・精霊
進行内容
事情を伺っている間に、
再びナイリーヌが家を抜け出してしまった。
いま彼女が持つという奇石。
その石が此度の奇行の原因なのだろうか……?
急ぎ、森を探そう。
かなり奥地にいるかもしれない。
- 東アドゥリンのDoor: Boarding Houseを調べる。
いったい、どうしてこんなことに。
Cassard : おやおや、
穢れ祓いに失敗しておきながら、
まだ似たようなことを言いますかな?
Cassard : これは
禁じられた開拓を進めたための森の呪いです。
間違いない。
Ingrid : 呪いにかかったのが
開拓を進めたため、という点は同意しますが、
原因は全く違いますね。
Ingrid : まったく何を診ているのやら……。
これは、我々の開拓を邪魔しようと企む
邪悪の陰謀に違いない。
Ingrid : わたしの見立てでは、
魔女の呪い、かと。
Cassard : はっ! 魔女だと?
災いを振り撒くために魔法を使う輩のことか?
そんなものがどこにいる?
Ingrid : いるではないですか。
我々もよく知っているはず。
Ingrid : 俗世に恨みを抱き、事あるごとに
悪意によって我らに災いをなそうとする輩……。
ウルブカのお邪魔虫な虫けらたちがいるでしょう?
Cassard : まさか、
そなたは、この件をあの者たちの仕業だと?
ハッ! ばかばかしい!
Cassard : あなたたちエクソシストは、
あの者らにいつもいいように
引っ掻き回されているから、
そんな妄想を抱くのだ!
Ingrid : 聞き捨てなりませんね。
Ingrid : エクソシストを
馬鹿にするということは、我らが長、
ヴォルティミア様をないがしろにする
ということですが、それでよろしいか?
Arciela : またこんなところで諍いを……
そんな場合じゃないのに……。
アシェラをなだめる
黙らせようか?
Arciela : ううん、ダメ。
それじゃあ、火に油。収拾がつかなくなっちゃう。
わたしたちは冷静にならなきゃ。
Arciela : でも、こんな諍い、
黙って見ていられない。
止めなきゃ、[Your Name]!
Cassard : な、なんだね、君は!
Ingrid : また、
あなたなの……中の国の冒険者。
それと……アシェラ姫……。
Arciela : お願いですから、
無益な諍いはやめてください。
いったい、これはどういうことなのですか?
Ingrid : どうもこうもないわ。
この一件は、呪いよ。
Arciela : ちょ、ちょっと待ってください。
その前に、ポリミオさんに話を聞かないと。
Arciela : あの……
娘さんのナイリーヌさんに何が起こったのですか?
詳しく教えていただけませんか。
Pollimio : あ、は、はい。
といっても、わたしどもにも
何がどうなっているのやら。
Pollimio : PCK.ワークスで
お話しした通りなのですが、
ここ最近の娘の行動がおかしいのです。
Pollimio : 夜な夜な外を徘徊したがり、
放っておくと街の外にまで出ていこうとする。
まるで何かに操られているかのようなのです。
Ingrid : だから、呪いだと言っている。
Cassard : 然り。何度も言わせるな。
Pollimio : す、すみません……。
Arciela : あの……。
ちょっと待ってください。
続きをお願いします。
Pollimio : これ以上のことは……。
Pollimio : 最近では、話しかけても、
とにかく1日中ぼうっとしているような感じで。
Pollimio : 時折、誰もいないほうに向かって、
聞いたこともない言葉で話しだしたり。
夜中に起き上がってはどこかに行こうとしたりと……。
そんな感じなのです。
Pollimio : 今回は、
うっかりわたしどもが目を離した隙に、
家どころか街の外まで出ようとしたみたいで……
Pollimio : ビバック駐在の方が
連れて帰ってくれなければどうなっていたか……。
Arciela : ナイリーヌさんは?
Pollimio : 今は隣で寝ております。
Arciela : そうですか……。
Arciela : それで……
あなたたちは、ナイリーヌさんは呪いにかかっている、
というのですね?
