DQ3
アリアハン大陸から船で北上するとたどり着ける小さな島国。モチーフは過去の日本で、名前の由来はマルコ・ポーロの東方見聞録における「黄金の国ジパング」から。
ちなみに「ジパング」は「ジャパン」の語源でもある。どういう経緯でジパングからジャパンに変化したのか、そもそもなぜ「ジパング」というのか、本当にジパングは日本のことを指しているのかについてはここでは触れないので、各自で調べてみてほしい。
その日本製RPGなだけあってか、後述のようなド田舎の割には、フィールドマップの中心近くに位置するのも特徴と言える。
英語版での地名はJipang(GBC版のみZipangu)。
他の地方と比べて文明のレベルは低いのか、店の類も一切無く、旅人をもてなす【宿屋】すらない。
にもかかわらず、【ダーマ神殿】で聞ける話によると、「黄金の国」として西方に伝わっているようだ。
一方で、【オリハルコン】から世界最強の剣を作り上げるほどの名刀匠の出生国であるなど、先進的な部分も見受けられる。
海外からは宣教師も訪れているが、その文明のギャップから神の教えを説くに至っていない。
ちなみに、この宣教師はなぜか片言。
この辺りは日本の刀の切れ味は弾丸を斬るほどという海外を中心に広がる都市伝説や、フランシスコ・ザビエルによる日本へのカトリック・キリスト教の伝来がモチーフであろう。
上述の通り、ジパング国内には宿も無いが、FC版【公式ガイドブック】ではジパングのページにはダーマ東のほこらの宿屋料金が記載されている。
なお、この宿屋をジパングの最寄りという理由で利用する人もいるようだが、料金は4人で60Gもかかる上、船で海峡を越える必要もあるので、いっそのことルーラで別の拠点(例えば【アリアハン】)に飛んで泊まり、キメラのつばさ(25G)でジパングに戻ってくる方が格安でかつ安全だったりする。
周辺に出現するモンスターは大王蟇と豪傑熊という和風縛り。
近くには【ジパングの洞窟】があり、そこも【メタルスライム】の大群を除いて同じ傾向がある。
おかげで敵の強さがバラバラだったりする。
一方で現実の日本の東北地方や北海道にあたるエリアは【エンカウントエリア】が異なり、【ガルナの塔】上層に出現したモンスターなどが出現する。
あちらと違ってメタルスライムが出現しないので経験値効率は悪いが、GBC版で【モンスターメダル】集めという点ではこちらの方がいい。
国は【ヒミコ】と呼ばれる【女王】が治めており、集落の奥には大きな屋敷がある。
大蛇に若い女性を生贄に捧げなければならない中、娘を男と偽って育てていたり(元々DQ5までは子供は男の子限定になっている)、地下室の壷に隠れたりしている者もいる。
ヒミコの正体はやまたのおろちが化けた偽物であり、ジパングの洞窟で倒した後、ここでもう一度やまたのおろちとの対決がある。
おろちを倒せば【パープルオーブ】が手に入る。
ちなみに、男の子と偽っている子供は夜に訪れると「おかあさま」という寝言を言うが、ドラクエに登場する人物で母親をお母さまと呼ぶのは女性キャラだけなので、一応伏線となっている(現実世界には、別に男性でも『お母さま』という人はいるが)。
FC版はオープニングすら削るほどギリギリの容量の中、人々や建物のグラフィックには固有のものが多く、音楽もジパングというここでしかかからない曲を使っている。
やまたのおろち&パープルオーブ以外のイベントが一切ないのにこの厚遇は、さすが日本産のゲームといえる。
なお、日本がモチーフではあるがその年代はかなりバラバラ。
現実の日本の歴史において卑弥呼が治めていた邪馬台国があったとされるのは3世紀頃だが、ジパングという言葉そのものは中世頃。
八岐大蛇は邪馬台国以前の神話の世界になるし、宣教師が日本に来たのは16世紀。
そこかしこに箪笥が置かれているが、和箪笥が登場したのは16世紀。
ヒミコの屋敷前に鳥居が3つ置かれているが、このような形の鳥居ができたのは8世紀頃。
