【ナカマ】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 03:20:42

この項目では、DQ11に登場する集団を解説します。
DQ8などで仲間と会話したり、トルネコ3などで仲間モンスターの状態を見たりする時に使う同名のコマンドについては【なかま】を参照。

DQ11

異変後、【シルビア】の世助けパレードに賛同して参加したオネエ系の男性たち。全員【パレードの服】の色違いを装備している。
表記の初出はシルビアとの再会時の会話でシルビアが「この子たちは大切なナカマたち♪」と紹介するシーン。
漢字表記でなくあえてのカタカナ表記なのが印象的だ。
 
異変後の【メダチャット地方】におけるシルビアとの再会シーンで軽快なBGMと共に見せつけてきたインパクトあるその姿と言動に、衝撃と笑撃を受けたプレイヤーは多いはず。
オネエの旅芸人というインパクトあるキャラクター性の持ち主シルビアの仲間ということもあり、外見や口調こそ個性あふれる連中ばかりだが、【ロウ】曰く「武闘派ぞろい」らしく、れんけい技「【ナカマよび】」ではひるむことなくモンスターに突撃していったり、人々の笑顔のために真摯に働く姿勢に【ソルティコの町】の人々からも信頼を寄せられたりと、名無しのNPCながらただのネタキャラに終わらせない肝要な立ち位置を保つキャラたちでもある。
 
魔王の存在しない世界こそが何よりではあるとはいえ、シルビアと彼らの絆の強さが印象強く、シルビアの父関連のユーモアあふれるイベントの存在もあって、時間逆行後には彼らのナカマ入りもなかったことになってしまうことを惜しむ声も多い。
 
なおソルティコの町の人達からは基本的に「パレードの人達」と呼ばれている。
クリア後はナカマが若干増えており、確認できるものではソルティコ内で「家でふさぎ込んでた息子を修行させてもらっている」という話が聞ける。

過ぎ去りし時を求めた後

大樹落下を未然に防いだため、彼らのナカマ入りも世助けパレードもなかったことになってしまうが、邪神復活後の【プチャラオ村】で発生する【ハッスルじじい・邪】討伐イベントクリア後に行える【プチャラオパレード】におけるパレードの取り巻きとして、一人残らず同じ容姿のまま再登場する。
もちろんキャラモデルの流用というだけで、あくまでプチャラオ村の人々なので全員別人でありオネエではないが。

3DS版

3DS版の3Dモードでは、NPCキャラは同一キャラであっても3Dモデルの細部がPS4版と大幅に異なっているものが多いが、ナカマたちも例外でなく、PS4版での3Dモデルを踏襲しつつ目のパーツや髪の色が違っていたり、容姿自体が全く異なる者が多い。
ちなみに画面内にまったく同じ容姿のナカマが2人同時にいたりするというおっさん呼びと全く同じ現象が起きている。
また、女性らしい仕草やまなざしなどの表現はPS4版よりも薄く、見比べてみると印象はかなり異なる。
 
2Dモードでは全員が同じグラフィックになっている。

DQ11S

追加ストーリー【希望の旅芸人】にて固有の名前を与えられ、NPCとして戦闘に加わる。
ある者は様々な理由で困っていたところを人助けの旅を始めたシルビアに救われ、またある者は人助けを身上とする彼への協力を約束して旅に同行し、彼の信念に感銘を受けた末に世助けパレードのメンバーとなったことが明らかになった。
 
メンバーは【ドテゴロ】【デニス】【モレオ】【イソム】【パンチョ】【トンタオ】【バッチ】【ランス】【レンズ】【コブシ】【イッテツ】の計11名で、ドテゴロからコブシまでの10名は道中でNPCとして戦ってくれる
ストーリー終了時にイッテツがメンバーに加わり、シルビアの世助けパレード計画が始動することになる。
いずれも正真正銘の普通の男性であり、人々の笑顔のために戦うシルビアへの敬愛の念から彼のオネエ口調や物腰を真似始め、改めてシルビアに協力することを誓った。
この様子を見たシルビアは「今日からアナタたちはアタシの仲間…そう、大切なナカマよ!」と大いに喜び、ここからナカマ表記もスタートする。
同じ文章中にわざわざ表記を漢字からカタカナに変更するのも印象的だ。
 