Arciela : そして、イングリッドさんは
何か心当たりがあるようでしたが……。
Ingrid : ええ。
この呪いには、覚えがある。
Ingrid : 中の国を旅していて
知ったことですが……。悪霊に呪いをかけられ、
日毎夜毎に街をさ迷う人間の話があるのです。
Ingrid : その証拠に、彼の地では、
毎年、悪霊たちに扮した人間の後を
ふらふらと追ったあげく、
お菓子を巻き上げられるという風習がある。
Ingrid : あれは、
過去に実際にあった事件が
もとになっているのだと思うわ。
Cassard : なんと奇妙な風習が。
なぜ悪霊に菓子をふるまう必要があるのだ。
Ingrid : あれは、
悪霊に魅入られて魂が穢れた人間から、
悪霊を祓う儀式が祭事化したもの……。
Cassard : うぬぅ、そのようなことが……。
Ingrid : ま、冗談ですけどね。
Cassard : なに!?
Ingrid : カサル殿、もう少し
お勉強なさったほうがよろしいかと。
Ingrid : わたしはウルブカの外の世界も
充分に見聞してきているのですよ。
Ingrid : 近年、中の国では
いにしえの魔女との交霊に成功しました。
ご存じ?
Cassard : 闇百合の……魔女?
Ingrid : その名前くらいは知っているようね。
さすがに蝶騎士家でも、
一目置かれているだけはあるわ。
Ingrid : じゃあ……。
森に潜んでいるあの者らが、
闇百合の後継者と噂されてる件は?
Cassard : ……信じられんことだ。
Pollimio : あの者ら……
複数なのですか、その者たちは?
Ingrid : そう。
この事件……間違いなく魔女による呪いです。
ブラックソーン団によるものかと……。
Pollimio : ブラックソーン団……。
Ingrid : あの者らは、
常に三人一組で行動する魔女たちだと
言われているのですが……。
Ingrid : 過去にも、何度も
ウルブカの東の地で謎めいた実験を繰り返し、
開拓の邪魔をしてきました。
Ingrid : 我々エクソシストたちの
追っ手を振り切り、森の奥へと逃げ延びては、
また現れて厄介ごとを引き起こすという……
まさに「災厄の魔女」。
Ingrid : あなたの娘は、
その魔女たちに呪いをかけられたのです!
Arciela : それは違います!
Arciela : 違う……と思います。
Arciela : 確かに彼女らは
災厄の魔女と呼ばれていますが、
そのような恐ろしいことを
する人たちではありません。
Arciela : それに……。
ナイリーヌさんの件については、
こちらにいる[Your Name]さんが
情報を得ています。
Arciela : ですよね?
話してもらえますか。
Cassard : ほう?
森の精霊の仕業かもしれないと説明する
え、なんのこと?
Arciela : ……知ってますよね?
いまは、とぼけてる場合じゃないの。
お願いだから、知ってることを説明して。
Arciela : そうか、精霊に呼ばれて……。
ということは……。
Cassard : いやいやまさか、
アシェラ殿までこんなたわごとを信じなさるか。
そもそも、根拠はなんだね?
Arciela : ……根拠はあると思います。
Arciela : 実は……。
入ったときから気づいていたのですが……。
この家の中には精霊の気配があります。
Arciela : 残り香みたいなものを……
かすかに感じるのです。わたしは、彼らとは
何度かの付き合いがありますから。
Arciela : 詳しく調べてみないと
確かなことは言えませんが、わたしは、
[Your Name]の言うような
可能性もあると思っています。
Cassard : ハッ! 話になりませんな。
よりによって精霊の残り香などと。
これは、森の呪いですぞ!
Cassard : ポリミオ殿は、
開拓推進派の中でも重鎮。
ゆえに、必要なのは、森の怒りを鎮めること。
Cassard : わたしはこれより
ウェーザースプーン家の屋敷へ戻り、
祈祷の手配をする心積もりですぞ。
Cassard : ポリミオ殿。
我々にお任せを。
イルドベール様も賛成してくださるでしょう。
Cassard : ですから、
娘さんの呪いを解いた際には、
ぜひ我らの言葉を真摯にお聞きくださるよう……。
Ingrid : 呪いを解ければ……ね。
無理だと思うけど。
Cassard : ……ふん。言っておるがよい。
小娘どもの戯言には付き合ってられんわ。
Cassard : 待ってるがよい。
わたしの言い分が正しいことを証明してみせよう。
Ingrid : 無駄なことを。
たかが祈祷なぞで、魔女の呪いを
解くことができるものか。
Ingrid : 呪いを解く方法は唯一つ。
災厄の魔女たちを討伐すること!
