【アッテムト】

Last-modified: 2024-03-20 (水) 19:55:31

DQ4

【キングレオ城】の西に位置する炭鉱の町。
FC版の【公式ガイドブック】での英語表記Attemtoh。英語版での地名はNES版ではAktemto、DS版以降ではMamon
 
町の奥には【アッテムト鉱山】が広がっている。

第四章

【かやくつぼ】を取りに訪れることになる。
町には火薬壷の制作者である火薬職人の老人がいるが、お城から火薬製造の禁止令が出たため、現物は鉱山に残っているもののみとなっている。
 
もうこの時点で鉱山から毒ガスが湧き出し、町の中に毒沼が発生し、あちこちに白骨死体が見え、町の中心にも墓が作られ、病人も多数と悲惨な状況になっている。
住人の話によると、毒ガスが湧き出すようになったと同時にモンスターも出るようになったらしい。
施設は宿屋と教会のみで、しかもFC版での教会は昼しか利用できない。
昼は何とか立って神父の仕事を全うしている神父も、夜になると教会の机に倒れこみ
「つかれているんです。やすませてください。また あした きてください。ゴホゴホ…。」と哀願する。
 
夜に来ると人魂二体が浮かんでおり『我が遺跡を荒らす者に災いあれ』などと警告を発しているが、もはやロクに聴く者もいない……。ほとんどホラー。
 
全滅したときに流れる【エレジー】が延々と流れるうえに、街の人のセリフも非常に悲惨で生々しいのでドラクエ屈指の鬱ポイントとしても知られる。
特に毒の沼地にある死体から「おとうさん はやく かえってきてね
おとうとの【ピピン】も さみしがってるわ。こんど ふたりで あいにいきます……。」
という手紙が見つかるシーンは強烈な印象を残す(この姉弟には夜の【ハバリア】の宿屋、および4章EDの連絡船で会える)。
 
全滅曲がこれほど陰鬱一色で、なおかつ町中に流れ続ける影響は大きく、「エレジーといえばアッテムト」という印象を持った人は多いはず。
かつての2ちゃんねる(現5ch)FF・ドラクエ板でも「アッテムトの音楽を聞きながら会話するスレ」なるスレまで立ち、鬱レスが延々と書き込まれ続けた。ネタスレなのに笑えないとは……。
ちなみにこのスレはν速やネ実板にまで波及したという。

第五章

ストーリー上では【デスパレス】潜入時にエスターク発見の報を聞いてからエスターク討伐のために訪れるのみだが、それよりも前に訪れることはできる。
【キングレオ】地方に来たついでにルーラ登録のために立ち寄った人も多いだろう。ルーラのリストが、中盤以降の町や城にいくら行ってもアッテムトが最後になっててアレ?と思った人も多いのでは?
 
エスターク神殿発見前でも四章の時期よりも悪化しており、墓地で愛する妻を悼んでいた男も亡くなっている。
それだけに、火薬作りの爺さんも死んでいるだろうと思いきや、まだ生きている。
 
神殿発見後になるとさらに住人が減っておりその中でも生存者は神父とおばさん、死にかけの鉱夫の計三人しかいなくなる(なぜか人魂もいなくなる)。
おばさんが「もうおしまい。あなたたちも はやくおにげ!」と言っていることから元々生存していた人達もアッテムトから離れ自主的に避難したのかもしれない。
魔物が町の中を闊歩するまでには至らないものの、ここまで過疎になってしまってはもはや滅んでしまったと言っても過言ではない。
【宿屋】も廃業し、神父も教会を離れて墓場で「おお神よ!ついに破滅のときがきたようです」と嘆いており、以後ここでのセーブはできなくなる。
まあ、もともと諸君の大半にとって「もっともゲームを再開したくない(=セーブしたくない)場所」ではあったろうから、あんまり気にならなかっただろうが。
ただ冒険再開ポイントとしての機能は残っており、予めここでセーブした状態で神殿発見のイベントを起こし、全滅して復活したときは、その墓場にいる神父の前から再スタートすることになる。これは、そのままノーセーブで【きぼうのほこら】まで行ってセーブして再開した場合も同じ。
 
誰かに襲撃されたわけでもないのに滅んでしまった町としてはシリーズのパイオニア的立ち位置。
このパターンは以後、しばしば登場しており【レヌール城】【フズ】【アボン】【グリンフレーク】などがある。
なお、シナリオ開始時点ではまだ人が住んでいて、物語が進むと状況が悪化するパターンは珍しい。他は物語開始時点ですでに滅んでいる(過去に戻って滅亡の経緯を追うパターンなど)。
 
なお、鉱山から噴出する毒ガスの正体はエスタークが放出する瘴気であるとも言われているが、エスタークを倒しても毒ガスが止む気配は無い。
DQ5で再登場するように実は死んでいなかったのか、瘴気が溜まりすぎてちょっとやそっとじゃ抜け切らないのか。
しかし鉱山は場所によっては有害なガスが噴出する場所に当たってしまうこともあるので、そういう地層だった可能性もある。
上述の、毒ガス発生とモンスター出現の関係も、単にモンスターが好む類のガスという可能性も捨てきれない。
いずれにしても、住人のほとんど全てが死に絶えてしまった後ではどうしようもない。
 
リメイク版では教会が移民の出現スポットになっている。
またエスターク神殿発見後に墓の前で嘆いている人物が、なぜか神父ではなくそれまで町内にいなかった【シスター】に替わっている。
その影響でエスターク復活のフラグを立てた直後にここに来てセーブを可能になったのが僅かにメリット。

小説版

第4章で訪れた際の描写は、そこかしこで死者の遺体を野焼きする煙が立ち上っているという、ゲームとはまた違う方向で悲惨なもの。
あまりにも死者が多すぎるため、そのあたりに掘った穴に遺体を投げ入れて燃やしているのだ。
このために火薬を使い切ってしまったため、火薬は未だ鉱山内で金を掘り続けている連中の元にしか残っていない。
 
ここでマーニャたちはシャリランという治療師の男と出会う。
彼の口からアッテムト鉱山がなぜ悲惨な状況になったのかや、鉱山の過酷な労働状況が生々しく語られる。
そして鉱山に火薬を取りに向かうマーニャたちに、『風呂を沸かして待っててやる』とさりげない優しさも見せるいい人でもあった。
後にエスターク打倒の際にアッテムトに辿り着いた際には彼の姿も見当たらないが、うまく逃げおおせたのか、鉱山病にかかり命を落としたのかは語られない。
 
エスターク戦の際の描写から、勇者たちは「眠っているエスタークは金を引き寄せる性質があり、それで金鉱ができたのではないか」と推測している。