【ルビス】

Last-modified: 2024-05-10 (金) 19:51:12

概要

【ロトシリーズ】を中心に、ドラクエ世界にかかわる重要キャラクター。
本編作品だけでなく派生作品や関連書籍にも登場し、作品によって【精霊】だったり【神】だったり、謎の存在だったりする。
基本的には人間の女性、または女神を思わせる姿や声で登場する。
ロトシリーズでは、「精霊ルビス」と表記されることもある。
英語版での名前は、全機種共通でRubiss。
 
DQ2にて初登場。「大地の精霊」を名乗るとともに、主人公たちの冒険を助けた。
DQ3では、【アレフガルド】の大地を自らが創造したことを明かした。
なお、FC版DQ1が発売された当時はまだ設定ができていなかったのか、【取扱説明書】を含めて名前すら出てこない。
DQ3発売後に世に出たDQ1の【公式ガイドブック】ではコラムで紹介されている。
 
前述のように、個々の作品によって微妙に設定が異なっている。
「大地の精霊」と呼ばれることが多いが、「炎の精霊」だったり「精霊神」とされることもある。
本編の作中では本人が名乗ること以外に明かされることは少なく、いずれにせよ謎めいた存在である。
大地すなわち世界の精霊として唯一神や最高神に位置する存在なのか、多神の一柱なのか、はたまた神(々)とは異なる存在なのか、ファンの間でさまざまに解釈されている。
 
ロトシリーズの前史を描いた【久美沙織】の小説【ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説】の主人公である。
 
CDシアターでの声優は潘恵子。
彼女が出演するDQ2・3・6全てのシアター共通である。

DQ1(リメイク版)

前述の通り、FC版では未登場。説明書には【せいすい】に加護を与える存在として【アウラ】という別の神が登場している。
 
リメイク版では設定が概ね固まったことで、【エンディング】でほこらの【老人】のセリフの中に名前のみだが登場するようになった。

サテラビュー版

勇者の冒険を見守り手助けする【老婆】に扮して登場。ただし第1話冒頭の初登場から最終回第4話のエンディングまで彼女がルビスであることは伏せられている。
ラジオのセリフとともにゲーム上でイベントが発生、【HP】【MP】全回復、MP消費なし等様々な加護を見せてくれる。老婆の声優は京田尚子。
彼女と同様ラジオに登場し魔法やそれに準じた力で主人公を助ける人物には【ラダトーム城の老人】【ガライ】【ロト】がいる。
 
エンディングにて老婆の姿から初めて正体を表し、青い服を纏った赤髪女性の姿で登場。ここでは「時を超えて旅をする者」を名乗った。
ラジオのセリフでは老婆の声がフェードアウトしていき、若いルビスの声に変わるという演出が採られている。ここで初披露となったルビスの声優は松本梨香。
しかしこの場面の老婆は老人口調のまま、一方ルビスは普通の口調と統一されておらず、やや違和感が生じている。
なお、ゲーム上では結果に応じて掛けられる言葉が変わっていた。

小説版

「精霊神ルビス」と呼ばれているが、名前が登場するのみ。
彼女の使いだという白い鳥が登場し、【マイラ】の道化師マヌエルに【キメラのつばさ】を授け、【ドムドーラ】で生まれた赤ん坊に渡すよう告げた。
 
なお、同じくドムドーラに古地図を届けた魔道士は妖精からの、【いのちのいし】を届けた僧侶はミトラ神からのお告げに従っている。
理由があって神ごとに担当を分けたのか、単に神同士の連携が取れていないのかは描写がなく不明。

DQ2

初登場。ただし、声のみの出演。
【5つの紋章】を揃えて【海】の真っ只中にある【精霊のほこら】に行くと、突然どこからともなく話しかけてくる
主人公たちがロトの子孫であることを一瞬で見抜き「勇者ロトとの約束を果たす」と言って【ルビスのまもり】をくれる。
主人公たちの祖先であるとする説もあるが、少なくとも彼女は【ロトの子孫たち】としか呼んでこない。
なお、FC版等では主人公たちを「おまえたち」と呼び、持ち物がいっぱいの状態で精霊のほこらに行くとお茶目な一面も見せてくれる。

