【住民】/ユビア・ウェナトラ

Last-modified: 2023-06-22 (木) 04:00:12

アルファベット表記:Iubia Venatora
人種:半血人種*1
性別:女
年齢:24歳(大陸歴1600年時点/大陸歴1576年生まれ)
属性:秩序にして善
職業・立場:秘境開拓組合本部 組織間調停部二支部長/特例秘境開拓者
活動時期:大陸歴1591年~
発案者:tocoma110
Tag: 住民 開拓の民 秘境開拓組合 秘境開拓者 発案:tocoma110


「何をいまさら。あなたはあなたの信を貫きなさい」
「売られた喧嘩は倍返し、淑女の心得でしょう?」

概要

秘境開拓組合の組織間調停部統括、アストリウス・ウェナトラの長女。
彼女自身も同部門の俄州綴州方面を中心とした折衝役として着任しており、支部を超えた規模を見る責任者でもある。
公正明大かつ大陸秘境開拓法を準拠する姿勢、また若干20代前半ながら挙げてきた功績から、次代を担う若手として期待を一身に受ける、才女。種族的美貌はもちろん、生物的にも均整の取れたフォルムなども相まって、幅広い層にファンを抱えるアイドル的存在にもなっている、稀有な人物として知られる。


また、開拓者としての技術・知識も備え、特例権限ではあるが金級相当の便宜的地位を持つ。

 

詳細

非常に評判のいい彼女であるが、本質的な彼女は負けず嫌いな野心家である。
若くして権謀術数の世界に入り込んだこともあり、そうした世界で戦うことに非常に肯定的。秘境開拓組合内でのし上がり、ゆくゆくは牛耳ろうと画策している程度には、強欲。
さらに、勝利するならば徹底的かつ明確な形を好み、そのためには強引・攻撃的な姿勢もいとわない面がある。故に、一部の人間からは明確に敵視されており、その人気と比例する形で内部に敵も多い。

  • 非常にプライドも高く、その姿勢は傲岸と言って差し支えない。
    敵が生まれることも面白がるような器の大きさにつながるとともに、それらを気にせぬ我の強さにも通じる。

だが、そのために卑劣な手段を用いることは好まない。
あくまで、優雅に気高く、抜け目なく。
「徹底的かつ明確な勝利」とは、筋を通し正当性を伴うことも条件に入っており、法的根拠などを蔑ろにしたやり方は許さない。どこへ出しても文句の出ない、完璧な形での勝利こそが彼女の理想となっている。
狡猾なやり口はとっても、それが違法・無法であることは許さない。
それは彼女自身が法の有用性・必要性を理解し、かつ自分が「その運営側にいる」ことに自覚的なことが大きい。家が負う責任を理解しているからこその、信条と言える。

  • そのため、同じく規範で縛り狡猾と名高いアナステルス商業連盟?とは、似て非なる手法をとっている。
    思想の差異が際立つが、一方でアナステルスの異端である“ラカトームの良心”ステラ嬢とは良好な協力関係を築いているのは、象徴的である。

上流社会のさらに上澄みにいるため、目も舌も超えている。
あらゆる面で一流を知ることから、物はもちろん人を見る目も確か。
必要な人材には糸目をつけずアプローチするため、顔も非常に広く、また良好な提携関係を良く築いている。属する秘境開拓組合は当然のこと、大陸同盟、また前述の通りアナステルス商業連盟や退獣士連盟、果ては華丹帝宮皇族や聖王庁?の重鎮ともコネクションを持つ。

  • 秘境開拓者ともつながりが強い。
    “地図職人”“氷天龍”?のような最上位開拓者はもちろん、“炎の鬣”?武ロウヴ?紅蓮葉のミルザなどの中堅開拓者とも仕事をしているほか、有望な新人にも目をつけている。
    • 特に赤い便利屋を重用していることは有名。
      彼女にしては珍しく荒い人遣いを隠さず、よその人間に使わせたがらないこともあり、まことしやかに噂が流れている。

素の彼女も自信にあふれ、聡明で、気高く、狡猾で、何より面倒見がいい。
大胆不敵な姿勢が強いことから窮地に陥ることもあるが、その才覚で巻き返す、良くも悪くもパワフルな人物。また守りよりも攻めを信条とし、気に入ったものへも気に入らないものへも、包み隠さぬ態度を見せる。
こと、身内と認めた相手にはその姿勢が顕著。

