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【フレイザード】

Last-modified: 2019-06-04 (火) 18:08:03

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】―【フレイザード】―【ミストバーン】【バラン】





概要 Edit

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する敵キャラの一人。名前はどう考えても【フレイム】【ブリザード】からだろう。
魔王軍六大魔団長の一人で【爆弾岩】等の岩石生命体やフレイム、ブリザードといったエネルギー生命体等、主に炎や氷に関係した怪物を中心とする氷炎魔団を指揮していた。
本編には出なかったが【ようがんまじん】【ひょうがまじん】も構成員としていたようだ。
肩書は氷炎将軍で「魔王軍の切り込み隊長」ともいわれている。
アニメ版での声優は山口健。ポップから「焼き氷」といううまい呼ばれかたをされていたが、このセリフはアニメ版にしか存在しない。
  
爆弾岩とフレイム系モンスターが合わさったような顔で、名が体を表すように体の右半身が凍った岩石(氷河魔人)、左半身が高熱の岩石(溶岩魔人)で出来ており、【ハドラー】の禁呪法により生みだされた呪法生命体(エネルギー岩石生命体でもある)。
メラ系などの炎属性の魔法のエネルギーは左の体で、ヒャドなどの氷系の魔法のエネルギーは右の体で吸収することが出来る。
その体故に腕が伸びたり、斬られて直ぐ再生できたり、バラバラになっても再構成したりと、生命体ではできない事も可能としている。
なお、核(コア)の魔力により相反する属性同士を繋ぎ止めて維持しているため、これが破壊されると体が維持出来なくなり、最悪消滅の危機に曝されてしまう。
呪文だけではなく熱や冷気のブレス攻撃も使用する。

性格 Edit

禁呪法で生み出されたこともあり、生みの親であるハドラーの当時の性格を色濃く受け継いでいる。
性格は残虐非道、功名心が高く、そのためなら味方を出し抜くことも厭わない。これまでに戦った魔王軍の【クロコダイン】【ヒュンケル】が敵ながら武人然としたタイプであったため、敵としての立ち位置を分かりやすくアピールするヒールタイプの人選と言えるだろう。
反面、用意周到で冷静に彼我の戦力差を分析し、確実に勝利できる手段を選択するという冷静さも併せ持つ。
【ザボエラ】は彼の事を「炎のような凶暴さと氷のような冷徹さを併せ持った男」と評している。

ちなみに命の恩人で新たな体を提供してくれた【ミストバーン】に対して鎧の性能を知った途端早くも謀反を起こす気満々になったり、生みの親であるハドラーが敗れ棺桶で運ばれる様子を嘲笑ったりしていた。闇黒闘気で蘇生することを見越してだろうが、死んだら自身も消滅するのだが……
こんな感じでなかなかの問題児ぶりを見せてはいたが、主であるバーンに対する忠誠心は高く、ハドラーに対しても嘲笑いながらも顔は立てていた。仮にもこいつの生みの親兼上司なのだ。

残虐性 Edit

彼が任されていた【オーザム】王国を滅ぼした際、部下に家を燃やし、生き残った住民や家畜の皆殺しを命じ、人間がいた痕跡を文字通り「根絶やし」にした事からも分かるように、性格は残虐非道。
 
【パプニカ】三賢者の一人で女性でもある【マリン】を戦闘不能にしたあと、なおも彼女の顔を自身の炎半身の手で掴み、わざわざ顔を丸焼きにするという非常に鬼畜な行為も平然と行った。人間である【アポロ】の立場からすれば、非難したのも当然である。
彼の残虐非道さをよく表している行動と言えよう。
 
なお彼の残虐行為には個人的な趣向だけでなく敵の完全無力化の意味が見出だせる。
例えばオーザムは生き残りから、家畜、住み処まですべてを焼き付くした結果、作中に生存者が一切確認できず、終盤でもでろりん達が滅んで何もないから逆に安全と言っており、指導者に相当する人物がいるカールやリンガイアと違って明らかに復興の目処はまったく立っていない。
滅ぼされた国はいくつかあるが、再起不能な被害を与えたのは(本編前のアルキードを除けば)彼のみである。
またマリンの顔を焼いた事も足手まといを作ることで撤退を難しくする目的があると見れるのだが(殺すなら加熱を続けるか塔から投げ捨てればいい)、単に行動不能にするだけでなく「女性の顔を焼く」事でヘイトを買い冷静な判断ができない状況に追い込む策とも取れる。ダイに対しても既に掴んでいたポップを投げ捨ててレオナを人質に選択した上で「勇者はつれーよな!」と煽りあげて激昂させる事で撤退の選択肢を潰しており、戦場で男も女も関係ないという発言の一方で人間の考えを付いた心理戦にも長けている事が窺える。
勝つだけでなく反撃の芽を完璧に潰しておくやり方は、残虐性と勝利主義思想が合わさった彼ならではの、れっきとした戦略と言えよう。

