Knyaz Suvorov

Last-modified: 2024-02-25 (日) 15:33:36

クニャージ・スヴォーロフ(帝政ロシア弩級戦艦設計案)

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性能諸元

編集時 ver.4.2.2

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

Tier3
生存性継戦能力24961
抗堪性・防郭防御10%
・火災浸水耐性10%
・装甲12%
・対水雷防御12%
主砲射程10.35km
副砲射程5.16km
機動性最大速力21.12ノット[kt]
最大出力への到着時間23.17秒
転舵速度4.90度/秒
転舵所要時間12.60秒
隠蔽性9.3km



・派生艦船

派生元Novik
派生先Gangut
Komsomolets



・兵装

主兵装口径,搭載基数×門数最大ダメージ(火災率)(防郭率)装填時間砲塔旋回速度
305mm L/52 Model1907, 5基×2門HE弾 818(9%)
AP弾 1117(250%)
24秒5度/秒


副兵装口径,搭載基数×門数最大ダメージ(火災率)装填時間砲塔旋回速度
120mm L/50 Model1905, 14基×1門HE弾 262(2%)6秒12度/秒

ゲーム内説明

「近代砲を搭載した大型高速戦艦」のプロジェクトに基づいており、日露戦争で得られた経験をもとに開発された。当時としては優れた弾道特性を備えた305mm砲を採用していた。

解説

・主砲
 305mm砲を連装で5基、計10門搭載。砲配置はやや進化した亀甲配置ともいうべき独特な形で、艦首部に背負い式で2基4門、艦中央部に2基4門(右舷側は前向き、左舷側は後ろ向き)、艦尾に1基2門である。この砲配置はドイツのティア4戦艦の「カイザー」の前後を逆にした形式と考えると判り易い(カイザー同様にほぼ真横であれば10門の砲を全て指向可能である)。カイザーと異なり艦首部の砲が背負い式になっているため「無理なく前方に6門を指向できる」という利点があるが、第3砲塔と第4砲塔の間を開けるデザインを採用したために左右で前方射角が異なるという欠点も抱えることになった。
 AP弾ダメージは1177とかなり優秀であり、その威力は全弾命中すれば同格の戦艦のHPを一気に3分の1減らせるレベルである。HE弾ダメージは818とこちらも優秀、発火率も9%と悪くは無いが、瞬間火力こそ高いがDPMは装填時間と砲数の関係で高いとは言えないだろう。また、この砲は射程が10.35kmとやや短めで、かつ装填時間が長い(24秒)という特徴がある。砲塔旋回速度は6度/秒と同格に比べて優秀だが、ティア帯的にやむを得ないとはいえ砲精度が甘く装填時間も長めなためバカスカ撃っている割には与ダメが伸びにくいように感じる。

・副砲
 120mm砲を単装で片舷あたり7基、両舷あわせて14門搭載。砲配置は船体に添って砲郭を設けて前後に向けるタイプで、艦前寄りの艦橋構造物に片舷あたり4基、艦後ろ寄りの構造物に3基である。前方または後方を向いている砲は真横まで向ける事ができる(真横であれば片舷側の7門を全て指向可能である)が、射角に制限があるので斜めから接近してくる敵艦に対しては一度に3~4門までしか指向できない。
 HE弾ダメージは262しかなく、射程も5kmをようやく超える程度でありハッキリ言って威嚇程度にしかならない代物なのだが、なにぶん主砲の装填が長く装填を待っている間に4回も撃てるので主砲の装填時間を待っている間にとりあえず発砲しておこう。

・対空
本艦に対空砲の類は装備されていない。

・装甲
装甲12%、防郭防御10%は他国同格と比較すると堅牢である。さらに本艦はこのティア帯で唯一、艦首部・艦尾部・甲板装甲までが均一にぶ厚く、敵艦に対してキツ目の角度を取っている限りは巡洋艦の砲程度であれば相当な防御力を発揮できる。しかし、このティア帯においては近距離での乱戦も多く(近距離では少々装甲があっても抜かれやすい)装甲の優位性を感じることは余り無いかもしれない。また、少々の装甲があっても戦艦砲の貫通力に対しては殆ど無意味である。戦艦に対しては装甲で耐えるというよりは被弾面積を少なくする意味での姿勢制御を行おう。火災浸水耐性10%、対水雷防御12%は特筆すべきものは無い。燃えたり浸水した場合はHPがガンガン減るのでなるべく避けるべし。