リメイク版

主人公達への呼称が「あなたたち」という優しめの呼び方に変わっている。
 
SFC版では【シドー】撃破後に精霊のほこらを訪れると、専用のメッセージが流れるようになった。
一度聞いた後も階段を使って画面を切り替えれば何度でも聞ける。

NES版

ほこらにて"Enchanter"を名乗っている。竜王のひ孫の台詞では、"Wizard"と呼ばれている。いずれも「男の魔法使い」を指す言葉。
ルビスは精霊だったはずだが……。また、女性的なイメージを抱く要素もなさそうである。NES版独自の設定ということだろうか。
NES版ではまた、シドーを倒した際に聞こえてくる台詞もルビスによるものということになっている。

小説版

ルビスの守りの入手シーンには登場しないが、【シドー】との最終決戦時に主人公達3人の走馬灯(?)の中に登場。
また【盲目の魔女】の3姉妹に、それぞれ夢の中で使命を授けている。

DQ3

ついにその姿を現す。
大魔王【ゾーマ】により【石化】されて【ルビスの塔】に封じられており、【ようせいのふえ】で彼女を助けるとお礼に【せいなるまもり】をくれる。このころからお守りを授けるのが好きな精霊だったようだ。
その後「大魔王を倒してくれたらいつかその恩返しをする」と言う。これがDQ2の王子たちへの手助けのことなら、随分先の話だが。
なお「聖なる守りはルビス様の愛の証ですわ」という話も聞けるため、これを根拠にルビスは勇者ロトの妻となったと唱える人もいたりする。
『精霊ルビス伝説』の設定が本編に持ち込めるならば、かねてよりロトはルビスの夫であり、転生を繰り返すロトに変わらぬ愛を再確認すると言う意味合いになる。
女勇者の場合は「家族愛」や「隣人愛」といった意味での「愛」の意味になるのだろう。
 
FC版では封印を解いた際、アイテム枠に空きが無いと
「でも もちものが いっぱいみたいですね。もてるようになってから また きてください。
と言い残し、ご丁寧に再び封じられてしまう。好きで封印されているのだろうか?
 
また【精霊のほこら】には、かつてルビスに仕えていたという【妖精】がいて【あまぐものつえ】を渡してくれる。

リメイク版

【エルフ】と同じ姿だったFC版とは違い、固有のグラフィックが用意された。【オルレラ】同様、人間より大きい。
【みちくさ冒険ガイド】では「意外とご年配な感じ」とコメントされている。意外も何も、アレフガルドそのものよりも高齢の人物なのだから、老婆の姿で無いだけでも……。
パーティキャラに付けられない13の名前の1つでもある。
 
なお、ゲーム冒頭の【性格診断】にて「全てを司る者」を自称し、【主人公】に語りかけた存在の正体が、上述の精霊のほこらの妖精になっている。
額面通り受け取れば、DQ2でルビスが名乗った「大地の精霊」よりも偉そうなので、おそらく出まかせを言ったのだろう。
 
GBC版には、彼女の名を冠した【ルビスのけん】という最強武器が登場している。

小説版

【竜の女王】同様、天上界からやってきた神と明言されている。
かつて1人の老賢者に世界の危機を告げ、4つの塔型要塞を築かせたが、実際に【バラモス】による災厄が訪れたのはその800年も後だった。
塔もバラモスの侵攻に対しては何の役にも立っておらず、なぜそんな昔にお告げをしたのかフォローはまったく無い。
 
ルビスの塔で封印から解放された際、光に包まれた姿で現れ、聖なる守り(と言いつつ実際はルビスの守り)と【ひかりのよろい】をくれる。
しかし、そのご尊顔を見ることができたのは勇者アレルのみで、仲間の3人にはただの光にしか見えなかった。
 