冷静な判断力 Edit

…と、残虐かつ粗暴な所業がピックアップされがちだが、ダイに敗れ蘇生液に浸かるクロコダインの傷を見て「この傷をつけたのがまだガキだったとしたら、そいつはとんでもない化け物だ」と評価するなど、偏見を排して実力を冷静に判断する目を持ち合わせている。
自身の技の特性もよく理解しており、炎に耐えた相手に直ぐ様冷気をぶつけ、温度差で鎧を砕く芸当も見せた。

更に、ダイとの初戦時にその実力を目の当たりにし、まともにぶつかると不利と判断して禁呪法の一種である【氷炎結界呪法】を使用し、自分に有利な戦闘フィールドを作り出してから戦いに臨む等、確実に勝利を得るための徹底した狡猾・周到さも発揮していた。
 
加えてマァムが結界内からの撤退を提案した時には瞬時に状況を見極め、その場にいた【レオナ】氷漬けにして人質にする咄嗟の機転も見せている。
 
彼の思惑は当たり、煽られたこともあって唯でさえレオナを救う一心を燃やしていたダイはレオナを救うまでは死んでも撤退しないという精神状態に追い込まれ、他に負傷した仲間が居る事も忘れて我武者羅に立ち向かい消耗していき、マァムが彼を気絶させて強引に撤退させることで難を逃れた。冷静な戦略的撤退と魔弾丸の弾丸を暴発させて追撃を防いだ事を見て「かわいい顔してなかなかやる」と評価している。

氷炎結界呪法が破られ、ダイたちに加えてクロコダインやヒュンケルが寝返って向かってきたときには、切り札である【弾岩爆花散】の使用を決断している。
このとき、ダイが【空裂斬】を放った際、不発(実際は掠っていた)だったが警戒し、一気に止めを刺そうとするなど、要所要所での判断力は最後まで健在であった。
 
ただ、さすがに氷炎結界呪法の影響下では、圧倒的に有利な状況であるためか油断してしまった様であり、撤退手段となり得る【気球】を先に潰すか大技を連発していれば確実に勝負が決まっていた所を、あまり得意とは言えない体術のみで応戦し、この僅かな油断が上述した様にダイ一行に撤退の隙を与えてしまう事となった。

性格に関して Edit

前述のように彼は当時のハドラーの精神が反映されているため、名誉心や功名心に駆られて、大きな手柄に人一倍こだわる性格である。
その影響からレオナの命より手柄の劣るアポロとマリンを戦闘不能にすると、これを放置してレオナのみの命を奪おうとしたり、
その途中で現れたダイの方がレオナより手柄を立てられると判断するや否や、即座に彼女を無視して目標をダイに変えるなど、より大きな手柄となりうる相手へ優先的に襲い掛かる。
特にフレイザードの名誉と手柄に拘る性格を象徴するのが、大魔王バーンより下賜された【暴魔のメダル】。詳しくは該当ページに。
 
これらの性格はハドラーの精神によるものだけという訳ではなく、彼本人によると

「オレには歴史がねぇ。
ハドラー様がオレを作ってからまだ1年足らずしか経っていねぇ。
だからオレは手柄が欲しいんだ…。
例え100年生きようと1000年生きようと…手に入らねぇぐれぇの…手柄がなァッ!!!」

とのこと。

その割には20歳年長のヒュンケルを青二才とか小僧呼ばわりし、12歳年上のダイをクソガキ呼ばわりしているが、これはヒュンケルが人間でありながらバーンに重用されているのが気に入らないためだろう。一般的な人間が持つ「年齢」という概念が希薄な人工生命体でハドラーの精神がベースとなっている為でもあるだろうが。
実際、ヒュンケルがまだ魔王軍にいた時代、ダイ一行を単独で抹殺せよと言う、バーンの直命(実際に命令を下したのはハドラー)を知った時

