クローン細胞の秘密を知った冒険者たちは再び神魔パズズへ挑むべくパンデモニウムへの潜入を開始した。
通常 | 魔性 | 宿った | 伝説 | 恐ろしい | 壊れた | |
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推奨Lv | Lv100 | Lv161 | Lv??? | Lv??? | Lv??? | Lv |
攻略Lv | Lv110 | Lv176 | Lv??? | Lv??? | Lv??? | Lv |
階層数 | 4F | |||||
探索判定回数 (1階あたり) | 踏破前:24回 踏破後:8回(4F以外)・16回(4F) | |||||
進行(踏破前) | 600秒 | 630秒 | 680秒 | 750秒 | 900秒 | |
進行(踏破後) | 450秒 | 472.5秒 | 510秒 | 562.5秒 | 675秒 | |
探索時間(踏破前) | 16:00:00 | 16:48:00 | 18:08:00 | 20:00:00 | 24:00:00 | |
探索時間(踏破後) | 05:00:00 (18000秒) | 05:15:00 (18900秒) | 05:40:00 (20400秒) | 06:15:00 (22500秒) | 07:30:00 (27000秒) |
※時短無し・探索時間等倍での数値
出現モンスター
- 道中出現
- ボスのみ出現
- フロアボスについて
このダンジョンでは全てのフロアボスが編成固定の中ボスであり、更に全てが個別に回数制限ボス扱いになっている。
一度倒すとその後途中帰還しても、復活させない限りその日のうちの再戦は不可能。
また、どれか一つでも残っているとダンジョン選択画面の◆マークが消えないため、ダンジョンボスは倒しているのにマークが残っている状態になることもある。
◆1Fフロアボス
敵はいずれも迷宮称号
◆2Fフロアボス
敵はいずれも迷宮称号
◆3Fフロアボス
敵はいずれも迷宮称号
◆ダンジョンボス
敵はいずれも迷宮称号
レアアイテム
ダンジョン内イベント
パンデモニウムを進む冒険者たちは地下への入り口に到達した。
しかし近づくことは出来ずに足を止めた。
地下への入り口周辺には大量の機械兵が配置されている。
気付かれずに潜入するのは不可能だろう。
諦めるか、強行突破か。
こういう時の冒険者たちの選択はいつも一つだ。
冒険者たちは武器を構えて飛び出した。
もう何度目になるのか、冒険者たちは地下へと進入を開始した。
機械兵のうろついていた上のフロアと違い、地下は静かであった。
地下には冷たい空気が漂っていた。
ここだけ警備が居ないということはないだろう。
きっとこの先には何かが居る。
気象を操作する装置がある。
そしてGP98型アンドロイドがいる。
冒険者たちは作戦をGP98に伝えた。
GP98は了承を示し、すぐに気象装置の操作を開始した。
………
……
…
光る板に映像が写っている。
そこにはパズズの城が見える。
謎の文字や数値も写っているが意味は分からない。
成功したのだろうか……
GP98:
『中心点:王城の王座…
範囲:最小…
出力:最大…
推定気温:-50度… 』
操作を終えた後、GP98は冒険者たちに言った。
GP98:
『支配権限に反する行動…
強制停止… 命令…
皆さ… 幸…』
GP98の動きが鈍くなった。
GP98は冒険者たちの方をゆっくりと向いた。
その体からは光を失いつつある。
GP98は右手をゆっくりと上げた。
その手が目の横まで上がった時にGP98の動きは止まった。
そしてGP98は完全に動かなくなった。
GP98は両脚を揃えて立ち、右手の肘は肩の延長線にあり、手の甲は上を向き、指先は揃えて伸ばしたまま右目の横の少し前にあった。
その姿勢のままGP98は二度と動くことはなかった。
おそらくはパズズの命令に逆らう行動を取ったために止まってしまったのだろう。
今は時間を無駄にしてはいけない。
冒険者たちはパンデモニウム上部にある魔王城へ向かうべく行動を開始した。
冒険者たちは魔王城へ続く塔へ辿り着いた。
しかしそこに居るものを見て足を止めた。
竜だ。
一体ではない。いや、一人ではない。