・機動性
 最高速度は23ノットに届かず、特段速いという訳では無い。しかしこの艦は非常に加減速が遅く、運動性に特徴があるのでその部分について説明しておこう。まず、本艦の加速は非常にゆっくりである(停止状態からの最高速度に乗るまでの時間はロシア艦お約束の非常に長い時間を要し、何と25秒もかかる)。しかし、ある程度速度が出てくると急に加速が増すので最高速が「遅い」とは感じにくい。まぁ、アイツレベルではないから安心して...
 ところが減速性能も低く、速度に乗った状態だと後進を入れてもほとんど速度が落ちない。まるでコントロールの効きにくい氷上を滑っているかのような危うい操作感があり、慣れないうちは狙った場所で停船したり細かな調整ができるとは思わない方が良い。それどころか、射撃スコープを覗いたまま戦闘を行うと予想外に進み過ぎて突出し過ぎたり、サークルの縁で止まろうと思ってもできなかったり、他国戦艦に乗り慣れている艦長であっても戸惑いを隠せない操作感を持っている。舵の効きは5度台と標準的ではあるが、前述の加減速性能により扱い易いとはとても言い難い(操船は非常に楽しいのだが、戦闘機動としては非常に問題があるレベル)。

・隠蔽性
素の被発見距離は9.3kmとかなり優秀である。

・生存性
素のHPは25000台と体力的には平均を保っている。また、隠蔽も高く序盤から集中攻撃を受ける可能性が低く、装甲も優秀なのでカタログスペック上は生存性に問題は無いように見える。しかし、前述の加減速性能の悪さと装填時間の長さから単独で突出してしまい易く、やや生存性に問題があると言えるだろう。

・消耗品
「改良型ディーゼルエンジン」「高級船員食糧」「予備整備パック」の戦艦基本セットを推奨。

・装備
兵装は「主砲改良1」を推奨したいが、装填時間が長い本艦では「主砲改良2」を搭載する事も検討に値するだろう。装備は「操舵装置改良1」を推奨したい。ティア3では「推力改良1」を選択できないので選択肢は非常に狭くなる。適正は「推力改良2」辺りが無難だが、好みによりその他を選択するのもありだろう。

・エリート特性
・船体強化 HP+4%(お勧め)
・防雷網 魚雷防御+7%
・功績 EXPアップ+10%

・総論
 速度は平均的ながらも加減速に難を持つ船体に、強力な砲を10門の搭載し、かつ同格最高レベルの装甲も備えた野心的な艦となっている。攻(砲火力)は装填速度が遅めなものの高いレベルを維持し、守は装甲面に関してはドイツ艦と同等、走はかなり癖の強い構成となっているが全体的に観ると高いレベルで纏まっている。ただしその癖の強さも相当なもので、特徴を活かすためにはティア帯に似合わぬ慎重な操船や位置取り、先を見越した立ち回り等…様々なものが必要。ある程度他国戦艦に馴染んだ艦長が扱う場合、非常に楽しくプレイヤースキルを磨ける練習艦としてお勧めできる。しかし、そうでない艦長にとっては非常に扱いずらく勝ちに行けない艦となってしまう可能性がある(人によってはフリー経験値を投入して飛ばしてしまう事を検討しても良いだろう)。