HD-2D版で追加されたオブジェクトの中にお地蔵さんがあるが、日本で地蔵が盛んに信仰されるようになったのは平安時代以降。
このようにかなりの寄せ集めな一方で、典型的な日本のイメージであるサムライやニンジャがいない辺りに独自性が見える。
ゲームでは村自体は現実の日本列島に準えれば神奈川にあたる場所にあり、洞窟は千葉にあたる場所にある。つまり現在の首都圏となる。
しかし邪馬台国の所在には二説あるものの、それは九州と関西であり現在の首都圏とは程遠い。
『 黄金の国 』とは言うものの「黄金の爪」や「金の冠」や「ゴールドマン」とは縁も所縁も無かったりする。
リメイク版では、せめて「きんのクチバシ」ぐらい置いといて欲しかった。
リメイク版
鳥居の下を通れるようになったり、汎用グラフィックだった子供の外見が金太郎っぽくなる、座布団を調べるとメッセージが表示されるなどこだわりが増している。
また、ヒミコの屋敷では集落とは違うBGMが流れるようになった。
【ラーミア】復活後は先述の宣教師が民主主義を教えている姿が見られる。
ドラクエ3のほとんどの国は王政を採っており、民主主義国家は見られないのだが、この宣教師はどこの国から来たのだろうか。
これまた他の町とは異なる独自デザインとなったジパングの【タンス】からは【ぬののふく】や【きのぼうし】、【うろこのたて】に【けいこぎ】が手に入る。
どれももうこの時点では使い道のない代物ばかりだが、この国の文明レベルを示す演出と捉えるべきか。どうせなら世界屈指の刀剣製作技術を擁した設定も活かしてほしかったところだが…。
武器防具はどれも役立たずなものの、それ以外の道具類は意外と良い物が手に入り、【どくがのこな】に【ちからのたね】x2と【ふしぎなきのみ】x2が拾える。
特に貴重な不思議な木の実が一度に2つも手に入るのはここだけ。見逃さないようにしたい。
【井戸】も存在するが、中にはアイテムも人も何もない。
本作唯一の「中に何もない井戸」となる。
スマホ版以降の海外版では、住人の台詞が英語を "haiku" 調にしたものになっている。厳密には日本の俳句ではなく、それをアレンジしたもの。リズムが無く、調音等を無視して英語の5音節、7音節、5音節をくっつけた、近年では日本をほとんど知らない人もよく作る新しい詩である。
これは後にDQ11の【ホムラの里】でも採用されている。
第5のすごろく場
SFC版およびGBC版では、クリア後に【しんりゅう】の願いで「あたらしい すごろくが やりたい」を選択すると、井戸の中に最後の【すごろく場】への入り口が出現する。
これ以降、井戸の底で【ほしふるうでわ】が拾えるようになる。
厳密には「井戸の中のフロア」が「すごろく場への入り口のフロア」に差し替わるのだが、前述の通り差し替わる前のフロアには何も無いので、調べ忘れても心配はいらない。
ここのすごろくは4層にもわたり、しかも一階層ごとのマップもかなり広い。このため、ROMカセットでありながらフロアのローディングにはやや時間がかかる。また、
4層のうち第2階層まではすごろくをプレイせず歩いてコースを眺めることもでき、第2階層では【やまたのおろち】に飲み込まれたとされる【ヒミコ】がうろついているほかアイテムも拾える。第3階層以降へは歩いて立ち入ることができないため、実際にすごろくでその階層にたどり着かない限りコースは確認できない。
サイコロ回数は70回。ゴール報酬は【めがみのゆびわ】と【ふしぎなボレロ】。
第1階層はひたすら長い一本道。途中にはコース上を前後する旅の扉があり、運が良ければショートカットできるが、運が悪いと何度も後戻りを繰り返すことになる。
第2階層はスライムの形をしたコース。到達直後からルートがスライムの左側と右側に大きく分かれ、左半分はお得なマス(赤マス)が多い代わりに落とし穴も多め、対して右半分は落とし穴が少ないがデメリット系マス(青マス)が多く配置されている。