武装した威厳ある竜人。
そして整列した竜人、側には成竜も居る。
まるで軍隊だ。
ドラゴンは強くともその生態は孤高にして原始的である。
群れることはあっても軍隊のような精密な行動を取ることはない。
竜は誰もが強力で孤立しても戦えるため指揮官の必要が無いからだ。
しかし目の前には整列した竜人と竜がいる。
この中に強力な指揮官が居るのかもしれない。
いや、それはもう一目見た時に分かっている。
ひときわ目立つ竜人が一人居る。
その佇まいからは大国の王のような高貴さと威厳を感じる……
竜人たちは明らかに塔の入り口を守っている。
やり過ごすことは出来ないだろう。
冒険者たちは意を決して竜人の部隊へ戦いを挑んだ。
冒険者たちは王座のある広いフロアに出た。
高い天井と敷き詰められた大理石の床が続き、奥には高台へ続く階段がある。高台には豪華な王座がある。
そこには以前と同様に四枚の翼を持つ者が座っていた。
神魔パズズだ。
以前と違うのはその傍らに青紫の鱗を持つ美しい竜が控えている。更に周辺には立派な体躯を持つ竜の姿がいくつも見える。
種類の違う成竜が一箇所に並んでいる姿を見たことのある者などこの世にどれほど居るだろうか。稀有なその機会に巡り会えたとしてもその後更に稀有な生き残ることを果たさなければその事実を語り継ぐことは出来ない。
そしてそんな成竜を従える存在など寝物語の伝承の中でしか聞かないだろう。
そんな存在が今、目の前に居る。
神魔パズズは王座から見下ろしたまま告げた。
「種族の差を覆す稀有な者らよ。どれほど優れた個体が居ようと
その種の力は変わりはせん。過去に生まれた英雄らは
種族の進化を成しえたか?個の優越より種の優越。
それこそ大義と何故悟らぬ。その個の思想が滅びを齎す
お前たちこそが星の敵よ。」
神魔パズズはゆっくりと立ち上がった。パズズの周りには光る球体が飛び回っている。
青紫の鱗を持つドラゴンがその前に降り、パズズを守るように立ちふさがった。
他の竜たちも側へ寄った。
竜が隊列を組んでいる……
成竜の体躯に比べたら階段の下の冒険者たちは小人のような存在だろう。しかし竜たちの鋭い目つきには油断は見られない。
冒険者たちが見上げればとてつもない体躯の竜たちがこちらを待ち構えている。
こんな光景を誰が想像できようか。
成竜たちが冒険者のように隊列を組み戦術を展開できる姿勢で待ち構えているのだ。
今日の出来事を歌にするだけでも吟遊詩人としてやっていけるだろう。
しかし物語はまだ終わりではない。
ここから更に竜を討ち倒し魔王に勝利する物語を書き加えるのだ。
神魔は個を滅ぼす力がある。
竜は生き物の頂点に君臨する強さを持つ。
冒険者たちは剣を手にその図を書き換える、物語の作り手だ。
冒険の手記(全18)
・旅人を惑わす謎かけの魔物
獅子の身体に人の顔を持ち、冒険者の前に現れては謎かけをして去るという不思議な魔獣である。謎かけに間違えると嘲笑されるが精神的な苦痛を負う他に害をなすことはない。
魔物と思って襲いかかる冒険者も居るがほとんどは触れることも出来ずに逃げられてしまう。稀に戦闘になった冒険者の話によると高位の魔法を自在に使いこなす高レベルの魔獣であり、一体だけでも危険な相手であるという。謎かけに答えるとアイテムをくれることもあるため手は出さないほうが良いと冒険者たちの間では言われている。
ピラミッドという四角錐の物体を守っているというとても怪しい話を、怪しい盾を持った冒険者が言っていたという。
・魅了する悪魔
女の姿をしており冒険者たちを誘惑する危険な魔物である。この悪魔に魅了されて数多くの貢物をささげてしまう冒険者の話は後を絶たない。それが故に男女混合のパーティーが内部崩壊をする話もよく聞く。基本的に戦いになることはないが稀に機嫌を損ねて攻撃されることがある。見かけたら魅了される前に危険な魔物として攻撃することが推奨されている。捕獲が目的か人間関係を破綻された恨みかこの魔物を執念を持って追いかける冒険者も多い。すぐに逃げ出す魔物だが実はかなりの高レベルの魔物であることが分かっている。
人を惑わす特殊な香水を持っており、その香水を目当てに追う者も居る。鞭を使うことで有名な女冒険者がこの香水に多額の報酬をかけていたことがあるが使用用途は不明である。
