シュケルプ湖には妖精が住んでいるという。 訪れる者を湖に引き込んでしまうと言われており、地元の者は誰もシュケルプ湖には近づかない。 そのせいかシュケルプ湖は自然の守られた美しい場所である。
通常 | 魔性 | 宿った | 伝説 | 恐ろしい | 壊れた | |
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推奨Lv | Lv15 | Lv26 | Lv35 | Lv46 | Lv59 | Lv |
攻略Lv | Lv20 | Lv34 | Lv46 | Lv62 | Lv82 | Lv |
階層数 | 4F | |||||
探索判定回数 (1階あたり) | 踏破前:18回 踏破後:6回(4F以外)・12回(4F) | |||||
進行(踏破前) | 80秒 | 110秒 | 160秒 | 230秒 | 380秒 | |
進行(踏破後) | 60秒 | 82.5秒 | 120秒 | 172.5秒 | 285秒 | |
探索時間(踏破前) | 01:36:00 | 02:12:00 | 03:12:00 | 04:36:00 | 07:36:00 | |
探索時間(踏破後) | 00:30:00 (1800秒) | 00:41:15 (2475秒) | 01:00:00 (3600秒) | 01:26:15 (5175秒) | 02:22:30 (8550秒) |
※時短無し・探索時間等倍での数値
出現モンスター
- 道中出現
- ボスのみ出現
名称 出現場所 ケルピー(魔物) ダンジョンボス
1Fフロアボス
迷宮称号の山獅子×2 +ランダムな基本編成 |
2Fフロアボス
迷宮称号のドラゴンパピー×2 +ランダムな基本編成 |
3Fフロアボス
迷宮称号の死食い鳥×2 +ランダムな基本編成 |
ダンジョンボス
敵はいずれも迷宮称号
レアアイテム
ダンジョン内イベント
シュケルプ湖の周辺には自然が広がっている。
湖まで行くには深い森を進まなければならない。
冒険者たちは人の寄らない森の中へと足を進めた。
シュケルプ湖の周りは、魔物が集まりコロニーと化しているようだった。
数々の魔物の気配が充満している……。
不思議なことに、この周辺には数多くの魔物が居る。
これほどの魔物が居ては周囲に影響を与えるのは当然だろう。
それは周囲の生態系を乱し、更にそこから逃げ出す魔物が他へ渡り行く……。
町の周辺に魔物が増えた事や周辺地域の生態系の変化は、この場所での魔物の大量発生が原因ではないかと思えてくる。
魔物の巣くつと言えるような、この密集地帯。
その中央にシュケルプ湖がある。
まるで湖から魔物が湧き出ているかのような魔物の密集度である。
あの湖には、何かあるに違いない。
冒険者たちは湖に向かって突き進んだ。
冒険者たちは湖のほとりにたどり着いた。
日の光を反射する美しい湖に冒険者たちは誘われるように歩み寄った。
透明な湖に自分たちの姿が映し出された。
それは魔物の返り血により薄汚れた悪鬼のような恐ろしい姿に見えた。
「ああ、恐ろしい。恐ろしい!」不意に背後から声がした。
振り返るとそこには美しい馬が居た。馬は冒険者たちに語りかけた。
「魔物の血浴びし悪鬼たちよ。
魔物がいったい何をした?
血に飢えた屠殺者め!」
その馬は燃えるような立て髪を風に揺らし、強い意志の宿った瞳で冒険者たちを見つめていた。冒険者たちはその美しさにみとれ、同時に自分たちの姿がとても醜いものに感じて恥ずかしくなった。
理知的な言葉を語る美しき馬に対して、武器で返答する事を恥と感じて冒険者たちは言葉を返した。この地からあふれた魔物が周辺の人々を苦しめている、そのことを目の前の美しい馬に伝えた。
美しい馬はこう答えた。「人間も増えれば町から溢れ
他を荒らす。
自然を奪い、命を奪う。
それは同じ事であろう?」
そのように言われて冒険者たちは返答に困り、口をつぐんだ。
そして話題を変えようと美しき馬に問いた。お前は何者だ、と。
「この湖に住む妖精だ。
気まぐれのために作られた。
水辺で暮らす、ただの玩具だ。
私は嘘などついていない!」
美しい馬は息を荒げて語り続けた。
「湖の水が変わったのだ。
飲めば力を得るように。
飲めば命を得るように。
飲めば血を求めるように。
あの小舟は何だ!