全てが終わった後に【主人公の母親(DQ3)】らの夢に現れ、主人公たちはもう上の世界に戻って来られないことを告げた。

ゲームブック

【ラルス王】の夢の中に現れ、勇者たちの助けになるよう命じたおかげで各地の魔物討伐軍が編成され、ゾーマの城が手薄になった。虹の橋がゾーマの魔力で消されそうになった時にも橋を維持してくれたりと、さまざまな形で協力してくれる。
その理由として、勇者の遠い祖先がルビスに仕え、上の世界を守るために彼女の元を離れた「ムウの勇者」と呼ばれる人物だったことが語られている。
自ら直接手を下さないことについても、彼女が自分の力を持ってゾーマと戦えばアレフガルドが一瞬にして滅んでしまうという独自設定が与えられている。ルビスの剣の凄まじい高性能ぶりは、この設定をイメージしているのだろうか。
また、勇者たちが彼女を救い出したこと自体がアレフガルドの人々を奮起させる描写も多い。

DQ6

ロトシリーズと関係なさそうな【天空シリーズ】になぜか登場。三部作において本作のみ登場することもあり、大きな謎を呼んでいる。
直接の繋がりを示す要素が無いため、ロトシリーズのルビスと同一人物なのかはっきりしない。
サテラビュー版BSDQ1はDQ6の発売直後に放送されたこともあり、ゲーム内での言及はなかったものの、設定上は同一人物として扱われている。
 
海底にある【ルビスの城】で会うことができる。
本作では「この世界を見守る者」を称するが、ロトシリーズ同様に精霊なのか、はたまた別の存在なのかよく分からない。
DQ2やDQ3とは異なり、直接会わずにクリアすることもできるので、その名を知らなかった人もいることだろう。
 
出番は多くないものの、善なる存在として、要所において【主人公】たちを助け、導いてくれる。
物語の始め、山の精霊として【ターニア】の身体を介して主人公にお告げを与え、旅立ちのきっかけをつくった。
【チャモロ】「神の声」を語りかけて主人公たちへの同行を決意させたのも、彼女だと思われる。
 
ちなみに、これらを以って、ルビスの正体が山の精霊やゲントの神であるという説もあるが、本作においてルビス自身が神や精霊を名乗ったことはない。
山の精霊が海底に城を構えるのは不自然にも思われるので、山の精霊のお告げということにして、主人公に伝えるべきことを伝えた可能性もある。
また、リメイク版の仲間会話を見る限り、チャモロはルビスをゲントの神とはみなしていないようである。
 
また、【ムドーの城】へ乗り込むために【黄金の竜】を呼び出すオカリナを作ったのが、彼女であることを明かしている。
もしこの笛がめぐり巡って【ミレーユ】の手に渡っていなければ、【ムドー】を倒すことはままならなかっただろう。
 
他にも、【なげきのきょじん】に語りかけた謎の声の主も、彼女だと考えられる。
また、【牢獄の町】【学者】の「聖なるチカラがはたらいていて私の千里眼を使っても見えませぬ。」という台詞もあるので、影ながら主人公たちを助けていたようだ。
付け加えると、牢獄の町は【クリムト】を除いて皆石像にされるか動物にされるかしているが、特にバリアなどを張っていない主人公たちが無事なのも、彼女の加護と取れなくもない。
 
いまいち印象が弱い部分もあるとはいえ、総合的なストーリーへの貢献という意味では、ロトシリーズにおける彼女にもけっして引けを取っていない。

小説版

原作ゲーム同様に、主人公たちを見守り予言を与える存在として登場。
未来を見通す力を持つが、知り得た未来のすべてをそのまま告げることはできない、という制約がある。
イザの精神体が【ライフコッド】暮らしの青年になった事情について、イザの心理を読み取った【ゼニス】の計らいであることを説明している。

