【アベル】

Last-modified: 2025-08-31 (日) 05:51:31

概要

男性キャラクターの名前。
DQ関連ではアニメ【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】(1989年~)の主人公名となったほか、後にDQ5主人公の公式ネームとしても採用された。
 
ちなみに、『旧約聖書』にカインとアベルという兄弟のエピソードがあり、この二つの名前は各種創作物においてよくワンセットで登場する。
アベル伝説に「カイン」の名前を持つキャラは登場しないが、DQ2ではFC版(あへ゛る)でもリメイク版でも、【ローレシアの王子】にこの名前をつけると【サマルトリアの王子】の名前はカインになる。

DQ5

PS2版制作時に制定された【主人公(DQ5)】公式ネーム
以降の公式スクリーンショットなどでは機種を問わず原則的にこの名前が使用されている。
またPS2以降のリメイク版DQ5では、主人公の名前を【トンヌラ】にするとパパスが提案してくる名前がトンヌラの代わりにこのアベルになる(SFC版では「サトチー」)。
 
なおリメイク以前より、DQ5の主人公の青年時代の黒髪に逞しい体つきの容姿は、描かれた時期が近いと見られるアニメのアベルに似ていると言われる事もあった。
 
ただし、バトルロードなどの外伝作品やコラボ作品ではこの名前を使わず【伝説の魔物使い】(または「伝説のまもの使い」)の呼称が共通して使用されている。

アベル伝説

勇者アベル伝説の主要人物
【アベル】 - 【ティアラ】 - 【モコモコ】 - 【ヤナック】 - 【デイジィ】

本作の【主人公】
CV:古谷徹/佐藤智恵(少年期)。古谷徹は以前にラジオドラマ版DQ2の【ローレシアの王子】を担当していた。
 
古の【伝説の竜】を封じる【青き珠】を守る神々の血筋「グロウ族」の末裔。「青き珠の【勇者】」と呼ばれ、同じ青銅の年・赤き月・竜の日に生まれた「【赤き珠】の聖女」であるヒロインの【ティアラ】と対を成す存在である。
【鳥山明】の描く主人公おなじみのツンツンに尖った黒髪に、大柄且つ筋肉質で褐色の肌の少年。
初期装備はアラビアンパンツ風のゆったりした白ズボンをはき、裸の上半身に民族的な模様の入った太いタスキ状の聖衣とかなりの軽装で、DQ3で言うところの、スーの開拓民に近い外見と言えるか。
本作の世界観はFC版DQ3をベースにしているが、ゲームの方の勇者は童顔で小柄なのに対して、1歳若いアベルはかなり大人びて見える。

経歴

【アリアハン】の村で生まれるが、母はアベルを産んですぐに亡くなり、幼い頃まで育ててきた父【オルテガ】もまた行方不明になってしまい、その後は神父【パブロ】によって育てられ、漁師として暮らしてきた。
 
15歳の誕生日を迎えた日、【ティアラ】と楽しい時を過ごしていたところ、【浮遊要塞ガイム】を操って村に現れた【大魔王バラモス】よってティアラを攫われ、取り返そうとしたアベルはコテンパンに叩きのめされてガイムから放り出される。
パブロに助けられたアベルはティアラが伝説の竜を蘇らせる能力を持つこと、そして自分が青き珠の勇者であることを教えられ、青き珠の冠と聖衣を授かる。そしてライバルであった【モコモコ】とともに、ティアラを助け出すためにバラモス打倒の旅に出る。
 
「ティアラを救うには【竜伝説】を解き明かさなくてはならない」―【アリアハン王】からこう教えられたアベルは、【旅の泉】で移動した先で【ヤナック】を、そして道中で宝石目当てについてきていた【デイジィ】を仲間にする。
竜伝説の地図をバラモス軍に奪われてしまうが、ヤナックの記憶などを頼りに竜伝説を追っていく。その最中、弱点である月食の影響でバラモスが不時着させていたガイムに乗り込みティアラを助け出そうとするが、バラモスに力の差を見せつけられて作戦は失敗。
力不足を痛感したアベルはデイジィに懇願して剣の修行をつけてもらい、そして【ルドルフ将軍】【シーザーオライオン】など数々の強敵と戦いを経て次第に成長していく。
 