また、お前達の遊びだろう!」
馬は言葉を続けながら近づいて来た。猛り狂う馬が近づいて来たのを見て、冒険者たちは危険を感じて武器を手に持ち身構えた。
「ああ、恐ろしい、恐ろしい!
結局、お前達は
血塗られた剣を振るうのだ!
知を振りかざして諭すに見えて
その実、裏で謀るのだ!」美しき馬は猛り嘶き、冒険者たちに襲いかかってきた。
冒険者たちはシュケルプ湖に居た馬を撃退した。
戦意を失った馬は湖に向かって駆けだした。そしてそのまま湖に潜っていってしまった。
冒険者たちは周囲を注意深く伺った。
馬が逃げていった方向に、小舟が浮いているのを見つけた。
冒険の手記(全8)
シュケルプ湖へ向かう途中、王は立派な体躯の馬を発見した。
その馬は獅子のような立て髪を風になびかせ、その見事な体躯は夕日を浴びて輝いて見えた。
あまりの見事さに王はその馬を欲しいと考え、捕えようとした。
王が馬の背に飛び乗ると、馬は暴れて湖に向かって駆け始めた。
王は必死に馬を制御しようとしたが、馬は全く言う事を聞かなかった。走り続ける馬に手を焼いて、王はあきらめて飛び降りようとした。
しかし、立て髪が絡み付き、体が離れず馬から降りる事が出来なかった。
王はとっさに馬具を馬の口に掛けた。馬具を付けられた馬は激しく暴れたが、王は手綱を放さなかった。
やがて馬はあきらめたかのように大人しくなった。
「人間の王よ。私を捕まえてどうするのですか。」馬は突然、言葉を話し始めた。
王は、言葉を話し始めた馬にこう言った。
「おお、賢き馬よ!お前があまりに見事な体躯をもつため、お前を私のものにしたのだ。」
馬はそれを拒んでこう言った。「王よ。どうすればあなたは私を解放しますか。もし解放しないというのであれば、私はこのまま湖へ飛び込み、共に藻くずと消えましょう。」
それに対して、王はこう言った。「私はこの湖に住む妖精を退治に来た。それを果たせるならば解放してやろう。」
「王よ。この湖の妖精は悪さなどしない良き者です。どうか私を解放してください。」「いいや、我が領地の娘を誘惑する悪い妖精がここに居るはずだ。その妖精を見つけ出すまで、私はお前を解放しない。」
「王よ。この湖にはもう妖精など居ません。どうか私を解放してください。」「いいや、美しい青年の姿をした妖精が居るはずだ。その姿を見るまで私はお前を解放しない。」
「王よ。獅子のような髪をもつ美しい青年はもうこの湖には居ません。どうか私を解放してください。」
「ならば悪い妖精が現れる時に、私は再び湖を訪れよう。」王はそう言って、その美しい馬を連れて城へと戻って行った。
城へ戻ると王は、手に入れた馬の背に乗り、山野を駆け回った。
その馬の足は速く、瞬く間に周辺の山賊や魔物を打ち負かし、王は領地を平定した。
王の乗る美しい馬は『シュケルプの名馬』と呼ばれ、人々に褒めたたえられた。
馬は度々、王に懇願した。「王よ。あなたはいつ私を解放するのですか。」
王は、こう答えた「賢き馬よ。悪しき湖の妖精を見つけ出すまで、私はお前を解放しない。」
「王よ。あなたは私を捕えた日より湖へ行ってません。あなたはいつ私を解放するのでしょうか。」「賢き馬よ。お前は言ったであろう。湖にはもう妖精は居ないと。」
そう言って王はシュケルプの名馬を解放しなかった。
そして事件が起きた。
