- 埼玉西武ライオンズ、および同球団に所属していた頃の秋山翔吾(西武→MLB→広島)のこと。
- 横浜DeNAベイスターズ、およびその本拠地球場・横浜スタジアムのこと。
- 石毛博史(元巨人→近鉄→阪神)の自称。
1.の概要
西武は2000年後半から何故か眼前で優勝されるジンクスを抱えており、日本一になった2008年以降の10年間で対戦相手が優勝を決めた回数は実に6回に上っていた*1*2。このことから「優勝請負人」になぞらえて「優勝見届け人」「優勝見届け球団」などと呼ばれていた。
2011年に入団し1年目から一軍に定着した秋山も時期が被っていたため優勝を見届けてきたが、どちらかと言えば「チーム全体が優勝を見届けている」という風潮が強く、2017年レギュラーシーズン終了までは「優勝見届け人」と言えば西武を指していたが……
- 2017年
同年のCSセカンドステージ・福岡ソフトバンクホークス対東北楽天ゴールデンイーグルスの第5戦では、テレビ中継のゲスト解説に秋山が登場。ソフトバンクが3勝2敗(アドバンテージ含む)で王手を掛けた試合は秋の風物詩のジンクスを破って7-0で勝利、秋山はリーグ戦に続いて2度目の胴上げを見届けることになってしまった。
さらに追い討ちをかけるように、TVQ・結城亮二アナウンサーが秋山に優勝経験のないことやレギュラーシーズンも優勝を見届けた感想などを聞くぐう畜ぶりを発揮。これには秋山も「目の前で胴上げを2回も見たのは僕ぐらいだと思いますので」と上手く切り返していた。
この一連の流れはなんJでも受け「こいついつも胴上げ見てんな」「日シリ4~7戦のゲスト解説決定」などのレスが飛び交い、今度は秋山自身が「優勝見届け人」と呼ばれるようになったのである。
- 2018年
西武が山賊の活躍で開幕8連勝とスタートダッシュに成功するとシーズン通して首位をキープ、9月17日には2位ソフトバンクとの3連戦で3連勝しマジック11点灯。30日の日本ハム戦で敗れるもソフトバンクも敗れ、10年ぶり22度目のリーグ優勝を達成。
しかしクライマックスシリーズファイナルステージのソフトバンク戦では、投手陣が5戦44失点の大崩壊を起こしシリーズ敗退、2年連続メットライフドームでホークスの優勝胴上げを見届けることとなってしまった。
秋山も20打数3安打と低調で「優勝見届け人」っぷりを発揮することとなってしまった*3。
- 2019年
山賊は浅村栄斗が楽天にFA移籍するも、変わらぬ破壊力で後半戦から貧打に苦しんだソフトバンクを猛追。9月15日にマジックを点灯させるとそこからは首位をキープし9月24日のロッテ戦に勝利してリーグ連覇を決めた。
秋山は3年連続4回目の最多安打タイトル獲得となるシーズン179安打を放ちリーグ連覇に貢献。この試合でもダメ押しとなる走者一掃のタイムリーと押し出しでようやく勝って自らの優勝を見届けることができた。よかったね、おめでとう。
しかし前年のリベンジを期したクライマックスシリーズファイナルステージのソフトバンク戦、またもや先発中継ぎ問わず出てくる投手が軒並み打たれ、4試合全て2桁安打を浴び55被安打32失点と大崩壊。ソフトバンクに4タテされ、3年連続メットライフドームでホークスの優勝胴上げを見届ける事となった。
一方、秋山本人は.278とそれなりに活躍した。
シーズン終了後、秋山はプレミア12日本代表に選ばれるが直前の強化試合・カナダ戦で死球を受けた結果、右足薬指を骨折し無念の出場辞退となってしまった。
しかし秋山はプレミア12の日本戦をほぼ全試合球場に訪れて観戦し、日本優勝の瞬間も球場で見届けた。
阻止した事例
- 2022年
10月1日、2位オリックスと熾烈な優勝争いを繰り広げながらも、優勝マジック1にまでこぎ着けたソフトバンクと対決。1点リードの9回表にクローザー・増田達至が柳田にソロホームランを打たれ、延長戦に突入。仮に同点のまま延長12回裏が終了した場合でもソフトバンクの優勝決定という状況下で迎えた11回裏、山川穂高が自身初のサヨナラホームランを放ち見事胴上げを阻止した。そして…
2.の概要
平成以降西武と同率タイの優勝見届けとなっているDeNA(横浜時代含む)。特に2017年以降はなんと6年連続で狙ったかのように優勝が懸かった試合に当たり*7、6年間で対戦相手が優勝を決めた回数は実に3回に上り、西武の跡を継ぎ2代目「優勝見届け人」「優勝見届け球団」の地位を不動のものとした。