CDシアター

一応こちらでも登場。
主にゲームと同じ形で登場しストーリーに影響を及ぼし、上巻の終盤で現実世界のムドーを倒した主人公ウイル達の下に現れ、他の魔王の存在を知らせ更なる戦いを促すのを最後に出番を終える。
数少ない出番だったチャモロへの声をかけるシーンは省略され、嘆きの巨人に至っては存在そのものがオミットされているので、ゲームよりも更に出番が少なく、片手で十分数えられるくらいしか登場していない。
 
そして後半以降を描く下巻の怒涛の端折りラッシュの前にルビスの城は存在すら示唆されることなく、牢獄の町でのデスタムーアの攻撃からウイル達を守ったのもクリムトになっているため、わざわざルビスの名前を使わなくても成立するような役回りにとどまる形に終わっている。

DQ7(リメイク版)

本人の登場は無いが、ルビスのまもりが一品物で登場。
【ザキ系】【メガンテ】に対して「完全」耐性を持てる【装飾品】
ザキ系の【呪文】【特技】がやたら成功しやすいDQ7においてこの【耐性】はありがたい。
その中でも唯一「完全」耐性を得られるこの装飾品は非常に有用。
 
このように装飾品としては有用なのだが、ルビス本人はDQ6のようなチョイ役出演すらしていないので、リメイク版DQ7しかプレイしていない人には「ルビスって誰?」状態になることは請け合いである。
ただでさえ伝説の武具一式が人物名なのか地名なのか分からない上、それなりの外国語知識があれば4属性に関連する単語のもじりであることが判る物もあるが故に、「ルビス」の銘の由来が過去作のキャラクターなのは判りづらかったかもしれない。

DQ10オンライン

イベント【大魔王ゾーマへの挑戦】に登場。
【ルイーダの酒場】からゾーマの城に向かう際に【ひかりのたま】をくれる。これを断ると闇ゾーマに挑戦することになる。ゾーマ撃破後に話しかけることができるが、光っているだけで姿が分からない。人の姿をしていないからなのか【はなす】ではなく【しらべる】の対象になっており、リストでは【????】と表示されている。
また、2020年6月のイベント【竜王城の決戦・再演】では、条件次第では【ローラ姫】魔法の迷宮に送り込んだのが彼女ということになっている。
更に、星ドラとのコラボイベントが開催された記念に【ルビスのローブセット】が入手できた。

ビルダーズ1

アレフガルドの光を司る精霊。闇を司る【りゅうおう】と光と闇のバランスを調整していたが、りゅうおうが力を持ちすぎて光と闇のバランスが崩れたため、新たなる【勇者】が誕生した時の道筋を作るべく【主人公】を伝説のビルダーとして蘇生させた。いにしえの大魔王が腹心を蘇らせ尖兵にした発想を参考にしたのだろうか…。
せっかちであまり話を聞いてくれない主人公に対して、諦めずに何度も冒険のアドバイスをしてくれるほど心が広い。
今作のルビス様は「勇者に力を貸す存在」ではなく「問題解決のために派遣した使者の主人」として積極的に物語に絡むため、従来作よりも、その視点や利害の感覚が明確になっている。
口癖は「すべては精霊の導きのままに……」。
 
竜王に対して魂を売った元勇者に対しては決して勇者とは呼ばず「とある戦士」呼ばわりで、「忌まわしい選択をした」など嫌悪していることが会話の節々から滲み出ている。彼がした選択によって、アレフガルドがあの惨状なのだからそう言いたくもなるだろう。
 