Ingrid : いい、待ってなさい。
わたしは、ヴォルティミア様と
魔女の討伐計画を練るつもり。
Ingrid : ウルブカのお邪魔虫たちを
今度こそ根絶してやるわ!
それで、この事件は解決する!
Pollimio : なんということだ……。
いったい、わたしは誰の言うことを
信じればいいのか……。
Arciela : [Your Name]……
ロスレーシャの実に何か反応はある?
ロスレーシャの実は何も反応がない……。
Arciela : ということは、
この件にリフキンたちは関係ないってことだよね。
Arciela : じゃあ……
カサルさんの推測は間違い……かな。
森の呪いだったら、きっと何か反応あるはず。
Arciela : わたしは、
災厄の魔女たちも関係ないって思ってるから。
これって、やっぱり
[Your Name]の言うように……。
Pollimio : アシェラさま……
あの……娘を、どうか……。
Arciela : もちろんです。
それで、ひとつ確かめたいことが
あるんですけど……。
Arciela : ポリミオさん。
この部屋の中には、
ひと際強く精霊の気配を感じます。
Arciela : 何か、
最近新しく増えたモノってありますか?
例えば……ウルブカの森から
持ち帰ったような物とか。
Pollimio : と、言われましても。
開拓を推進する立場とはいえ、わたし自身が
森に行ったことがあるわけではないですから……。
Pollimio : ううむ……そういえば。
少し前に、マーケットで
「奇石」をひとつ手にいれましたな。
Pollimio : ウルブカの奥で採掘されたもの、
という触れ込みでして。わたしの知るかぎり、
どんな宝石にも似てはいませんで。
Pollimio : 奇妙な形をしていて、
手のひらに余るほど大きく、赤いのに覗くと
まるで太陽のように黄色く輝いておりました。
Pollimio : 高い宝石には
あまり興味がないのですが、
珍しい岩とか奇妙な形をした木の枝や根とかを
集めるのが趣味でしてね。
Pollimio : 商売をしておりますと、
そういった珍しい品には
ついつい目が行くのですよ。
Pollimio : このような趣味は、
商人には多いのではないですかねぇ。
奇石、奇岩、奇木の類を集めるような。
Pollimio : あの岩も、大昔なら、
神秘的な何かが宿ったものとして
奉られそうな感じのものでしたな。
Pollimio : まるで
造化の神が作りたもうたような……。
っと、神の名を出すのは、些か不謹慎ですかね……。
Pollimio : そういえば……。
娘が欲しいというので譲りましたが。
今、思えば、娘がおかしくなったのは、
ちょうどその頃からだったような……。
Arciela : やはり……。
それで、ナイリーヌさんにも
直接お会いしてみたいのですが。
Pollimio : わ、わかりました。
娘の寝室は、この隣の部屋になります。
Yanestra : あなた! またあの子が!
Pollimio : 抜け出したか!
Yanestra : 今見たら、
部屋の窓が開いていて……
あの子の姿がどこにも……。
Pollimio : くっ。しまった!
すぐに捜さねば……!
Arciela : [Your Name]、
わたしたちも捜しに!
Arciela : [Your Name]、
どこを捜したらいいかな。
街から出た先の森
街の中
タンスの中
Arciela : もう、ふざけないで!
Arciela : ひょっとして、
追いつけるって思ってる?
Arciela : そうだね、急ごう!
Arciela : [Your Name]、
たぶん……あの子たち……
精霊にナイリーヌさんが悪いことをされる
ことはないと思う。
Arciela : でも、もし、
森の中に入ってしまったら危ない。
Arciela : ポリミオさん、
街の中を捜すのはお願いします。
わたしたちは森への出口のほうに
向かってみますから。
Arciela : 奥さんは、
ここで動かないで待っていてください。
何かあったら連絡を入れます。
Yanestra : は、はい。
Pollimio : わ、わかりました。
あたってみましたが、娘の姿はどこにも……。
ひょっとして、森に出てしまったんでしょうか。
Pollimio : ああ、ナイリーヌ……。