騎士の誇り

ラグナ：
のぞきか？

プレイヤー：
何でそんな…たまたまだよ…

ラグナ：
用がないなら目の前をウロつくな。ムカムカする。

プレイヤー：
そう。そりゃ失礼。では。

ラグナ：
それだけか？それでも管理官か？
プライドってもんがないのか？

プレイヤー：
目障りなのか残ってほしいのか、どっちか選んでくれよ………

ラグナ：
フッ。そばで私の魚釣りを見てるがいいさ。

プレイヤー：
よし。

ラグナ：
………………

プレイヤー：
………………

ラグナ：
何かしゃべれ！？

プレイヤー：
ええっ？こっちから話すの？

ラグナ：
フン。管理官のくせに部下を思いやることもできないのか？
私はかまわないぞ。そうやって部下に冷たい思いをさせてるなんて
ひどい行為だと思わないのか？

プレイヤー：
ずいぶんと気にかけてほしいみたいな感じがするんだけど。

ラグナ：
違う！そんなことはない！
フッ。管理官としてすべきことを教えてやったまでのこと。

プレイヤー：
はいはい………

プレイヤー：
ほんとに釣りが好きだねえ。過去に身につけた特技なの？

ラグナ：
フッ。それがどうした？

プレイヤー：
うわ…ほんとに付き合いにくいなあ…

ラグナ：
そうさ。私はこういう人間なんだ。何か文句あるか？

プレイヤー：
まあいい。けど、過去にはどんな人間だったの？

ラグナ：
フッ。別に何も。しがない騎士だ。
教会の指揮のもと、あらゆる邪悪を討伐していたのさ。

プレイヤー：
ずいぶんカッコいい職業だなあ。

ラグナ：
フッ。そうか？だが、記憶を失って何も思い出せないんだ。
何のために戦い、誰のために戦ったのか。さっぱりきれいにな…
1つだけ覚えてるのは、自分が正義を貫く騎士だった、ってことくらいだ…
とにかく何も思い出せないけど、かまわんさ。
今の暮らしには特に不満もないからな。

プレイヤー：
その紙切れは？

ラグナ：
フッ。お前か…ここでこれが見つかるとは思いもしなかった。
これは我々騎士団の指針となる聖典だ。
聖典に触れれば、記憶がたちまちよみがえる…不思議だろう。
過去…あの邪悪を討伐し続けた過去が頭に流れ込んでくる…
だが、騎士団になる前の記憶は失われた。
何かの罪を背負っていたようだが、まるで思い出せない。

プレイヤー：
罪？

ラグナ：
騎士団とは罪人から構成される組織。
自分の罪を洗い清め、命を神に捧げるのだ。
だが、はっきりしない自分の罪と魔物の討伐に明け暮れた過去は、
いったい…どうもつじつまが合わない。

プレイヤー：
確かにおかしな話だ。

ラグナ：
フッ。思わず語りすぎてしまった…

プレイヤー：
いいことじゃない？

ラグナ：
フン。ベタベタ馴れ合うつもりはない！

プレイヤー：
相変わらずだなあ。

プレイヤー：
あっ、どうして釣った魚をいつも逃がしてるの？

ラグナ：
魚を食べるのは嫌いなんだ。

プレイヤー：
釣るのは好きだけど食べるは嫌い…変わった性格だな。

ラグナ：
フン。何か文句あるのか？

プレイヤー：
ないけど…ところで騎士団の話を聞かせてくれない？

ラグナ：
フッ。それは異世界の正義の代名詞。
主な仕事は世にはびこる魔物や悪党を消し去ることだ。
だが最近感じるんだ。私はかつて騎士団の地底に行ったような。
そこはまるで人間地獄のようで、恐るべき実験が…

プレイヤー：
実験？

ラグナ：
いかにも。何をしてたのかはっきりしないが、
騎士団はそう単純なものではない。しかし変だな…
何も思い出せないんだ。これはいったい………

プレイヤー：
確かに少し変だな。けど、しばらくしたらすべて思い出せるかも。