  • そのため、他人や物を出自のみで判断することはない。
    あくまで人格・能力・成果・品質などから見定めるため、そういった点もまた公平。また身内と言えど落ち度を無用に庇うこともなく、場合によってはより厳しく見ることも。
    こうした性格は、家に古くから残る星辰の女神への信仰が強く影響しているという。
    • そんな彼女だが、実は「陰より守る勇者」という類型に強い憧憬を持っている。
      これは「そうなりたい」という意味ではなく、「そういう在り様をする人間・物語に惹かれる」という憧れ。そのため、自室の本棚にはそうした英雄を描いた物語の本がいくつか眠っているのだとか。*2
  • また、夢見る乙女なロマンチズムへの理解もある。
    彼女は自立心と向上心溢れる淑女であるが、同時にそんな自分が「頼ってもいい」と思える存在に強く憧れてもいる。まあ、その基準は極めて厳しいのだが。

そんな彼女の隠された面

そんな彼女だが、実はさらに隠された裏の顔を持つ。

実は、秘境開拓組合の暗部組織である『夜の羽?』調査部門ともつながりを持つ、『対超古代文明災害対策部』の責任者の一人。
表の顔では政治領分を調整し、裏の顔では噴出してはならない秘境の暗黒面に対処する、開拓組合が対峙すべき光と闇の両課題と向き合ってる。


組織を牛耳ろうとする野心も、この仕事があればこそ。
知識のみならず実体験として超古代文明絡みの災害を経験しており、危険性については重々承知している。
加えて、それらを用いて世を乱そうとする何者かについても認識しており、彼らを明確な『敵』と設定して計画を立てている。

  • 同時に、秘境の有用性も理解している。
    必要とあらばリスクを呑むことも異論はないが、わかりきった被害を度外視することは彼女の性格にそぐわない。「そんなの、美しい勝利と言えまして?」という言葉が、彼女のスタンスを表している。

また、スドゥ・レウォールを重用するのも、同じ危機感を抱く相手故。
加えて、開拓者らしからぬ生真面目な性分も(いろいろな意味で)相性が良く、そういった面が彼女なりに高い評価につながっている。
基本は従順なれど意見することは厭わない、という彼の方針・態度も彼女は許容している。有する能力に対しての信頼あってこそではあるが、そういう彼の気質は得難いものと判断したからでもある。故に、他のエージェントには任せづらいような任務も、彼に任せているという。

  • 一方、スドゥの方からは「無茶ぶりが多い」というのがもっぱらの評。
    が、不満を聞いても、彼女は「あなたなら問題ないでしょう」と切って捨ててしまうとか。そもそも、断れないことも見越したうえでの発言でもある。
     
    そうした関係には、ある秘密がある。

    実は、スドゥの秘密を目撃し知っている数少ない人間の一人。
    後述の事件で窮地に陥った際、彼の力で切り抜けるのだが、そこで直接その秘密の開示を目にしてしまっているのだ。
    事件終息後、彼の秘密を口外しないことを条件に、彼を自分の管理下に置くことを強引に進めた。彼女にしては珍しい手口であるが、それは彼の得た能力の価値と危険性を理解するため。

    • もっとも、それだけが理由でもない。
      彼が秘密を晒してまで救ってくれたことの重さを、開拓組合の構成員故になおのこと理解していた。命を救うためにそれだけの信を見せてくれた相手を裏切るなど、彼女の気質では不可能。故に、自らの所有物とアピールする形で、周囲への牽制とカモフーラジュとしているのである。
      • また、純粋に一個人としても気に入っていることも、隠していない。
        何しろ、一介の開拓者風情に屋敷の一室をあてがっており、また公然の場で接する時の距離も雇用相手へのそれではない。前述の意見を許すのも、対等にありたいという願いがあってのこと。
        危険な任務を与えることも多いが、それは「どんなことでも任せられる」という信頼の裏返し。同時に、何かあれば真っ先に身を案じる。

 

外見

開拓の民として、非常に理想的なヴィジュアルを持つ美女。
緩やかに癖のある金髪に幾房か青いメッシュが入り、また毛先は薄い青に染まってる。その髪の下にある顔は端的に言って浮世離れした美貌であり、中でも暁色の瞳は宝石に形容される。
また白く抜ける肌は血色良く、引き締まりつつ出るべき箇所は出る均整の取れた体と相まり、健康的な美しさ・色香を引き立てる。
総じて、「美人」と言うほかない。


加えて、常に自信にあふれながらも気品を保った表情を浮かべることから、陽の魅力をこれでもかと発揮する。
彼女自身、そうした己の容姿に自覚的かつ、客観的な評価を下せており、それを有利な武器とみなして活用している。