優しさは見せるものの、良くも悪くも「世界全体のバランスを視る神様」といった性格であり、一個人の人間という存在にはあまり重きを置かない言動も多い。
主人公に対して与えた使命は、竜王を倒して平和を取り戻すことではなく「いずれ現れる勇者が竜王を倒すために必要な環境をつくること」。
言い換えれば、竜王討伐に失敗した世界の現状をふりだしに戻すだけである。
ゆえに、今目の前で困っている人々を直接救うという発想もなく、「いつになるかは分からないがいずれ勇者が産まれて世界の調和が取れればそれで良い」という大雑把な計画で満足している。世界が荒廃しているとはいえ、シスターの【エル】ですら「いまさら神や精霊にすがるつもりはない」と発言するあたり、ビルダーズ世界では人と神の距離はあまり近くないようだ。
主人公にも助力者ではなく遣わした側としての目線で対応しているため、やたらと「あなたは勇者ではない」と繰り返し、いろいろ注文を付けたりと、主人公の意思決定を強引にリードしているような印象も否めない。
特に、終章では計画が大詰めを迎えたためか、しつこいくらい釘を刺してくる。
ただし、それはビルダーの力を使い果たすと主人公が消滅してしまうためで、彼女なりに主人公のことを案じているがゆえでもある。それが心からの心配なのか、単に「遣いの者が褒美を受けるのは当然」という考えなのかは、それこそ人間の視点では測りかねる所だが。
 
りゅうおうを倒すと言って聞かない主人公に「あとは好きにすればいい」と半ば突き放すような様子を見せるが、それまでの「精霊の導きのままに」を翻して「すべてはあなた自身の選択のままに」と主人公の意思を尊重したようにも取れる言葉を残す。
最終決戦では、命を捨ててまで友人のために戦う主人公に何か感じるところがあったのか、自身も力を行使して非常に粋な計らいもしてくれる。
 
いずれにせよ、元勇者があんな現状では子孫は期待できず、ルビスが能動的に勇者をつくれないなら、どうしたら勇者が産まれるかは謎である。ビルダーズの主人公もロトの子孫の一人なので、彼の子孫に期待しているのか、それとも意外と血筋を継ぐ人物は大勢いたりするのだろうか?
 
なお、竜王との最終決戦の際に「闇の世界の半分を○○○○に与えよう」という竜王からの誘いに対して、主人公が最終的に「はい」と答えると、1章で目覚めた最初の穴倉に戻され、主人公はオープニングで目覚めたのとは逆に【墓】の前で倒れてしまい、画面が暗転すると共に死亡時の音楽が流れてゲームオーバーとなる(その後、タイトル画面に戻る)が、その際にルビス様は嘆きの言葉を発する。
 
ビルダーズものがたりでは割とフランクな口調で喋る。

星ドラ

ロトシリーズ常設イベント「ルビスの光に導かれ」で進行役として登場。はっきりと覚えていないようだが、何らかの理由で石化して封印されていたらしい。「勇者の人生を追体験してもらう」という使命の下、主人公達を異世界(アレフガルド)の冒険へ誘う。
基本的に原作ゲームと同じ役回りだが、追体験中に不躾な発言をした時は文字通り雷を落として説教している。
 
長い赤髪と尖った耳であることは伺えるが、全体的に白く光っているために詳しい容姿は不明。また、前述のように怒った時やルビスの棍の攻撃特技の演出から、目が赤く光ることも分かる。
本作のルビスが着用している衣装は、後にルビスの加護を受けた装備として杖と共にガチャに登場した。

ウォーク

DQ3コラボイベントで登場。原作通り、ルビスの搭で封印を解いてくれたお礼に聖なる守りを与える。
毛先が巻いてある桃色のロングヘアーに尖った耳をしており、【天空人】【天使】のような翼が生えている。何気に巨乳。衣装はアイテム物語のデザインに近い。

DQMSL

2023年1月31日に「大地の精霊ルビス」名義でモンスターとして実装。容姿はDQウォークと同様。
系統は【???系】、サブ系統は神獣王。リーダー特性は全味方の系統の種類(超魔王超伝説以外)ごとに最大HP+10%、素早さ+3%。
 