「大体オレはヤツが人間の分際でオレと対等の立場にいること自体ハナから気に入らなかったんだ!!!」

と激昂していた。

ちなみにヒュンケルが気に入らないというのは、当時のハドラーも同じだった。
「勝利の瞬間の快感と、仲間の羨望の眼差しだけがオレの心を満たしてくれるんだ」とも言っており、言い換えればそれはとても強い劣等感の表れ。
 
更に勝つためには手段は選ばず、自他共にあらゆる犠牲すら厭わない。
切り札に加えて、術者の寿命を削る代わりに5発のメラゾーマを一挙に発射する【フィンガー・フレア・ボムズ】を躊躇なく使用する点からもうかがえる。
 

  • 過去の栄光を捨て、新たな勝利のために著しく生命力を消耗する行為に出る
  • その身が燃え尽きることを覚悟の上で、己の生命力そのものを使う最後の手段を使う
  • 過去の肉体すら捨てて強さを求める

…これらは全て後のハドラーに重なる行為で、ハドラーも超魔生物化した直後にバーンに謀反を起こす気になっていたりする(その時は瞬時に見抜かれ「器の違い」を痛感しすぐ思い留まったが)。
もしフレイザードが年輪と経験を重ね、己の持ち味を維持したまま、手柄以上の己の自我の軸になるものを持ちえていたとしたら…。
「生まれてまだ1年足らずで運が良かった」のは、純粋な戦闘能力に関してだけではあるまい。

末路 Edit

ダイ達との最終決戦において切り札である弾岩爆花散を繰り出し己の生命力を削りながらも追い詰めるが、ダイが放った空裂斬により核が破壊されて体が維持できなくなり、消滅の危機に陥ってしまう。
止むを得ず消滅を防ぐために体を分離するも、氷の半身をポップのベギラマにより消滅させられ絶体絶命のピンチに陥り、残った炎の半身もヒュンケルに粉々にされそうになる。
 
その時、突如として現れた【ミストバーン】に救援を要請したところ、新たな肉体としてヒュンケルの【鎧の魔剣】と同じ材質で作られた魔影軍団最強の鎧【デッド・アーマー】を提示される。
これに入れば事実上ミストバーンの部下になる事を意味し、一度は断るも勝利を得るためにフレイザードはそれを承諾。
ミストバーンにより暗黒闘気の一種「魔炎気」に変貌、その鎧をまとって「鎧武装(アーマード)フレイザード」へと生まれ変わる(ジャンプ掲載時はアーマーザード)。
ちなみに鎧に入る前は半身のみであったが、入った後は兜から両目を覗かせている。
その際に入ったのは自身のフレイムの部分のみなのか、取り残された溶岩魔人のボディがボロボロに崩れていくのは何か切ない。
性格に関しては、炎の半身のみになったからかテンションの高さが目立ち、一方で氷の特性であった冷徹な戦術眼は失われている。
 
鎧武装フレイザードになってからはパワーとスピードが上がり、タックル一発でポップとヒュンケルを戦闘不能に追い込み、クロコダインを力で圧倒するほどに強化された。
鎧の材質ゆえに呪文も一切受け付けず、魔炎気を纏った拳で殴りつける「爆炎(フレア)パンチ」をダイに一度は食らわせ、勝利を確信する。
しかし空の技を習得したダイに動きを完全に見切られて手も足も出ず、完成したアバンストラッシュを受け鎧共々粉砕され完全敗北。
目だけの状態で辛くも生き残りミストバーンに尚もチャンスを請うが、最早用済みといわんばかりに踏み潰され無様な最期を遂げた。
もっとも、鎧武装化した時に「いずれてめえの寝首も掻いてやる、こんだけすげぇボディをもらっちまえばもう用無しだ」などと目論んではいたので当然の末路なのだが。
 
自分の存在や価値を得るため手柄を欲し、数々の残虐非道な行いをやって来た「栄光に目が眩んだ男」の末路は、ダイの力を試す(能力を知る)ための試金石にされるという哀れなものであった。
 