・首なしの騎士
堂々たる騎士の姿をしているが首から上が無く、悪魔の軍勢を率いて現れるという伝説の魔物である。現れたら国が滅ぶと言われており、その姿を見た者は死を意識せざるを得ないという。その生体はほとんど謎に包まれていおり、かつての南のデビルマウンテンから大量の悪魔が降りてきた時の戦争において、その姿を遠目に見て全力で逃げた者の言葉だけが残っている。騎士の鎧に身を包んでおり、その胸に勲章を付けている。勲章を得るような騎士がアンデッド化した存在なのか、それとも悪魔の世界にも勲章を与えるような文化があるのかは不明である。その勲章を調べれば分かることもあるかもしれないが、首なしの騎士に近づくことは自殺を意味している。
悪魔の将軍としてよく物語で語られる存在でもある。物語の中には悪魔と天使の両方を討ち倒して魔人となった男の伝説があり、悪魔の代表格としてこの首なしの騎士を倒して勲章を奪い、天使の将軍から剣を奪ったという。
・死の灰を生む古代兵器
古代遺跡の中には恐るべき武装をしたゴーレムが居るという噂がある。そのゴーレムは恐ろしい威力の遠隔攻撃を放ち、パーティ全員を丸ごと灰に変えてしまうという。古代遺跡を巡る者たちに語りつがれる伝説の一つである。このゴーレムが作り出した灰には何かの成分が混ざるのか呪われた性質を持つと言われている。それは持っているだけで死に至る。その呪いは他の物にも移り、生物に与えると変異する。など様々な怪しげな噂がある。死の灰などとも言われており、ある伝説の格闘家はこの死の灰と生命力の高まる果実とを混ぜあわせたドリンクを飲んでいたという。その格闘家は相手の必殺技をことごとく跳ね返す無類の力を誇っていたが突然に血を吐いて死んだという、よく語られるお伽話がある。
・遺跡を守護する機械兵
古代遺跡には遺跡を守る機械兵が居ることがある。その種類は様々だが中には非常に強力な機械兵がいるという。サソリのような多足の姿をしており動きが早く複数の腕で同時に攻撃してくる、そしてその装甲は攻撃も魔法も通用しないという。遺跡荒らしの間では出会ったら終わりと語られている遺跡伝説の一つである。その機械兵器に使われている古代の技術を盗もうと考えた王が大軍を送り込んだ逸話がある。その軍は一体の機械兵器を相手に返り討ちにあい,命からがら逃げ帰ったという。その時に機械兵器の部品の一部分を奪ったとして王に献上されている。それは敵を焼きつくす謎の兵器でもなく、強固な装甲でもなく、紐状の物であったという。見た目からして意味の分からない紐一つを手に入れただけに終わった王は目に見えて落胆した。そしてこの時の軍の被害が元で後の戦争に敗れて国まで失ったという。またこの紐に興味を持った東方の技師がおり、東方の将軍が使っている鎧を更に強化できると提案したことがあったが、支配者たる女王のお告げにより「人が持つに過ぎたる技術」としてその技師は投獄されてしまったという逸話がある。
・#の翼
#########。#####鬼丸###、#####。#####魔人############刀。塗りつぶされていて読めない…
・要塞の欠片
ある冒険者が秘境から持ち帰った「要塞の破片」というものがある。その冒険者は道に迷った末に未踏の古代遺跡を発見した。その遺跡は戦争に使われる要塞にように見えたという。そこで付近にあった欠片を一つ持ち帰った。その欠片は非常に固くて軽く、防具に最適であった。冒険者はその欠片を効果的に使う法法を考えた末、腕につけられる盾を作った。普通の金属では重くて扱えないところだがその欠片の強度と軽さによりそれは十分に実用できるものであった。小手と盾の両方の性質を備えたそれはアームシールドと呼ばれた。この冒険者の唯一無二の装備の噂を聞き、多くの者が要塞の欠片を得ようとしたが、当の冒険者も含めてその要塞には二度と辿りつけなかったという。
要塞の欠片に興味を持ったある賢者がその冒険者の装備に使われた欠片を調べた所、それは建物の破片ではなく生物の体の一部、特にドラゴンの鱗に似ていると言った。しかしその言葉は他の者に受け入れられなかった。なぜならばもしそれがドラゴンの鱗であるならば、そのドラゴンはとてつもなく大きくて硬い、要塞のごとき存在という事になるからだ。そんなドラゴンがいるわけがない、人々はそう言って賢者の言葉は忘れ去られた。