特性は開幕時に自身を【デインブレイク】状態にし、味方全員を光の使い手状態にする「光の痕跡」。
味方全体の1回の攻撃による呪文ダメージの上限値を20000上げる「呪文ダメージ超越20000」。
ラウンドの最初に発動し、ランダムな味方1体の攻撃・呪文ダメージを1.3倍にし、味方の系統の種類(超魔王・超伝説以外)が5種類以上なら
さらにもう1回効果を発動する(重複不可)「ルビスの加護」、そして「せいなるまもり」。
 
特技はランダムに2+超魔王、超伝説以外味方の系統の種類x2回(最大8回)デイン系の呪文ダメージを与える「創世の光陰」、
敵1体に軽減無視のデイン系呪文ダメージを与える「ルビスビーム」、戦闘中1回のみ使用可能で味方全体のHPを全快させ復活させその後素早さを1段階上げるが自身が【封印】状態になってしまう「精霊の愛」、
先制発動で味方全体の状態異常を解除しつつラウンド制限なしで状態異常を無効にし、更に斬撃と呪文防御を1段階上げる「神獣王の防壁」。
 
特性と特技を見れば分かるが、超魔王、超伝説以外の味方の系統の種類が多いほど真価を発揮する異色の存在。
5系統で組めれば全員がHP+50%、素早さ15%にダメージ30%軽減と【くじけぬ心】という破格の強さになる。
ただし、近年のスライム、ドラゴン、自然、魔獣、物質、悪魔、ゾンビ系モンスターは単一の系統で組む「系統パ」前提のモンスターが多く、
強さを発揮するような構築はなかなか難しい。また超魔王、超伝説と異なり???系は対象だが、ルビス自身が???系である点に注意が必要。
対戦では他の4枠をスライム、ドラゴン、自然、魔獣、物質、悪魔、ゾンビ系モンスターにし、かつ系統を重複させてはならない。
クエストでは6枠なので一つは重複させられる。

シアトリズム

私は 精霊ルビス―
あらゆる大地に 満ちあふれし
時の間隔「リズム」を 見守りし者。

と、公式サイトの【プロローグ】やゲーム中の【オープニング】にある。
歴代キャラクターは彼女の導きによって集まったらしく「精霊に導かれし戦士たち」という言葉も出てくる。

ロトの紋章

大地の創造者。ムー帝国が滅びた際、【異魔神】【オメガルーラ】で封印した。
何千年も前、神話の時代に【コロポックル】の祖先に【魔州湖】の守護を命じた。
 
数百年前に【ゾーマ】による石化から勇者ロトによって解放された後、異魔神と戦うロトの子孫を見守るために地上に赴いたが、すべての聖なる力の源である世界樹が【冥王ゴルゴナ】の手によって朽ち果ててしまい、力が日に日に衰弱していった。
そこで、【ティーエ】という名の小妖精に魂を宿し、戦いに備えていた。
第1巻のプロローグに『精霊ルビスの導きにより、ロトの血を引く兄弟がアレフガルドより帰ってきた』とあるので、大ざっぱに見てゾーマが倒れてから十数年後くらいまでは、それなりに力を振るうことができたものと思われる。
アッサラームで命を落としたルナフレアがいまわの際にアルスのために祈る場面や、海王リバイアサンに呑み込まれようとしているルザミの民が救いを求める場面、タルキンの葬儀でのアリアハン王による弔辞、ヤオとキラの結婚式の言葉など、作中で人間が祈りを捧げる際・宗教的な行為を行う際には、その対象として精霊ルビスの名を口にしており、世界中の人間たちにとって主たる信仰の対象となっているようである。
その割に、本作の100年ほど前の時代が舞台のDQ3では、彼女について言及する者がほとんどいなかった気もするし(特に上の世界の人々)、一般人による認知度がほぼゼロといった印象だったような…
異魔神が三度目の復活を遂げた際には、世界樹から【タオ】たちに異魔神の目的を告げ、世界樹を破壊するように願う。
世界樹破壊後は世界中の戦士達に世界樹跡地に集まり異魔神と戦うように呼び掛けた。
異魔神撃破後、世界樹の復活と共にティーエから抜け出して再び具現化し、世界を救った功績を称えてアルスの願いを叶え、抜け殻となったティーエの肉体に自分の魂の一部を分け与えてよみがえらせた。
その後、【タオ】を不死なる精霊の一員として受け入れ、荒廃した世界を復興する役割を果たすために共に天界へと戻った。
 
