックで描かれているイラストは表面に禍々しい雰囲気の模様がびっしりと刻まれているものの、側頭部の角飾りや後頭部の尻尾状の装飾、そして前頭部の形状はDQ2の公式ガイドブックでのロトのかぶとに近い。
特別よく似ているというほどではないが、なにせ通常装備するであろう【てっかめん】がこれ以上にかけ離れた見た目をしているのだ。
 
また、不幸の兜がFC版でなぜか売却不可だったこと、DQ1の主人公の兜もデザインが似ており、彼がめっぽう補助呪文に弱い(ラリホー必中など)ことなどから、
「ロトは不幸の兜装備でゾーマを倒し、後に受け継いだ1主人公はそのせいで他の兜を装備できなかった。その後、何らかの方法で兜の呪いが解除され『ロトの兜』と呼ばれるようになったのだ」
という解釈もされる。
さらに、平和を取り戻し英雄となるも永遠に故郷に帰れなくなってしまう不幸に見舞われるのもこの兜の影響であるとも。
ただし、これについては実際のところは上の世界のクリア後テキストを考えるのが面倒だっただけというメタな理由が堀井から明かされているうえ、勇者は無事実家に帰還したと考えてもいいとすら明言されてるのでほとんど根拠になっていなかったりするが。
 
なかなか面白い話ではあるが、公式に「ロトの兜の正体」が設定された現状では単なるヨタ話の一種でしかなくなった。
 
この説の認知はともかくとして、スタッフもロトの兜に対応する存在がないことには当然気がついていたと考えられる。
そしてリメイク版でその答えと思しき兜が用意され、この説にも事実上のNOが突きつけられる形となった。
同時にFC版で不幸の兜が重要扱いされた意味という新たな謎が浮上する。

アベル伝説

【ジキド】【アベル】暗殺に【オルテガ】を差し向けた際に装備させた兜。
作中では一貫して「呪いの兜」と呼称されていたが、【カードダス】で確認できる。
これを使ってジキドはオルテガを操っていたが最終的にアベルの攻撃によって破壊された。
直後にオルテガはジキドとの戦いで命を落とすのだが、オルテガは自分の調べていた青き珠の神殿の情報を託して使命をまっとうできた事、何より息子の成長に満足して息を引き取ったため、その死に顔に不幸の影は微塵も見当たらなかった。