・霧に浮かぶシルエット
霧の中に浮かぶ幻を見たことがあるだろうか。未知の土地へと足を踏み込む冒険者ならば幻覚の類はよく見るものである。それは隠された遺跡の防衛機能であったり、獲物を狩る魔物の技であったり、複雑な地形が生み出す自然現象であったり…。その中でも霧の中に巨大な魔物の姿が浮かんだ時は注意が必要である。霧の中に魔物の姿を見たら冒険者は観察するために動きを止めるだろう。それはどんな魔物なのか。まだこちらに気づいていないのか。奇襲を仕掛けるか。それとも気づかれないうちに逃げるか。しかしその時点で既に魔物の術中にはまっているのだ。動きを止めた冒険者の背後にはもう魔物が忍び寄っている。この霧の幻を見せる魔物に多くのパーティが壊滅させられているが中には一矢報いた者も居る。その時に不思議な雫(しずく)を手に入れたという。その雫は周囲に霧を発生させる効果があり、霧に幻を見せる仕組みではないかと言われている。また、この幻に似た現象を起こす伝説の刀がある。ある人斬りが持っていた刀でありそれは幻の斬撃を放つことができる恐ろしいものであったという。この二つに何か関係があるのかは定かではないがその刀の刀身は常に結露していたと言われている。
・吸血鬼の牙
吸血鬼は恐ろしい怪力を持ち武器を必要としていない。そしてその牙は鋼鉄の鎧だろうと簡単に穴を穿つ。ある時、一人の鍛冶師は吸血鬼の牙を使えば強力な武器を作れるのではないかと考えた。しかし幾ら巨大な牙と言っても刃物になるほどの大きさではない。それでも諦めきれなかった鍛冶師は、強力な吸血鬼ほど大きな牙を持つと言われているため、もしかしたらナイフくらいなら作れるかもしれない。そう仲間に告げて伝説の吸血鬼『暗黒卿』を探して旅だった。それ以降、その鍛冶師を見た者は居ない。
・凍った髯
ドワーフは寒い地方を嫌う、という噂話がある。その理由としてよく言われることに「髯が凍るから嫌だ!」というものがある。その真相は定かではないがドワーフたちには立派なアゴ髭をもつ者が多い。全身毛むくじゃらとよく評されるドワーフたちは寒冷地方にこそ適性があると言う学者も居るため、寒さを嫌うというのは只のジョークではないかと言われている。他にも「おお、寒いから酒を飲まなければ!」という常套句もあるためもっぱら酒を呑むための口実であろうと捉えられている。また凍った髯に関わる話としては他にも氷山で魔物に襲われたドワーフの話がある。武器が壊れて丸腰になってしまったドワーフは凍ったアゴ髭を鈍器にして魔物を倒したという。その話が出た時は常に「そんなことをしたらアゴが壊れて酒が飲めなくなるわ!」と言って酒を呑むのが定番の流れであるため只の口実であろうと言われている。中には凍ったアゴ髭を振るえばブリザードが巻き起こり敵を殲滅したというホラ話にまで発展することもある。
・魔界の貴族
デーモン族と呼ばれる魔物たちが居る。彼らの社会は支配階級があり爵位を持つデーモンが居ると言われている。デーモン族は古代遺跡で極稀にその存在を示す事柄が見つかるだけで現在ではもう滅んだ種族だと言われている。しかし一部の研究者は南のデビルマウンテンの奥地にはデーモンたちの社会が形成されていると言う者も居る。優れた冒険者であろうと足を踏み入れることも出来ぬ土地であるため噂になるだけで真相は定かではない。
デーモン族の支配階級にある者は爵位の証明書を持っているという。その証明書は只の紙ではなく古代文明の技術により作られた希少な貴金属であると言われており、下級のデーモンを従える証となると言う。どこからそのような話が出たのか出典は不明であるが、宝石の力で下級デーモンを従えた黒魔道士の伝説や悪魔の王が莫大な財宝を持っているというような噂話から生まれたのではないかとされている。また悪魔の王から証を盗みとったこそ泥が、その貴金属を加工して作った禍々しい鎧を着て活躍するという『デビル小僧』という物語が人気である。
・殺戮##
############、####ジャック#####、################、###########ナイフ。塗りつぶされていて読めない…
・古代紋章