この時点では武器の扱いもろくに知らない盗賊崩れに芸人や学者や神父、更には肩書きにへっぽこ騎士とまで書かれている者までいるが、後々に武闘派揃いとまで呼ばれるようになる辺り、シルビアの指導力と彼らの努力の成果が伺える。
というより、この時点でも物理アタッカー2名に加え呪文攻撃の使い手がいるため火力面は充実、そのうえ味方全員を強化するバッファー要員も複数在籍で、眠りに混乱に守備力低下と補助技も豊富、いざとなれば【ハッスルダンス】【ベホイミ】【かばう】まであるという、個性的ながらもかなりガチな戦闘集団になっている。
オリジナル版と同じように途中で彼らの身を案じてソルティコの町で待機させることになるのだが、サブストーリーでの彼らの強さを見てむしろ最後まで協力してほしかったという声も…。
なお、彼らは内部的にはストーリー中のどのタイミングでも「ソルティコの町のNPC」として扱われており、【縛りプレイ】【町の人にウソをつかれる】を設定していると、プチャラオ村で話し掛けた場合でもソルティコの町限定のウソを言ってくる場合がある。
 
ちなみに魔王討伐直後のソルティコの町の広場で踊っているナカマたちの中に新しいメンバーが数名確認されているが、こちらは名前は不明のままである。
また、パレード結成以前から舎弟としてシルビアに付き添っている【アリス】は、【ナカマよび】で普通に加わってくる上にPS4版ではなぜかオネエ走りで突撃してくるせいか勘違いされがちだが、ナカマには含まれない。
 
なおデータ内には【イッテツ】が作った彼等の武器が世助け隊のウマヤリ、羽根ヤリ、星ヤリ、旗ヤリとして存在している。

世助けパレード

3DS版と11S2Dモードでは各人の容姿と名前が一致しないため、PS4版(DQ11S3Dモード)基準での並びで紹介する。

  • パレード時の隊列
パンチョ
(ダンス)
モレオ
(ダンス)
デニス
(担ぎ手)
トンタオ
(担ぎ手)
コブシ
(ダンス)
シルビア
(お立ち台)
ランス
(ダンス)
レンズ
(担ぎ手)
イソム
(担ぎ手)
ドテゴロ
(笛)
イッテツ
(弦楽器)
バッチ
(小太鼓)

 
お立ち台を兼ねたイッテツ特製の「ラブリーでクールなおみこし」は派手な電飾で彩られており、パレード中はやたらチカチカする。
そしてどデカい馬数匹や羽飾りといった前衛的過ぎるデザインが印象的。
いちおう中央部分に車輪が一つあるため曳いて移動する事も可能と思われるが、これはムービーで確認できるシーンのほとんどで地面に接地しておらず、車輪としての役目を成していない。あくまで「神輿」のようだ。
そのため移動はナカマ達が四隅を担いで、4人体制で腰をフリフリさせながら練り歩くのが基本スタイルである。
本来神輿というのは神を載せて担ぐものであり、人が上に乗ってはいけない決まりもあるのだが、そもそも現実世界のそれと同じものではないので細かくツッコむのも野暮であろう。
2Dモード(3DS版・DQ11S)ではグラフィックの都合上で車輪が四隅についたものになっているが、横幅が橋よりも明らかにデカく何処からかカラフルな紙吹雪が降っている。
 
パレード中は楽器担当3人を先頭に、中央の神輿の周りにダンス担当が陣取っている。
練り歩いてみるとダンス担当は息をぴったり合わせた回転を行うチームワークの良さを見せている。
神輿担ぎ担当は楽しそうに手ぶりを交えているが、よく見ると神輿を肩ではなく二の腕部分で担いでいるため、ほぼ片手の腕力のみで支えている。
公式資料ではシルビアの体重は不明だが、185cmの細マッチョに装飾品がやたら多い神輿を合わせたとなれば総重量100kg越えになるのは確実。
しかも担ぎ手は4人とも戦闘面では肉体派タイプではない面子なのが驚きだ。
また常に腰を振りながら歩くために神輿も常に揺れており、上に乗っているシルビアも見た目以上に姿勢保持が難しいはずなのだが、さすがというべきか、シルビア本人は余裕の表情である。
 