やがて【ストークの神殿】にてティアラが自ら脱走に成功していたことを知り、後を追って【赤き珠の島】に赴く。そこに攻めてきたバラモス軍との攻防の最中、ついにティアラとの再会を果たす。
しかしアベルの危機を見たティアラが不完全な能力で【水竜】を召喚してしまい、アベルは青き珠のチカラで何とか封印するが、その反動で瀕死状態となり生死の境を彷徨うことになる。
必死に彼の命を救おうとする仲間たちやヤナックの師匠【ザナック】の奮闘の甲斐もあって何とか命は繋ぎ止められ、そしてティアラとデイジィが手に入れた【パデキア】の葉によってアベルは無事に復活を果たす。
 
ザナックから新たな装備を貰ったアベルはティアラとともに、竜召喚のために必要な【聖剣】【聖杯】の手掛かりを求めてアリアハンに帰郷。そこで呪いの兜に操られて襲撃してきた父オルテガを正気に戻し再会するが、喜びも束の間【ジキド】との戦いでオルテガは死亡。遺志を継いだアベルはバラモス打倒を固く決意する。
 
その後、ティアラの提案により二手に分かれて聖剣と聖杯を探すこととなり、アベルはデイジィ、そして修行を終えたヤナックとともに不死鳥【ラーミア】を蘇らせ、【青き珠の島】で聖剣を手に入れる。
一方聖杯を手に入れたティアラは敵軍に捕まってしまい、アベル一行が助けようとするもその戦いでザナック、デイジィの弟【トビー】、ティアラを慕っていたモンスター【ドドンガ】、と仲間を次々と失う。
その悲しみを乗り越え何とかティアラによる伝説の竜の復活を見届けるが、その生き血を飲んで不老不死になろうと企むバラモスを阻止したモコモコをも失う。
伝説の竜が怒り狂い暴れる中、これ以上犠牲者を出したくないとの強い思いでアベルは仲間たちを守るためバラモスとの一騎討ちに挑む。怨霊【ゾーマ】を吸収したバラモスに押されていたアベルだが、青き珠とティアラの赤き珠のチカラが合わさったことにより伝説の竜を体内に取り込み【大勇者装備】を得て、激戦の末バラモスに勝利。バラモスの残していった邪悪な黒い宝石も竜のチカラで消し去った。
昏睡状態に陥っていたティアラも二つの珠のチカラによって生還し、二人のキスを仲間たちやアリアハンの住民たちが祝福した。
 
竜伝説の旅はアベルにとって決して忘れることの無い思い出となった。しかし本当の旅はこれからであり、ともに戦ってきた竜や仲間たちとともに平和な世界を駆け巡るのであった。

性格

一人称は「オイラ」。
ティアラには盲目的な好意を抱いており、初期にはその想いから実力差も弁えずに突き進む蛮勇が目立った。
モーラの都で【はがねのつるぎ】を手に入れた直後には、その威力に慢心して剣術もろくに学ばぬままバラモスに突撃をかけ惨敗も喫したが、己の無力を痛感して【デイジィ】に剣の修行を乞い、昼夜を分かたず修行するなど克己心も強い。
【ヤナック】からデイジィの入浴を覗こうと誘われた際には拒否するなど、生真面目な面も持っている。
また、あくまでデイジィと敵対する【トビー】に対し、これまでデイジィが誰のため、何のために戦ってきたかを真摯に訴えるなど、仲間の事情や思いを酌む優しい性格。
分け隔てない公平な態度で人々に接し、行く先々で弱きを助け強きを挫く、典型的なヒーロータイプと言える。
 
第一話でティアラと離れ離れになった際、彼女の作った【風の翼】から抜け落ちた羽が一枚だけ彼の元に残り、それをとても大切にしている。
「命よりも大切なもの」と言い切り、これが入った道具入れがスリにあった時は血相を変えて追いかけ締め上げている。
同時期に発売されたDQ4の【はねぼうし】と似たポジションだろうか。向こうは正真正銘の形見になってしまったが。
 