ちなみに完全版追加シーンでは、ティーエのことを指して「私の魂が抜けた単なる抜け殻」「ちっぽけな妖精」、アルスに対しても「不老不死の肉体を与えましょう」「天界で精霊の座に列せられることも許しましょう」「地上の支配者にもなれる」と言い放つなど、良くも悪くも、傲慢さも併せ持った、いかにも神らしい目線からの発言をしている。

ロトの紋章~紋章を継ぐ者達へ~

結果的に物語の元凶であるゾーマと【クインゾルマ】を生み出した存在といえる。
 
ドラクエ3より過去の時代、勇者アルトと人間であった頃のゾーマが破壊神【シドー】を倒す旅のサポートをしていた。
その際、ゾーマから求愛され、ルビスも満更ではなかったが、立場上これを拒否。
ルビスは勇者のサポートに専念するため、ゾーマへの愛の感情を切り捨て、ゾーマはルビスの寵愛を一身に受ける勇者アルトに嫉妬し、闇のオーブの力に手を出してしまう。
勇者アルトは破壊神シドーを倒した直後、嫉妬に狂ったゾーマに殺害される。
その後、ゾーマは魔王となり、ルビスは今ある世界とは別の世界に闇のオーブを封印するため、アレフガルドの世界を創造した。
ドラクエ本編にも似たような話がある。
 
クインゾルマの存在はルビスが切り捨てたゾーマへの愛の感情が分霊として転生したものと説明されている。
簡単に言えば魔王版ティーエ。
 
明言はされてはいないが、シドーを倒した際、【ハーゴン】に似た人物にとどめを刺した描写がないので、後の【ハーゴン教団】との禍根を残した可能性もある。
 
ルビスがうまく立ち回れば、外伝を含めたロトシリーズの災厄はほぼなかったため、登場人物から批判を集めていた。
しかし、ルビスは役割を全うしただけであり、ゾーマの暴走さえなければ、同じ様に未来の災厄はなかっただろう。
この件があったためか、以後のシリーズでは勇者に対する過干渉(勇者の旅に同行し、蘇生を直に行っていたレベル)はない(ただしドラクエビルダーズでは同行こそしないものの常に見守り度々話しかけ、蘇生を直に行っている。こちらは世界が滅亡一歩手前のなりふり構えない事情があるためだが)。
 
アレフガルド以外の【ローレシア】【ムーンブルク】の大陸は本編中にできたのだが、ルビスではなく、ティーエが作ったことになっている。

知られざる伝説

【知られざる伝説】では【ラーミア】【幸せの靴】のエピソードに彼女が登場する。
前者は【レイアムランドのほこらの巫女】の視点から語られ、後者は【道具屋】の主人の家に伝わる話として「魔物が人間と共存していた頃に、彼女が【はぐれメタル】にしあわせのくつを与えた」と語る。
挿絵では緑色の髪の女性として描かれており、これは後発のモンスター物語・アイテム物語でも同様。

モンスター物語

【モンスター物語】では【スライム】のエピソードに登場。
心優しい【バブルスライム】が彼女に身を清められ、はぐれメタルとなって天上界で暮らしたという、知られざる伝説に繋がる話となっている。ただし、既に魔物と人間が争っている。