  • プライベートでは表情豊かな人物でもあり、そうした点も魅力となっている。

背丈は開拓の民女性としては、やや高め。165は超えている。
体重は未発表。
服装は青をベースに選ぶことが多い。また、いざという時のため、動きやすくなる工夫を施した特注品を着ている。

 

来歴

名門・ウェナトラ家の長女として誕生し、18まで名門校に通い英才教育を受ける。

  • 基本的な人格要素はこの頃に形成されている。
    12歳頃までは順風満帆なお嬢様街道だったようだが、綴州の長期留学先である『オラクァル学院?』にて生涯のライバルとなる相手と出会ったことで一変。姦しい日々を過ごすこととなる。
    その中で無駄な競争に明け暮れたり、秘境犯罪組織に立ち向かったり、孤児を引き取ったり、失恋したりと、様々な経験を積んできた。

 
15の頃に父の以降で開拓組合にも所属、組合の業務と学生生活を両立。
時に華州畏州などの支部へも短期留学兼業務同伴を行なうなど、非常に密度の濃い時間を過ごすこととなる。
18で学院を卒業後は、本格的に開拓組合員として活動を開始する。

  • 当然ながら平からのスタートなどありえず、この時点ですでに支部長補佐という役職が用意されていた。

いきなりの支部長補佐スタートとなった彼女には、当然反発もあった。
しかし、その評価はすぐに風向きを変えることとなる。
彼女は上層の視点と共に現場の価値観へも理解を示し、時に自ら現場に赴き開拓行為にすら身を投じた。その上で不適格な指示はほとんど出さず、現場作業にも貢献、この手の縁故登用とは思えぬ確かな成果を評価され、その地位を着実に築き上げていく。

  • この時点で政敵を利用したり略取することも多かったが、それでもなお彼女は成果とその筋の通し方から外野を黙らせる力を持っていた。
     
    20歳を超える頃には補佐から支部長へと昇進、俄州・綴州近隣で注目の逸材となる。

しかし、21を迎える頃に彼女に危機が訪れる。
とある超古代文明世紀開拓中に起きた災害、『ベイベルの虚?』である。
様々な謀略が絡み合い起きたこの事件だが、その一部に彼女の暗殺をもくろむ勢力の陰があり、それに居合わせるよう仕組まれていたのだ。知らず策にはまっていた彼女は視察に訪れ、目覚めた災厄の前に命を失いかける。
 
が、居合わせた開拓者らの奮闘もあり、事件はどうにか終息、彼女も一命をとりとめる。
それにより秘境の持つ危険性と、秘境開拓組合が秘境・古代文明の取り扱いに慎重となる真の理由を、その身で実感。開拓組合のみならず、外部組織とも積極的な接触を図るようになり、また組織内での影響力拡大、改革を検討するようになる。

  • この際に自分を陥れようとした勢力を徹底的に排除しており、そこから「雌鬼狼(メ・ヴェアルグ)」のあだ名で呼ばれ始める。
    • また、この頃から特定の秘境開拓者を重用するようになる。

それより3年後、ピアサ災厄?を契機として、かねてより懸念していた対超古代文明遺産干渉秘密結社への対策を協力者らと宣言し、以降はそのための働きかけを行なうこととなる。
その懸念の通り、1600年代前半は人々のあずかり知らぬところで、怒涛の秘境災厄の世紀となっていく。数多の災厄を未然に防ぐ、あるいは小規模に押しとどめるため彼女は文字通り東奔西走。表の折衝部門の顔と共に様々な事案と対峙することとなり、大陸規模で活躍していくこととなる……

  • この活動は、彼女の死後も続いていく。

 

装備・保有する特殊な技術

文武両道を地で行く。
名門生まれ故に幼い頃から英才教育を受け、また学生時代から秘境開拓行為にも携わり、成人後は組織運営から調停まで執り行なってきた。その素養と努力は並大抵のものではなく、故に彼女と対立する者であっても、その実力だけは疑うことがなかった。
彼女自身、学ぶこと・鍛えることを好み貪欲。加えて地頭と要領の良さも相まって、図抜けた吸収速度で頭角を現していった。


語学に堪能で九大州の主要言語ならば、大抵最低限の読み書きと会話が可能。
母語はルティアン語ゼレル語、また留学経験からテラニー語も母語話者レベル。
華丹語イヴァリ語もある程度は活用出来る。当然、同盟共通語商業連盟語も完璧。
これにより、大半の国では通訳抜きで会話が可能という、非常に大きなアドバンテージを持つ。


