【838861枚】

Last-modified: 2024-01-01 (月) 17:28:46

DQ4

FC版のみで使える【カジノ】の裏技。
5章のカジノで【コイン】を838861枚買おうとすると、本来ならば1枚20ゴールドなので16,777,220Gもかかってしまうはずが、何とたったの4ゴールドで買えてしまう。
『月刊コロコロコミック』などの児童誌でも普通に紹介されていたため知名度は高い。『ファミコン通信』などのゲーム誌では数字が「●▲●●■★枚」などと伏せ字にされて紹介されていたが、数字を知らなくても当時学校などで友人から聞いて知ったという人も多いだろう。
 
【ファミコン奥義大全書】で「超ゴーカな賞品」と大々的に煽った【ブランカへの洞窟】で貰えるコイン100枚(2000G相当)など完全に屁のカッパ。この技を抜きにしても「超ゴーカ」は大げさすぎるのだが…。
5章開始早々に【はぐれメタルのたて】を手に入れたり、【ほしふるうでわ】を人数分揃えたり、【いのりのゆびわ】をいくらでも集められたりと、最早お得っていうレベルじゃないやりたい放題の裏技。
 
また、【まほうのせいすい】は22G、【ほほえみのつえ】は67Gと安いが転売可能なので、お金稼ぎにも使える。
【エンドール】周辺と言えどモンスターを狩っていた方が【経験値】も稼げるのでマシな水準だが、数百ゴールドが欲しい時には利用しやすい。
 
ものすごく当たり前の話ではあるが、以後、5章中盤までのゲームバランスはとんでもなく平易化する。
緊張感ある冒険を楽しみたい人は手を出すべきではない。
 
もっとも、【ホイミン】達のような一部キャラ以外は逐一コマンドを行う「ほぼ普通のドラクエ」を1~4章まで進めてきたところ、5章で仲間が増えるごとに一つも二つも足りなくなる【AI】による戦闘に苛まれたプレイヤー層にとって、垂涎の平易化だったのも実情の一端。中盤以降、上記アイテム群を活用してさえ手強い「壁」となる局面も存在し、「もしカジノのアイテムがなかったら」と子供心に覚えたプレイヤーも少なくなかったはず。
この技が急速に知れ渡ったのは当時のDQ4のネームバリューのみならず、実際の需要と非常にマッチしており重宝された側面も否めないだろう。

原因

実はこれ、6桁の16進数を用いたバグによるオーバーフローを利用しているものである。
FC版DQ4では扱えるゴールドの値が16,777,215まで。
これは16進数で6桁の上限になっている(「FFFFFF」になる)。
16,777,216は16進数で「1000000」と7桁なので、7桁目が切り捨てられて「000000」になり、「16,777,216ゴールド=0ゴールド」と判断されてしまうので、

  1. コイン838,861枚=16,777,220G
  2. 16,777,220G-16,777,216=4G
  3. コイン838,861枚=4G

という仕組みで買えてしまうわけだ。
838,861枚ぴったりでなくても、金額がオーバーフローを起こす枚数ならOK。
838,862枚なら24ゴールド、838,863枚なら44ゴールド、となる。
 
3章ではコインの単価が高いため、83,887枚でオーバーフローが開始するし(184ゴールド)、999,999枚までの間に何度もオーバーフローで0に戻って838,861枚だと40ゴールドになる。
ちなみに、この場合で最も安く買えるのは922,747枚を買う時である(なんと24ゴールドで済む)。
逆に2章では単価が安いために999,999枚でも16,777,216ゴールドに届かないので不可能。
 
FC版ではハードの性能の限界があったのでこういった現象が存在することはある程度仕方ないが、購入に必要なゴールドを冷静に考えると、一度に6桁を購入しようとするのが無理なのである。
所持金の上限が99,999ゴールドなので、2章ですら9,999枚までしか購入できない。
本作ではコインの所持上限が999,999枚なので、それをそのまま購入画面にも使ってしまったと思われる。
容量制限の厳しい時代だったので、このためだけに特別な処理を入れる余裕が無かったゆえの流用だったのかもしれない。
というのも、第2章のようにコイン1枚が10G程度であれば6桁でも不具合は起きないので、その前提で開発していた可能性がある。
そもそも前作の【格闘場】はゴールドを直接賭けていたのだから、そちらが念頭にあればコイン1枚=1ゴールドのようなイメージで開発されていたとしても不思議はないだろう。
完成後にゲームバランス調整のために数値データをいじくるのはよくある話なので、第3章と5章でのコインの単価が20ゴールド以上になったのは想定外だったのかもしれない。
いずれにせよ、オーバーフローの見落とし感は否めないが。
後からプレイすれば簡単に分かることでも、開発中はこうした初歩的な見落としが案外ありがちなのだ。
 
しかしこの裏技、原理については2進法と16進法について知っていればある程度見当がつくが、今と違ってネットも普及しておらず調べ物がずっと難しかった当時において、プログラムの知識がある人だけが気づいた裏技かというとそうでもない。
購入枚数を自由に入力できるならば、冷やかし感覚で限界まで入力するという行為は多くの人が一度は試してみるだろうが、その時に要求されるのは999,999×20=19,999,980ゴールドではなく3,222,764ゴールドであり、計算と実際に要求される金額に食い違いがあること自体は割とすぐ気付ける。
後は何枚かずつ枚数を変えて検証していけば、案外自力で838,861という数字に辿り着けてしまうのだ。
 
海外版ではこのプログラムミスは修正され、この裏技は使用できない。
また、FC版でも後期出荷ROMでは実行できないという説があるが、現物を所有している報告例がないため真偽は不明。

リメイク版

PS版以降ではこの裏技は使えなくなっている。
書籍『あるきかた』では、「どこから838,861枚という数字が飛び出したかは定かではないが、一説によるとこの枚数でのみ、非常に安い金額で買えるらしい。(中略)だがちょっと待て、そもそも10万枚以上のコインなんて買えないじゃないか!」と、若干嫌味めいた書き方で、PS版では不可能であることが紹介されている。
因みにハックを用いた場合この限りではなく、無理やり838,861枚購入すると普通にオーバーフローを起こす。
だがDQ8以降はハードの進化によってオーバーフローは起こらず、正常な値段を要求され買うことができなくなっている。
 
ちなみに、DS版以降の移民のカジノにはこの裏技に言及するがいる。
もちろんこの裏技はFC版以外では修正され使えないので、この台詞はスタッフの遊び心だろう。
ただしDS版では「838861枚を40Gで」と、何故か第3章で購入する時の値になっている。
スマホ版ではこれが改めて5章での値「4G」に変更されている。
(DS版以降では【ふくろ】が第1章から使えるようになり中味を引き継げるため、高額で売れるアイテムのドロップが容易な第3章でアイテムを集めまくり、第5章で【トルネコ】加入時にそれらを売却すれば膨大なゴールドが入手できるという新たなバランスブレイカーが生まれてしまっているが。)

DQ10オンライン

アストルティアキャラクターズファイル第1弾 リーネさんのセレブな日常第3話【輝く私のプレシャスデイズ】において、この数字が元ネタと思われる小ネタが登場した。