もっとも小太鼓が標準装備のバッチを除けば全員がすべて担当箇所が固定というわけではないらしく、例えば【バハトラ】【ベンガル】に襲われているシーンではイッテツが神輿を担ぎ、ランスとモレオが楽器演奏をしている様子が映る。
他のシーンでも、さっきまで楽器演奏してたと思ったら次のカットでは踊っている、その逆もまた然りという事も良くある。
旅芸人シルビアのナカマだけあって、誰もがどんな役目もこなせるようにという柔軟な考えのもとで鍛えられているのだろう。
 
この時に主人公はイベント入手した【パレードの服】を着せられてるが、自由行動可能になった直後に脱いでしまっても問題ない。
また他のモードのパレード隊は実質NPC扱いで主人公達の真後ろに付いてくるものの、PS4版・11S3Dモードだとメダチャット地方南部の舗装された道から【岬のほら穴】までを結ぶ一本道のルートのみしかパレードできない。
そのため主人公が脇道に逸れたり【キャンプ】に立ち寄ると、その場で立ち往生してしまう事がある。
しかもナカマ達の歩みが非常に遅く、主人公を歩き速度にしてもどんどん距離が離れていく。放っておいてもゲーム進行には問題ないので大丈夫。
また方向転換も前方向に進むか後ろを振り返るかの二つしかなく、主人公をパレード隊の後方に走らせある程度の距離を取ると後ろを振り返るようになる。
この時担ぎ手は神輿ごと半回転するものの他のメンバーはその場で回り右をするだけなので、普段は後方に位置するパンチョとモレオを先頭に、楽器担当3人は後ろという隊列になる。
 
11Sだと更にロウとグレイグの姿がピエロ姿(DQ3の男遊び人)になるという珍事が発生する。元ネタはこちらにて。
突然の出来事ながら仲間の反応は特になく、ピエロ衣装についての説明は皆無でありシルビアやナカマ達との関連性も不明である。
岬のほら穴までの道中に戦闘になるとピエロ衣装のまま戦っているが、【フールフール】戦ではいつの間にか普段の服装に戻っている。
 
プチャラオパレードについては前述の通り過去のナカマ達との因果関係は無いが、外見での並びは上記パレード時と同様である。

余談

一連の追加ストーリーにおいて、「元々シスジェンダー(生まれ持った性別と性同一性が一致している人のこと)だった男性がトランスジェンダーの男性にあこがれてトランスジェンダーに変わる」ととられかねない描写がなされているが、ジェンダーは生来の特性であって、他人への憧れから変わるようなものではないので、誤解なきよう。
シルビアはあくまである女性への憧れからその物腰や口調を真似しだしただけで、ナカマたちも同様に彼に対する憧れと敬意からその振る舞いを真似ているだけ。双方とも【ボイスドラマ】で明かされた経歴やナカマ入り前の姿や言動を見る限りでは明確にシスジェンダーと受け取れる。
ただし、元々潜在的にトランスジェンダーだった人物が社会的要因によってシスジェンダーだと思い込んでいて、何かのきっかけに自分の本来のジェンダーに気づくということは起こりうる。ゲーム中ではさすがにそこまで突っ込んではいないため、結局のところどうなのかまでは断言はできないが(さすがにそこに踏み込んでしまうと批判につながる恐れもあるだろうし、シナリオ的にそこまでツッコむ必要性自体ないだろう)。

元々、ドラクエでは頻繁にオカマをジョークのネタとして使っていたことに比べれば、シルビアの設定回りやナカマ関連のストーリー含め、描写としては配慮されている方だが、誤解の原因になりうるという意味では、少々危うい描写である。(そもそもナカマという言葉が明らかにオカマのもじりであることからして、形を変えたオカマネタであることは明らか)
多様性を重視する昨今の世界的潮流から言えば、創作物の中で同性愛やLGBTQを取り上げる事について当事者側から要望が上がることも多いため、これらの描写も見方を変えれば肯定的に受け止められうるかもしれないが、その一方で当事者側と作り手側、受け手側の温度差から賛否両論や批判に繋がることもあるし、当事者の中でさえ肯定意見があれば否定意見もあったりする……と、かように難しい問題なのである。