ある日、城下町に美しい青年が現れ、町の娘が誘われて行方不明となった。
シュケルプの名馬は王に言った。「王よ。あなたはいつ私を解放するのですか。」
すると王は、こう言った。「賢き馬よ。お前は言ったであろう。湖にはもう悪しき妖精は居ないと。お前は嘘をついたな!」
そう言って王は、シュケルプの名馬をムチで叩いた。「ああ、嘘ではありません!嘘ではありません!湖にはもう妖精はおりません!」
それからも度々、美しい青年が現れて悪さをする事があったが、その度に王はシュケルプの名馬をムチで叩いた。
その後、シュケルプ国は隣国に攻められて危機に陥った。
しかし、王はシュケルプの名馬に乗って戦場を駆け回り、獅子奮迅の活躍をなして戦いに勝利した。
こうしてシュケルプ国は以後、長きにわたり繁栄と安定がもたらされることとなった。
戦場を駆け巡ったシュケルプの名馬は疲労困憊し、大変にやつれてしまった。
そして、シュケルプの名馬は我慢の限界がきて王に聞いた。
「ああ、王よ!あなたはいつ私を解放するのですか!」
王は、再び答えた。「賢き馬よ。悪しき湖の妖精を見つけるまで、私はお前を解放しない。」
「では、王よ。湖の妖精を見れば、私を解放するのですね。」
「賢き馬よ、約束しよう。悪しき妖精を見つければ、私はお前を解放する。」
それを聞いたシュケルプの名馬は、こう言った。
「王よ。では、湖の妖精をご覧にいれましょう。それで私を解放してください。」
そう言うとシュケルプの名馬は、王の目の前で美しき青年へと姿を変えた。
それを見た王はこう言った。
「この、悪しき妖精め!この場で討ち取ってくれる!」王は怒りの形相をなして剣を抜き、美しき青年へと向けた。
青年となったシュケルプの名馬は、狼狽してこう言った。「ああ、王よ。話が違います!私を解放してください!」
しかし、王は答えた。「悪しき湖の妖精を討つまで、私はお前を解放しない!」
シュケルプの名馬は、恐怖して王に懇願した。「ああ、王よ。それでは私は解放されません!」
それに対して王は言った。「賢き馬よ。お前は嘘をついたであろう!だから私はお前を解放しない。」
「王よ。私は嘘など申しておりません。」シュケルプの名馬がそう言うと、王はこう言った。
「賢き馬よ。もう悪しき妖精など居ないと言ったであろう。あれは嘘であったのか!」
シュケルプの名馬はついに観念して、こう言った。
「ああ、王よ。もう悪い妖精はおりません!獅子のような立て髪の美しき青年は現れません!娘を惑わす妖精は現れません!」
それを聞いた王は、ようやく剣を納めた。そして、シュケルプの名馬にこう言った。
「そうか、では、もう悪しき妖精は居なくなったのだな。」
シュケルプの名馬は答えた。「はい、もう悪しき妖精はおりません。」
シュケルプの名馬は、それを誓いとして約束した。
それを聞いて王は答えた。「わかった。ならば、お前を解放しよう。」
「だが、もしそれが嘘であれば、私は必ずや再びお前を捕まえに行くだろう!」
こうして、シュケルプの名馬は王から解放された。
それ以来、人里に悪しき妖精が現れる事は無くなったという。これがシュケルプの土地に伝わる、遥か昔の物語である。
今でもシュケルプ湖には馬具をつければ言うことを聞く名馬が居ると言われている。
そして、その馬は決して嘘をつかないのだという。