留学経験がある通り、学力も最高水準。
家の都合から秘境に関する知識や組織運営・外交術などを重点的に学びつつ、それ以外の分野にも多数手を伸ばし、精素学?にも通じている。
彼女自身も精術士で、特に精素結晶を直に活用する特殊な精術?の使い手であり、その実力は実際の開拓行為でも十二分に通用するレベル。少なくとも、子女のたしなみと呼べるものではない。

  • 幼い頃より趣味で精光花に触れていたこともあり、センスは抜群。

指導者・リーダーとしての活躍は言わずもがな。
組織間調停、並びに各種秘境にまつわる出来事を取り扱うことから、そうした情報には常に敏。加えて、得た情報をもとに下す判断も早く、的確。熟考と即決の切り分けが非常に巧みで、そのセンスによって概ね的確なタイミングで必要な一手を打てる。
これは組織運営はもちろん、現場レベルでも同様。
どちらの環境でもきちんと判断を下せる才能は、やはり稀有なものと言えよう。

  • 幼少期からの教育と学生時代の波乱万丈が相まってもの、と考えられている。

また、そのストレートな人柄もあって、意外と人心掌握にも長けている。


その他、前述の通り開拓経験者。
学生時代のとあるきっかけから体を鍛え始め、徒手空拳武術も修める本格派。
運動能力も現役開拓者らに遜色なく、センスの面でもそのまま転向可能なほど。
どちらかと言えばリーダー・まとめ役を担うことが多いが、マルチに活躍が見込める。調査技術・精素関連の知識・戦闘術などいずれもバランスよく備えており、空いている穴を埋めるような立ち回りも可能。
とはいえ、大型種相手の戦いに余裕を見せられるほどの戦闘巧者ではなく、また探索技術においても最前線のプロらを凌駕する、とまでは言えない。
あくまで、組合支部員としては、というレベルである。

  • その点について、彼女は己を過大評価しない。
    過大評価の末に身を滅ぼしたものの姿も、彼女はまた幾度も見ているが故に。

天がいくつものを与えたかわからない彼女であるが、いわゆる『炊事洗濯』の類はからっきし。
これは彼女がそもそも「そうしたことを自らしない」立場にあるため。
そのため本来はさして気にすることではないのだが、子飼いの開拓者の不用意な発言に反応して以降は、ひっそりと訓練中。自信のある料理は具材多めの煮込み料理。根気と材料があればなんとかなる戦いは得意。


【装備・持ち物】

  • 特別製手甲
    護身用に執事に持たせている、特別な手甲。
    なめらかに蛇腹で構成された装甲に覆われ、細やかに動き、かつ全体を守る優れもの。打撃武器として用いても簡単に歪まないなど、材質もこだわっている。
    支部長の座についてからはほとんど使わないが、それでも警戒は怠らず、常に持ち歩いている。
  • 宝剣リクウィット
    家に代々伝わるという、赤みを帯びた金色の刀身を持つ波音剣
    彼女の用いる晶精術に関連した機構を持ち、最大限の精術行使の際に利用する。
    頑丈かつ磨き抜かれているため刀剣としても使えるが、本来は二次的な用法である。
  • 宝杖ルクセトテネブレ
    天秤を彷彿とさせる異質な波音杖
    精具としての機能も備え、即興単発波音では強力な精術霧散領域を一瞬展開し、波音杖としては調律と精術無効に特に優れた性能を発揮する。
    それ以外にも精場を測る機能も備えるなど、極めて多彩な機能を持つ一品。故に、取り扱いには熟知とセンスが求められる。

【特殊技能】

  • 対人格闘術
    主に組み合い投げるようなタイプの技を主体としたもの。
    彼女は関節技よりも投げ技を好んでいる様子。腕前自体は対人戦に限れば本職顔負け。一方で精武術としては修めていないため、大型動物などとの戦闘にはいささか不向き。まあ、ドロップキックとかすればいいのだが。
    得意技はバックドロップ。
  • 晶精術?
    遠距離戦・大型種相手にはこちらを用いる。
    いわゆる精華術形式で用いることもなくはないが、どちらかと言えば基礎形式に則った即射型が主体。

 

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相談コメント欄


*1 開拓の民藍藻の民と語るが、仔細は不詳。
*2 その都合上、信仰していないにもかかわらず、光の国信仰の話題に詳しい。