雨のち晴れ

管理官：
あ、あの…………
ミゼ：
…なに？？
管理官：
いや、別に。
ミゼ：
何よ？用事があるなら言いなさい。私ってそんなにキツく見える？
あなたはここのリーダーじゃない。
モジモジしちゃってどうしたの？
管理官：
あ、いや………
ミゼ：
そう…お前はキツい。全身真っ黒いヤツは消えろ。
目障りなんだ、そう言いたいの？
ミゼ：
それともプライドが高くってあなたたちみたいな凡人なんて
眼中にない、とか？
ほら、どう思ってるか言ってみなさいよ？
管理官：
ううう………
ミゼ：
あぁ………もう無理かも………
…お前…そこ動くな…
管理官：
(このままではヤバい。ひとまず避けるとしよう。)

ミゼ：
フン～フフフン～♪フン～フフフン～♪
ミゼ：
あら何、どうしたの？そんなにオドオドしちゃって？
管理官：
あっ………こないだのこと………
ミゼ：
ああ………あれね………謝っておかないとね。
ちょうど私の発作の時間に訪ねてきたってわけ。
毎日最低1回はああなるの。
管理官：
発作？
ミゼ：
そうよ。抑えきれない怒りが毎日最低1回は爆発するの。
だから、こないだは突然ぶちキレたってわけ。ごめんね。
ミゼ：
でも、あなたはリーダーなんだから。
わたしにビビってたら務まらないぞ？
気合入なさいよ？
ミゼ：
必死で自分の怒りを克服しようとしてる私みたいに、
あなたも必死でリーダーらしくならないとね？
悪いことは言わないから、私の言うことは聞いときなさい。

ミゼ：
ふふっ………のぞき見なんていい趣味じゃない。
リーダーのくせにいいの？ふふっ♥
管理官：
珍しく笑顔だったんで、思わず足が向いてしまって。
ミゼ：
ちょっと、人を鬼みたいに言わないでよ。さすがの私だって傷つくわ。
キレさえしなければ、私もおしとやかな美人でいられる自信はあるわ。
ミゼ：
ほら、このネコかわいいでしょ？このネコを見ると、
賭けで勝って手に入れたイジられキャラの店員を思い出すわ…
あの子、どうしてるのかしらね…
ミゼ：
チャンスがあったら、もう一度あの子の頭をなでてみたいものねえ………
それとあのかわいいしっぽ！もうたまんない………ふふっ…ふふふふふふっ♥
管理官：
どんな人だったの？
ミゼ：
さっき話したとおり、かわいい頭としっぽがあったわ。
今思うと少しかわいそうなだったかも。あの頃は情緒を今ほど抑えきれなくて、
いつも苦労をかけてたし。今は何だか謝りたい気分ね。
管理官：
えっ？今は情緒が抑えきれてると………
ミゼ：
……あ？
管理官：
いや、別に！
ミゼ：
ヤバい………
このネコを連れて早く逃げなさい！
管理官：
どうしたの？
ミゼ：
………また爆発しそう………
いいからとっとと逃げろっていってんでしょ、このバカ！
管理官：
(情緒のコントロールはどうなってんの………)

ミゼ：
………………
管理官：
どうしたの？
ミゼ：
私たちの約束、まだ覚えてる？
管理官：
約束？
ミゼ：
私をしっかり喜ばせてくれたら、仲間になってあげるって言ったでしょ？
管理官：
そんなこともあった…かな……
ミゼ：
じゃ、私は何で今までここで退屈にしてるの？
私をしっかり喜ばせてくれるんじゃなかったの？
ミゼ：
いいわ。あなたに期待するより自分で楽しみを探した方が早いし。
街で大きなイベントを開くっていうのはどう？
ミゼ：
私を怒らせずに喜ばすお笑いグランプリとか、
私が審査員を務める料理コンクールとか、
ミゼ姉さまのミスコンテストとか………
管理官：
それなんてイベント！？
ミゼ：
ミゼ姉さまの女王即位記念式典♥

ミゼ：
あら………あなたね。さっき天使たちに聞いたの。
この帽子、どうやらオムニで過去の姿に戻せないみたい………
管理官：
これは………？
ミゼ：
私の好きなかわいい女の子のことを話したのを覚えてる？
記憶が確かなら、これはあの子の帽子………
ミゼ：
私はこんなにうまく呼び覚ましてもらったのに、
この子ったら………はぁ、がっかりしちゃうわ。
もう一度あの子に会ってみたいなあ。
管理官：
ずいぶん大切な人のようだけど。
ミゼ：
そうよ。あの子のいない世界はかなりつまらないと感じることがあるの。
私はね、あの子の頭をなでて、しっぽをいじるのが大好きなの。
機嫌のいい時には食べ物をあげたりしてたわ………
管理官：
そんなに大切な人がペットじゃないのは確かなの？