第3階層から第4階層は背景が洞窟になる。コースがいくつも枝分かれし、ゴール手前で合流する形だが、第3階層から第1階層まで逆戻りするルートも一つある。この逆戻りルートの途中にもよろず屋や宝箱がある。特に、SFC版でかの【ひかりのドレス】を買うためにはこの逆走コースのよろず屋に入らなければならない(※GBC版ではもう1軒あるよろず屋マスと販売ラインナップが入れ替わっている)。
最後の第4階層は鳥(【ラーミア】?)を模ったような形状。進んだルートによってはこのフロアにしか登場しない「MPが0になる」トラップもある。
HD-2D版
田んぼや桜の木といった日本を象徴するデザインとなり、ヒミコの館は長い階段を上った先にあるという、こちらが元ネタであった【ホムラの里】を逆輸入したような部分もある。
また、ヒミコや里の子供が勇者一行に使う「ガイジン」の表現が「ガイコクジン」に変更された。
初めて訪れる際は、人々がやよいのことを心配しているボイスつきイベントシーンがある。このイベントの後、やよいを見つけ出すことが目的に設定され(必須ではない)、彼女の話を聞いておろちのどうくつへ向かうことになる。
ただし先にいきなり洞窟に入ってやまたのおろちを倒した場合は、これらのイベントは発生しない。
集落の北東の木のところには【はぐれモンスター】のキャットバットがいる。また、夜になると環境音として【カエル】の鳴き声が聞こえ、それに合わせるように田んぼ地帯にはぐれモンスターのだいおうガマが出現する。
【ちいさなメダル】は地下室とヒミコの屋敷の2カ所で手に入る。
やまたのおろち2戦目に勝利した後は、夜明け前に謎の声からの呼びかけが挿入され、そして村人から褒美として【命の石】【せかいじゅのは】【はやてのリング】を貰えるようになった。
やまたのおろち討伐後からタイトル画面の背景がヒミコの屋敷の概観に変わる(先に【サマンオサ】や【ネクロゴンド火山】になっている場合はそちらが優先される)。
従来版では店が全く無かったが、HD-2D版では【教会】(【シスター】)でセーブができ、そしてやまたのおろち討伐後は【旅の商人】による【道具屋】も利用できるようになった。
終盤やクリア後にも訪れることになる。
【マイラ】で鍛冶職人から話を聞くと、【王者の剣】を修復するのに必要な【ガイアのハンマー】を彼の実家で入手できる。
クリア後はしんりゅうの願いごとにより、SFC版のすごろく場に相当する最後の【バトルロード場】へ井戸の中から行けるようになり、【モンスター・バトルロード】のSSとSSSランクに挑戦できる。すごろく場と同じく、本物のヒミコもちゃっかり観客席にいる。
周辺では北海道にあたる島に【ひみつの場所】が設けられ、ツボが5つ並んでいるが2つは空っぽである。四国と九州にあたる島にも【キラキラ】がある。
また、列島から北東の沖には2つのひみつの場所があり、アイテムは南側では3つ、北側ではネタ系(?)アイテム5つが手に入る。
小説版
国名は「ジパング」だが、村の名前は「ヒミコの里」となっている。
ゲーム同様店も宿屋も無い未開の国という設定。
ビルダーズ2
DLC「和風パック」を購入することで【ポスト】に届く「さまよう旅人より」の手紙にて、その名前が確認できる。
手紙の送り主はジパングから【ワビサビ島】へと流れ着いた人間であり、その手紙の内容から、ビルダーズの世界においては、上の世界にもビルダーという職業が存在し、ジパングにもその存在が知られていること、和風パック購入で作れるアイテムは、実際に作中のジパングにて使われていた道具類であることが分かる。
ちなみに本作の舞台は、DQ3での下の世界且つ遥か未来であるDQ2の世界の中に生まれた異世界であり、一体何がどうなって遥か昔に世界が隔てられたはずのジパングの住人がそんなところに流れ着いたのか興味が尽きないが、送り主は主人公が手紙を受け取った時点でとうの昔に亡くなっており、それを知る術はない。