アイテム物語

【アイテム物語】では「精霊ルビス」とも「精霊神ルビス」とも表記されているが、複数のエピソードに彼女が登場する。
 
【王者の剣】のエピソードでは、彼女がアレフガルドの大地を創造した理由が、神々の怒りに触れ滅亡を運命づけられた国から心正しき人々を新天地に誘い、救い出すためだったことが明かされる。
 
また、【ラーの鏡】のエピソードによると、鏡が作られる少し前に神々の列に準じられるようになった新しい神となっている。
精霊から精霊神になったという意味なのかもしれない。
 
幸せの靴のエピソードでは、創造したばかりのアレフガルドに人間が太刀打ちできない魔物が侵入し(後に組織化することで克服)、能力差から人間がホビットや妖精と不仲になっていく状況に心を痛めている様子が描かれている。

精霊ルビス伝説

この小説では、彼女の前半生、まだ神ではなく一介の精霊だった頃が語られる。
精霊たちの住む異世界イデーンを支配する五大家の一つで炎を司るカリクティス家の次期当主で、本名は『ルビス・アピスト・カリクティス』。炎の精霊らしく、赤い髪と赤い瞳を持つ。
同じく、五大家の一つで土を司るコリドラス家の係累であるものの、母親が地上の人間であるため継承権を持たない『ディアルト・ケントロピーゲ』――本名『ロト』――とは相思相愛の関係にある。
だが、彼らが結ばれることを暗示した神託『炎と土が共に歩む時~』を誤解したルビスの叔父でカリクティス家現当主グァモンと、ディアルトの従兄でコリドラス家現当主ダトニオイデスが結託したり、やはり神託を曲解した結果ルビスがそのまた従兄クリプトカリオンと結婚させられそうになり、それに反発したルビスがディアルトと駆け落ちしたり、その他様々なことが起こった結果イデーンは崩壊、地上に邪悪の元となるものがばら撒かれてしまう。
ルビスは地上の神となり、ディアルトは様々な時代でロトの称号を冠される存在へと転生を繰り返して、彼女らが発生の原因の一端を負う邪悪な存在達との戦いに身を投じることとなる。
そしていつの日か全ての邪悪が滅せられたその時、2人はただの女と男に戻り、改めて結ばれるとされる。
 
ディアルトの転生体には別の女デキてしまう奴や、場合によっては女になってしまう奴もいたりするのだが…彼女の心中はいかに?
もっとも、どちらも助けると愛を渡したり、ローラ姫の愛の力でルビスの愛を探したり発言者がどちらなのかいまいちはっきりしない台詞があったりと、【ローラ姫】とルビスは同一視できそうな面があるので、そこから発想を膨らませて前世からの恋愛という結末にしたのかもしれない。
後発作品のビルダーズでは精霊ルビスとローラ姫は別に存在しているが、ローラ姫がかつてのルビスのように石化していたり、ローラ姫が復活するとルビスが主人公とまともに交信できるようになったりと、両者を重ねている面が残されている。

DQ11に関する考察

ロトシリーズに繋がる物語として彼女も久々に登場…とはならなかった。
ロトシリーズにおいて彼女本人どころか、彼女の名前すら登場しないと言う事態は極めて異例である。
後述の精霊ルビス伝説におけるロトとルビスの関係性が【ローシュ】【セニカ】の関係に反映されていると捉えることもできるが、セニカとルビスは同一人物ではない。
 
しかし、所々ルビスの存在が匂わされているところもある。

以上のように、登場こそしていなくても、ルビスの存在と世界観を矛盾させないような設定が存在する。
特徴的なロトのマークも既に勇者【ローシュ】の装備の時点で存在していたが、何をモチーフにしてこのマークを作ったのかは不明。伝説の鍛冶場も、上方から見るとこのマークと同様の形状となっている。
結局のところDQ11において彼女の存在は不明確のまま。
DQ11とDQ3の時代は非常に長い年月が経っているため、彼女がその間に表舞台にどのようにして現れたのか、そしてそれが語られる日が来るのか、気になる所だ。