- 2019年
首位・巨人との横浜スタジアムでの直接対決2連戦に連敗し、目の前で胴上げを見届けた。
- 2021年
ヤクルトとの最終カードとなった10月26日に敗戦し2年ぶりに胴上げを見届ける。なお2021年には横浜スタジアムが東京オリンピックの会場になっており、ソフトボール、野球の両方で日本代表が優勝したため、横浜スタジアムは胴上げを3回見届けることになった。
- 2022年
首位・ヤクルトとの神宮球場での直接対決3連戦となる。初戦は勝利こそしたものの、大勝かと思われた矢先の9回裏にヤクルト打線を完全に起こしてしまい猛反撃を受け、これが影響したのか翌日は大敗。三戦目は今永昇太・小川泰弘のエース同士による熱い投手戦となり9回表までスコアボードに0を並べるも、三番手として登板したエドウィン・エスコバーがヤクルトのルーキー・丸山和郁に適時打を許し惜敗*8。2年連続で胴上げを見届けた。
- 2024年
この年は下記の通り巨人のリーグ優勝見届けを回避しているが、ペナントは3位に終わる。しかしながら、2位阪神と首位巨人を倒して下剋上でCSを突破、2017年以来7年ぶりに日本シリーズに進出。
その勢いのまま、横浜スタジアムで迎えた第6戦でソフトバンクを撃破。遂にDeNA自身の下剋上日本一を見届けた。よかったね、おめでとう。
2017年以降の優勝が懸かった試合
勝敗はDeNAのもの。
年度 | 優勝 チーム | 優勝 決定 球場 | 勝敗 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2017 | 広島 (M5) | 甲子園 | ○●● | 9月12日~14日のマツダ3連戦。初戦を取ってなんとか回避した。 仮に初戦を勝てず3タテを食らっていれば優勝見届けとなっていた*9。 |
2017 日シリ | ソフトバンク | ヤフオクドーム | ●●(● ○○)● *10 | CSで勝利後に日本一見届け(11月4日、サヨナラ負け) |
2018 | 広島 (M2) | マツダ | ●○○ | 9月23日~25日のマツダ3連戦。M2で初戦を迎えたため、優勝見届け回避にはマジック対象のヤクルト含めて双方の3連戦6試合中1敗しか許されないという昨年を遥かに超える絶望的な状況に追い込まれながらも、2勝1敗かつマジック対象の2位ヤクルトが3連勝したことでM1で耐えきり奇跡的に回避*11*12。 |
2019 | 巨人 (M4) | 横浜 | ●● | 優勝見届け(9月21日) |
2020 | 巨人 (M3) | 東京ドーム | ○○○ | 一度でも敗れれば優勝見届けという状況に追い込まれたものの、10月27日~29日の横浜3連戦で3タテを食らわせて回避した*13。 |
2021 | ヤクルト (M2) | 横浜 | ● | 優勝見届け(10月26日) |
2022 | ヤクルト (M4) | 神宮 | ○●● | 優勝見届け(9月25日、サヨナラ負け*14) |
2023 | 阪神 (M5) | 甲子園 | ●●○ | DeNAは阪神の優勝が決定した9月14日に中日との試合が横浜で組まれており、回避した*15。 |
2024 | 巨人 (M1) | マツダ | - | 優勝決定が9月28日までもつれ込んだため試合が変則日程となっており、DeNAは当日の試合が無かったため2年連続で回避した*16。 |
2024 日シリ | DeNA | 横浜 | ●●(○ ○○)○ *17 | DeNA自身の日本一見届け(11月3日) |
3.の概要
石毛は1988年ドラフト外で市立銚子高から巨人に入団。巨人時代は豪速球とフォークを武器に頭角を現し抑えとして活躍するが、後年の澤村拓一と似たタイプで「石毛劇場」と呼ばれた。1993年から2年連続で最多セーブを記録*18、1994年には優勝にも貢献した。
しかし元々肘とコントロールが悪かったことからその後は成績を落とし、1996年オフに石井浩郎の年俸調停問題の煽りを受け近鉄へ放出*19。
2002年オフに阪神へ移籍すると中継ぎとして復活しチームはリーグ優勝。2年前に近鉄がリーグ優勝した記憶が新しい中、巨人の抑えとして活躍した石毛が阪神で再度優勝の美酒を味わったことからマスコミが「優勝請負人」と呼んだのに対し、“自分は決して優勝に貢献した訳では無い”という自虐込みの返し*20で「優勝見届け人」と自称したのが由来である。