ウォーク
2020年3~5月実施のDQ3イベントで登場。ここでは本編と同じ流れでやまたのおろちを倒す。
そして、2022年2月10日からのDQ3イベント「ジパング外伝」で再登場。主な舞台として再びスポットライトをあびる。
倒したはずのやまたのおろちに似た【キングヒドラ】が現れ、ヒミコの部下であるかぐらの案内のもと、ジパングの民を守るため、守り神の鏡に封じられた「てんどうしし」を復活させることになる。
ヒミコの語った伝承では、てんどうししを伴った一人の剣士とジパングの民を苦しめる魔物との7日にも及んだ戦いがあり、その末に魔物は倒されるも剣士もまた力尽きた。
残されたてんどうししは剣士の遺志を継ぎ、ジパングを守ることを誓って自らを鏡に封じたという。
この伝承はヒミコを襲ったやまたのおろちによってひた隠しにされていて、かぐら他多くのジパングの民も知らなかったという。
ちなみに、ここでのヒミコは本物。
やまたのおろちを倒した後、井戸の底で囚われていたのが発見されたという、リメイク版DQ3の要素を拾った形。
専制主義からの脱却を図るため、外国の宣教師を招いて「みんしゅしゅぎ」の勉強中というのもリメイク版由来。
フジの山という標高の高い霊峰もある。もちろん由来は富士山。
ドラけし!
ロト紋イベント「ロトの勇者と呪われた王子」の後半。
ボスは魔人王【ジャガン】。
ロトの紋章
別名黄金の国と呼ばれ、見た目は小さな島だが山ほどお宝があるとされる。
かつての鎖国体制は緩和されたのか、勇者ロトの伝説が伝わっている。
【ジャガン】の【ロトのつるぎ】と対抗できる聖剣作りの為に訪れる。
【オモカネ】一味と復活したヤマタノオロチとの壮絶な戦い、ジャガンや【冥王ゴルゴナ】との決戦など、短いながらも激闘が続いた。
ジパングの住人は【ムー】の子孫で、不思議な力や文化技術を引き継いでおり、北の辺境・【エッゾ】の【魔州湖】にあるオリハルコンの精錬場もムー由来の技術、などオリジナルの設定が多く追加されている。
また、古くから伝わる死者の霊を冥界に送るための習わしとして「御霊送り」という灯篭を川に流す。
冥界の事は「黄泉津比良坂」として伝わっている。
また、キラとヤオが祭りを通じてお互いを男女として意識し始めたり、ポロンはサクヤというガールフレンド(後に妻となる)ができたりと、ラブロマンスが芽生えた場所としても印象深い。
原作ゲーム同様「日本」感はかなりごちゃまぜであり、3~5世紀ごろを彷彿とさせる人々の生活や豊穣の祭り、やまたのおろちとの怪獣大決戦(「ゴジラ」シリーズで手酷く破壊されるのは日本の大都市)、死者の魂を弔う灯篭流しなど、年代問わず「日本」を思わせるものが出てくる。
ちなみに、ジパング編には、【藤原カムイ】が本作と同時期に書いた古代日本が舞台の作品「雷火」と類似した設定が多く存在しており、同作のキャラがエキストラ出演する等のお遊びが見て取れる。
ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~
大精霊を封じた「神器」が奉納された「神座(かみくら)」がある。
安置された神器から大精霊の力を引き出すことにより、世界中で【呪文】が生み出されている。この神器と神座の歴史は【ムー】の頃にまで遡るとされる。
しかし5年前、呪文の独占を狙った【クインゾルマ】の策略を察した【ティーエ】が【アルス】に依頼して神器を持ち出させるも、【ラーミア】の襲撃によりシュライが暴走した事を切っ掛けに呪文消失事件「失われし日」が起こっている。
その存在は女王の一族や守り人たち、事件に関わったアルスなど極一部のみ知る……はずなのだが、子供の頃の【イヨ】は内緒といいつつ【サクヤ】にバラしていた。
この神器強奪による呪文独占は、百年以上前に大魔王【ゾーマ】が一度計画していたものの、ジパングに向かっていたクインゾルマが【オルテガ】達に封印されたため失敗している。