なお、その最期を憐れんだポップは「破片集めて墓ぐらい作ってやっか…?」と提案するが、ヒュンケルは打ち捨てられた暴魔のメダルを示し「…いらんよ… あれがヤツの墓標だ…」と言って放置。
かくして彼の短い人生のピークであり破滅的な虚栄心を象徴する暴魔のメダルは、彼の墓標と化したのだった。
 
ところが後にバルジ島に【ピラァ・オブ・バーン】が投下されたため、その墓標すら跡形もなく吹っ飛んでしまったと思われる。だが、代わりにメダル以上に立派な魔界の超爆弾搭載の柱が新たな墓標になった(しかも設置したのは忠誠を誓うバーン)ともいえるので、それはそれでいいのかもしれない。

呪文・特技 Edit

見た目通り、【メラ系】【ヒャド系】呪文全種、及び炎・吹雪のブレス攻撃に加え、以下の必殺技を使いこなす。
 
【フィンガー・フレア・ボムズ】
【氷炎爆花散】
【氷炎結界呪法】
【弾岩爆花散】
 
なお、フレイザードは後に「生まれたてでレベルが低かった」とマトリフに評されていた。
実際、高度な呪文や様々な禁呪法を使いこなせる反面、「氷炎結界呪法で当時のダイの強さを5分の1にまで低下させたにも関わらずその後も一度腕を斬り落とされる」「氷系最上位の呪文であるマヒャドを放ってダイを凍結させようとしたが炎系最下位の呪文であるメラの魔法剣で防がれる」など、肉弾・魔法の両面であまりレベルそのものは高くないように思える描写も見られた。
ただし、後者に関しては、ヒュンケル戦でダイはメラの魔法剣でオリハルコンの次に強い金属で作られた鎧の魔剣を切り裂いており、メラの魔法剣は攻撃呪文のメラとは完全に別物と言える程強力であった可能性も考えられる。

補足 Edit

ダイ達と戦った時点で十分な強敵であったが、それでもマトリフに言わせれば「生まれてまだ1年足らずで運が良かった」らしい。
曰く、フレイザードが得意とする呪文は見ての通りメラ系とヒャド系であったが、
これらを同時に扱う発想を抱く程経験を積んでいたならば、【メドローア】を使う域にまで達していた可能性がある。
そうなっていたら当時のダイ達ではまず勝てなかっただろう。

物語の矛盾についての考察 Edit

呪法生命体は体内のいずこかにある核を破壊する、あるいは術者が死なない限り生き続けることが出来るという設定だが、何故かフレイザードの場合、途中でハドラーが戦死しているシーンがあったのにも関わらず生きているといった描写がなされている。
これの事について劇中、何の説明もなく、作者からも公式な発言や明言されている訳でもない。

  • ハドラーは2つの心臓を貫かれて完全に死んでいたが、ミストバーンが死体を迅速に回収し甦らせたため、フレイザードに影響が無かった
    フレイザードの核が破壊された後、すぐに消滅する訳でもなく、外的要因(ポップのベギラマで氷の半身が消滅)が無ければ致命傷にならなかったため、可能性は存在する。
    あるいは「死んでも強くなって復活する体」を与えられているため「死んでいない」扱いだったのだろう。
  • ハドラーに埋め込まれている黒の核晶が心臓の役割を果たしていたと後にバーンが語っていることから、核晶の力で辛うじて仮死状態でとどまっていた。
  • ハドラーを蘇らせた本来の主であるバーンが死んでいないのでフレイザードに影響がなかった。
  • 「禁呪法で生み出された生物は術者が死ねば同時に死ぬ」という設定は、ハドラー親衛騎団が登場してから後付されたものなので、この時点ではフレイザードに適用されなかった。

といったことが憶測されているが詳細は不明。

余談 Edit

「ダイ大」単行本17巻の背表紙にはフレイザードが退場して登場しなくなって久しい巻にも拘らずザボエラと一緒に彼が描かれている。
これは、ここまでの間の背表紙にはフレイザード以外の6団長が描かれているのに
(描き忘れてて)彼だけが居ないのは寂しいと思った作者の配慮で、急遽収録エピソードを無視して描かれたためである。
 
2016年1月発売のDQBは、フレイザードに成り立ちが似たとあるボスが登場する。

ゲーム作品では星ドラやスーパーライトのダイ大コラボで登場したが、鎧武装フレイザードは登場していない。