元が純朴な田舎の少年故か異性からの好意には疎く、前述の通りティアラ一筋でもあるため、デイジィからの好意には最後まで気付くことが無かった。

装備

主人公だけあって装備の変遷は一番多い。
基本は【青き珠】をはめ込んだサークレット(青き珠の冠)と、タスキのようにして心臓部を守る布製の【聖衣】を装備。
勇者の服をもらうまでは上半身が裸になっている。
2話の【おおありくい】戦までは狩猟用の銛や農具で戦っていたが、旅立ちに際して【アリアハン王】から剣(【カードダス】の装備欄では「鉄の剣」とある)を賜り、7話の【だいおうイカ】戦で折れるまで使用。
8話では【モーラ】の都でモーラの女王から【はがねのつるぎ】を授かる。
11話では【ネザー】の都に一人赴いて【ふぶきのつるぎ】を手に入れ、鋼の剣はデイジィに回された。
吹雪の剣は25話にて【水竜】に折られてしまい、瀕死状態から回復した28話で【ザナック】から【いなずまのけん】と、炎と魔法をマントで防ぐ【ゆうしゃの服】を受け取り、最終決戦寸前までそれを使用した。
最終話では青き珠と【赤き珠】の力で、復活した【伝説の竜】を体内に封じ込め、【大勇者装備】に身を包む。この装備は【ロトのよろい】に似たブルーメタリックの全身鎧だが、兜飾りが角ではなく羽根になっているなど、アニメオリジナルのデザインとなっている。
 
なお第一部最終回では【ロトのつるぎ】の形をした【聖剣】が最終武器とされていたが、第二部最終回ではそれとは別の独自デザインの大勇者の剣に変更されている。

戦力

元々が村の漁師なので、湖の大魚と銛1本で格闘するなど日常的に鍛えられており、村の格闘技大会で【モコモコ】を破って優勝した経験もあるなど、基礎体力は抜群に良いようである。
しかし、「【青き珠】の力を操れる」、「勇者の武具を装備できる」以外に特殊な力は何も無く、【呪文】も使えない。
当時のゲーム本編では味方が使える特技は無かったため、呪文の使えない彼の戦闘スタイルは、その場の状況に合わせた通常攻撃の類である。ゲームの再現という意味では【勇者】職と言うより【ローレシアの王子】のような【戦士】タイプに近い。筋肉質で大柄な体つきに加え、剣を主体とした豊富な装備が可能といった特徴も、DQ3の戦士職そのものである。
仲間の【デイジィ】は正式に「戦士」の肩書きを持っているが、技巧派の剣術使いという趣が強く、【はやぶさのけん】を装備できるのでゲーム内の戦士とはこれまた別物である。
 
このおかげで、本作の勇者パーティはバランス型のアベル、技巧型のデイジィ、パワー型の【モコモコ】という3人の戦士系を抱え、残る一人の魔法使い【ヤナック】【バギ系】呪文や回復呪文、【ベホマズン】【ギガデイン】まで使いこなす、戦士3人に賢者1人という、もの凄くとんがった編成となっている。
各メンバーにいわゆる「必殺技」が無いのも、当時のアクションアニメの主人公パーティーとしては異色で、オリジナルの必殺技を多数登場させたダイの大冒険とは対照的な部分でもある。
 
序盤は剣術の心得すら無い駆け出しのヒヨッコ冒険者で、危機に陥ることも多かったが、デイジィによる剣術指南や数々の実戦を経て着実に力をつけていき、終盤では一人前の勇者に成長する。
【ジキド】には「吹雪の剣に守られているだけだ」と嘲られることもあったものの、この時期に飛躍的に腕を上げ、バラモスと一対一である程度戦えるようになり、青き珠の力でモーゼのごとく海を二つに割るなど超常の力も見せた。
 
【バラモス】の最終形態であるスーパーバラモスには終始圧倒され、最終戦の戦いぶりは「装備の力で勝てた」などと揶揄されることもあるが、この時期(FC版DQ3の頃)の勇者は「終始器用貧乏感が漂うものの、専用装備で他と隔絶した実力を手に入れる」タイプのキャラなので、ゲームの再現としてはむしろ正しい。
加えて、「ゾーマの力を取り込んだ魔王」と「竜の力を取り込んだ勇者」という対比を考えるなら、DQ3の【ゾーマ】をはじめとして度々見られる「まともにやっても歯が立たない相手を、アイテムやイベントによって同じ土俵に立たせる」展開と同じと言える。
 
ちなみに、DQ3側でアベルを模したキャラクターを作り、再現プレイを楽しむのはちょっと難しかったりする。
呪文が使えないことを再現するため戦士キャラがアベルということにすると、肝心な勇者専用装備が使えないのである。
勇者で自主的に呪文を使わない【縛りプレイ】ならなんとかなるが、【混乱】すると呪文をぶっ放すアベルになってしまうのが悩ましい。

ロトの紋章

アベル伝説のアベルらしき人物が、物語中盤のアルスが旅立った直後のアリアハンに第3の勇者アステアが辿り着いたシーンにモブキャラとして描かれている。