古代超文明の時代に作られた紋章が稀に古代遺跡で見つかることがある。それがどんな意味を示す紋章なのかは不明だがその印を見るだけで逃げ出す魔物も居る。特に長い時を生きているであろう魔物ほどその印に動揺を見せるという。特殊な金属で作られており加工すると虹色の光を放ったという言い伝えがある。稀に古代遺跡で見つかるだけという希少なもの故、詳細はほとんど分かっていない。ある歴史学者はその紋章は古代超文明の時代よりも更に古き時代の教典に載っているものであり、その一部が古代超文明の時代に復活したのではないかという。
・高潔なる血
竜の血には特別な力があると言われている。特にその誇りを汚されぬまま長き時を生きたドラゴンの血には特別な魔力が宿っているという。その血は鉱物の純度を高める不思議な効果があり、宝石を作り出せる錬金術の至高の素材として語り継がれている。しかしそれは文献に記されるだけであり実際に成し遂げたという話は聞こえてこない。ドラゴンの血は得ることすら困難であるのに、ましてや年を得た成竜の血など伝説の中でしか聞かない代物であるからだ。故にそれは本当のことか疑わしい話であり、一部の熱狂的な錬金術士しか信じていない話である。
・悪魔の###
悪魔#########、#################、魔王#################、魔王########杖。塗りつぶされていて読めない…
・冥###
############、######リッチ############、#########l##。塗りつぶされていて読めない…
・大地###
昔、魔王アーリマと呼ばれる恐ろしい魔物に脅かされた国があった。その様を見るに見かねて一人の獣人が魔王に戦いを挑んだ。その獣人の名はガルドラといった。
ガルドラは激闘の末に魔王アーリマに勝利した。しかし魔王を引き裂いたガルドラの爪はその血により呪われてしまった。ガルドラの爪は禍々しい色になり次第に両の腕まで黒く侵食していった。両腕と爪が禍々しい姿となったガルドラはまるで魔王アーリマと同じような姿になっていた。
魔王を倒して帰ったガルドラであったがその姿から人々に恐れられ疎まれた。最後には魔王が成りすましていると疑われ、守ったはずの人々の手により追放されてしまった。流浪の中でガルドラは一人の賢者に出会った。全身が白いその賢者はあらゆることを知っていた。ガルドラは己の爪を治す方法を尋ねると賢者は答えた。
「地を囲う山に竜穴あり。最奥の岩にこう叫べ『継ぐ者は現れる!』さすれば清めの滝流れん。」
ガルドラは賢者の言葉を信じて地を囲う山の竜穴を探した。そして5年の月日を掛けてついにそれらしき穴を見つけた。そこには恐ろしきドラゴンが住んでいた。ガルドラは命がけで竜の牙と爪をかわして穴の奥へ辿り着いた。竜穴の奥には岩壁からせり出す巨大な岩があった。ガルドラは賢者に言われたとおりに叫んだ。
『継ぐ者は現れる!』
そのまましばらくの時間を待ったが何も起こらなかった。ガルドラはもう一度叫んだ。
『継ぐ者は現れる!』
しかし何も起こらなかった。焦ったガルドラは必死に叫んだ。
『白い賢者に言われたのだ!こう叫べと!お願いだ、答えてくれ!』
ガルドラは必死に叫んだ。
『継ぐ者は現れる!』
ガルドラはその言葉の意味はわからなかった。滝が流れるという意味もわからなかった。ただ白い賢者の言葉にすがりここまで来たのであった。
その時、大地の揺れを感じた。
地震が起きたのかと思い周囲を見回した。ここは洞窟であり落石や埋没の危険がある。しかし揺れ方は不自然であり地震とは違うと感じた。
そして次の瞬間、大岩から水が溢れ出るのが見えた。それは滝のように流れ落ちてきた。ガルドラは慌てて駆け寄り、その水を腕で受け止めた。すると魔王の血を洗い流すかのように両腕の色が元に戻っていった。
白い賢者の言葉は本当であった。ガルドラは涙を流して喜んだ。
その時、ガルドラは自らの頬を流れ落ちる涙を見て、ふと岩から流れ落ちる滝に似ていると感じた。大岩を見上げると岩から溢れ出る水が静かに流れ続けていた。
その滝で身を清めたガルドラの体は元に戻っただけではなかった。その身は鋼のように固くなり、竜をも引き裂く力を手に入れていた。その後、ガルドラは弱き者を守るために戦い続け、その武勇伝は『獣王ガルドラ伝』として語り継がれている。