史実

格納

 対馬での厳しい敗戦とその後の講和から年が替わった1906年、復興を目指すロシア帝国海軍は戦訓の分析と、それに基づく次世代戦艦の仕様策定作業を開始した。4月には海軍大臣を議長とする特別会議が創設され、次世代戦艦の運用思想・必要とされる性能の水準・所定の性能を得るために必要とされる新技術・その新技術の利害得失といった事柄について、短期間に何度も激しい議論が交わされた。その結果、次世代戦艦には「21~22ノットの最大速力が発揮可能であること」「305mm砲を8門以上と、可能であれば120mm砲を20門装備すること」「舷側装甲は艦の中央部で203mm、先端部で127mm以上確保すること」といったことが求められることとなった。この内容に従って海軍技術委員会が予備設計案を作成することとなり、さらにその審査・選定を目的とする特別委員会も立ち上げられ、委員会の長にはクサヴェリー・クサヴェリエヴィチ・ラトニク中将が就任した。
 1906年6月、技術委員会より9種類の予備設計案の提出を受けた特別委員会は最終草案が満たすべき追加条件を策定した。その結果、新戦艦の全長は152.4m、全幅は25.3mまでに制限され、主砲塔は連装砲塔5基を梯形配置で積むことが要求された(主砲の中心線配置は艦の全長が増大し過ぎることを理由に不許可とされた)。草案は各所から提出されたものが複数あったようだが、最終的に残ったものは「英ヴィッカース社案」と「サンクトペテルブルク新造船所案」の2つだった。6月27日の会議で両案の比較検討が行われ、性能はほぼ同等であると判断された。
 英国は「もし着手した場合、20ヶ月での建造が可能」との見積もりを出しており、一方ロシア側の建造期間見積もりは「少なくとも3年」であった。しかしながら、特別委員会は次世代戦艦の海外建造は好ましくないと判断し、国産設計案を優先すべきとの結論を下した。加えて、速やかにこの設計案に基づく新戦艦を2隻建造開始するべきであると勧告している。
 この新戦艦に建造資金を提供すべき否かの検討は、1906年後半に行われた。財務大臣、閣僚会議、国防評議会、そしてニコライ二世による検討の結果、本計画への資金提供は却下されてしまい、それ以上計画が進展することはなかった(PC版wikiより)。

小ネタ

世界初の主砲梯形配置弩級戦艦?

 本艦の「背負い式の二番砲塔から船体が一段高くなっていて、ケースメート式の副砲が設置されている」という形状からして、WoWsにおける「クニャージ・スヴォーロフ」は、サンクトペテルブルク新造船所(程なくアドミラルティ工廠へ統合)から提出されたドミトリー・ヴァシリエヴィチ・スクヴォルツォフ少将の手による設計案を具現化したものであろう。仮に予算がついていれば、英国の「ネプチューン」に一歩先んじて世界初の主砲梯形配置弩級戦艦となり得たかもしれないし、ならなかったかもしれない(PC版wikiより)。

ラトニク中将

 新戦艦設計特別委員会の長であったクサヴェリー・クサヴェリエヴィチ・ラトニク中将は、「ポベーダ」「アヴローラ」を筆頭に日露戦争参戦艦艇の大多数の主任設計技師を務めていた。しかし、対馬における敗因の検証過程で設計上の問題点が浮上、立場が危うくなってきたところ翌1907年に国内情勢を理由に退役している(戦犯扱いはされたものの処罰は免れている)。これは処断される前に先手を打ったのであろうか…(PC版wikiより)

※「ポベーダ」:ロシア帝国海軍所属のペレスヴェート級戦艦。日露戦争の旅順攻略戦で沈没し、後に日本海軍に浮揚・鹵獲され戦艦「周防」として編入された。後にワシントン海軍軍縮条約により廃棄される。

※「アヴローラ」:ロシア帝国海軍所属のパルラーダ級防護巡洋艦。ティア3のプレミアム艦「オーロラ」として実装されている。

編集用コメント

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  • 誤字修正 -- 2021-07-20 (火) 09:37:38

コメント欄

  • あれ?カイザーはティア4のはず。 -- 2021-02-20 (土) 20:42:00
    • おっと、失敬修正しました。ご指摘ありがとうございます。 -- 2021-02-20 (土) 21:12:53

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